40代は、男性にとって仕事でもプライベートでも大きな責任を担い、人間的な深みが増してくる年代です。ファッションにおいても、20代や30代の頃とは異なる、大人の品格と余裕を感じさせるスタイルが求められます。しかし、「どんな服を選べばいいのか分からない」「若作りしていると思われたくない」「何が自分に似合うのか迷子になっている」といった悩みを抱える方も少なくありません。
この記事では、そんな40代の男性が自信を持っておしゃれを楽しむための、ファッションの基本的な考え方から、具体的なブランド選びのコツ、おすすめのブランド20選、そしてコーディネート術まで、網羅的に解説します。
トレンドを追いかけるだけではない、自分自身の魅力を最大限に引き出すための本質的なファッションの知識を身につけることで、周囲からの評価を高め、日々の生活に彩りと自信をもたらすことができるでしょう。この記事を読めば、あなたにぴったりのブランドが見つかり、明日からの服選びがきっと楽しくなるはずです。
目次
40代メンズファッションで押さえるべき基本
40代のファッションを考える上で、トレンドや個別のアイテム選びの前に、まず押さえておくべき3つの大原則があります。それは「清潔感」「上品さ」「TPO」です。これらは、大人の男性としての信頼性や魅力を左右する、いわばファッションの土台となる部分です。この土台がしっかりしていれば、どんなブランドの服を着ても、その魅力を最大限に活かすことができます。
清潔感を第一に考える
40代のメンズファッションにおいて、最も重要と言っても過言ではないのが「清潔感」です。これは単に毎日お風呂に入っている、洗濯をしているといった衛生面の話だけではありません。ファッションにおける清潔感とは、「手入れの行き届いた、きちんとした印象」を他者に与えることを指します。
なぜ40代で清潔感がこれほどまでに重要なのでしょうか。理由の一つは、社会的な立場の変化です。部下や後輩を指導する立場になったり、重要な顧客との商談が増えたりと、他者から信頼されるべき場面が多くなります。その際に、服装に清潔感が欠けていると、「仕事もだらしないのではないか」「自己管理ができていない人」というマイナスの印象を与えかねません。
また、加齢による自然な変化も無視できません。肌のハリや髪のツヤが20代の頃とは変わってくる中で、服装までくたびれていると、実年齢以上に老けて見えたり、疲れた印象を与えてしまいます。逆に言えば、服装で清潔感を演出することで、若々しくエネルギッシュな印象を保つことができます。
では、具体的にどうすれば清潔感を演出できるのでしょうか。
- シワのない服を着る: シャツやパンツにアイロンがかかっているかは、清潔感を大きく左右します。特に襟元や袖口、裾のシワは目立ちやすいポイントです。アイロンがけが面倒な場合は、形態安定加工が施されたシャツや、シワになりにくい素材(ポリエステル混紡など)のアイテムを選ぶのがおすすめです。
- 毛玉やほつれのない状態を保つ: ニットの毛玉や、シャツのボタンのほつれは、一気に「だらしない」「物を大切にしない」という印象を与えます。毛玉はこまめに毛玉取り器で除去し、ほつれは見つけ次第、修理しましょう。
- 靴の手入れを怠らない: 「おしゃれは足元から」という言葉がある通り、靴の状態はその人の印象を決定づけます。革靴は定期的に磨き、スニーカーも汚れを落としてきれいに保つことが大切です。かかとがすり減った靴を履き続けるのは避けましょう。
- サイズ感: 体に合っていないダボダボの服や、逆にピチピチすぎる服は清潔感を損ないます。常にジャストサイズを意識することが基本です。
- 髪型や髭、爪のケア: 服装だけでなく、髪型や髭が整っているか、爪が短く切られているかといった身だしなみ全体が清潔感に繋がります。
- 香りのケア: 汗の臭いやタバコの臭いは、周囲に不快感を与えます。制汗剤や、ほのかに香る柔軟剤、控えめな香水などを活用し、良い香りを纏うことも大人のマナーです。ただし、香水のつけすぎは逆効果なので注意が必要です。
よくある質問として、「手軽に清潔感を出すにはどうすればいいですか?」というものがあります。その答えは、「上質な白シャツや白Tシャツを、シミや黄ばみのない完璧な状態で着こなすこと」です。白は汚れが目立ちやすいため、それをきれいに着こなしているだけで、非常に手入れが行き届いている、清潔感のある人という印象を与えることができます。
年齢に合った上品さを意識する
清潔感の次に重要なのが「年齢に合った上品さ」です。40代の男性には、経験を重ねてきたからこそ滲み出る落ち着きや知性が求められます。ファッションにおいても、その内面を反映するような、品格のあるスタイルを目指したいところです。
ここで注意したいのが、「若作り」と「若々しさ」の違いです。若者向けの流行をそのまま取り入れたり、派手なロゴやデザインの服を着たりするのは「若作り」と見なされ、かえって痛々しい印象を与えてしまう可能性があります。目指すべきは、上質な素材や洗練されたデザインによって生まれる「若々しさ」です。
上品さを演出するためには、以下の要素を意識すると良いでしょう。
- 素材の質: 40代のファッションで最も差がつくのが素材です。例えば、同じニットでも、アクリル製のものとカシミヤ製のものでは、見た目の光沢感、肌触り、そして着る人の印象が全く異なります。カシミヤ、メリノウール、シルク、上質なコットン(スーピマコットンやギザコットンなど)、リネンといった天然素材は、独特の風合いと高級感があり、身につけるだけで上品な雰囲気を醸し出します。ジャケットやコート、パンツにおいても、仕立ての良いウールや高密度のコットンを選ぶことが重要です。
- 色使い: 派手な原色を多用するのではなく、ネイビー、グレー、ブラック、ホワイト、ベージュ、カーキといったベーシックカラーを基本にコーディネートを組み立てましょう。これらの色はどんな色とも相性が良く、落ち着いた大人の印象を与えます。色を取り入れたい場合は、ワインレッド、フォレストグリーン、マスタードイエローといった、少し深みのある「差し色」をニットやマフラー、靴下などで少量加えるのが洗練されたテクニックです。
- シルエット: 体のラインを美しく見せるシルエットも上品さには不可欠です。だらしなく見えない、適度なゆとりを持たせたジャストサイズが基本です。特にジャケットの肩のラインや、パンツの裾にかけてのテーパードラインがきれいなものを選ぶと、スタイル全体が格上げされます。
- ディテールのこだわり: 服のデザインはシンプルであっても、ボタンが天然素材(水牛の角や貝など)であったり、縫製が丁寧であったりすると、全体から質の高さが伝わってきます。「神は細部に宿る」という言葉の通り、細部へのこだわりが上品な印象に繋がります。
具体例を挙げると、休日に着るTシャツ一枚でも、ペラペラで首元がよれたものではなく、厚手でしっかりとした生地のクルーネックTシャツを選ぶだけで、印象は大きく変わります。それにきれいめなスラックスとレザースニーカーを合わせれば、リラックス感がありながらも上品な大人の休日スタイルの完成です。
TPOに合わせた服装を選ぶ
TPOとは、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面)の頭文字を取った言葉で、その時々の状況に合わせた服装を心がけることの重要性を示しています。40代の社会人として、TPOをわきまえた服装ができることは、ファッションセンス以前の社会的なマナーとも言えます。
TPOを無視した服装は、本人だけでなく、同行者やその場の関係者にも恥をかかせてしまう可能性があります。例えば、高級レストランでのディナーにTシャツとサンダルで現れたり、逆にバーベキューに高価なスーツで参加したりするのは、明らかに場違いです。
40代の男性が遭遇するであろう、代表的なシーン別の服装のポイントを見てみましょう。
- オフィス(ビジネスカジュアル):
- Time: 平日の日中
- Place: 職場
- Occasion: 通常業務、社内会議、軽い打ち合わせ
- 服装例: 基本はジャケットスタイル。ネイビーやグレーのテーラードジャケットに、襟付きのシャツ(ボタンダウンやカッタウェイなど)、チノパンやウールのスラックスを合わせるのが王道です。靴はローファーやチャッカブーツなどの革靴が基本。だらしない印象になりがちなノーネクタイスタイルこそ、シャツの襟の形やジャケットの質が重要になります。
- 休日(リラックスカジュアル):
- Time: 週末や休日
- Place: 自宅近辺、公園、ショッピングモール
- Occasion: 家族サービス、友人とのランチ
- 服装例: リラックス感がありつつも、だらしなくならない服装が求められます。上質なクルーネックニットやスウェットに、きれいめなシルエットのデニムやカーゴパンツを。足元はきれいめなレザースニーカーやデザートブーツなどが好相性です。アウターには、コーチジャケットやフィールドジャケットなどを羽織ると、こなれた印象になります。休日だからといって、部屋着のまま出かけるのは避けましょう。
- デートや会食(スマートカジュアル):
- Time: 平日の夜や休日
- Place: 少し良いレストラン、バー、観劇
- Occasion: パートナーとのデート、大切な人との会食
- 服装例: ビジネスカジュアルよりも少し華やかさと上品さが求められます。柔らかな素材のセットアップや、上質なウールのジャケットにタートルネックのニットを合わせるスタイルは非常にエレガントです。パンツはクリース(中央の折り目)の入ったスラックス、靴はドレッシーなローファーやレースアップシューズが良いでしょう。小物使いもポイントで、上質な腕時計やレザーのクラッチバッグがスタイルを格上げします。
もし服装に迷った場合は、「少しだけドレッシー(きれいめ)な方を選ぶ」という原則を覚えておくと失敗が少なくなります。カジュアルすぎる服装は修正が難しいですが、少しきれいめな服装であれば、ジャケットを脱いだり袖をまくったりすることで、その場に合わせてカジュアルダウンさせることが可能だからです。
40代のファッションブランド選びで失敗しないための3つのコツ
自分に合ったファッションの基本を理解したら、次はいよいよ具体的なブランド選びです。しかし、世の中には無数のブランドがあり、どれを選べば良いか迷ってしまうのも無理はありません。ここでは、40代の男性がブランド選びで失敗しないための、3つの重要なコツを解説します。
① シンプルで上質なアイテムを選ぶ
40代のブランド選びで最も重要なのが、「シンプルで上質」というキーワードです。これは、一過性のトレンドに流されるのではなく、長く愛用できる普遍的な価値を持つアイテムを選ぶ、という考え方に基づいています。
なぜシンプルが良いのでしょうか。
第一に、着回し力が非常に高いからです。無地でデザインが控えめなアイテムは、他のどんな服とも組み合わせやすく、コーディネートの幅を大きく広げてくれます。例えば、上質なネイビーのジャケットが一着あれば、インナーをシャツ、ニット、Tシャツと変え、ボトムスをスラックス、チノパン、デニムと変えるだけで、何通りものスタイルを作ることができます。
第二に、飽きが来ないというメリットがあります。奇抜なデザインや派手な柄物は、買った当初は新鮮でも、すぐに飽きてしまったり、翌年には時代遅れに見えたりすることがあります。しかし、シンプルで洗練されたデザインのものは、5年後、10年後も古臭さを感じさせることなく、あなたのワードローブの核として活躍し続けてくれるでしょう。
第三に、素材の良さや仕立ての良さが際立ち、結果的に上品に見えるからです。余計な装飾がない分、生地の風合いやシルエットの美しさが直接的に伝わります。これこそが、大人の品格を演出する上で非常に重要な要素です。
では、「上質」とは具体的に何を指すのでしょうか。これは主に「素材」「縫製」「カッティング(裁断・パターン)」の3つの要素で決まります。
- 素材: 前述の通り、カシミヤやメリノウール、スーピマコットンといった高品質な天然素材は、見た目の美しさと着心地の良さを両立します。ブランドを選ぶ際は、どのような素材を使っているかに注目しましょう。
- 縫製: 縫い目のピッチ(間隔)が細かく、均一であるか。糸の始末がきれいか。こうした細かい部分に、そのブランドの丁寧な仕事ぶりが表れます。信頼できるブランドの製品は、こうした見えない部分まで手抜きがありません。
- カッティング: 人間の体を立体的に捉え、動きやすさや美しいシルエットを追求したパターンで作られているか。良いブランドの服は、袖を通した瞬間にその着心地の良さや、体をきれいに見せてくれる効果を実感できます。
40代になったら、ファストファッションで数を揃えるよりも、本当に質の良い定番アイテムに投資するという考え方にシフトすることをおすすめします。例えば、一着数万円するコートやジャケット、数万円する革靴は、一見すると高価に感じるかもしれません。しかし、それらは適切に手入れをすれば10年以上使うことができ、着るたびにあなたの格を引き上げてくれます。長い目で見れば、数年で着られなくなる安価な服を何度も買い替えるよりも、結果的にコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
② 体型に合ったジャストサイズを心がける
どんなに高価で上質なブランドの服を着ていても、サイズが合っていなければ台無しです。これは40代のファッションにおいて、絶対に外せない鉄則です。20代、30代を経て、40代になると体型に変化が現れるのは自然なことです。お腹周りに脂肪がつきやすくなったり、肩の筋肉が落ちてきたりと、若い頃と同じサイズが合わなくなってくるケースは少なくありません。
自分の現在の体型から目をそらさず、今の自分に最もフィットする「ジャストサイズ」を選ぶ勇気が大切です。
ジャストサイズを心がけることには、多くのメリットがあります。
- 清潔感・きちんと感が出る: サイズが合った服は、シワやたるみが出にくく、きちんとした印象を与えます。これは「清潔感」に直結します。
- スタイルが良く見える: 自分の体型を最も美しく見せてくれるのがジャストサイズです。大きすぎる服は体を大きく、だらしなく見せ、小さすぎる服は体の欠点を不必要に強調してしまいます。
- 自信が持てる: 体にフィットした服は着心地が良く、動きやすいだけでなく、鏡に映る自分の姿にも満足できるため、自然と自信に満ちた立ち居振る舞いになります。
サイズ選びでチェックすべき具体的なポイントは以下の通りです。
アイテム | チェックポイント |
---|---|
ジャケット | 肩のラインが自分の肩の端にぴったり合っているか。ボタンを留めた時に、胸周りに不自然なシワが寄らないか。着丈がお尻の半分〜3分の2程度隠れるか。袖丈が手首の骨が隠れるくらいか。 |
シャツ | 首周りに指が1〜2本入る程度のゆとりがあるか。肩の縫い目が肩の端に合っているか。袖丈がジャケットから1〜1.5cm程度見える長さか。 |
パンツ | ウエストがベルトなしでもずり落ちず、きつくもないか。太もも周り(ワタリ)に適度なゆとりがあるか。裾の長さが靴にかかってワンクッションする程度か、くるぶしが見える程度のノークッションか(スタイルによる)。 |
ニット・Tシャツ | 肩のラインが落ちすぎていないか。身幅がタイトすぎず、ダボダボでもないか。着丈がベルトの少し下あたりに来るか。 |
これらのポイントを確認するために、面倒くさがらずに必ず試着することを強く推奨します。オンラインで購入する際は、手持ちのジャストサイズの服の寸法(肩幅、身幅、着丈、袖丈など)を測り、購入したい商品のサイズ表と徹底的に比較しましょう。ブランドやアイテムによってサイズ感は大きく異なるため、「いつもLサイズだから」という安易な判断は禁物です。
また、既製品が完璧にフィットしない場合は、お直し(リフォーム)を積極的に活用しましょう。特にジャケットの袖丈やパンツの裾丈は、数百円〜数千円で調整するだけで、見違えるほど印象が良くなります。これは、ファッションへの投資効果を最大化する非常に賢い方法です。
③ コーディネートの基本はベーシックカラー
ブランド選びと並行して考えたいのが、ワードローブ全体のカラーパレットです。40代のメンズファッションでは、コーディネートの土台を「ベーシックカラー」で構築することが、失敗を減らし、洗練された印象を与えるための近道です。
ベーシックカラーとは、その名の通りファッションの基本となる色のことで、主に以下の色を指します。
- ブラック: 引き締め効果があり、シャープでモダンな印象。
- ネイビー: 品があり、知的で誠実な印象。日本人にも似合いやすい万能色。
- グレー: 都会的で洗練された印象。濃淡によって表情が変わる。
- ホワイト: 清潔感があり、爽やかな印象。レフ板効果で顔色を明るく見せる。
- ベージュ: 柔らかく、上品で優しい印象。
- ブラウン: 落ち着きがあり、温かみのある印象。
- カーキ/オリーブ: 男性的で、こなれた印象。
これらの色でジャケット、パンツ、シャツ、ニットといった基本アイテムを揃えることには、計り知れないメリットがあります。
まず、ベーシックカラー同士は基本的にどんな組み合わせでも相性が良いため、朝の服選びに時間がかからなくなります。例えば、ネイビージャケット、白シャツ、グレーのスラックスという組み合わせは、誰がどう見ても間違いのない王道のコーディネートです。
| ベーシックカラーの組み合わせ例 |
| :— | :— |
| 知的・誠実な印象(ビジネス寄り) | ネイビー × ホワイト × グレー |
| モダン・シャープな印象 | ブラック × グレー × ホワイト |
| 上品・柔らかな印象 | ベージュ × ホワイト × ブラウン |
| こなれた大人のカジュアル | オリーブ × ホワイト × ブラック |
コーディネート全体の色数を「3色以内」に抑えることも、まとまりを出すための重要なテクニックです。あまりに多くの色を使いすぎると、全体が散らかった印象になり、子供っぽく見えてしまいます。ベースカラー(面積の大きいコートやスーツなど)、アソートカラー(次に面積の大きいシャツやパンツなど)、アクセントカラー(ネクタイや靴下など小物)の3色で構成する意識を持つと、バランスが取りやすくなります。
「ベーシックカラーだけでは地味になりすぎないか?」と心配になる方もいるかもしれません。その場合は、素材感の違いで変化をつけるのが大人のテクニックです。例えば、全身を黒でまとめる「オールブラック」のコーディネートでも、ウールのジャケット、コットンのTシャツ、レザーのパンツといったように、異なる素材を組み合わせることで、奥行きと表情が生まれ、非常におしゃれに見えます。
もちろん、色を使って個性を表現することもファッションの楽しみの一つです。その際は、ベーシックカラーで全体の8〜9割を構成し、残りの1〜2割に「差し色」として鮮やかな色を取り入れるのがおすすめです。例えば、ネイビーと白のシンプルなコーディネートに、バーガンディの靴下を覗かせたり、鮮やかなブルーのニットを肩掛けしたりすると、一気におしゃれ上級者の雰囲気を演出できます。
【厳選】40代メンズにおすすめのファッションブランド20選
ここからは、これまで解説してきた「40代のファッションの基本」と「ブランド選びのコツ」を踏まえ、具体的におすすめのブランドを20個、厳選してご紹介します。きれいめからカジュアル、手が届きやすい価格帯からラグジュアリーまで幅広くピックアップしましたので、ご自身のライフスタイルや好みに合わせて参考にしてください。
ブランド名 | ジャンル | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
UNITED ARROWS | セレクトショップ(きれいめ) | 上品で洗練されたアイテムが豊富。ビジネスからカジュアルまで対応。 | 中〜高価格帯 |
BEAMS | セレクトショップ(カジュアル) | アメカジベース。大人向けのきれいめラインも充実。 | 中価格帯 |
TOMORROWLAND | セレクトショップ(エレガント) | 素材と品質にこだわり。エレガントでモダンなスタイル。 | 中〜高価格帯 |
SHIPS | セレクトショップ(トラッド) | トラディショナルで品の良いスタイル。オンオフ問わず使える。 | 中価格帯 |
EDIFICE | セレクトショップ(フレンチ) | フレンチシックでクリーンなデザイン。やや細身のシルエット。 | 中価格帯 |
Paul Smith | デザイナーズ(英国) | 英国の伝統に遊び心をプラス。上品な中に個性が光る。 | 中〜高価格帯 |
LACOSTE | カジュアル(フレンチ) | ポロシャツが象徴。品のあるフレンチカジュアルの定番。 | 中価格帯 |
Ralph Lauren | カジュアル(アメトラ) | アメリカントラッドの王道。普遍的でタイムレスなアイテム。 | 中〜高価格帯 |
Brooks Brothers | トラッド(米国) | アメリカンクラシックの代表格。高品質なシャツが有名。 | 中〜高価格帯 |
MACKINTOSH PHILOSOPHY | トラッド(英国) | 英国ブランドのセカンドライン。機能的で現代的なデザイン。 | 中価格帯 |
THE NORTH FACE | アウトドア | 高機能素材と都会的なデザインを両立。大人のカジュアルに。 | 中価格帯 |
Patagonia | アウトドア | 環境配慮と機能性。シンプルで長く使えるデザイン。 | 中価格帯 |
A.P.C. | カジュアル(フレンチ) | ミニマルで洗練されたフレンチベーシック。デニムが人気。 | 中〜高価格帯 |
BARNEYS NEW YORK | セレクトショップ(ラグジュアリー) | 世界中から高品質なアイテムをセレクト。大人のための贅沢。 | 高価格帯 |
Dunhill | ラグジュアリー(英国) | 英国紳士の象徴。最高品質の素材とクラフツマンシップ。 | 高価格帯 |
TAKEO KIKUCHI | ドメスティック | 日本を代表するメンズブランド。色気と遊び心のあるデザイン。 | 中価格帯 |
Theory | デザイナーズ(米国) | NY発のモダンでクリーンなスタイル。特にパンツの美しさに定評。 | 中〜高価格帯 |
UNIQLO | ベーシックウェア | 高品質な基本アイテムが揃う。圧倒的なコストパフォーマンス。 | 低価格帯 |
MUJI (無印良品) | ベーシックウェア | 自然素材を活かしたシンプルで着心地の良い服。 | 低価格帯 |
green label relaxing | セレクトショップ | UAの廉価ライン。程よいトレンド感と手の届きやすさが魅力。 | 低〜中価格帯 |
① UNITED ARROWS (ユナイテッドアローズ)
日本のセレクトショップ御三家の一つ。「豊かさ・上質感」をキーワードに、大人向けのきれいめで上品なアイテムを国内外からセレクトしています。オリジナルブランドも非常に質が高く、特にスーツやジャケット、ドレスシャツはビジネスマンからの信頼が厚いです。オンオフ問わず、品格のあるスタイルを求める40代男性にとって、まずチェックすべきブランドと言えるでしょう。
② BEAMS (ビームス)
ユナイテッドアローズ、シップスと並ぶセレクトショップ御三家。アメリカンカジュアルをベースにした、明るく元気なイメージが強いですが、ドレスラインである「BEAMS F」や、より上質なアイテムを扱う「Brilla per il gusto」など、大人の男性に向けたレーベルも非常に充実しています。イタリア製のジャケットやシャツなど、本格的なクラシコイタリアのアイテムも豊富で、ファッション好きの40代を満足させる品揃えです。
③ TOMORROWLAND (トゥモローランド)
上品でエレガント、そしてモダンなスタイルが特徴のセレクトショップ。素材へのこだわりが非常に強く、オリジナルのニットやジャケットは、海外の高級ブランドにも引けを取らないクオリティを誇ります。洗練された色使いや、柔らかな素材感は、大人の余裕を演出するのに最適です。きれいめなスタイルを軸に、少しだけモードな雰囲気を取り入れたい方におすすめです。
④ SHIPS (シップス)
「Stylish Standard」をコンセプトに、トラディショナルな要素を現代的にアレンジしたスタイルを提案。ネイビーやグレーを基調とした品の良いアイテムが多く、誠実で清潔感のある印象を与えたい40代にぴったりです。ビジネスシーンで活躍するアイテムから、休日のきれいめカジュアルまで、バランス良く揃っています。
⑤ EDIFICE (エディフィス)
フレンチシックをベースにした、クリーンで洗練されたスタイルが魅力。スポーティな要素やリラックス感を上品に取り入れるのが得意で、気取らないのにおしゃれに見える、絶妙なバランス感覚が支持されています。シルエットはやや細身のものが多く、スマートに着こなしたい方に向いています。
⑥ Paul Smith (ポール・スミス)
「ひねりの効いたクラシック」をコンセプトとする、イギリスを代表するブランド。一見するとクラシックなスーツやシャツでも、裏地に鮮やかなプリントが施されていたり、カフスボタンのデザインがユニークだったりと、随所に遊び心が散りばめられています。堅苦しくなりすぎず、自分らしい個性を上品に表現したい40代に最適です。
⑦ LACOSTE (ラコステ)
フランス発のライフスタイルブランドで、ワニのロゴが入ったポロシャツはあまりにも有名です。創業から変わらない品質と上品なデザインは、大人のカジュアルスタイルの永遠の定番と言えます。ポロシャツだけでなく、ニットやアウター、スニーカーなども、フレンチブランドらしい品のあるアイテムが揃っています。
⑧ Ralph Lauren (ラルフローレン)
アメリカントラッドの象徴的存在。ポニーロゴのポロシャツや、ボタンダウンシャツは、世代を超えて愛されるアイテムです。流行に左右されない普遍的なデザインと、質の高い作りは、40代の男性が安心して選べる魅力があります。カジュアルウェアだけでなく、上質なスーツやジャケットも展開しています。
⑨ Brooks Brothers (ブルックスブラザーズ)
1818年創業という長い歴史を持つ、アメリカを代表するブランド。ボタンダウンシャツを世界で初めて商品化したことで知られています。歴代アメリカ大統領にも愛されたその品質とスタイルは、まさに「信頼の証」。ビジネスシーンで説得力のある服装を求めるなら、ここのシャツやジャケットは間違いのない選択です。
⑩ MACKINTOSH PHILOSOPHY (マッキントッシュ フィロソフィー)
英国の老舗アウターウェアブランド「マッキントッシュ」のセカンドライン。本家の持つオーセンティックな雰囲気を引き継ぎつつ、より現代的で機能的なデザインに落とし込んでいます。特に、軽量で撥水性に優れた高機能素材を使ったコートやジャケットは、ビジネスマンの強い味方です。
⑪ THE NORTH FACE (ザ・ノース・フェイス)
世界的に有名なアウトドアブランドですが、近年はその高い機能性と洗練されたデザインから、タウンユースとしても絶大な人気を誇ります。防水透湿性に優れたゴアテックス素材のジャケットや、保温性の高いダウンジャケットは、悪天候の日や寒い冬の頼れる一着。大人のカジュアルスタイルに、機能性とスポーティな要素をプラスしてくれます。
⑫ Patagonia (パタゴニア)
こちらも世界的なアウトドアブランド。高品質で機能的な製品作りはもちろんのこと、環境保護への積極的な取り組みでも知られています。デザインは非常にシンプルでロゴも控えめなものが多く、長く愛用できるのが魅力。フリースジャケットの「レトロX」などは、大人の休日着として定番化しています。
⑬ A.P.C. (アー・ペー・セー)
フランス・パリ発のブランドで、「生産と創造の工房」を意味します。フレンチベーシックを体現するような、ミニマルでクリーン、知的なデザインが特徴です。特に、生デニム(リジッドデニム)はブランドのアイコン的存在で、穿きこむほどに自分だけの色落ちを楽しめます。 Tシャツやスウェット、コートなども、シンプルながら美しいシルエットに定評があります。
⑭ BARNEYS NEW YORK (バーニーズ・ニューヨーク)
ニューヨーク発の高級セレクトショップ。世界中から選び抜かれた、最高級のデザイナーズブランドや、質の高いオリジナルアイテムが並びます。価格帯は高めですが、特別な一着や、本物を知る大人のためのギフトを探すには最適な場所です。ファッションに対する感度が高く、ラグジュアリーなスタイルを好む方におすすめ。
⑮ Dunhill (ダンヒル)
1893年にロンドンで創業した、英国を代表するラグジュアリーブランド。「モートリティーズ(自動車)」がブランドのルーツであり、機能性とエレガンスを融合させたスタイルを提案しています。スーツからレザーグッズ、筆記具に至るまで、英国紳士のライフスタイルをトータルで彩るアイテムを展開。まさに、成功した大人の男性にふさわしいブランドです。
⑯ TAKEO KIKUCHI (タケオキクチ)
日本のメンズファッションを長年牽引してきた、デザイナー菊池武夫氏によるブランド。英国の伝統的なスタイルをベースに、日本のストリートカルチャーや遊び心を取り入れた、「色気と遊び心」のあるデザインが特徴です。日本のブランドならではの、日本人の体型に合ったパターンメイキングも魅力の一つ。
⑰ Theory (セオリー)
ニューヨーク発のブランドで、完璧なフィット感と上質な素材を追求しています。特にストレッチ素材を巧みに使ったパンツやジャケットは、着心地が非常に快適でありながら、シャープで美しいシルエットを実現してくれると評判です。ミニマルでモダンなデザインは、オフィススタイルを格上げしてくれます。
⑱ UNIQLO (ユニクロ)
もはや説明不要の、日本のライフウェアブランド。驚くほどの低価格で、高品質なベーシックアイテムが手に入ります。「エクストラファインメリノ」のニットや「スーピマコットン」のTシャツ、「ヒートテック」や「エアリズム」といった機能性インナーなど、40代のワードローブの土台を支える上で欠かせない存在です。上手に取り入れることで、コーディネートのコストを抑えつつ、質を担保できます。
⑲ MUJI (無印良品)
「しるしの無い良い品」をコンセプトに、シンプルで自然体なライフスタイルを提案。ファッションにおいても、オーガニックコットンやリネン、ウールといった天然素材の風合いを活かした、着心地の良いアイテムが揃っています。デザインは極めてシンプルなので、リラックスしたい休日に最適です。
⑳ green label relaxing (グリーンレーベルリラクシング)
ユナイテッドアローズが展開するレーベルの一つ。「Be happy ~ココロにいいオシャレな毎日~」をコンセプトに、程よくトレンドを取り入れつつも、様々なライフスタイルにフィットするリラクシングなウェアを提案しています。ユナイテッドアローズ本ラインよりも価格が手頃で、ファッション初心者でも挑戦しやすいのが魅力です。
【アイテム別】持っておきたいおすすめブランド
全体的なブランドイメージだけでなく、「このアイテムならこのブランド」というように、特定の製品に強みを持つブランドを知っておくと、より効率的に質の高いワードローブを構築できます。ここでは、40代男性が持っておきたい主要アイテム別に、特におすすめの専門的なブランドをご紹介します。
ジャケット・アウター
ジャケットやアウターはコーディネートの主役であり、その人の第一印象を決定づける重要なアイテムです。少し値が張っても、仕立ての良いものを選ぶ価値は十分にあります。
LARDINI (ラルディーニ)
イタリアを代表するファクトリーブランド。数々の有名メゾンの製品を手掛けてきた技術力に裏打ちされた、美しいシルエットと驚くほど軽い着心地が魅力です。フラワーホールに挿されたフェルト製の花飾り「ブートニエール」がブランドのアイコン。これを一着羽織るだけで、たちまち華やかで色気のあるイタリアンスタイルが完成します。ビジネスからパーティーシーンまで、大人の男性の格を上げてくれる一着です。
Barbour (バブアー)
1894年創業の英国アウトドア・ライフスタイルブランド。英国王室御用達(ロイヤルワラント)の栄誉を授かっていることでも知られています。代名詞は、オイルを染み込ませたコットン生地(ワックスドコットン)で作られた防水ジャケット。代表モデルの「ビデイル」や「ビューフォート」は、高い耐久性を誇り、着込むほどに体に馴染み、味わい深い表情へと変化していきます。デニムやチノパンとの相性も抜群で、休日のタフな相棒として長年活躍してくれるでしょう。
シャツ・トップス
ジャケットの下に着るシャツや、一枚で着るニットやTシャツは、着心地と見た目の質感が重要です。特に素肌に近いアイテムだからこそ、素材にこだわりたいものです。
Finamore (フィナモレ)
イタリア・ナポリの老舗カミチェリア(シャツ専業メーカー)。熟練の職人が手作業で仕立てるシャツは、窮屈さを感じさせない柔らかな着心地と、ノーネクタイでも美しく立体的に開く襟のロールが特徴です。アームホールやボタン付けなど、動きやすさに関わる重要な部分が手縫いで作られており、一度袖を通すとその着心地の虜になる人が後を絶ちません。まさに「大人のためのシャツ」と呼ぶにふさわしい逸品です。
GICIPI (ジチピ)
1948年創業のイタリアのカットソーファクトリーブランド。小規模な工場で、生地の編み立てから縫製、洗いまでを一貫して行っています。高品質なコットンを使用した製品は、肌触りが非常に滑らかで、耐久性にも優れています。それでいて価格は比較的リーズナ-ブルなため、コストパフォーマンスが非常に高いと評判です。Tシャツやヘンリーネック、カーディガンなど、日常的に使える上質なベーシックウェアを探している方におすすめです。
パンツ・ボトムス
パンツはコーディネートの土台であり、シルエットの美しさがスタイル全体の印象を大きく左右します。美脚に見せてくれるパンツを一本持っておくと、着こなしが格段に洗練されます。
PT TORINO (ピーティートリノ)
イタリアのパンツ専業ブランドで、以前は「PT01」というブランド名で知られていました。「メンズクロージングにおいて最も重要なのはパンツ」というコンセプトのもと、穿く人を美しく見せるための完璧なシルエットを追求しています。ビジネス向けのウールスラックスから、カジュアルなチノパン、デニムまで幅広いラインナップを誇りますが、どれも脚長効果が抜群。一度穿くと、他のパンツが穿けなくなるほどの美脚シルエットを体験できます。
orSlow (オアスロウ)
「(or)originalityのあるものを(slow)吟味し、もの創りをする」をコンセプトに掲げる、日本のデニムブランド。19~20世紀のヴィンテージウェアをデザインソースに、現代的なフィルターを通して再構築しています。糸からこだわり抜いて作られるオリジナルのデニム生地は、ヴィンテージさながらの風合いと色落ちが楽しめます。定番モデルの「105」(スタンダードフィット)や「107」(スリムフィット)は、アメカジ好きならずとも一本持っておきたい名作です。
シューズ・スニーカー
「おしゃれは足元から」という格言通り、靴はスタイルを締めくくる重要な要素です。上質な革靴と、きれいめなスニーカーを数足揃えておけば、どんなシーンにも対応できます。
New Balance (ニューバランス)
元々は矯正靴の製造メーカーとしてスタートしたブランドだけに、その履き心地の良さは他のスニーカーブランドと一線を画します。近年はファッションアイテムとしても高く評価されており、特にアメリカやイギリスの工場で生産される「900番台」や「1000番台」のモデルは、上品なデザインと快適な履き心地で、40代の大人たちから絶大な支持を得ています。ジャケットスタイルの「ハズし」としても有効です。
Crockett&Jones (クロケット&ジョーンズ)
1879年に英国・ノーサンプトンで創業した、イギリスを代表する高級革靴ブランドの一つ。質実剛健な作りと、時代に左右されないエレガントなデザインが特徴です。グッドイヤーウェルト製法で作られた靴は、履き込むほどに足に馴染み、ソール交換をしながら10年、20年と履き続けることができます。一足は持っておきたい、まさに「一生モノ」の靴です。
40代男性が気をつけたいNGファッション
ここまでおすすめのブランドやアイテムを紹介してきましたが、逆に「これは避けるべき」というNGファッションも存在します。自分では良かれと思っていても、周りからは「痛い」「だらしない」と思われてしまう可能性のあるスタイルを3つご紹介します。
若者向けの派手なデザイン
20代の若者が着こなすような、流行の最先端を行くアイテムや、派手なデザインの服は、40代の男性が取り入れるには注意が必要です。
- 大きなブランドロゴがプリントされたTシャツやスウェット: ブランドを主張しすぎるアイテムは、品がなく見えがちです。ロゴは胸元のワンポイントなど、控えめなものを選びましょう。
- 過度なダメージ加工のジーンズ: 膝が大きく破れていたり、全体に激しいクラッシュ加工が施されたりしているデニムは、清潔感を損ない、若作りしている印象を与えます。履きこんで自然にできたダメージなら味になりますが、意図的すぎる加工は避けましょう。
- 派手なグラフィックや奇抜な柄物: 全身を派手な柄で覆うようなスタイルは、落ち着きのない子供っぽい印象になります。柄物を取り入れるなら、シャツやネクタイ、スカーフなど、面積の小さい部分に限定するのが賢明です。
これらのアイテムがNGなのは、40代に求められる「品格」や「信頼性」といったイメージと相容れないからです。年相応の落ち着きと、上質さを感じさせるシンプルなデザインを心がけましょう。
体のサイズに合っていない服
これは何度でも強調したい、最も基本的なNGポイントです。自分の体型に合っていないサイズの服は、様々なネガティブな印象を与えてしまいます。
- 大きすぎる(オーバーサイズ)服: 最近のトレンドではありますが、40代が安易に取り入れると、単に「だらしない」「着られている感」が出てしまいます。意図的にオーバーサイズを着こなすのは高度なテクニックが必要です。基本はジャストサイズを選び、だらしなく見えないように注意しましょう。特に肩が落ちすぎている、着丈が長すぎる服は老けて見える原因になります。
- 小さすぎる(ピチピチ)服: 体のラインを強調しすぎるタイトな服は、見ている方を窮屈な気分にさせます。特にお腹周りや胸がはち切れそうなシャツやTシャツは、体型の欠点を悪目立ちさせるだけです。適度なゆとりこそが、大人の余裕に繋がります。
自分の現在の体型を直視し、定期的にサイズを測り直すことが重要です。昔買った服がまだ着られるからといって、サイズ感が古くなっている可能性も考慮しましょう。
安っぽく見える素材感
服装からその人の生活レベルや美意識が透けて見えると言われますが、最もそれを雄弁に物語るのが「素材感」です。安っぽく見える素材は、どんなにおしゃれなデザインでも、全体の印象を台無しにしてしまいます。
- 薄っぺらく、てろてろした生地のTシャツやシャツ: 洗濯を繰り返すうちに首元がよれたり、生地が斜めに歪んだりするような質の低いカットソーは、貧相な印象を与えます。
- 不自然な光沢のある化学繊維: 安価なポリエステルなどにありがちな、テカテカとした光沢は、チープに見える代表例です。もちろん、機能性を目的としたスポーツウェアなどは別ですが、日常着では避けたい素材感です。
- すぐに毛玉ができるニット: アクリルなどの化学繊維100%のニットは、摩擦によってすぐに毛玉ができてしまいます。毛玉だらけのニットは、清潔感がなく、物を大切にしない人という印象を与えます。
40代になったら、「価格」だけでなく「価値」で服を選ぶ視点を持ちましょう。上質な天然素材や、丁寧に作られた服は、見た目が美しいだけでなく、着心地も良く、長持ちします。良い素材の服を身につけることは、自分自身を大切に扱うことにも繋がります。
40代のファッションをおしゃれに見せるコーディネートのコツ
良いブランドの、サイズの合った服を揃えたら、最後の仕上げは「コーディネート」です。ここでは、手持ちのアイテムを組み合わせ、ワンランク上のおしゃれを実現するための具体的なコツを3つご紹介します。
きれいめとカジュアルを上手に組み合わせる
おしゃれな人たちが自然に実践しているのが、「きれいめ(ドレス)」と「カジュアル」のアイテムをミックスするテクニックです。全身をきれいめアイテム(スーツ、ドレスシャツ、革靴など)で固めるとビジネスやフォーマルの装いになり、逆に全身をカジュアルアイテム(Tシャツ、ジーンズ、スニーカーなど)で固めるとラフで子供っぽい印象になりがちです。
この両者のバランスを取ることで、「こなれ感」や「抜け感」のある、洗練された大人のスタイルが生まれます。
- 具体例①:ジャケットスタイルのカジュアルダウン
- きれいめ: テーラードジャケット
- カジュアル: 無地のTシャツ、きれいめなデニム、レザースニーカー
- 解説:ビジネスの象徴であるジャケットを、Tシャツやデニムと合わせることで、休日にふさわしい上品なカジュアルスタイルになります。
- 具体例②:カジュアルスタイルのドレスアップ
- きれいめ: 上質なスラックス、レザーシューズ(ローファーなど)
- カジュアル: クルーネックニット、ミリタリージャケット
- 解説:スウェットやジーンズを合わせがちなカジュアルなトップスに、あえてドレッシーなスラックスや革靴を合わせることで、コーディネート全体が引き締まり、大人っぽい印象になります。
黄金比は「きれいめ7:カジュアル3」と言われています。まずはこのバランスを意識すると、失敗が少なくなります。手持ちのアイテムが「きれいめ」か「カジュアル」かを自分なりに分類してみると、コーディネートが組みやすくなります。
スタイリッシュに見えるシルエットを意識する
コーディネートを組む際には、個々のアイテムだけでなく、全体の「シルエット(輪郭)」を意識することが非常に重要です。シルエットを整えるだけで、同じ服を着ていても見違えるほどスタイリッシュになります。40代の男性が覚えておくべき代表的なシルエットは「Iライン」と「Yライン」です。
Iラインシルエット
アルファベットの「I」のように、上下ともに細身のアイテムを組み合わせて作る、縦に長い直線的なシルエットです。
- 特徴: スマート、シャープ、都会的な印象を与えます。身長を高く見せる効果もあります。
- 作り方: 細身のテーラードジャケットやシャツに、スリムフィットのスラックスやスキニーパンツを合わせます。チェスターコートやステンカラーコートのような、縦長のロングコートもIラインを作りやすいアイテムです。
- 注意点: 全体的に細身な分、お腹周りなどが気になる方は、少しゆとりのある素材や、収縮色(黒やネイビー)を選ぶと良いでしょう。
Yラインシルエット
アルファベットの「Y」のように、上半身にボリュームを持たせ、下半身を細身のパンツで引き締めるシルエットです。
- 特徴: 男性的で、トレンド感のある印象になります。上半身にボリュームがあるため、視線が上に集まり、下半身をスッキリと見せる効果や、気になるお腹周りをカバーする効果も期待できます。
- 作り方: オーバーサイズのコート、ダウンジャケット、ボリュームのあるニットなど、存在感のあるアウターやトップスを選びます。ボトムスは、Iライン同様にスキニーパンツやテーパードパンツなど、細身のものを選ぶのが鉄則です。
- 注意点: 上下のメリハリが重要なので、中途半端な太さのパンツを合わせると、野暮ったい印象になってしまうため注意が必要です。
上質な腕時計や革小物をプラスする
服装がシンプルであればあるほど、その人の個性やこだわりが表れるのが「小物」です。特に40代の男性にとって、上質な小物はコーディネートを格上げし、大人の品格を演出するための重要な武器となります。
- 腕時計: 時間を確認するだけの道具ではなく、その人のステータスやセンスを象徴するアクセサリーとしての側面も持ちます。無理に高級ブランドのものを買う必要はありませんが、シンプルでクラシックなデザインの機械式時計や、信頼できるブランドのアナログクォーツ時計を一つ持っておくと、どんな場面でも自信を持って身につけられます。服装に合わせて時計を付け替えるのも、おしゃれの楽しみの一つです。
- 革小物(ベルト、財布、バッグ、靴): これらの革小物の色や素材感を統一すると、コーディネートにまとまりが生まれ、非常に洗練された印象になります。例えば、黒の革靴を履くならベルトも黒のスムースレザーに、茶色のスエードの靴を履くならベルトも茶色のスエードに合わせるといった具合です。
- その他の小物: 冬であれば、カシミヤのマフラーやレザーグローブ。夏であれば、上質なリネンやシルクのストール、質の良いサングラスなども、スタイルに深みを与えてくれます。
「神は細部に宿る」という言葉の通り、こうした小物への気配りが、その他大勢との違いを生み出します。服装が完璧でも、小物がチープだと全体が安っぽく見えてしまうことを忘れないようにしましょう。
まとめ
40代は、これまでの人生経験が深みとなり、男性として最も魅力的な輝きを放つ年代です。ファッションは、その内面的な魅力を外面に表現し、自信を与えてくれる強力なツールとなり得ます。
この記事では、40代のメンズファッションを成功させるための考え方を多角的に解説してきました。最後に、重要なポイントを改めて振り返ります。
- 押さえるべき3つの基本: 「清潔感」「年齢に合った上品さ」「TPO」。これらは、あらゆるコーディネートの土台となる最も重要な要素です。
- ブランド選びで失敗しない3つのコツ: 「シンプルで上質なアイテムを選ぶ」「体型に合ったジャストサイズを心がける」「コーディネートの基本はベーシックカラー」。この3つを意識すれば、長く愛用できる質の高いワードローブが構築できます。
- 避けるべきNGファッション: 「若者向けの派手なデザイン」「サイズの合わない服」「安っぽく見える素材感」は、40代の品格を損なうため避けましょう。
- おしゃれに見せるコーディネートのコツ: 「きれいめとカジュアルのミックス」「Iライン・Yラインといったシルエットの意識」「上質な小物の活用」で、いつもの服装が格段に洗練されます。
数多くのブランドをご紹介しましたが、最も大切なのは、ブランドの知名度や価格に振り回されるのではなく、「今の自分に本当に似合うものは何か」を見極める視点です。この記事で紹介した知識をヒントに、ぜひ色々な服を試着してみてください。
ファッションに正解はありません。しかし、基本となるセオリーは存在します。そのセオリーを学び、自分なりに応用していくことで、あなただけのスタイルは確立されていきます。自信を持って服を選ぶことができれば、仕事のパフォーマンスが上がり、プライベートがより充実するなど、人生にポジティブな影響が生まれるはずです。
今日から、新しい自分を発見するためのファッションの旅を始めてみませんか。