30代は、男性にとってキャリアの充実とプライベートの変化が訪れる重要な時期です。20代の頃とは異なり、社会的な立場や責任も増え、外見から伝わる印象がより一層重要になります。特に髪型は、その人の第一印象を大きく左右する要素であり、「清潔感」「信頼感」「品格」といった、ビジネスシーンやプライベートで求められるイメージを演出する上で欠かせません。
しかし、多くの30代男性が「自分に似合う髪型がわからない」「若々しさと大人の落ち着きのバランスをどう取れば良いか」「ビジネスでもプライベートでも通用するスタイルは?」といった悩みを抱えています。トレンドを追いすぎると軽薄に見え、かといって何もしなければ野暮ったく見えてしまうのが、この年代の髪型選びの難しさです。
この記事では、そんな30代男性の髪型に関する悩みを解決するため、ビジネスシーンで好印象を与えつつ、プライベートもおしゃれに決まるヘアスタイルを全30選、徹底的に解説します。髪の長さ別、顔型別、さらには薄毛や白髪といった髪の悩み別に、あなたに最適な髪型を見つけるためのヒントを網羅しました。
この記事を読めば、もう美容室で「いつも通りで」とオーダーする必要はありません。自信を持って自分に似合うスタイルをリクエストし、公私ともに充実した30代を送るための一歩を踏み出せるはずです。
目次
30代の髪型選びで押さえるべき3つのポイント
30代の男性が髪型を選ぶ上で、ただ流行っているから、あるいは楽だからという理由だけで決めてしまうのは避けるべきです。この年代には、20代とは異なる、考慮すべき重要なポイントが3つあります。それは「清潔感」「TPOへの適合性」、そして「大人の品格と若々しさの両立」です。これらのポイントを押さえることで、周囲からの信頼を得て、ビジネスでもプライベートでも好印象を与えることが可能になります。
①清潔感で好印象を与える
30代の髪型において、最も重要視すべき要素は「清潔感」です。これはビジネスシーンに限らず、あらゆる人間関係の土台となる基本的な要素と言えます。どれほど高価なスーツを着ていても、髪がボサボサであったり、フケが目立ったりしていては、相手にだらしない印象を与えてしまいます。逆に、髪型が整っているだけで、誠実さや自己管理能力の高さが伝わり、信頼感に繋がります。
では、具体的に「清潔感のある髪型」とはどのようなものでしょうか。ポイントは以下の通りです。
- 耳周りや襟足がすっきりしていること: 耳に髪がかかっていたり、襟足が伸び放題だったりすると、途端に野暮ったく見えてしまいます。サイドをツーブロックにしたり、襟足を短く刈り上げたりするだけで、驚くほど清潔感がアップします。定期的に(3週間〜1ヶ月に一度)美容室でメンテナンスすることが、清潔感を維持する秘訣です。
- スタイリングされていること: 寝癖のままではなく、ワックスやジェルなどのスタイリング剤を使い、髪の流れを整えることが重要です。たとえ短い髪型であっても、軽く整えるだけで「身だしなみに気を配っている」という印象を与えます。ただし、スタイリング剤のつけすぎはベタつきや不潔感の原因になるため、適量を守りましょう。
- 髪の健康状態: パサつきや枝毛、過度なダメージも清潔感を損なう原因です。日頃からトリートメントなどでヘアケアを心がけ、健康的な髪を保つことも大切です。フケやかゆみがある場合は、スカルプケア用のシャンプーを使用するなど、頭皮環境の改善から始めましょう。
例えば、営業職の男性がクライアントと会う場面を想像してみてください。髪がすっきりと整えられ、爽やかな印象であれば、提案内容にも説得力が増す可能性があります。逆に、無精髭で髪もボサボサであれば、どれだけ素晴らしい提案をしても「この人に任せて大丈夫だろうか」と不安を抱かせてしまうかもしれません。このように、清潔感は、あなたの信頼性やプロフェッショナリズムを無言で語る重要な要素なのです。
②TPOに合わせたスタイルを意識する
TPOとは、Time(時)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字を取った言葉で、その場その場にふさわしい服装や言動を心がけることを意味します。これは髪型にも当てはまります。30代になると、フォーマルな会議、カジュアルな社内ミーティング、休日のアウトドア、友人との食事会など、多様なシーンに対応する必要があります。どんな場面でも通用する万能な髪型を選ぶか、あるいはシーンに合わせてアレンジできる髪型を選ぶことが求められます。
ビジネスシーンで特に好まれるのは、おでこや眉が見える、すっきりとした髪型です。前髪が目にかかっていると、表情が暗く見えたり、相手に不信感を与えたりすることがあります。アップバング(前髪を上げるスタイル)や七三分け、センターパートなどは、快活で知的な印象を与えるため、多くのビジネスマンに支持されています。
一方で、クリエイティブな職種や比較的自由な社風の企業であれば、多少デザイン性の高いパーマスタイルや、長めのミディアムヘアなども許容される場合があります。しかし、その場合でも、最低限の清潔感と、大切な商談やプレゼンの際にはきっちりとセットできる汎用性は確保しておくべきです。
休日は、ビジネスモードから解放され、ファッションや気分に合わせて髪型を楽しむ絶好の機会です。例えば、平日はジェルで固めているショートヘアを、休日はワックスで無造作に動かしてカジュアルダウンさせたり、センターパートの髪を片方にかきあげてセクシーな雰囲気を演出したりと、スタイリング一つで印象を大きく変えられる「2WAYスタイル」は、30代の男性にとって非常に便利です。
具体例として、以下のような使い分けが考えられます。
- 平日のオフィススタイル: アップバングのショートヘアにジェルを使い、サイドをタイトに抑えてフォーマルに。
- 休日のカジュアルスタイル: 同じショートヘアに、マットワックスを揉み込み、トップに動きと束感を出してリラックスした雰囲気に。
このように、TPOを意識した髪型選びとスタイリングは、あなたの社会人としての成熟度を示すだけでなく、オンとオフの切り替えを明確にし、ライフスタイルをより豊かなものにしてくれます。
③大人の品格と若々しさを両立させる
30代の髪型選びで最も難しいのが、この「品格」と「若々しさ」のバランスです。落ち着きを意識しすぎると老けて見え、逆に若さを求めすぎると年相応でない「若作り」な印象を与えてしまいかねません。目指すべきは、経験を積んだ大人の余裕を感じさせつつも、エネルギッシュで現代的なセンスを併せ持つスタイルです。
大人の品格を演出する要素
- ツヤ感: スタイリング剤を選ぶ際に、ジェルやグリース、ツヤ系のワックスなどを使用すると、髪に潤いとまとまりが生まれ、品のある仕上がりになります。パサついた髪は疲れた印象を与えるため、適度なツヤは不可欠です。
- 自然な毛流れ: 作り込みすぎない、あくまで自然な毛流れを意識したスタイリングが品格に繋がります。コームや手ぐしで整えられた、流れるようなシルエットは、洗練された大人の男性像を演出します。七三分けやサイドパートなどがその代表例です。
- シルエットの美しさ: 横から見たときの後頭部の丸みや、正面から見たときの全体のバランスなど、計算された美しいシルエットは、カット技術の高さを感じさせ、品格を漂わせます。
若々しさを取り入れる要素
- 束感と動き: 髪の毛の一部に束感を作ったり、毛先に動きを出したりすることで、ヘアスタイルに立体感が生まれ、軽やかで若々しい印象になります。特にトップに高さを出す(ボリュームを持たせる)と、リフトアップ効果も期待でき、エネルギッシュに見えます。
- さりげないトレンド感: ツーブロックやフェードカット、センターパート、ニュアンスパーマなど、流行の要素をさりげなく取り入れることで、古臭い印象を回避し、時代に合ったセンスの良さを示せます。ただし、あくまで「さりげなく」がポイントです。過度なデザインは避け、ベーシックなスタイルにワンポイントで加える程度が上品です。
- アップバング(前髪上げ): おでこを出すスタイルは、表情を明るく見せ、自信に満ちたアクティブな印象を与えます。若々しさと清潔感を同時に手に入れることができる、30代にとって非常に有効なテクニックです。
品格と若々しさを両立させたスタイルの具体例としては、「ツーブロック×七三分けスタイル」が挙げられます。サイドをツーブロックですっきりと刈り上げることで清潔感と若々しさを出しつつ、トップは七三分けでクラシカルに流すことで大人の品格を保つ。この絶妙なバランスが、30代の魅力を最大限に引き出します。
これらの3つのポイント「清潔感」「TPO」「品格と若々しさの両立」を常に念頭に置くことで、あなたは自分に似合うだけでなく、周囲からも高く評価される理想の髪型を見つけることができるでしょう。
【長さ別】30代メンズにおすすめの髪型30選
ここでは、30代の男性に似合うヘアスタイルを「ベリーショート」「ショート」「ミディアム」の3つのレングスに分けて、合計30種類を厳選してご紹介します。それぞれのスタイルの特徴、セット方法、似合う顔型やファッション、ビジネスシーンでの適性などを詳しく解説します。あなたのライフスタイルや好みに合った、理想の髪型を見つけるための参考にしてください。
【ベリーショート編】おすすめスタイル8選
ベリーショートは、清潔感と爽やかさを最も演出しやすいレングスです。セットが簡単で、ビジネスシーンでも好印象を与えやすいため、多忙な30代男性に特におすすめです。男らしさの中に、さりげないおしゃれ感をプラスするのがポイントです。
① 王道のソフトモヒカン
ソフトモヒカンは、トップに長さを残して高さを出し、サイドを短くカットするスタイルです。男らしさと清潔感を両立できる、まさに王道のベリーショートと言えます。トップの長さを調整することで、ビジネス向けのフォーマルな印象から、休日のカジュアルな印象まで幅広く対応できます。スタイリングは、ワックスをトップに揉み込み、毛束を立たせるだけで完成するため、セットが苦手な方にもおすすめです。
② ツーブロック×ベリーショート
サイドと襟足を刈り上げるツーブロックは、ベリーショートと相性抜群です。刈り上げ部分とトップの髪のコントラストが、シャープで洗練された印象を与えます。刈り上げの高さを変えることで、ナチュラルにも個性的にも調整可能。トップの髪を前に流したり、七三に分けたりとアレンジも自在で、オンオフ問わず活躍する万能スタイルです。
③ おしゃれ坊主・フェードスタイル
単なる坊主ではなく、長さに濃淡をつける「フェードカット」を取り入れたスタイルが「おしゃれ坊主」です。襟足からサイドにかけて、徐々に長くグラデーション状に刈り上げることで、立体的でスタイリッシュなシルエットが生まれます。非常に清潔感があり、手入れも楽なため、ミニマルなスタイルを好む男性に人気です。スーツスタイルにも意外とマッチし、モードな雰囲気を醸し出します。
④ アップバング×ベリーショート
前髪を上げるアップバングは、顔周りを明るく見せ、快活でポジティブな印象を与えます。ベリーショートと組み合わせることで、爽やかさと知的な雰囲気が格段にアップし、ビジネスシーンで絶大な信頼感を得られます。ジェルやグリースでツヤを出しながら前髪を立ち上げ、サイドはタイトに抑えるのが定番のスタイリングです。
⑤ 七三分け×ベリーショート
クラシックな七三分けも、ベリーショートと組み合わせることで現代的なスタイルに昇華します。サイドを短く刈り込み、トップをきっちりと七三に分けることで、誠実さと大人の色気を両立させることができます。ジェルやグリースでウェットな質感に仕上げると、よりフォーマルでドレッシーな印象になります。金融系や士業など、堅実なイメージが求められる職種の方に特におすすめです。
⑥ ジェットモヒカン
ジェットモヒカンは、前髪を根元からしっかりと立ち上げ、鋭く前方に流すスタイルです。シャープな毛束感と躍動感が特徴で、エネルギッシュで若々しい印象を与えます。ソフトモヒカンよりも攻撃的でアクティブな雰囲気があり、プライベートで個性を出したい方や、クリエイティブ系の職種の方に人気です。ハードワックスやジェルでしっかりと形を作り、スプレーでキープするのがセットのコツです。
⑦ 無造作パーマ×ベリーショート
直毛で動きが出にくい方は、ベリーショートに軽いパーマをかけるのがおすすめです。髪に自然な動きと束感が生まれ、スタイリングが格段に楽になります。トップにだけ緩めのパーマをかけることで、やりすぎ感のない、おしゃれで柔らかな雰囲気を演出できます。ウェット系のスタイリング剤を軽く揉み込むだけで、こなれた無造作ヘアが完成します。
⑧ サイドパートショート
サイドパートは、髪を横分けにするスタイルのこと。七三分けよりも分ける位置が自由で、よりナチュラルな印象を与えます。ベリーショートにサイドパートを取り入れると、知的で落ち着いた大人の雰囲気に。前髪を少し下ろしながら流すことで、柔和な印象もプラスできます。シーンを選ばない汎用性の高さが魅力です。
【ショート編】おすすめスタイル15選
ショートヘアは、ベリーショートよりもアレンジの幅が広く、ミディアムよりも手入れが楽という、まさに「良いとこ取り」のレングスです。パーマをかけたり、スタイリングを変えたりすることで、様々な表情を楽しめるのが魅力です。
① ツーブロック×ショート
ショートヘアにおいてもツーブロックは絶大な人気を誇ります。サイドがすっきりすることで、トップの毛量や動きが際立ち、メリハリのあるスタイルが作れます。ビジネスシーンではトップの髪を被せて刈り上げ部分を隠し、休日は耳にかけてツーブロックを見せる、といった2WAYの楽しみ方ができるのも魅力です。
② アップバング×ショート
ショートレングスのアップバングは、ベリーショートよりもトップに長さがある分、よりダイナミックな動きや高さを出すことができ、華やかな印象になります。ジェルでかっちり固めてフォーマルに、ワックスでラフに動かしてカジュアルにと、スタイリング次第で印象を自在に操れます。
③ マッシュショート
マッシュルームのような丸みのあるシルエットが特徴のマッシュスタイル。ショートレングスで取り入れることで、重すぎず軽やかな印象になります。優しく中性的な雰囲気を持ちつつ、前髪の作り方やサイドの処理で男らしさも表現できるため、近年非常に人気の高いスタイルです。特に韓国風のサラサラなマッシュがトレンドです。
④ 七三分けスタイル
ショートレングスの七三分けは、ベリーショートよりも長さがある分、毛流れを強調しやすく、よりクラシカルでエレガントな雰囲気を演出できます。コームを使ってきっちり分ければフォーマルに、手ぐしでラフに分ければカジュアルなビジネススタイルにと、TPOに合わせた調整が可能です。
⑤ ビジネスショート
ビジネスショートとは、特定の髪型を指すのではなく、清潔感があり、誠実な印象を与えるショートスタイルの総称です。具体的には、耳周りや襟足がすっきりしていて、前髪が目にかからず、過度な装飾がないスタイルを指します。アップバングや七三分け、サイドパートなどがベースになることが多いです。迷ったらまず「ビジネスショートで」とオーダーするのも良いでしょう。
⑥ スパイキーショート
髪の毛をツンツンと立たせるのが特徴のスパイキーショート。90年代に流行しましたが、現代風にアップデートされ再注目されています。全体を立たせるのではなく、トップの一部や毛先だけを遊ばせるのが今風。ワイルドでアクティブな印象を与えたい、休日のスタイルにおすすめです。
⑦ クラウドマッシュ
クラウドマッシュは、「雲(クラウド)」のようにふわっとした束感と軽やかな動きが特徴のマッシュスタイルです。通常の Cカールだけでなく、S字のカールなどをミックスさせることで、より立体的で無造作な質感を表現します。パーマをかけると再現しやすくなります。優しく、おしゃれな雰囲気を求める方に最適です。
⑧ センターパート×ショート
おでこの中央で髪を分けるセンターパートは、知的でクールな印象と、アンニュイな色気を両立できる人気のスタイルです。ショートレングスで取り入れると、すっきりとした清潔感が加わり、ビジネスシーンにも対応しやすくなります。ストレートヘアならシャープに、パーマヘアなら柔らかな印象になります。
⑨ ツイストスパイラルパーマ×ショート
ツイスト(ねじり)とスパイラル(螺旋)を組み合わせたパーマです。細かくリッジの効いた立体的なウェーブが生まれ、個性的でエッジの効いたスタイルになります。ショートヘアに施すことで、ボリュームと動きがプラスされ、スタイリングも簡単になります。ファッション感度の高い方におすすめです。
⑩ 波巻きパーマ×ショート
ヘアアイロンで作ったような、平面的で波打つようなウェーブが特徴のパーマです。ツイストスパイラルほど強くなく、自然でこなれた無造作感を演出できます。ショートヘアに合わせることで、重くなりがちなスタイルに軽さと柔らかさを与えてくれます。
⑪ ニュアンスパーマ×ショート
「パーマをかけたか、かけていないか」くらいの、ごくごく自然な動きをプラスするのがニュアンスパーマです。直毛でスタイリングが難しい方や、少しだけ雰囲気を変えたい方に最適。髪に柔らかさと毛流れが生まれ、ワックスを揉み込むだけで簡単にセットが決まります。
⑫ 韓国風カルマパーマ
「カルマ」とは韓国語で「分け目」を意味し、センターパートから外側に流れるような大きなカールが特徴のパーマです。自然でありながら、計算された毛流れが上品で色気のある雰囲気を醸し出します。コンマヘアと並び、韓国風ヘアの代表格です。
⑬ かきあげショート
前髪を根元から大胆にかきあげて、サイドに流すスタイル。ワイルドな男らしさと、大人の色気を最大限に引き出すことができます。ショートレングスなら、長すぎず爽やかな印象もキープできます。おでこを出すことで、自信に満ちた印象を与えます。
⑭ マット系ショート
スタイリング剤にマットワックスを使い、ツヤを抑えたドライな質感で仕上げるショートスタイル。作り込みすぎていない、ラフで自然な雰囲気が魅力です。カジュアルなファッションとの相性が良く、気取らないおしゃれ感を演出できます。
⑮ 黒髪ショート
あえてカラーリングをせず、地毛の黒髪を活かしたショートスタイル。黒髪は誠実さや清潔感、そして日本人らしい凛とした印象を与えます。カットラインや質感が際立つため、美容師の技術力が試されるスタイルでもあります。ツヤ系のスタイリング剤でまとめればビジネスに、マット系で動かせばカジュアルにと、スタイリングで印象をコントロールできます。
【ミディアム編】おすすめスタイル7選
ミディアムヘアは、ショートよりもさらに表現の幅が広がり、大人の色気やアンニュイな雰囲気を演出しやすいレングスです。ただし、一歩間違えると清潔感を損ないやすいため、手入れやスタイリングが重要になります。
① センターパート×ミディアム
ミディアムレングスのセンターパートは、ショートよりも髪の長さがある分、より優雅で落ち着いた雰囲気になります。ストレートでサラッと流せば知的でクールに、パーマで動きをつければ柔らかくセクシーな印象に。顔周りの髪が輪郭をカバーしてくれるため、小顔効果も期待できます。
② ツーブロック×ミディアムパーマ
重くなりがちなミディアムヘアも、サイドをツーブロックにすることで、すっきりとした軽さとメリハリが生まれます。トップから後頭部にかけてパーマで動きを出すことで、スタイリングも簡単になり、おしゃれ感もアップ。清潔感とデザイン性を両立したい30代にぴったりのスタイルです。
③ 韓国風コンマヘア
前髪がアルファベットの「コンマ(,)」のように、内側にカールしているのが特徴のスタイル。さりげないデザイン性が高く、おしゃれで知的な印象を与えます。ミディアムレングスで取り入れると、より自然で大人っぽい雰囲気に仕上がります。センターパートからのアレンジとしても人気です。
④ 無造作ミディアム
作り込みすぎない、ラフで自然な動きのあるミディアムスタイル。パーマをゆるくかけたり、スタイリング剤を揉み込むだけで作れる、こなれた雰囲気が魅力です。ただし、清潔感を損なわないよう、パサつきを抑えるオイルやツヤの出るワックスを使うのがポイントです。
⑤ ビジネスミディアム
ミディアムヘアをビジネスシーンで取り入れる場合は、清潔感が絶対条件です。前髪はセンターパートや七三分け、かきあげスタイルなどでおでこを見せ、サイドは耳にかからないように流すか、ツーブロックですっきりとさせましょう。ジェルやグリースでツヤとまとまりを出すことで、だらしない印象を回避できます。
⑥ ウルフカット×ミディアム
トップは丸みを残して短めに、襟足は長めに残すウルフカット。ミディアムレングスで取り入れると、個性的でありながらも洗練された雰囲気に。襟足の長さを調整することで、ナチュラルにもモードにも振ることができます。パーマを組み合わせて動きを出すと、より現代的なスタイルになります。
⑦ かきあげミディアム
ミディアムレングスのかきあげスタイルは、ショートよりも髪の動きが大きくなり、よりワイルドでセクシーな印象を強めます。長めの前髪が顔にかかることで生まれる陰影が、大人の色気を演出。休日のジャケットスタイルや、少しドレッシーな場面で映える髪型です。
【顔型別】自分に似合う髪型の見つけ方
自分に似合う髪型を見つける上で、髪の長さやデザインと同じくらい重要なのが「顔型」との相性です。自分の顔型を理解し、その特徴を活かしたり、逆にカバーしたりする髪型を選ぶことで、全体のバランスが整い、より魅力的に見せることができます。ここでは、代表的な4つの顔型別に、似合う髪型のポイントを解説します。
丸顔さんに似合う髪型
丸顔さんは、顔の縦と横の長さがほぼ同じで、あごのラインが丸みを帯びているのが特徴です。優しく、若々しい印象を与えますが、一方で幼く見えたり、顔が大きく見えたりするのを気にされる方もいます。
似合わせのポイントは「縦のラインを強調すること」です。
- トップに高さを出す: ソフトモヒカンやアップバングのように、トップの髪を立たせるスタイルで縦の長さをプラスしましょう。視線が上に集まることで、顔の丸みが緩和されます。
- サイドはタイトに: サイドのボリュームは、顔の横幅を強調してしまうため、ツーブロックや刈り上げでタイトに抑えるのが効果的です。もみあげをシャープに残すのも良いでしょう。
- 前髪でおでこを見せる: 前髪を下ろすと顔の面積が狭まり、丸さが強調されがちです。アップバングやセンターパート、七三分けなどでおでこを見せ、縦の抜け感を作りましょう。
おすすめのスタイル: アップバングショート、ソフトモヒカン、ツーブロック×七三分け
避けた方が良いスタイル: 重めのマッシュ、横に広がるパーマスタイル、ぱっつん前髪
面長さんに似合う髪型
面長さんは、顔の横幅に比べて縦の長さが目立つのが特徴です。クールで大人っぽい印象を与えますが、間延びして見えたり、老けて見られたりすることを気にされる方もいます。
似合わせのポイントは「ひし形シルエットを意識し、横のボリュームを出すこと」です。
- サイドにボリュームを出す: 面長さんは丸顔さんとは逆に、サイドにボリュームを持たせることで、縦の長さをカバーできます。マッシュスタイルや、サイドに動きを出すパーマなどが有効です。
- トップの高さは控えめに: トップを高くしすぎると、さらに顔の長さが強調されてしまいます。ボリュームはトップではなく、ハチ(頭のてっぺんの少し横)周りに出すことを意識しましょう。
- 前髪を作る: 前髪を下ろすことで、顔の見える面積を調整し、縦の長さを短く見せる効果があります。重すぎない、少し隙間のある前髪や、斜めに流すスタイルがおすすめです。センターパートも、分け目を少しサイドにずらすとバランスが良くなります。
おすすめのスタイル: マッシュショート、クラウドマッシュ、センターパート(前髪長め)、ニュアンスパーマ
避けた方が良いスタイル: 極端なベリーショート、トップを高くしたソフトモヒカン、サイドをタイトに刈り上げすぎたスタイル
ベース型(エラ張り)さんに似合う髪型
ベース型さんは、エラやハチが張っていて、フェイスラインが角ばっているのが特徴です。男性的で意志の強そうな印象を与えますが、顔が大きく見えたり、少し威圧的に見えたりすることを気にされる方もいます。
似合わせのポイントは「顔周りの髪で輪郭をカバーし、ひし形シルエットを作る」ことです。
- 顔周りに動きのある毛束を作る: エラが気になる部分に、パーマなどで動きをつけた毛束をかけることで、輪郭を自然にぼかすことができます。長めの前髪をサイドに流すスタイルも効果的です。
- トップに高さを出す: 視線を上に誘導するために、トップにボリュームを持たせましょう。エラから視線を逸らし、全体のバランスを整える効果があります。
- ひし形シルエットを目指す: トップにボリュームを出し、サイドはハチ周りにボリュームを持たせ、襟足はすっきりとさせる「ひし形」のシルエットを作ることが理想です。これにより、エラの張りが目立たなくなります。
おすすめのスタイル: 無造作パーマショート、ミディアムウルフ、かきあげスタイル、サイドパート
避けた方が良いスタイル: エラ周りがすっきりしすぎるベリーショート、顔のラインが全て出るオールバック
逆三角形さんに似合う髪型
逆三角形さんは、ハチ周りが広く、あごに向かってシャープになっていくのが特徴です。知的でクールな印象を与えますが、ハチが張って見えたり、あごのシャープさから少し冷たい印象を与えたりすることを気にされる方もいます。
似合わせのポイントは「ハチ周りのボリュームを抑え、あご周りに動きを出すこと」です。
- トップに高さを出す: ハチの広さから視線を逸らすため、トップに高さを出して縦のラインを強調するのが有効です。
- ハチ周りはタイトに: ハチが張っている部分のボリュームは、カットやスタイリングで抑えましょう。ツーブロックで刈り込むのも一つの手ですが、刈り上げすぎるとハチが強調される場合もあるため、美容師さんと相談が必要です。
- パーマで柔らかさをプラス: シャープな輪郭を和らげるために、襟足や顔周りにパーマで動きを出し、柔らかいボリュームを持たせるのがおすすめです。ミディアムレングスとの相性が良い顔型です。
おすすめのスタイル: ニュアンスパーマミディアム、センターパート、マッシュウルフ
避けた方が良いスタイル: ハチ周りにボリュームが出るスタイル、トップがぺたんこなスタイル
自分の顔型がわからない場合は、美容師さんに相談してみるのが一番です。プロの視点から、あなたの骨格に最適な髪型を提案してくれるでしょう。
【お悩み別】30代の髪の悩みをカバーするヘアスタイル
30代になると、20代の頃にはなかった髪の悩みに直面することが増えてきます。薄毛や白髪、髪質の変化など、デリケートな問題だからこそ、髪型でうまくカバーし、自信を持ちたいものです。ここでは、30代男性が抱えがちな髪の悩み別に、おすすめのヘアスタイルや対策をご紹介します。
薄毛・M字が気になる方向けの髪型
薄毛やM字部分の後退は、多くの男性にとって深刻な悩みです。しかし、隠そうとして中途半端に長い髪を残すのは逆効果。かえって薄い部分が目立ってしまいます。基本戦略は「短くして馴染ませる」ことです。
- ベリーショート・おしゃれ坊主: 全体を短くすることで、薄い部分と濃い部分のコントラストが弱まり、薄毛が目立ちにくくなります。特にサイドからグラデーションで刈り上げるフェードスタイルは、視線がサイドの刈り上げ部分に集まるため、頭頂部の薄さをカバーする効果も期待できます。
- ソフトモヒカン・アップバング: M字部分が気になる場合は、前髪を潔く上げてしまうのがおすすめです。サイドは短くし、トップに高さを出すことで、視線を中央に集め、M字部分から逸らすことができます。スタイリングでトップにボリュームを出すと、さらに効果的です。
- パーマをかける: 髪が細く、ボリュームが出にくい場合は、トップに軽いパーマをかけるのも有効です。髪がふんわりと立ち上がりやすくなり、地肌の透け感をカバーできます。
重要なのは、清潔感を保ち、堂々としていることです。短く爽やかな髪型は、薄毛をカバーしつつ、ポジティブでエネルギッシュな印象を与えます。
白髪が気になる方向けの髪型・ヘアカラー
白髪は、大人の貫禄や渋さを演出する要素にもなり得ますが、生え方によっては老けて見えたり、疲れた印象を与えたりします。
- 白髪を活かすスタイル: 白髪が全体に均等に生えている場合は、あえて染めずに「グレイヘア」として活かすのも一つの選択肢です。その際は、ベリーショートやツーブロックなど、短く清潔感のあるスタイルにすると、スタイリッシュで品のある「ロマンスグレー」の印象になります。ツヤの出るグリースやジェルでスタイリングすると、白髪のパサつきが抑えられ、より洗練されます。
- 白髪を目立たなくするヘアカラー: 白髪がまだらに生えていて気になる場合は、ヘアカラーで対応しましょう。黒く染めすぎると、新しく生えてきた白髪とのコントラストが目立ち、不自然に見えることがあります。おすすめは、アッシュ系やマット系などの寒色系のカラーです。これらの色は、白髪を自然にぼかしながら、透明感と柔らかさを与えてくれます。また、ハイライト(部分的に明るい色を入れる)を入れて、白髪をデザインの一部としてカモフラージュするテクニックも有効です。
くせ毛・天然パーマを活かす髪型
くせ毛や天然パーマは、湿気で広がったり、まとまりにくかったりと悩みの種になりがちですが、見方を変えれば、直毛にはない「動き」や「柔らかさ」という大きな武器になります。
- ツーブロックスタイル: サイドの広がりが気になる場合は、ツーブロックで刈り上げてしまうのが最も手っ取り早く、効果的な解決策です。トップのくせ毛はそのまま活かすことで、メリハリのあるおしゃれなパーマ風スタイルが完成します。
- マッシュスタイル: 丸みのあるマッシュスタイルは、くせ毛の柔らかな質感を活かすのに最適です。くせによる自然なボリュームが、立体的なシルエットを作ってくれます。
- ミディアムスタイル: ある程度の長さを残したミディアムヘアも、くせ毛を活かしやすいスタイルです。髪自体の重みで広がりが抑えられ、無造作で色気のある雰囲気を演出できます。スタイリング剤は、オイルやクリームなど、潤いを与えながらまとまりを出すタイプがおすすめです。
重要なのは、くせを抑えつけるのではなく、くせの動きを計算してカットしてくれる美容師を見つけることです。
直毛で動きが出にくい方向けの髪型
直毛は、ツヤが出やすく清潔感を出しやすい反面、髪が硬く、動きが出にくいため、スタイリングがワンパターンになりがちです。
- パーマをかける: 最も効果的な解決策はパーマです。ツイストスパイラルや波巻きのようなデザイン性の高いパーマはもちろん、スタイリングをしやすくするためのごく緩い「ニュアンスパーマ」だけでも、髪が扱いやすくなり、雰囲気が大きく変わります。
- レイヤーカット・スライドカット: 髪の表面や内側に段差(レイヤー)を入れたり、毛束を削ぐようにカット(スライドカット)したりすることで、髪に軽さと動きを出すことができます。これにより、ワックスなどをつけた際に毛束感が作りやすくなります。
- 束感を意識したスタイリング: スタイリング剤は、ハードワックスやファイバーワックスなど、セット力が高く、束感を作りやすいタイプを選びましょう。髪を一度濡らしてドライヤーで乾かす際に、根元を立ち上げるように乾かすと、ボリュームと動きが出やすくなります。
髪のボリュームを調整したい方向けの髪型
髪の量が多い、または少ないという悩みも、カットやスタイリングで調整することが可能です。
- ボリュームを抑えたい(多毛)場合:
- ツーブロック: サイドや内側の髪を刈り上げることで、物理的に毛量を減らし、全体のボリュームを劇的に抑えることができます。
- レイヤー・セニング: 髪の内側をすきバサミ(セニング)で軽くしてもらうことで、見た目の長さを変えずにボリュームダウンできます。ただし、すきすぎるとかえってまとまりにくくなるため、注意が必要です。
- 重めのスタイル: あえて重さを残したミディアムヘアやマッシュスタイルは、髪の重みで広がりを抑える効果があります。
- ボリュームを出したい(軟毛・細毛)場合:
- パーマ: 根元からパーマをかけることで、髪が立ち上がりやすくなり、ふんわりとしたボリュームが生まれます。
- ショートレイヤー: トップにレイヤーを入れて短くすることで、髪が軽くなり、立ち上がりやすくなります。後頭部に丸みを持たせるようなカットも、絶壁をカバーし、ボリュームがあるように見せる効果があります。
- ドライヤーテクニック: 髪を乾かす際に、根元を下から持ち上げるように、または髪の流れと逆方向に風を当てることで、根元が立ち上がり、ボリュームアップします。
自分の髪の悩みを正直に美容師に伝え、最適な解決策を一緒に探していくことが、理想の髪型への近道です。
ヘアスタイルを格上げするスタイリング剤の選び方
せっかく美容室で完璧な髪型にしてもらっても、自宅でのスタイリングがうまくいかなければ意味がありません。理想の質感を再現し、一日中キープするためには、自分の髪型や髪質に合ったスタイリング剤を選ぶことが不可欠です。ここでは、代表的なスタイリング剤の種類と特徴、おすすめの髪型を解説します。
スタイリング剤 | セット力 | ツヤ | 特徴 | おすすめの髪型 |
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ヘアワックス | 弱〜強 | 無〜強 | 最も一般的。種類が豊富で、束感、動き、ボリューム調整など万能。 | ショート全般、パーマスタイル、マッシュ |
ヘアジェル | 強 | 強 | ウェットな質感と強いホールド力。速乾性でパリッと固まる。 | ベリーショート、アップバング、七三分け |
ヘアグリース | 中〜強 | 強 | ジェルに似たウェット感だが、再整髪が可能。ツヤとまとまりを重視。 | ツーブロック、オールバック、サイドパート |
ヘアスプレー | 弱〜強 | 無〜強 | 仕上げに使い、スタイルを固定・キープする。湿気や風から髪を守る。 | 全てのスタイルの仕上げ |
ヘアムース | 弱〜中 | 有 | 泡状で髪に馴染ませやすい。パーマのウェーブを綺麗に出すのに最適。 | パーマスタイル全般、くせ毛活かし |
ヘアワックス
最もポピュラーで、種類も豊富なスタイリング剤です。ファイバータイプ、クレイ(マット)タイプ、クリームタイプなど、セット力やツヤの有無によって様々な製品があり、なりたいスタイルに合わせて選べます。
- 特徴: 髪に動きや束感をつけたり、ボリュームを出したり抑えたりと、幅広い表現が可能です。ジェルやグリースと違って固まらないため、手直しがしやすいのもメリットです。
- 選び方:
- ショートで動きを出したい: セット力の高いハードワックス、ファイバーワックス
- 自然な無造作感を出したい: ツヤのないマット(クレイ)ワックス
- パーマやミディアムヘア: 伸びが良く、まとまりやすいクリームワックス、ソフトワックス
- 使い方: 少量を手のひらでよく伸ばし、透明になってから髪全体に揉み込むように馴染ませます。その後、指先で毛束をつまんだり、シルエットを整えたりして仕上げます。
ヘアジェル
濡れたようなツヤ感(ウェット感)と、強力なホールド力が特徴です。髪をパリッと固めて、一日中スタイルを崩したくない場合に最適です。
- 特徴: 速乾性が高く、一度固まると手直しは難しいですが、その分キープ力は抜群です。清潔感やフォーマル感を演出したいビジネスシーンで特に重宝します。
- 選び方: 基本的にセット力は強いものが多いですが、ハード、スーパーハードなど段階があります。好みの固まり具合で選びましょう。
- 使い方: 乾いた髪、またはハーフウェットの状態で使用します。適量を手にとり、髪の表面を撫でつけるように、または毛流れに沿って塗布します。コームを使うと、よりきれいに仕上がります。
ヘアグリース
ジェルと同様に強いツヤ感とウェットな質感を作れますが、ジェルと違ってパリパリに固まらないのが最大の特徴です。
- 特徴: 水溶性(ウォーターベース)のものが多く、シャンプーで簡単に洗い流せます。固まらないため、一日の中で何度でも手ぐしで再整髪(リスタイリング)が可能です。七三分けやオールバック、サイドパートといった、クラシカルでタイトなスタイルと非常に相性が良いです。
- 選び方: セット力の強さで選びます。柔らかい髪ならソフトタイプ、硬い髪やしっかり抑えたい場合はハードタイプを選びましょう。
- 使い方: ジェルと同様に、髪に直接つけてコームや手ぐしで毛流れを整えます。ツヤ感を最大限に活かすのがポイントです。
ヘアスプレー
ワックスやジェルなどで作ったスタイルを、最後に固めてキープするための仕上げ剤です。
- 特徴: 湿気や風から髪を守り、スタイルの持続性を高めます。ハードタイプはがっちり固定、ソフト(アレンジ)タイプはふんわり感を保ちながらキープするなど、用途に応じた種類があります。ツヤ出し効果のあるスプレーもあります。
- 選び方:
- 作ったスタイルを絶対崩したくない: ハードスプレー
- 自然な動きや柔らかさを残したい: ソフトスプレー
- 使い方: 髪から20cmほど離して、全体に均一に、またはキープしたい部分に集中的に吹きかけます。かけすぎると不自然なテカリやゴワつきの原因になるので注意が必要です。
ヘアムース
泡状で出てくるスタイリング剤で、水分を多く含んでいるのが特徴です。髪全体に均一に馴染ませやすいです。
- 特徴: 特にパーマヘアとの相性が抜群です。濡れた髪につけて自然乾燥させると、パーマのウェーブやカールがくっきりと再現され、パサつきも抑えられます。くせ毛を活かすスタイリングにも適しています。
- 選び方: ウェットタイプ、ハードタイプ、ソフトタイプなどがあります。パーマをくっきり出したいならウェット、ふんわりさせたいならソフトを選びましょう。
- 使い方: タオルドライ後の少し濡れた髪に使うのが基本です。ピンポン玉くらいの量を手にとり、髪に揉み込むようにして馴染ませます。
これらのスタイリング剤を1種類だけでなく、例えばワックスで形を作った後にスプレーでキープするなど、組み合わせて使うことで、より高度なスタイリングが可能になります。
30代メンズの髪型に関するよくある質問
最後に、30代の男性からよく寄せられる髪型に関する質問とその回答をまとめました。美容室でのオーダーや日々のスタイリングの参考にしてください。
Q. 40代になっても似合う髪型はありますか?
A. はい、あります。30代で似合う髪型の多くは、40代になっても通用します。
特に、この記事で紹介したような「清潔感」と「品格」をベースにしたスタイルは、年齢を重ねるごとにむしろ説得力を増していきます。
具体的には、以下のようなスタイルがおすすめです。
- ベリーショート・フェードスタイル: 年齢を問わず清潔感を演出しやすく、髪質の変化(薄毛や白髪)にも対応しやすい万能スタイルです。
- ツーブロック×七三分け/サイドパート: 大人の落ち着きと現代的なセンスを両立できる定番スタイル。40代の貫禄を上品に引き立ててくれます。
- ビジネスショート(アップバング): 快活で信頼感のある印象は、責任ある立場になることが多い40代にとって、さらに重要な要素となります。
40代になると、髪のボリュームが減ったり、白髪が増えたりと、30代とはまた違った悩みが出てくる可能性があります。その際は、パーマでボリュームを補ったり、白髪を活かすグレイヘアに挑戦したりと、その時々の自分の状態に合わせてマイナーチェンジを加えていくことが、長く似合う髪型を維持するコツです。ベースとなる髪型は変えずに、スタイリング剤をツヤのあるものに変えて品格をプラスするなど、微調整を楽しみましょう。
Q. セットが苦手でも簡単な髪型は?
A. セットが苦手な方、朝の時間を短縮したい方には、カットだけで形が決まりやすい髪型がおすすめです。
具体的には、以下の3つのスタイルが挙げられます。
- ベリーショート全般(ソフトモヒカン、フェードなど): 髪が短い分、寝癖がつきにくく、たとえついても水で濡らして乾かすだけでリセットできます。スタイリング剤を軽くつけるだけでサマになるため、最も手間がかかりません。
- パーマスタイル: 直毛で動きが出にくい方が無理にアイロンやワックスで動きを出そうとすると、時間も技術も必要になります。あらかじめパーマをかけておけば、朝は髪を濡らして、ムースやワックスを揉み込むだけでスタイルが再現できます。一見手間がかかりそうですが、結果的に日々のセットは格段に楽になります。
- ツーブロックスタイル: サイドと襟足が常にすっきりしているため、全体のシルエットがまとまりやすく、清潔感を保ちやすいです。トップの髪を整えるだけでスタイルが完成するため、スタイリングの範囲が限定され、簡単です。
これらのスタイルに共通するのは、「美容室でのベース作りが重要」ということです。再現性の高いカットをしてもらえれば、日々のスタイリングは驚くほど簡単になります。
Q. 30代におすすめのヘアカラーはありますか?
A. はい、あります。30代のヘアカラーは、派手さよりも「品」と「清潔感」を重視するのがポイントです。
職場環境にもよりますが、基本的には地毛に近い、落ち着いたトーンが好まれます。
- ダークブラウン系(6〜8レベル): 最も定番で失敗のないカラーです。黒髪よりも少し明るくすることで、髪に柔らかさと軽さが出て、表情も明るく見えます。黒髪が重く見えがちな方におすすめです。
- アッシュ系・マット系: 赤みを抑えた寒色系のカラーです。透明感とクールな印象を与え、白髪を自然にぼかす効果もあります。派手になりすぎず、さりげなくおしゃれな雰囲気を演出したい方に人気です。
- グレージュ(グレー+ベージュ): アッシュ系よりもさらに柔らかく、上品な印象を与えるカラーです。肌なじみが良く、洗練された大人の余裕を感じさせます。
逆に、ブリーチを必要とするようなハイトーンカラーや、ビビッドな原色系のカラーは、ビジネスシーンには不向きな場合が多く、若作りな印象を与えかねないため、TPOをよく考えて選択する必要があります。もしカラーをする場合は、「さりげない明るさ」「上品な色味」をキーワードに、美容師さんと相談してみましょう。
Q. 美容室で髪型をオーダーするときのポイントは?
A. 理想の髪型を的確に伝え、満足のいく仕上がりにするためには、事前の準備とコミュニケーションが重要です。
以下のポイントを意識してみてください。
- 写真を見せるのが最も確実: 言葉だけでニュアンスを伝えるのは非常に困難です。「少し短く」や「軽めに」といった表現は、人によって解釈が異なります。なりたい髪型の写真を、正面・サイド・後ろの3方向から用意していくのが理想です。スマートフォンの画面で見せるだけで構いません。
- 「なりたいイメージ」と「NGなこと」を伝える: 写真に加えて、「清潔感のある感じにしたい」「若々しく見せたい」といった抽象的なイメージや、「おでこはあまり出したくない」「サイドは刈り上げたくない」といったやってほしくないことを具体的に伝えると、美容師さんはよりあなたの好みを理解しやすくなります。
- 髪の悩みを正直に伝える: 「最近、トップのボリュームが気になって…」「M字部分をカバーしたい」「セットが苦手で…」など、自分の髪の悩みやライフスタイルを正直に話しましょう。 プロである美容師は、その悩みを解決するための最適なスタイルやスタイリング方法を提案してくれます。
- 「おまかせで」は最終手段: 信頼できる行きつけの美容師さんであれば「おまかせ」も良いですが、初めての美容室や、明確なイメージがないまま「おまかせ」にすると、意図しない髪型になるリスクがあります。少なくとも、好きな雰囲気や普段の服装などを伝え、ヒントを与えるようにしましょう。
良い髪型は、良いコミュニケーションから生まれます。恥ずかしがらずに、自分の希望や悩みをしっかりと伝えることが、理想の自分に近づくための一番の近道です。