初心者向けメンズメイク用品おすすめ20選 これさえあればOK

初心者向けメンズメイク用品おすすめ、これさえあればOK

近年、男性の美容意識の高まりとともに、メンズメイクは特別なものではなく、身だしなみの一環として急速に普及しています。ビジネスシーンでの第一印象アップや、プライベートでのコンプレックス解消など、その目的は多岐にわたります。しかし、いざ始めようと思っても「何からそろえればいいの?」「どうやって使えばいい?」「周りにバレたくない」といった悩みや不安を抱える初心者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなメンズメイク初心者のために、必要な基本アイテムから失敗しない選び方、誰でも簡単にできるメイク手順、そして具体的なおすすめ商品までを網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたも自信を持ってメンズメイクの第一歩を踏み出せるはずです。

メンズメイクとは?

メンズメイクとは?

メンズメイクとは、男性が自身の肌の悩みやコンプレックスをカバーし、より清潔感のある健康的な印象を与えるために行うメイクのことを指します。女性のメイクが、色や質感を加えて華やかさや個性を「装飾」する側面が強いのに対し、メンズメイクの多くは、元々の顔立ちや肌質を活かしながら、マイナス要素を「補正」することに主眼が置かれています。

具体的には、BBクリームやファンデーションで肌の色ムラや毛穴を整え、コンシーラーでニキビ跡やクマ、青ひげなどを隠し、アイブロウで眉の形を整えるといった工程が中心です。その目的は、メイクをしていると気づかれないほど自然でありながら、「なんだか今日、肌が綺麗だね」「スッキリして見えるね」といった印象を与えることにあります。

この背景には、社会的な価値観の変化が大きく影響しています。ジェンダーレスの考え方が浸透し、男性も美容に関心を持つことが当たり前になりつつあります。また、オンライン会議やSNSの普及により、自分の顔を見る機会が増えたことも、美意識の向上に繋がっています。ビジネスの世界では、清潔感のある第一印象が信頼感や説得力に直結するため、自己投資としてメンズメイクを取り入れるビジネスパーソンも少なくありません。

市場調査会社の富士経済が発表した調査によると、メンズコスメティックス市場は年々拡大傾向にあります。これは、男性の美容に対する需要が着実に高まっていることの証左と言えるでしょう。(参照:株式会社富士経済)

初心者が抱えがちな「何から始めればいいかわからない」「周りの目が気になる」といった心理的なハードルは、正しい知識と手順を学ぶことで乗り越えられます。メンズメイクは、決して難しいものでも、恥ずかしいものでもありません。むしろ、自分をより良く見せ、自信を持って毎日を過ごすための強力なツールとなり得るのです。

この記事では、そんなメンズメイクの世界へ踏み出すあなたを、基本の「き」から丁寧にサポートします。まずは、メンズメイクがもたらす具体的なメリットから見ていきましょう。

メンズメイクをする3つのメリット

清潔感がアップし第一印象が良くなる、ニキビ跡やクマなどの肌悩みをカバーできる、自分に自信が持てる

メンズメイクを始めることで、見た目の変化だけでなく、内面にも多くのポジティブな影響がもたらされます。ここでは、代表的な3つのメリットを深掘りして解説します。

① 清潔感がアップし第一印象が良くなる

第一印象は、ビジネスやプライベートにおける人間関係の第一歩を大きく左右します。心理学における「メラビアンの法則」では、人がコミュニケーションにおいて影響を受ける要素は「視覚情報」が55%を占めるとされています。つまり、話の内容や声のトーンよりも、見た目が相手に与える印象の方が大きいのです。

メンズメイクは、この視覚情報をコントロールし、清潔感を格段にアップさせる効果があります。

  • 肌の色ムラ補正: BBクリームやファンデーションで肌の色を均一に整えることで、健康的で整った印象を与えます。赤みや黄ぐすみがカバーされ、肌全体が明るく見えます。
  • テカリ・ベタつきの防止: フェイスパウダーを使うことで、男性に多い皮脂によるテカリを抑え、サラサラの肌を長時間キープできます。清潔感の有無は、この「テカリ」に大きく左右されると言っても過言ではありません。
  • クマや青ひげのカバー: 疲れた印象や不健康な印象を与える目の下のクマや、剃り跡が目立つ青ひげをコンシーラーでカバーするだけで、顔全体がパッと明るく、精悍な印象に変わります。
  • 整った眉: アイブロウで眉の形を少し整えるだけで、顔の輪郭がはっきりとし、知性的で意志の強い印象を与えられます。「眉は顔の額縁」と言われるほど、眉が与える影響は大きいのです。

これらの効果により、例えば重要な商談やプレゼンテーション、採用面接といったビジネスシーンでは、相手に「しっかり自己管理ができている」「信頼できそうだ」という好印象を与え、交渉や評価を有利に進める一助となります。また、デートや初対面の人と会うプライベートな場面でも、清潔感は相手に安心感と好感を与え、円滑なコミュニケーションの土台を築いてくれるでしょう。メンズメイクは、いわば「見えないスーツ」のようなものであり、自分をプロフェッショナルに見せるための戦略的なツールなのです。

② ニキビ跡やクマなどの肌悩みをカバーできる

多くの男性が、ニキビやその跡、シミ、毛穴の開き、目の下のクマ、青ひげといった、何かしらの肌悩みを抱えています。これらの悩みは、セルフケアだけではすぐに改善が難しく、長年のコンプレックスになっているケースも少なくありません。

メンズメイクは、これらの肌悩みをピンポイントかつ即時的にカバーできるという大きなメリットがあります。

  • ニキビ・ニキビ跡・シミ: カバー力の高いコンシーラーを使えば、気になる部分を自然に隠すことができます。広範囲にわたる場合は、ファンデーションを重ねることで、より均一な肌に仕上げられます。
  • 毛穴の開き・凹凸: 毛穴の凹凸を埋めてなめらかに見せる効果のある化粧下地(プライマー)や、光を拡散させて毛穴を目立たなくするBBクリームが有効です。
  • 目の下のクマ: クマには種類があり、血行不良による「青クマ」、色素沈着による「茶クマ」、加齢によるたるみが原因の「黒クマ」などがあります。それぞれの色味に合わせて、例えば青クマにはオレンジ系のコンシーラーを使うなど、色で打ち消す「補色」のテクニックを用いると、より効果的にカバーできます。
  • 青ひげ: 夕方になると目立ってくる青ひげも、オレンジ系のコンシーラーで色を中和してからBBクリームを重ねることで、自然に隠すことが可能です。

これらの悩みがカバーされることで、鏡を見るたびに感じていた憂鬱な気分が解消され、精神的な負担が軽くなります。肌が綺麗に見えることで、人との距離が近くなることへの抵抗感がなくなり、より積極的にコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

ただし、忘れてはならないのが、メイクはあくまで「カバー」であり、根本的な解決策ではないということです。メイクで悩みを隠しつつ、日々の正しい洗顔や保湿といったスキンケアを継続し、肌そのものを健康な状態に導いていくことが、長期的な視点では最も重要です。

③ 自分に自信が持てる

外見が整うことは、内面に計り知れないポジティブな影響を与えます。メンズメイクによって肌悩みがカバーされ、清潔感のある自分を手に入れると、自然と自分自身に対する肯定感、すなわち「自己肯定感」が高まります。

  • ポジティブな気分の喚起: 鏡に映る自分の姿が「いつもより良い」と感じるだけで、その日一日を前向きな気分でスタートできます。この小さな成功体験の積み重ねが、日々のモチベーションを向上させます。
  • 行動の変化: 自分に自信が持てるようになると、人前に出るのが楽しくなったり、人の目を見てハキハキと話せるようになったりします。これまで少し気後れしていた場面でも、堂々と振る舞えるようになるでしょう。プレゼンテーションで説得力が増したり、会議で積極的に発言できるようになったりといった、ビジネスにおけるパフォーマンス向上にも繋がります。
  • セルフケア意識の向上: メイクを始めると、その土台となる肌の状態にも自然と意識が向かうようになります。スキンケアに力を入れたり、食生活や睡眠に気を配ったりと、自分自身を大切に扱う習慣が身につきます。この「自分をケアする」という行為そのものが、自己肯定感を育む上で非常に重要なプロセスです。

つまり、メンズメイクは単に見た目を整えるだけでなく、内面から湧き出る自信を引き出し、行動を変え、人生をより豊かにするためのきっかけとなり得るのです。コンプレックスを隠すというネガティブな動機から始めたとしても、その先には、新しい自分を発見し、より積極的に人生を楽しむというポジティブな未来が待っています。

メンズメイクを始める前の準備

本格的なメイク用品をそろえる前に、非常に重要な準備が2つあります。それは「スキンケアで土台を整えること」と「自分の肌質と肌色を把握すること」です。この準備を怠ると、せっかくのメイクがうまく乗らなかったり、不自然な仕上がりになったりする原因となります。

スキンケアで土台となる肌を整える

メイクの仕上がり、ノリ、持ちの良さは、すべて土台となる肌のコンディションによって決まると言っても過言ではありません。乾燥してカサカサの肌や、皮脂でベタついた肌の上からでは、どんなに良いBBクリームを塗っても綺麗に仕上がりません。まずは、毎日のスキンケアを習慣化し、健康な肌の土台を作りましょう。

基本的なスキンケアは、以下の3ステップです。

  1. 洗顔:
    • 目的: 汗、皮脂、ホコリ、古い角質などの汚れを落とし、肌を清潔な状態にリセットします。
    • 方法: まずは手を洗い、洗顔料をしっかりと泡立てます。キメの細かい弾力のある泡を作るのがポイントです。泡をクッションにして、肌を直接こすらないように優しく洗いましょう。特に皮脂の多いTゾーン(おでこ、鼻)は丁寧に。すすぎは、ぬるま湯(32〜34度程度)で、髪の生え際やフェイスラインに泡が残らないように20〜30回程度、丁寧に行います。熱いお湯は肌に必要な皮脂まで奪ってしまうので避けましょう。
  2. 化粧水(ローション):
    • 目的: 洗顔後の無防備な肌に、まず水分を補給します。肌を柔らかくし、次に使うアイテムの浸透を助ける役割もあります。
    • 方法: 清潔な手に適量(500円玉大が目安)を取り、両手に広げてから顔全体を優しく包み込むようにハンドプレスでなじませます。パンパンと叩き込むのは肌への刺激になるのでNGです。乾燥が気になる部分は重ね付けしましょう。
  3. 乳液(ミルク)・クリーム:
    • 目的: 化粧水で補給した水分が蒸発しないように、油分で「蓋」をする役割です。肌の水分と油分のバランスを整え、外部の刺激から肌を守ります。
    • 方法: 適量(10円玉大が目安)を手に取り、乾燥しやすい頬や口周りから先に乗せ、顔全体に優しく伸ばします。ベタつきが気になる男性は、さっぱりとした使用感のジェルタイプや、Tゾーンを避けてUゾーン(頬、あご)だけに塗るなどの工夫もおすすめです。

これらに加え、日中の紫外線対策として日焼け止めを塗る習慣も非常に重要です。紫外線はシミやシワ、たるみなど、あらゆる肌老化の原因となります。スキンケアの最後に日焼け止めを塗ることを徹底しましょう。

自分の肌質と肌色を把握する

自分に合ったメイク用品を選ぶためには、まず自分自身の肌について知ることが不可欠です。特に「肌質」と「肌色」の2点を把握しておきましょう。

自分の肌質を知る

肌質は主に5つのタイプに分けられます。洗顔後、化粧水などをつけずに5〜10分放置した後の肌の状態で、簡易的に診断できます。

肌質タイプ 特徴 見分け方(洗顔後の状態)
普通肌 水分と皮脂のバランスが良く、キメが整っている理想的な状態。 つっぱり感もベタつきもあまり感じない。
乾燥肌 水分も皮脂も少なく、カサつきやすい。キメは細かいが、小じわが目立ちやすい。 顔全体がつっぱる感じがする。カサカサする。
脂性肌(オイリー肌) 皮脂の分泌が過剰で、ベタつきやテカリが気になる。毛穴が目立ちやすい。 つっぱり感はなく、すぐに顔全体が皮脂でテカってくる。
混合肌(インナードライ) Tゾーンはベタつくのに、頬や口周りはカサつくなど、部分によって肌質が違う。 Tゾーンはベタつくが、頬などはつっぱる感じがする。
敏感肌 外部の刺激に弱く、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などが出やすい。 特定の化粧品や季節の変わり目などで肌トラブルが起きやすい。

自分の肌質を理解することで、例えば乾燥肌なら保湿力の高いBBクリーム、脂性肌なら皮脂をコントロールする下地やパウダー、といったように、自分の肌に最適な機能を持つ製品を選ぶことができます。

自分の肌色を知る

ベースメイク用品の色選びは、メンズメイクが成功するか否かを分ける最も重要なポイントです。肌色に合わないものを選ぶと、白浮きしたり、顔だけ色が暗く見えたりして、一気に「メイクしてます感」が出てしまいます。

肌色を判断する基準として「ベースカラー(アンダートーン)」と「明るさ(明度)」があります。

  • ベースカラー(イエローベース/ブルーベース):
    • イエローベース(イエベ): 黄みを含んだ温かみのある肌色。手首の血管が緑っぽく見えたり、アイボリーやベージュ系の服が似合ったりする傾向があります。ファンデーションは「オークル系」「ベージュ系」がなじみやすいです。
    • ブルーベース(ブルベ): 青みを含んだ涼しげな肌色。手首の血管が青や紫っぽく見えたり、真っ白やネイビー系の服が似合ったりする傾向があります。ファンデーションは「ピンクオークル系」や「ピンク系」がなじみやすいです。
  • 明るさ(明度):
    • ベースカラーが同じでも、肌の明るさは人それぞれです。明るい肌色の人もいれば、健康的な小麦色の人もいます。
    • 色を選ぶ際の最も確実な方法は、顔と首の境目であるフェイスラインに直接テスターを塗ってみることです。フェイスラインに数色を乗せ、首の色と最も自然になじむ色が、あなたにぴったりの色です。手や腕で試すと、顔の色と微妙に違うため失敗の原因になります。

これらの準備をしっかり行うことで、無駄な買い物を減らし、自分に本当に合ったアイテムを見つけることができます。

初心者がまずそろえるべき基本アイテム6選

メンズメイクを始めるにあたり、最初から全てのアイテムをそろえる必要はありません。まずは「これさえあれば基本はOK」という6つのアイテムに絞って、それぞれの役割と特徴を理解しましょう。

① BBクリーム・ファンデーション

役割: ベースメイクの土台となるアイテムで、肌の色ムラを均一に整え、毛穴や薄いシミ、ニキビ跡などをカバーして、肌全体の印象を格上げします。日焼け止め効果や美容液成分が含まれているものも多くあります。

BBクリームとファンデーションの違い

初心者は、美容液、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションなどの機能が1本にまとまっているBBクリームから始めるのが手軽でおすすめです。

項目 BBクリーム ファンデーション
主な目的 肌の欠点を補正し、自然な素肌感を演出 肌を美しく見せるための「土台作り」。カバー力が高い
機能性 多機能(美容液、日焼け止め、下地など) ベースメイク機能に特化(下地や日焼け止めは別)
カバー力 ナチュラル〜中程度 中程度〜高い
仕上がり 素肌感のあるナチュラルな仕上がり しっかりメイク感のある、均一でなめらかな仕上がり
使い方 スキンケア後、これ1本で完結。手で塗れる 下地が必要。ブラシやスポンジを使うと綺麗に仕上がる
おすすめな人 初心者、時短したい人、ナチュラルメイク派 しっかりカバーしたい人、メイクに慣れている人

選び方としては、自分の肌質(乾燥肌向けかしっとりタイプ、脂性肌向けならオイルフリーなど)と、前述した肌色に合ったカラーを選ぶことが最も重要です。

② コンシーラー

役割: BBクリームやファンデーションだけでは隠しきれない、局所的な肌悩みをピンポイントでカバーするためのアイテムです。濃いシミ、頑固なニキビ跡、目の下のクマ、気になる青ひげなど、特定の箇所にのみ使用します。

主な種類と特徴

  • スティックタイプ: 固形でカバー力が高いのが特徴。ニキビ跡やシミなど、動かない部分のカバーに適しています。
  • リキッドタイプ: 液体で伸びが良く、薄付きでナチュラルな仕上がり。目の下のクマや口元など、よく動く部分に使ってもヨレにくいのが利点です。
  • クリームタイプ: スティックとリキッドの中間のテクスチャー。カバー力と伸びの良さを両立しており、パレット状で複数の色が入っているものもあります。
  • ペンシルタイプ: 鉛筆状で、小さなシミやホクロなどをピンポイントで狙って隠すのに便利です。

初心者はまず、自分の最も気になる悩みに合わせて、スティックタイプかリキッドタイプのどちらかを1本持っておくと良いでしょう。

③ フェイスパウダー

役割: ベースメイクの最後の仕上げに使うアイテムです。BBクリームやコンシーラーを塗った後の肌のベタつきを抑え、サラサラの質感に整えます。皮脂を吸着してテカリを防ぎ、メイクの持ちを良くする効果(メイク崩れ防止)があります。

主な種類

  • ルースパウダー: 粉状のパウダー。ふんわりと軽やかな仕上がりになります。ナチュラルに見せたい場合におすすめです。
  • プレストパウダー: 粉を固めたもの。カバー力があり、持ち運びに便利なのでメイク直しにも適しています。

色も、肌色を補正するカラータイプと、色がつかない透明なルーセントタイプがあります。初心者は、どんなベースメイクの色にも影響を与えないルーセントタイプのルースパウダーから試してみるのが無難です。

④ アイブロウ(眉用アイテム)

役割: 眉毛の薄い部分を描き足したり、形を整えたりすることで、顔全体の印象を引き締める重要な役割を担います。整えられた眉は、清潔感、知性、意志の強さを演出し、顔を立体的に見せる効果があります。

主な種類

  • アイブロウペンシル: 眉の輪郭を取ったり、毛が足りない部分を1本1本描き足したりするのに使います。
  • アイブロウパウダー: 眉全体の隙間を埋めて、ふんわりと自然な濃淡をつけるのに適しています。
  • アイブロウマスカラ: 眉毛の色を変えたり、毛流れを整えたりするのに使います。

初心者は、ペンシルとパウダーが一体になったタイプを選ぶと、1本で基本的な眉メイクが完成するため非常に便利です。色は、自分の髪色より少し明るい色を選ぶと、自然で垢抜けた印象になります。

⑤ 色付きリップクリーム

役割: 唇の乾燥を防ぐ保湿ケアをしながら、ごく自然な血色感をプラスしてくれるアイテムです。特に、唇の色が薄かったり、顔色が悪く見えがちだったりする人におすすめ。ほんのり色づくだけで、健康的で生き生きとした印象を手軽に作ることができます。

女性用の口紅のように発色が強いものではなく、あくまで「元々の唇の色がこれです」と見えるような、ごく薄い色付きのものを選びましょう。メンズブランドからも多数発売されています。

⑥ クレンジング(メイク落とし)

役割: メイクをした日に、その汚れをしっかりと落とすための必須アイテムです。BBクリームや日焼け止めに含まれる成分は、通常の洗顔料だけでは完全に落としきれません。メイク汚れが肌に残ると、毛穴詰まりやニキビ、肌荒れの原因になります。

主な種類

  • オイルクレンジング: 洗浄力が最も高い。濃いメイクも素早く落とせるが、肌への負担もやや大きい。
  • ジェルクレンジング: 厚みのあるジェルが肌への摩擦を軽減。オイルフリータイプはさっぱりした洗い上がり。
  • ミルククレンジング: 水分量が多く、肌に優しい。洗浄力はマイルドなので、ナチュラルメイク向き。
  • シートクレンジング: 手軽に拭き取るだけでメイクが落とせる。ただし、摩擦による肌への刺激が懸念されるため、毎日の使用よりは旅行用や緊急用と考えるのがベター。

BBクリームやフェイスパウダー程度のナチュラルメイクであれば、肌への負担が少ないミルクタイプやジェルタイプのクレンジングで十分対応できます。

失敗しないメンズメイク用品の選び方

基本アイテムがわかったところで、次に、数ある商品の中から自分に合ったものを選ぶための、より具体的な選び方のポイントを解説します。

解決したい肌の悩みに合わせて選ぶ

メイクをする最大の動機は、多くの場合「肌悩みの解消」です。自分が最も解決したい悩みにフォーカスして、それに特化した機能を持つアイテムを選びましょう。

ニキビ・ニキビ跡・シミ

これらの色ムラを隠したい場合は、カバー力の高さが最優先事項です。

  • BBクリーム/ファンデーション: 「ハイカバー」「高いカバー力」と明記されている製品を選びましょう。テクスチャーは、リキッドやクリームタイプがしっかり肌に密着し、カバー力を発揮しやすいです。
  • コンシーラー: 局所的なニキビ跡やシミには、硬めのテクスチャーで狙った場所にしっかり留まるスティックコンシーラーが最適です。
  • 成分: ニキビが気になる場合は、肌荒れ防止成分(グリチルリチン酸2Kなど)や、ニキビのもとになりにくいことをテスト済みの「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示のある製品を選ぶのも一つの方法です。

クマ・青ひげ

クマや青ひげのように、色が濃く透けて見える悩みには、「色補正(カラーコントロール)」の考え方を取り入れると効果的です。色には、お互いの色を打ち消し合う「補色」の関係があります。

  • 青クマ・青ひげ: 青色の補色はオレンジです。オレンジ色のコンシーラーを薄く塗って青みを打ち消してから、その上から肌色のBBクリームやコンシーラーを重ねると、グレーっぽくならずに自然にカバーできます。
  • 茶クマ: 色素沈着が原因の茶クマには、黄みの補色である青や紫が理論上は有効ですが、肌から浮きやすいため、イエロー系のコンシーラーで肌色になじませながら明るく見せるのが一般的です。
  • 黒クマ: たるみによる影が原因の黒クマは、色で隠すのが困難です。光を反射するパールやラメが入ったコンシーラーやハイライターで光を集め、影を目立たなくさせるアプローチが有効です。

テカリ・ベタつき・毛穴

脂性肌や混合肌の人に多いこの悩みには、皮脂をコントロールする機能を持つアイテムが必須です。

  • 化粧下地(プライマー): メイクの最初に「皮脂崩れ防止下地」や「ポア(毛穴)プライマー」をTゾーンなどの気になる部分に仕込んでおくと、日中のテカリやメイク崩れを格段に防げます。
  • BBクリーム/ファンデーション: 「オイルフリー処方」や「マットな仕上がり」と書かれた製品を選びましょう。
  • フェイスパウダー: 皮脂吸着パウダーが配合されたものがおすすめです。ベースメイクの最後にしっかりはたいておくことで、サラサラの肌が長時間持続します。

顔色の悪さ・血色のなさ

疲れて見えたり、不健康な印象を与えたりする顔色の悪さには、血色感をプラスするアイテムが役立ちます。

  • コントロールカラー下地: 顔全体が青白い、黄ぐすみが気になる場合は、ピンク系やパープル系のコントロールカラー(化粧下地)を使うと、肌全体のトーンが明るくなり、透明感と血色感を演出できます。
  • 色付きリップクリーム: 最も手軽に血色感を足せるアイテムです。ほんのり赤みのあるリップクリームを塗るだけで、顔全体の印象が驚くほど生き生きとします。
  • チーク(上級者向け): ごく少量のチークを頬の高い位置にふんわりと乗せると、内側からにじみ出るような自然な血色を演出できます。ただし、量が難しいので上級者向けです。

自分の肌色に合ったカラーを選ぶ

何度でも強調しますが、ベースメイクの色選びは最も重要です。せっかく肌悩みをカバーしても、色が合っていなければ元も子もありません。

  • 実店舗で試す: 最も確実な方法は、ドラッグストアやデパートのカウンターで実際に顔に塗って試すことです。その際、手の甲ではなく、必ず顔と首の境目であるフェイスラインに数色を塗り、首の色と最も自然になじむ色を選んでください。
  • 自然光で確認: 店内の照明(特に黄色っぽい光)の下では、色の見え方が実際と異なる場合があります。可能であれば、塗った状態で一度店の外に出て、自然光の下で鏡を見てチェックするのが理想的です。
  • オンラインで購入する場合: テスターが試せないオンライン購入では、公式サイトやレビューサイトにある「色見本(スウォッチ)」や、自分と似た肌色の人のレビューを徹底的に比較検討しましょう。ブランドによっては、サンプルの請求や、AIによるカラー診断サービスを提供している場合もあります。

初心者は手頃な価格のプチプラから試す

化粧品は、価格帯によって大きく「プチプラ」と「デパコス」に分けられます。

項目 プチプラ(プチプライスコスメ) デパコス(デパートコスメ)
価格帯 数百円〜2,000円程度 3,000円〜10,000円以上
主な購入場所 ドラッグストア、バラエティショップ デパート、百貨店
特徴 手頃な価格でトレンドを試せる。品質も高いものが多い。 高機能・高品質な製品が多い。美容部員によるカウンセリングを受けられる。
おすすめな人 初心者、色々なアイテムを試したい人 特定の悩みがあり、高品質なものを求める人、メイク上級者

メンズメイク初心者は、まずプチプラから始めることを強くおすすめします。理由は以下の通りです。

  • 失敗のリスクが低い: 色選びに失敗したり、肌に合わなかったりしても、経済的なダメージが少なくて済みます。
  • 気軽に試せる: 低価格なので、BBクリーム、コンシーラー、パウダーなど、一通りのアイテムを気軽にそろえて試すことができます。
  • 品質の向上: 近年のプチプラコスメは非常に品質が高く、デパコスに引けを取らない製品も多数存在します。

まずはプチプラでメイクの基本を学び、自分の好みやこだわりが出てきたら、特定のアイテムをデパコスにアップグレードしていく、というステップが賢い選択です。

使いやすい形状やタイプで選ぶ

同じ種類のアイテムでも、形状によって使い勝手やテクニックの難易度が変わります。初心者は、できるだけ直感的に使えて、特別なツールを必要としないものを選ぶと良いでしょう。

  • ベースメイク: チューブタイプのBBクリームは、手で直接塗れるので最も簡単です。クッションファンデーションも、パフでポンポンと叩き込むだけなので手軽です。
  • アイブロウ: ペンシルとパウダー、スクリューブラシが1本にまとまったWエンド、3in1タイプは、持ち運びにも便利で初心者には最適です。
  • コンシーラー: 狙ったところに直接塗れるチップタイプスティックタイプが使いやすいです。
  • フェイスパウダー: パフが付属しているプレストパウダーは、外出先でのメイク直しにも便利です。

【5ステップで完成】初心者でも簡単なメンズメイクの基本手順

スキンケアで肌を保湿する、BBクリームを顔全体に塗る、コンシーラーで気になる部分を隠す、フェイスパウダーでテカリを抑える、アイブロウで眉の形を整える

アイテムをそろえたら、いよいよ実践です。ここでは、最もベーシックなメンズメイクの手順を5つのステップに分けて、写真がなくても分かるように詳しく解説します。

① スキンケアで肌を保湿する

メイクを始める前の最初のステップは、必ずスキンケアです。洗顔で肌の汚れを落とした後、化粧水で水分を、乳液で油分を補給し、肌を整えます。スキンケア直後のベタついた状態でメイクを始めると、ヨレやムラ、崩れの原因になります。乳液などを塗った後は、2〜3分ほど置いて、肌表面がサラッとし、成分がしっかりなじんだのを確認してから次のステップに進みましょう。日焼け止めを別に使う場合は、スキンケアの最後、BBクリームの前に塗ります。

② BBクリームを顔全体に塗る

  1. 適量を出す: まず、BBクリームを手の甲にパール1粒大ほど出します。最初からたくさん出すと厚塗りの原因になるので、少量から始めるのが鉄則です。
  2. 5点に置く: 出したBBクリームを指先に取り、「おでこ、両頬、鼻先、あご」の5点に置きます。こうすることで、顔全体に均一に伸ばしやすくなります。
  3. 中心から外側へ伸ばす: 顔の中心から外側に向かって、指の腹全体を使って優しく、かつ素早く伸ばしていきます。筋肉の流れに沿って伸ばすイメージです。擦るのではなく、滑らせるように塗るのがポイントです。
  4. 細かい部分をなじませる: 小鼻の周りや目のキワ、口元などの細かい部分は、指先に残ったクリームで丁寧になじませます。
  5. フェイスラインをぼかす: 最も重要なのが、顔と首の境目であるフェイスラインをしっかりぼかすこと。フェイスラインに残ったクリームを、首に向かって伸ばすようにしてなじませ、色の境目ができないようにします。

③ コンシーラーで気になる部分を隠す

BBクリームを塗ってもまだ気になる、ニキビ跡やクマ、シミなどの部分にだけ、コンシーラーを使います。

  1. ピンポイントで乗せる: 隠したい部分に、コンシーラーを直接、少量だけ乗せます。広範囲に塗らないのがコツです。
  2. 境目をぼかす: コンシーラーを乗せた部分の輪郭(境目)を、薬指の腹でポンポンと軽く叩き込むようにして、周りの肌となじませます。この時、隠したい中心部分はあまり触らず、あくまで境目だけをぼかすのがポイントです。絶対に横にこすらないでください。コンシーラーが剥がれてしまいます。

④ フェイスパウダーでテカリを抑える

ベースメイクの仕上げです。テカリを防ぎ、サラサラの肌をキープします。

  1. パフに適量をとる: 付属のパフにパウダーを均一に含ませます。ルースパウダーの場合は、一度フタなどに出してからパフにもみ込むように含ませると、つけすぎを防げます。
  2. 余分な粉を落とす: パフを軽く振ったり、ティッシュの上で軽く押さえたりして、余分な粉を落とします。
  3. 押さえるように乗せる: まず、皮脂が出やすいTゾーン(おでこ、鼻)から、肌をこすらずに優しく押さえるように乗せていきます。次に、頬やあごなど、顔全体に薄く乗せます。目の周りなど乾燥しやすい部分は、パフに残ったごく少量のパウダーで軽く押さえる程度で十分です。

⑤ アイブロウで眉の形を整える

顔の印象を決定づける最後の仕上げです。

  1. 毛流れを整える: まず、スクリューブラシで眉頭は下から上へ、眉の中間から眉尻は横に流すようにとかし、毛の流れを整えます。
  2. 足りない部分を描き足す: アイブロウペンシルを使い、眉山から眉尻にかけての輪郭や、毛が足りない部分を、1本1本植えるようなイメージで優しく描き足します。眉頭は濃くしすぎると不自然になるので、あまり描かないようにします。
  3. 隙間をパウダーで埋める: アイブロウパウダーをブラシに取り、眉毛全体の隙間を埋めるようにふんわりと乗せます。眉頭は薄く、眉尻に向かって濃くなるグラデーションを意識すると立体感が出ます。
  4. ぼかしてなじませる: 最後に、もう一度スクリューブラシで全体を優しくとかし、描いた部分と自眉をなじませて、自然な仕上がりにします。

【初心者向け】おすすめメンズメイク用品20選

ここでは、数ある商品の中から、特にメンズメイク初心者におすすめのアイテムを、ドラッグストアなどで手軽に購入できるプチプラを中心に20点厳選して紹介します。
※商品の価格や仕様は変更される場合があります。購入前に公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

① 【BBクリーム・ファンデーション編】おすすめ5選

ブランド名 商品名 特徴
uno (ウーノ) フェイスカラークリエイター (ナチュラル) 自然な肌色補正効果で、クマやニキビ跡をカバー。スムースパウダー配合でベタつかず、洗顔料で簡単に落とせる手軽さが初心者向き。
NULL (ヌル) BBクリーム メンズコスメの定番。SPF30/PA++で紫外線対策も可能。伸びが良く、青ひげや毛穴を自然にカバーする。日本人男性の肌色に合わせて開発されている。
LIPPS BOY (リップスボーイ) フェイスジェル ジェルタイプでみずみずしいテクスチャー。素肌感のあるナチュラルな仕上がりで、バレにくさを重視する人におすすめ。保湿成分配合で乾燥も防ぐ。
ORBIS Mr. (オルビスミスター) ベースカラー コントローラー ファンデーションの厚塗り感に抵抗がある人向けの、色付き下地。光を操って毛穴や色ムラを自然にカバーし、テカリも抑える。
無印良品 BBクリーム シンプルな処方で肌に優しく、男女問わず使える。伸びが良く、軽い付け心地ながら適度なカバー力がある。SPF40/PA+++と高い紫外線カット効果も魅力。

② 【コンシーラー編】おすすめ4選

ブランド名 商品名 特徴
the SAEM (ザセム) カバーパーフェクション チップコンシーラー プチプラながらデパコス級と名高い高カバー力コンシーラー。速乾性があり、ヨレにくい。豊富なカラーバリエーションから自分に合う色を選べる。
CEZANNE (セザンヌ) パレットコンシーラー 3色が1つになったパレットタイプ。単色でも混ぜても使え、ニキビ跡・クマ・シミなど様々な悩みに対応できる。自分の肌色に合わせやすいのが利点。
ORBIS Mr. (オルビスミスター) スポットシュート コンシーラー オレンジ系のカラーで、青ひげやクマを効果的にカバーすることに特化。指でポンポンとなじませるだけで、悩みを自然に隠せる。
MEN’S KATE (メンズケイト) ザ コンシーラー スティックタイプで、ニキビ跡やシミなど、ピンポイントでカバーしたい部分に直接塗れる手軽さが魅力。男性の肌色に合わせた2色展開。

③ 【フェイスパウダー編】おすすめ4選

ブランド名 商品名 特徴
innisfree (イニスフリー) ノーセバム ミネラルパウダー N “国民的パウダー”とも呼ばれる、皮脂コントロールの超定番アイテム。超微粒子パウダーが余分な皮脂を吸着し、サラサラ肌を長時間キープ。前髪のベタつきにも使える。
CEZANNE (セザンヌ) うるふわ仕上げパウダー 微細なパール配合で、毛穴をふんわりぼかして透明感のある肌に仕上げる。色がつかないルーセントタイプは初心者でも使いやすい。
CANMAKE (キャンメイク) マシュマロフィニッシュパウダー プチプラとは思えない上質な仕上がりが人気。毛穴や色ムラをカバーし、マットなドール肌に。持ち運びに便利なプレストタイプ。
CHACOTT (チャコット) フィニッシングパウダー マット 舞台メイクから生まれたブランドで、崩れにくさに定評がある。大容量でコスパも良い。汗や皮脂に強く、マスク着用時にもおすすめ。

④ 【アイブロウ編】おすすめ4選

ブランド名 商品名 特徴
excel (エクセル) パウダー&ペンシル アイブロウEX ペンシル・パウダー・ブラシが1本になった3in1タイプ。これ1本で立体的な美眉が簡単に描け、初心者からプロまで愛用者が多い定番品。
CEZANNE (セザンヌ) 超細芯アイブロウ 0.9mmの超細芯で、眉毛1本1本をリアルに描き足せる。眉尻などの繊細なラインも思いのまま。ウォータープルーフタイプ。
KATE (ケイト) デザイニングアイブロウ3D 濃淡3色のパウダーで、自然な立体感を演出できる。アイブロウだけでなく、鼻筋のシェーディング(ノーズシャドウ)としても使える万能パレット。
heavy rotation (ヘビーローテーション) カラーリングアイブロウR 眉毛の色を髪色に合わせて変えられる眉マスカラ。ひと塗りで垢抜けた印象に。汗・水・皮脂・こすれに強いマルチプルーフ処方。

⑤ 【その他おすすめ編】リップ・クレンジング3選

ブランド名 商品名 カテゴリ 特徴
KATE (ケイト) パーソナルリップクリーム 自分の唇の水分量に反応して、自然な血色感のある色に変化する。SPF11/PA+でUVカット効果もあり、保湿力も高い。 色付きリップ
無印良品 マイルドジェルクレンジング 肌あたりが滑らかなジェルタイプ。濡れた手でも使え、さっぱりとした洗い上がり。BBクリーム程度のナチュラルメイクならこれで十分落とせる。 クレンジング
FANCL (ファンケル) マイルドクレンジング オイル “マイクレ”の愛称で親しまれる大人気クレンジングオイル。こすらずになでるだけでするんとメイクが落ち、洗い上がりのつっぱり感もない。 クレンジング

周りにバレない!ナチュラルに見せる3つのコツ

一度にたくさん塗らず少しずつ重ねる、顔と首の境目をしっかりぼかす、明るい場所で仕上がりを確認する

メンズメイクのゴールは「メイクをしているとバレないこと」。ここでは、より自然な仕上がりにするための、一歩進んだテクニックを3つ紹介します。

① 一度にたくさん塗らず少しずつ重ねる

「厚塗り感」は、メイクがバレる最大の原因です。これを防ぐ最も簡単で効果的な方法は、一度に塗る量を少なくし、足りなければ少しずつ重ねる「レイヤリング」を徹底することです。

  • 意識改革: まずは「完璧に隠そう」という意識を捨て、「7〜8割くらいカバーできればOK」と考えることが大切です。「ちょっと足りないかな?」と感じるくらいが、他人から見るとちょうど自然な仕上がりになります。
  • BBクリーム: 最初はパール半分程度の少量から始め、顔全体に薄く伸ばします。それでもカバーが足りないと感じる部分にだけ、ごく少量を指でトントンと重ね付けします。
  • コンシーラー: これも同様に、最小限の量を気になる部分に乗せ、なじませます。一度で隠そうとせず、薄く乗せる→なじませる、という工程を2〜3回繰り返す方が、厚ぼったくならず綺麗に仕上がります。

この「少量ずつ重ねる」という一手間が、プロのような自然な仕上がりと、素人っぽい厚塗り感を分けるのです。

② 顔と首の境目をしっかりぼかす

どんなに肌を綺麗に仕上げても、顔と首の色が違うと、まるでお面をかぶっているかのように見えてしまいます。これは「白浮き」や「色浮き」と呼ばれる現象で、メイクバレの典型的な失敗例です。

これを防ぐには、BBクリームやファンデーションを塗る最終段階で、フェイスライン(あごのライン)を徹底的にぼかすことが重要です。

  • ぼかし方: 指やスポンジに残った、ごく少量のファンデーションを使い、フェイスラインから首に向かって、下方向にスッと伸ばすようにしてなじませます。これにより、色の境界線が曖昧になり、顔から首へのグラデーションが自然に繋がります。
  • 色選びの重要性: そもそも、この失敗を防ぐためには、購入時に首の色に合わせてファンデーションの色を選ぶことが大前提です。多くの人は顔の方が首より日焼けしているため、顔の色に合わせると首との色の差が生まれやすくなります。

③ 明るい場所で仕上がりを確認する

洗面所や自室の照明の下だけでメイクを完成させると、屋外に出た時に「思っていたより厚塗りだった」「色ムラがあった」と気づくことがあります。照明の種類によって、色の見え方は大きく変わるからです。

  • 自然光が最強の鏡: メイクの最終チェックは、できるだけ自然光が入る窓際など、明るい場所で行うことを習慣にしましょう。自然光は、肌のアラもメイクの粗も、すべてを正直に映し出してくれます。ここで違和感がなければ、どんな場所でも自然に見える可能性が高いです。
  • 様々な光でチェック: 蛍光灯のような青白い光の下では肌はくすんで見えやすく、白熱灯のようなオレンジ色の光の下では血色良く見えます。もし可能であれば、スマホのライトを当ててみたり、場所を変えて鏡を見たりして、様々な光環境での見え方を確認すると、より完璧な仕上がりを目指せます。

メンズメイク用品はどこで買える?

いざメンズメイク用品を買おうと思っても、どこに行けばいいのか迷うかもしれません。ここでは、主な購入場所それぞれのメリット・デメリットをまとめました。

購入場所 メリット デメリット
ドラッグストア・薬局 ・店舗数が多く、気軽に立ち寄れる
・プチプラブランドが豊富
・テスターで気軽に試せる
・専門的なアドバイスは受けにくい
・メンズ専用コーナーはまだ少ない場合も
バラエティショップ ・トレンドのコスメや海外ブランドが豊富
・テスターが充実している
・ユニセックスな雰囲気で男性も入りやすい
・人気店は混雑していることがある
・専門スタッフは常駐していない
デパート・百貨店 ・専門の美容部員からカウンセリングを受けられる
・自分に合う色や使い方を正確に教えてもらえる
・高品質なデパコスブランドがそろう
・価格帯が高い
・初心者には敷居が高いと感じることも
・接客を受けるのが苦手な人には不向き
オンラインストア ・品揃えが最も豊富で、限定品も見つかる
・口コミやレビューを比較検討できる
・24時間いつでもどこでも購入できる
・実物を試せないため、色選びが難しい
・送料がかかる場合がある

初心者へのおすすめルート

  1. まずはドラッグストアロフトなどのバラエティショップで、この記事で紹介したようなプチプラアイテムをいくつか試してみる。
  2. メイクに慣れてきて、より本格的なアイテムや専門的なアドバイスが欲しくなったら、デパートのコスメカウンターに挑戦してみる。
  3. 欲しい商品が決まっている場合や、リピート購入は、手軽なオンラインストアを利用する。

この流れが、失敗が少なく、かつ効率的に自分に合ったアイテムを見つけるための王道ルートと言えるでしょう。

メンズメイクに関するよくある質問

女性用の化粧品を使ってもいい?、メイク落とし(クレンジング)は毎日必要?、日焼け止めを塗る順番は?、メイク直しはどうすればいい?

最後に、メンズメイク初心者が抱きがちな疑問について、Q&A形式でお答えします。

女性用の化粧品を使ってもいい?

結論から言うと、基本的には全く問題ありません。化粧品の主成分に、男性用と女性用で大きな違いはないためです。実際に、この記事で紹介したおすすめ商品にも、CEZANNEやCANMAKEといった、主に女性向けとして販売されているブランドが多く含まれています。

ただし、メンズコスメ(男性向け化粧品)には、以下のような特徴やメリットがあります。

  • 男性の肌質に特化: 皮脂が多く、水分が少ない傾向にある男性の肌に合わせて、テカリ防止成分が強化されていたり、さっぱりとした使用感に調整されていたりします。
  • ナチュラルな仕上がり: 「バレにくさ」を重視し、カバー力はありつつも、ツヤやラメを抑えたマット〜セミマットな仕上がりの製品が多いです。
  • パッケージデザイン: 黒やシルバーを基調とした、男性が持ち歩きやすいシンプルでスタイリッシュなデザインのものが主流です。

結論として、機能や仕上がりが気に入れば女性用を使っても良いですし、男性特有の悩みや好みに寄り添ってくれるメンズコスメを選ぶのも良いでしょう。

メイク落とし(クレンジング)は毎日必要?

はい、BBクリームや日焼け止めなど、何かしらのメイクアップ製品を肌に塗った日は、必ずクレンジングが必要です。

これらの製品に含まれる油性の成分や紫外線防御剤は、通常の洗顔料では完全に落としきることができません。メイク汚れが肌に残ったままだと、皮脂や角質と混ざり合って毛穴を詰まらせ、ニキビや黒ずみ、肌荒れといった様々な肌トラブルの原因となります。

「石鹸で落とせる」と表記のある一部の製品もありますが、それでも毛穴の奥の汚れまでスッキリ落とすためには、クレンジングを使用するのが最も確実で安心です。面倒に感じるかもしれませんが、「メイクとクレンジングはワンセット」と覚え、未来の美肌のために毎日の習慣にしましょう。

日焼け止めを塗る順番は?

日焼け止めを単体で使う場合の正しい順番は、「スキンケアの最後、メイク下地やBBクリームの前」です。

【正しい順番】
洗顔 → 化粧水 → 乳液・クリーム →【日焼け止め】→ 化粧下地 → BBクリーム/ファンデーション

日焼け止めは、紫外線から肌を守る「膜」を作る役割を果たします。そのため、スキンケアで肌をしっかり保湿・保護した直後の、素肌に一番近い層に塗るのが最も効果的です。日焼け止めを塗った後にBBクリームなどを塗ることで、日焼け止めの効果を妨げることなく、ベースメイクを仕上げることができます。
最近では、SPF/PA値の高いBBクリームや化粧下地も多いため、日常生活レベルの紫外線であれば、それらで代用することも可能です。

メイク直しはどうすればいい?

日中に汗や皮脂でメイクが崩れてきた場合、簡単なステップで綺麗に直すことができます。

  1. 皮脂や汗を押さえる: まず、あぶらとり紙やティッシュペーパーで、崩れが気になるTゾーンや小鼻の周りを優しく押さえ、余分な皮脂や汗をオフします。こすらず、あくまで「押さえる」のがポイントです。
  2. 保湿する(乾燥が気になる場合): 肌が乾燥していると感じる場合は、ミスト化粧水を軽く吹きかけてティッシュで押さえ、潤いを補給します。
  3. ヨレをならし、カバーする: メイクがヨレて固まってしまった部分を、何もついていない綺麗な指やスポンジで軽くならします。その後、コンシーラーやファンデーション(持ち運びしやすいクッションタイプやスティックタイプが便利)を少量だけ取り、気になる部分にポンポンと重ねてなじませます。
  4. パウダーで仕上げる: 最後に、プレストパウダー(固形のおしろい)をパフに取り、テカリやすい部分を中心に軽く押さえて仕上げます。これにより、サラサラの肌が復活し、さらに崩れにくくなります。

これらの工程をすべて行う必要はなく、状況に応じて①と④だけでも十分効果があります。

まとめ

今回は、メンズメイク初心者に向けて、その基本から応用までを網羅的に解説しました。

メンズメイクとは、単に見た目を飾るものではなく、ニキビ跡やクマといった肌悩みをカバーし、清潔感を高めることで、自分に自信を与えてくれる強力な自己投資のツールです。ビジネスシーンでの信頼獲得や、プライベートでの円滑なコミュニケーションのきっかけとなり、あなたの毎日をよりポジティブなものに変える力を持っています。

始めるにあたって重要なのは、以下のポイントです。

  • メイク前のスキンケアで、土台となる肌をしっかり整えること。
  • 自分の肌質と肌色を正しく把握し、合った製品を選ぶこと。
  • 初心者はまず、BBクリーム、コンシーラー、アイブロウ、クレンジングといった基本アイテムを手頃なプチプラから試してみること。
  • 「少量ずつ重ねる」「顔と首の境目をぼかす」といったコツを意識し、バレない自然な仕上がりを目指すこと。

最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、完璧を目指す必要はありません。まずは自分の気になる部分を少しだけカバーしてみる、という気軽な気持ちで始めてみましょう。この記事が、あなたがメンズメイクという新しい世界の扉を開き、自信に満ちた第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。