初心者向けメンズメイクのやり方 バレない基本の手順とコスメ紹介

初心者向けメンズメイクのやり方、バレない基本の手順とコスメ紹介

近年、男性の美容意識の高まりとともに、「メンズメイク」は特別なものではなく、ビジネスやプライベートで好印象を与えるための「身だしなみ」の一つとして広く受け入れられつつあります。しかし、「何から始めればいいかわからない」「メイクしていることが周りにバレたくない」「どんなアイテムを揃えればいいの?」といった疑問や不安を抱える初心者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、メンズメイクの基本から応用までを網羅的に解説します。清潔感を高め、肌の悩みを自然にカバーし、自分に自信を持つための第一歩を、この記事と共に踏み出してみましょう。バレないナチュラルメイクの基本的な手順、揃えるべきアイテム、肌悩みを解決するテクニック、さらにはおすすめのコスメブランドまで、初心者が必要とする情報をすべて詰め込みました。

メンズメイクとは

メンズメイクとは

メンズメイクとは、男性が自身の魅力を最大限に引き出し、清潔感を高めるために行うメイクアップのことです。女性のメイクが「装飾」や「変身」に重きを置くことが多いのに対し、メンズメイクの基本は、あくまでも「補正」や「身だしなみ」にあります。肌のコンディションを整え、ニキビ跡やクマ、青髭といった肌悩みを自然にカバーし、生き生きとした健康的な印象を与えることが主な目的です。

この考え方の背景には、社会全体の価値観の変化があります。かつては「男性がメイクをする」ことに対して抵抗感を持つ人も少なくありませんでしたが、現代では性別に関わらず、誰もが自分らしさを表現し、自己投資をすることが肯定的に捉えられるようになりました。特に、リモートワークの普及によりオンライン会議で自分の顔を見る機会が増えたことも、肌のコンディションや見た目への関心を高める一因となったと考えられます。

■女性のメイクとの根本的な違い

メンズメイクと女性のメイクは、使用するアイテムに大きな違いはありませんが、目的とアプローチが異なります。

  1. 目的の違い:
    • メンズメイク: 素肌感を活かし、清潔感を向上させることが第一。肌トラブルのカバー、テカリ防止、眉を整えるなど、「元々肌がきれいな人」に見せるナチュラルな仕上がりを目指します。
    • 女性のメイク: 肌を美しく見せることに加え、アイシャドウやチーク、リップなどで色彩を加え、華やかさやトレンド感を表現するなど、装飾的な要素が強い傾向があります。
  2. 肌質の違い:
    • 男性の肌: 一般的に、男性の肌は女性に比べて皮膚が厚く、皮脂の分泌量が多い一方で、水分量は少ないという特徴があります。そのため、テカリやすく、同時に乾燥しやすい(インナードライ)傾向にあります。
    • メンズコスメの特性: このような男性特有の肌質に合わせて、メンズコスメは皮脂吸着成分が配合されていたり、さっぱりとした使用感でありながら保湿力も備えていたりと、男性の肌悩みに特化した処方になっていることが多いです。

■メンズメイク市場の広がり

メンズメイクはもはや一部の人のためのものではありません。実際に、メンズコスメ市場は年々拡大を続けています。市場調査会社の富士経済が発表した調査によると、2023年のメンズコスメティックス市場は、前年比3.4%増の1,653億円が見込まれており、今後も成長が続くと予測されています。(参照:株式会社富士経済 プレスリリース)

このように市場が拡大していることからも、メンズメイクが社会的に広く浸透し、多くの男性にとって当たり前の選択肢となりつつあることがわかります。

■初心者へのメッセージ

「メイク」と聞くと、難しくてハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、心配する必要はありません。この記事で紹介するのは、誰でも簡単に始められる基本的なステップです。メンズメイクは、日々のスキンケアの延長線上にある「もう一歩進んだ身だしなみ」と捉えてみてください。

BBクリームを塗って肌色を均一にするだけで、顔全体の印象は格段に明るくなります。眉を少し整えるだけで、顔つきが引き締まり、知的な印象を与えられます。まずはこの記事を参考に、自分に必要なアイテムを一つ手にとってみることから始めてみましょう。その小さな一歩が、あなたの印象を大きく変え、新しい自信に繋がるはずです。

メンズメイクで得られる3つのメリット

清潔感がアップして第一印象が良くなる、ニキビ跡やクマなどの肌悩みをカバーできる、自分に自信が持てる

メンズメイクを始めることで、見た目の変化だけでなく、内面にも多くのポジティブな影響がもたらされます。ここでは、メンズメイクによって得られる代表的な3つのメリットについて、具体的に解説します。

① 清潔感がアップして第一印象が良くなる

ビジネスシーンやプライベートを問わず、第一印象は非常に重要です。心理学には「ハロー効果」という言葉があり、これは特定の一つの特徴が良いと、その人物全体の評価も高くなるという心理現象を指します。その中でも「清潔感」は、相手に好印象を与える上で最も強力な要素の一つと言えるでしょう。

では、「清潔感」とは具体的に何から生まれるのでしょうか。それは、整った髪型や服装はもちろんのこと、「肌のコンディション」が大きく影響します。

  • 均一な肌の色: ニキビ跡やシミ、色ムラがなく、均一なトーンの肌は健康的で若々しい印象を与えます。
  • なめらかな肌の質感: テカリやベタつき、毛穴の開きが抑えられた、なめらかでサラサラした肌は、清潔なイメージに直結します。
  • 整った眉: ボサボサに伸びた眉ではなく、形が整えられた眉は、顔全体を引き締め、知的で誠実な印象を与えます。
  • 潤いのある唇: カサカサに乾いた唇ではなく、適度に潤いのある唇は、健康的で細やかな気配りができる人物像を想起させます。

メンズメイクは、これらの「清潔感」を構成する要素を、ごく自然に向上させられます。BBクリームで肌の色ムラをカバーし、フェイスパウダーでテカリを抑え、アイブロウで眉の形を整え、リップクリームで唇に潤いを与える。これらの基本的なステップを踏むだけで、あなたの第一印象は劇的に改善され、相手に「信頼できる」「仕事ができそう」「自己管理ができている」といったポジティブなイメージを抱かせやすくなります。

重要な商談やプレゼンテーション、就職活動の面接、あるいは大切な人とのデートなど、ここぞという場面で自信を持って臨むための強力な武器となるでしょう。

② ニキビ跡やクマなどの肌悩みをカバーできる

多くの男性が、何かしらの肌悩みを抱えています。思春期から続くニキビ跡、寝不足や疲れが顕著に現れる目の下のクマ、毎日の髭剃りで目立つ青髭、年齢とともに増えてくるシミや毛穴の開きなど、これらのコンプレックスは鏡を見るたびに気分を沈ませ、自信を削いでしまう原因になり得ます。

メンズメイクは、これらの肌悩みをピンポイントで、かつ自然にカバーするための非常に有効な手段です。

  • ニキビ・ニキビ跡: コンシーラーを使えば、気になる赤みや色素沈着を的確に隠せます。肌全体をファンデーションで厚塗りする必要はなく、悩みの部分だけをカバーすることで、素肌感を損なわずに美しい肌を演出できます。
  • 目の下のクマ: クマの種類(青グマ、茶グマ、黒グマ)に合わせた色のコンシーラーを使うことで、疲れた印象や不健康なイメージを払拭し、明るく活気に満ちた表情に見せられます。
  • 青髭: 髭剃り後に肌が青黒く見えてしまう青髭も、オレンジ系のコントロールカラーやコンシーラーで色味を補正することで、目立たなくすることが可能です。清潔感が格段にアップします。
  • 毛穴・テカリ: 毛穴の凹凸を埋める効果のある化粧下地や、皮脂を吸着するフェイスパウダーを使えば、なめらかでサラサラの肌を長時間キープできます。

これらの肌コンプレックスが解消されることのメリットは、単に見た目が良くなるだけではありません。肌悩みがカバーされることで、人とのコミュニケーションに対する心理的なハードルが下がり、より積極的に人と関われるようになります。 人の視線を気にすることなく、堂々と振る舞えるようになることは、精神的な安定と自信に繋がる大きなメリットです。

③ 自分に自信が持てる

前述の2つのメリット、「清潔感の向上」と「コンプレックスの解消」は、最終的に「自分に自信が持てる」という最大のメリットへと繋がります。

メイクは、単に欠点を隠すためのものではありません。自分の理想とする姿に近づくための「自己表現のツール」でもあります。メイクによって整えられた自分の顔を鏡で見たとき、「今日の自分はいい感じだ」と思える感覚は、自己肯定感を高める上で非常に重要です。

このポジティブな自己認識は、日々の行動にも影響を与えます。

  • プレゼンテーションで堂々と話せるようになる
  • 初対面の人とも臆せずコミュニケーションが取れるようになる
  • ファッションやヘアスタイルなど、他の自分磨きにも意欲が湧く

このように、外見を整えることが内面の強さを引き出し、それがまた行動を変え、良い結果を生むという好循環が生まれます。メンズメイクは、その好循環を始めるための、手軽で効果的なきっかけとなり得るのです。

結論として、メンズメイクは見た目を整えるだけでなく、第一印象を良くし、長年のコンプレックスを解消し、そして何よりも自分自身に揺るぎない自信を与えてくれる、非常に価値のある自己投資と言えるでしょう。

メイクを始める前のスキンケアが重要

メイクのノリが格段に良くなる、メイクが崩れにくくなる、肌への負担を軽減する、素肌そのものが美しくなる

多くの初心者が陥りがちな間違いは、BBクリームやファンデーションといった「メイクアップアイテム」ばかりに気を取られ、その土台となる「スキンケア」を疎かにしてしまうことです。しかし、バレない自然なメンズメイクを実現するためには、メイク前のスキンケアこそが最も重要と言っても過言ではありません。メイクの仕上がりや持ちは、肌のコンディションによって9割が決まると考えてください。

なぜスキンケアがそれほどまでに重要なのでしょうか。その理由は大きく4つあります。

  1. メイクのノリが格段に良くなる: 乾燥してカサついた肌や、皮脂でベタついた肌の上からメイクをしても、ファンデーションがうまくのらず、ムラになったり粉を吹いたりする原因になります。スキンケアで肌の水分と油分のバランスを整えることで、コスメが肌に均一に密着し、なめらかな仕上がりになります。
  2. メイクが崩れにくくなる: 肌が乾燥していると、肌は自身を守ろうとして過剰に皮脂を分泌します。これがテカリやメイク崩れの主な原因です。しっかりと保湿された肌は皮脂の過剰分泌が抑えられるため、長時間きれいな状態をキープできます。
  3. 肌への負担を軽減する: スキンケアで肌表面に潤いの膜を作っておくことは、メイクアップ料の刺激や、日中の紫外線・乾燥といった外的刺激から肌を守るバリア機能の役割も果たします。
  4. 素肌そのものが美しくなる: 日々のスキンケアを習慣にすることで、肌トラブルが起こりにくい健やかな肌を育むことができます。結果的に、カバーすべき点が減り、より薄いメイクで済むようになります。

メイクはスキンケアから始まっています。ここでは、メイク前に行うべき基本的なスキンケアの2ステップを詳しく解説します。

洗顔で汚れや皮脂を落とす

まず最初に行うべきは、就寝中に分泌された皮脂や汗、空気中のホコリなどを洗い流し、肌を清潔なキャンバスの状態にすることです。

■正しい洗顔のポイント

  • ① まずは手を洗う: 手についた雑菌を顔に広げないため、洗顔前には必ず石鹸で手を洗いましょう。
  • ② 洗顔料をしっかりと泡立てる: 洗顔料は、泡で汚れを浮かせて落とすものです。原液のまま肌につけてゴシゴシこするのは、摩擦による肌ダメージの原因となります。手のひらで泡立てるのが苦手な方は、100円ショップなどでも手に入る「泡立てネット」を使うのがおすすめです。キメの細かい、弾力のある泡をたっぷりと作りましょう。
  • ③ 泡をクッションにして優しく洗う: 作った泡を顔全体に乗せ、肌に直接指が触れないように、泡を転がすようなイメージで優しく洗います。特に、皮脂の分泌が多いTゾーン(額、鼻)から洗い始め、乾燥しやすいUゾーン(頬、あご)は最後に手早く洗うのがコツです。
  • ④ ぬるま湯で丁寧にすすぐ: すすぎは、熱すぎず冷たすぎない32〜34℃程度のぬるま湯で行います。熱いお湯は肌に必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥を招きます。逆に冷水は毛穴が引き締まり、汚れが十分に落ちない可能性があります。シャワーを直接顔に当てるのは水圧が強すぎるため避け、両手ですくったぬるま湯で、最低でも20回以上は優しく洗い流しましょう。髪の生え際やフェイスラインは泡が残りやすいので、特に意識してすすぎます。
  • ⑤ 清潔なタオルで優しく押さえる: 洗い終わったら、清潔で柔らかいタオルを顔にそっと押し当て、水分を吸収させます。ゴシゴシとこするのは厳禁です。

化粧水・乳液でしっかり保湿する

洗顔後の肌は、汚れと共に皮脂膜も洗い流され、非常に無防備で乾燥しやすい状態です。洗顔後、できるだけ早く保湿ケアを行うことが、健やかな肌を保つための鍵となります。保湿は「水分補給」と「水分の蒸発を防ぐ」の2ステップで行います。

■化粧水の役割:水分補給
化粧水は、肌に水分を与え、角質層を潤いで満たす役割を担います。これにより、肌が柔らかくなり、次に使う乳液の浸透も良くなります。

  • 使い方: 清潔な手に、製品のパッケージに記載されている適量(多くは500円玉大)を取ります。それを両手に広げ、顔全体を優しく包み込むようにハンドプレスしてなじませます。パンパンと叩き込むのは肌への刺激になるため避けましょう。乾燥が気になる目元や口元には、重ね付けするのが効果的です。

■乳液・クリームの役割:水分の蒸発を防ぐ
化粧水で補給した水分が蒸発してしまわないように、油分を含んだ乳液やクリームで「フタ」をします。これにより、肌の潤いを長時間キープできます。

  • 使い方: 化粧水が肌になじんだことを確認したら、適量(多くは10円玉大)の乳液を手に取ります。化粧水と同様に、顔の中心から外側に向かって優しくなじませていきます。ベタつきが気になるという男性も多いですが、この工程を省くと、かえって皮脂の過剰分泌を招きテカリの原因になります。脂性肌の人はさっぱりタイプの乳液を、乾燥肌の人は保湿力の高いクリームを選ぶなど、自分の肌質に合ったものを選びましょう。

スキンケアは、メイクを成功させるための最も重要な下準備です。この2つのステップを毎日の習慣にすることが、バレない美しいメンズメイクへの最短ルートとなります。

初心者が揃えるべきメンズメイクの基本アイテム7選

メンズメイクを始めたいけれど、何を揃えればいいかわからないという方のために、まずはこれだけあれば基本的なナチュラルメイクが完成するという7つの必須アイテムをご紹介します。最初からすべてを完璧に揃える必要はありません。まずはBBクリームとアイブロウから、というように少しずつ試していくのも良いでしょう。

アイテム名 主な役割 選び方のポイント
化粧下地 肌の凹凸を整え、メイクのノリと持ちを良くする 肌悩み(テカリ、乾燥、色ムラなど)に合った機能を持つものを選ぶ
BBクリーム・ファンデーション 肌色を均一に補正し、肌をきれいに見せる 自分の肌色に合った色、好みの仕上がり(ツヤ・マット)で選ぶ
コンシーラー ニキビ跡やクマなど、ピンポイントの悩みをカバーする 悩みの種類(クマ、ニキビ跡)と肌色に合った色・テクスチャを選ぶ
フェイスパウダー テカリを抑え、メイクを崩れにくくする 色の有無(ルーセント、カラー)、質感(ルース、プレスト)で選ぶ
アイブロウ 眉の形を整え、顔の印象を引き締める 髪色に近い色、描きやすい形状(ペンシル、パウダー)で選ぶ
リップクリーム 唇の乾燥を防ぎ、血色感をプラスする 保湿力、UVカット機能、ほんのり色づくタイプなどを考慮する
クレンジング(メイク落とし) メイク汚れをしっかり落とし、肌トラブルを防ぐ メイクの濃さ、肌質に合ったタイプ(オイル、ジェル、ミルクなど)を選ぶ

① 化粧下地

化粧下地は、スキンケアとベースメイクの間に使用するアイテムです。一見、地味な存在に思えますが、メイクの仕上がりと持続性を大きく左右する縁の下の力持ちです。主な役割は、肌表面の細かな凹凸(毛穴など)をなめらかに整え、ファンデーションの密着度を高めることです。

さらに、製品によっては様々な付加機能があります。

  • 皮脂コントロール: 皮脂を吸着する成分が含まれており、Tゾーンのテカリを防ぎます。
  • 色補正(コントロールカラー): 肌の赤みにはグリーン、黄ぐすみにはパープル、血色の悪さにはピンクといったように、肌悩みに合わせた色でトーンを補正します。
  • 保湿: 乾燥から肌を守り、日中のカサつきや粉吹きを防ぎます。
  • UVカット: 日焼け止め効果を兼ね備えたものも多く、紫外線対策としても有効です。

自分の肌悩みに合った下地を選ぶことで、ファンデーションを厚塗りしなくても、理想の肌状態に近づけられます。

② BBクリーム・ファンデーション

肌全体の色ムラを整え、均一な肌色に見せるためのアイテムです。初心者には、化粧下地、日焼け止め、ファンデーションなどの機能が一つになった「BBクリーム」が特におすすめです。Blemish Balm(傷を補う軟膏)の略で、もともとは医療現場で使われていたものです。1本でベースメイクが手軽に完成し、カバー力も程よく、自然な仕上がりになります。

一方、ファンデーションはBBクリームよりもカラーバリエーションが豊富で、カバー力が高い製品が多いのが特徴です。よりしっかりとカバーしたい場合や、自分の肌色に完璧に合う色を見つけたい場合に適しています。リキッド、クリーム、パウダー、クッションなど様々な形状があります。

③ コンシーラー

BBクリームやファンデーションだけでは隠しきれない、ニキビ跡、シミ、目の下のクマ、小鼻の赤みといったピンポイントの肌悩みを集中的にカバーするアイテムです。ベースメイクを厚塗りするのではなく、コンシーラーを部分的に使うことで、全体の素肌感を損なわずに悩みを隠すことができます。

形状には、硬めのテクスチャーでカバー力が高い「スティックタイプ」、伸びが良く広範囲にも使いやすい「リキッドタイプ」、保湿力があり密着度の高い「クリームタイプ」などがあります。隠したい悩みの種類や場所によって使い分けるのがおすすめです。

④ フェイスパウダー

ベースメイクの最後に使う、粉状のコスメです。主な目的は、BBクリームやファンデーションの油分を抑え、肌表面をサラサラに仕上げること。これにより、テカリやベタつきを防ぎ、メイクの崩れを長時間防止します。また、肌にヴェールをかけたように毛穴をふんわりとぼかし、よりなめらかな質感に見せる効果もあります。

粉が固められていない「ルースパウダー」と、固形(プレスト)タイプの「プレストパウダー」があります。持ち運びにはプレストパウダーが便利です。色のつかない透明な「ルーセントタイプ」なら、ファンデーションの色味を変えることなく使えるため、初心者にも扱いやすいでしょう。

⑤ アイブロウ

眉は顔の印象を決定づける非常に重要なパーツです。眉の形を整えるだけで、顔全体が引き締まり、清潔感や知的な印象が格段にアップします。ボサボサの眉や、左右非対称な眉を整えるためのアイテムがアイブロウです。

  • アイブロウペンシル: 眉の形を整えたり、足りない部分を一本一本描き足したりするのに便利。
  • アイブロウパウダー: ふんわりと自然な眉を描くのに適しています。濃淡のグラデーションも作りやすいです。
  • 眉マスカラ: 眉毛の色を変えたり、毛流れを整えたりするのに使います。

初心者は、まずペンシルタイプで足りない部分を描き足すことから始めるのが簡単です。色は、自分の髪色より少し明るめを選ぶと自然になじみます。

⑥ リップクリーム

唇は意外と人に見られているパーツです。カサカサに荒れていたり、皮がむけていたりすると、不健康でだらしない印象を与えかねません。基本的な保湿ケアとして、UVカット機能のあるリップクリームを日常的に使うことをおすすめします。

さらに一歩進んで、ほんのりと自然な血色感をプラスしてくれる「色付きリップクリーム」もおすすめです。顔色が悪く見える日でも、唇に自然な赤みが加わるだけで、健康的で生き生きとした印象になります。あくまで「元々の唇の色がきれい」に見える程度の、ごく薄い色付きのものを選べば、メイクをしているとは気づかれにくいでしょう。

⑦ クレンジング(メイク落とし)

メイクをする上で、最も重要なアイテムと言っても過言ではありません。BBクリームや日焼け止めなどは、通常の洗顔料だけでは完全に落としきることができません。メイク汚れが肌に残ったままだと、毛穴詰まりやニキビ、肌荒れ、色素沈着といった深刻な肌トラブルの原因になります。

「メイクを落とすまでがメイク」と心得て、必ず専用のクレンジング剤を使用しましょう。オイル、ジェル、ミルク、クリーム、バーム、シートなど様々なタイプがありますが、BBクリームなどの軽いメイクであれば、肌への負担が少ないジェルタイプやミルクタイプから試してみるのがおすすめです。

【7ステップで解説】バレないメンズメイクの基本的なやり方と順番

スキンケアで肌の土台を整える、化粧下地で肌の凹凸をなくす、BBクリームを顔全体に薄く塗る、コンシーラーで気になる部分を隠す、フェイスパウダーでテカリを抑える、アイブロウで眉毛の形を整える、リップクリームで唇に潤いを与える

ここでは、前章で紹介した基本アイテムを使い、誰でも簡単に実践できる「バレないナチュラルメイク」の具体的な手順を7つのステップに分けて解説します。正しい順番で行うことが、自然で美しい仕上がりへの近道です。

① スキンケアで肌の土台を整える

すべてのメイクは、清潔で潤った肌から始まります。「メイクを始める前のスキンケアが重要」の章で解説した通り、まずは洗顔で顔の汚れや余分な皮脂をしっかりと落としましょう。その後、化粧水でたっぷりと水分を補給し、乳液でその潤いにフタをします。

ポイントは、スキンケア後すぐにメイクを始めるのではなく、3〜5分ほど時間を置いて、化粧水や乳液が肌にしっかりとなじむのを待つこと。 これにより、肌表面がベタつかず、ベースメイクがヨレにくくなります。

② 化粧下地で肌の凹凸をなくす

スキンケアがなじんだら、化粧下地を塗っていきます。適量(製品によりますが、一般的にはパール1粒大)を手の甲に出し、指先で額、両頬、鼻、あごの5点に置きます。そして、顔の中心から外側に向かって、顔全体に薄く均一に伸ばしていきます。

Tゾーンなどテカリが気になる部分や、毛穴が気になる頬の部分には、少量を重ね付けすると効果的です。このひと手間が、メイクの持ちを格段に良くし、ファンデーションの量を最小限に抑えることにも繋がります。

③ BBクリームを顔全体に薄く塗る

いよいよベースメイクの中心、BBクリームです。ここでの鉄則は「とにかく少量から始める」こと。いきなり多くの量を塗ると、厚塗り感が出てしまい、「メイクしてます感」の原因になります。

化粧下地と同様に、適量(あずき1粒大程度)を手の甲に出し、顔の5点に置きます。そして、指の腹やメイクスポンジを使って、顔の中心から外側に向かって、トントンと軽く叩き込むようにしながら薄く伸ばしていきます。フェイスライン(顔と首の境目)は、ぼかすようにしっかりなじませると、白浮きを防ぎ自然な仕上がりになります。

カバー力が足りないと感じる部分があれば、そこにだけ少量を重ね付けします。顔全体を均一に厚く塗る必要はありません。

④ コンシーラーで気になる部分を隠す

BBクリームを塗ってもまだ気になる、ニキビ跡、シミ、目の下のクマといった部分には、コンシーラーを投入します。

隠したい部分にコンシーラーを直接ちょんとのせ、周りの肌との境目を指先で優しくトントンと叩き込むようにしてぼかします。 この時、コンシーラーを塗った部分全体を広げるようにぼかすのではなく、あくまで「境目だけ」をなじませるのがコツです。これにより、カバー力は維持したまま、自然に肌に溶け込ませることができます。

⑤ フェイスパウダーでテカリを抑える

ベースメイクの仕上げです。フェイスパウダーをパフや大きめのブラシに適量含ませ、一度手の甲やティッシュの上で余分な粉をトントンと軽く払います。

そして、肌をこすらずに、優しく押さえるように顔全体に乗せていきます。特に皮脂が出やすいTゾーン(額・鼻)や、マスクで蒸れやすい口周りは丁寧に押さえておくと、一日中サラサラの肌をキープしやすくなります。この工程で、ベースメイクの密着度が高まり、格段に崩れにくくなります。

⑥ アイブロウで眉毛の形を整える

眉は顔の額縁です。ここを整えるだけで、一気に清潔感と精悍さが増します。

まず、スクリューブラシ(アイブロウペンシルに付属していることが多い)で眉全体の毛流れを整えます。次に、アイブロウペンシルを使って、眉山から眉尻にかけて、毛が足りない部分を一本一本描き足すようなイメージで埋めていきます。 眉頭はあまり濃く描くと不自然になるので、軽くぼかす程度に留めましょう。「眉頭は薄く、眉尻はくっきりと」が自然に見せる黄金ルールです。最後に再びスクリューブラシで全体をぼかせば、描いた部分が自眉となじみます。

⑦ リップクリームで唇に潤いを与える

最後の仕上げに、リップクリームで唇を保湿します。カサついた唇は疲れた印象を与えてしまうため、忘れずに行いましょう。無色の保湿リップクリームでも十分ですが、顔色が悪く見えがちな方は、ほんのり血色感をプラスしてくれる色付きリップクリームもおすすめです。

塗る際は、唇のシワに沿って縦方向に塗ると、成分が浸透しやすく、よりふっくらとした仕上がりになります。

これで、バレないナチュラルメンズメイクの完成です。慣れてくれば、この7ステップも10分程度で完了するようになります。

自然な仕上がりにするための3つのコツ

自分の肌色に合ったコスメを選ぶ、厚塗り感が出ないように薄く重ねる、メイク後はクレンジングでしっかり落とす

メンズメイクで最も避けたいのは、「いかにもメイクしています」という不自然な仕上がりです。ここでは、周囲にバレることなく、まるで元から肌がきれいであるかのように見せるための、3つの重要なコツを伝授します。

① 自分の肌色に合ったコスメを選ぶ

メンズメイクの成否を分ける最大のポイントは、「色選び」です。特に、顔の広範囲に塗るBBクリームやファンデーション、部分的に使うコンシーラーの色が自分の肌色と合っていないと、途端に不自然に見えてしまいます。

  • 白すぎる色: 顔だけが白く浮いてしまい、首との色の差がくっきりと出てしまいます。いわゆる「厚化粧」に見える典型的な失敗例です。
  • 暗すぎる色・黄みが強すぎる色: 顔色が悪く見えたり、くすんで見えたりする原因になります。

■正しい色の選び方
最適な色を見つけるための最も確実な方法は、実際に肌に塗って試すことです。その際、手の甲で試す人が多いですが、手の甲と顔の肌色は意外と違うため、あまり参考になりません。

ベストなテスト場所は、顔と首の境目である「フェイスライン」です。ここに2〜3色の候補を少しずつ塗り、少し時間を置いてなじませた後、最も肌の色に溶け込んで見えなくなった色が、あなたにぴったりの色です。

また、店内の照明(特に黄色っぽい照明)の下と、屋外の自然光の下では色の見え方が大きく異なります。可能であれば、フェイスラインに塗った状態で一度店の外に出て、自然光の下で鏡を見て確認するのが最も失敗のない方法です。

② 厚塗り感が出ないように薄く重ねる

バレないメイクの鉄則は「ミニマリズム(最小限主義)」です。カバーしたいという気持ちが強いと、ついついBBクリームやファンデーションをたくさん塗ってしまいがちですが、それが厚塗り感と不自然さの元凶となります。

■「薄く、薄く」を意識する
一度に多くの量を塗るのではなく、「ごく少量を手に取り、薄く伸ばし、足りない部分にだけもう一度薄く重ねる」というプロセスを徹底しましょう。顔全体を均一に完璧にカバーする必要はありません。肌が透けて見えるくらいの薄さの方が、かえってリアルで自然な素肌感を演出できます。

■ツールを効果的に活用する
指で塗るのも手軽で良いですが、より薄く均一な仕上がりを目指すなら、「メイクスポンジ」や「ファンデーションブラシ」といったツールの活用がおすすめです。

  • メイクスポンジ: ファンデーションを肌に密着させながら、余分な油分や量を吸収してくれるため、ヨレにくく、自然なツヤのある仕上がりになります。水で濡らして固く絞ってから使うタイプのスポンジは、さらに密着度と透明感が高まります。
  • ファンデーションブラシ: 筋ムラなく、ごく薄い膜を張るようにファンデーションを塗ることができます。毛穴などの凹凸にも均一にフィットさせやすいのが特徴です。

これらのツールを使うことで、テクニックがなくてもプロが仕上げたような、素肌感のある美しいベースメイクが作りやすくなります。

③ メイク後はクレンジングでしっかり落とす

メイクをすることと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、一日の終わりにメイクをきちんと落とすことです。これは、美しい仕上がりを追求する「コツ」であると同時に、健やかな肌を維持するための「絶対ルール」でもあります。

■なぜクレンジングが必須なのか?
BBクリームや日焼け止め、コンシーラーなどに含まれる成分(油分、顔料、シリコーンなど)は、通常の洗顔料では完全に落としきれません。これらのメイク汚れが肌に残ったままだと、

  • 皮脂や古い角質と混ざり合って毛穴を詰まらせ、ニキビや黒ずみの原因になる。
  • 肌のターンオーバー(新陳代謝)を妨げ、くすみやゴワつきを引き起こす。
  • 肌への刺激となり、乾燥や肌荒れを招く。

といった深刻な肌トラブルに繋がります。メイクをした日は、どれだけ疲れていても、必ず専用のクレンジング剤でメイクを落とし、その後に洗顔をする「ダブル洗顔」を習慣にしましょう。

自然な仕上がりとは、単にメイク中の見た目だけでなく、メイクを落とした後の素肌の健康状態によっても支えられています。この3つのコツを常に意識することで、あなたのメンズメイクはより洗練され、誰にも気づかれることなく、自信に満ちた印象を手に入れることができるでしょう。

【肌悩み別】メンズメイクのカバーテクニック

青髭を隠す方法、ニキビ・ニキビ跡を隠す方法、目の下のクマ・くすみを隠す方法、テカリ・毛穴を目立たなくする方法

基本的なメイク方法をマスターしたら、次は多くの男性が抱える特有の肌悩みを、より効果的にカバーする応用テクニックに挑戦してみましょう。ここでは、代表的な4つの悩みに対する具体的なカバー方法を解説します。

青髭を隠す方法

毎朝きちんと髭を剃っても、夕方になると青黒く見えてしまう「青髭」。これは肌の下にある髭が透けて見えることで起こり、疲れた印象や不潔な印象を与えがちです。この青みを効果的に隠すには、「色の補正」の原理を利用するのが鍵となります。

色の世界には「補色」という考え方があり、色相環で正反対に位置する色同士は、混ぜ合わせるとお互いの色を打ち消し合う性質があります。青色の補色はオレンジ色です。つまり、青髭が気になる部分にオレンジ系の色を仕込むことで、青みを自然に中和させることができます。

■青髭カバーの手順

  1. オレンジ系のコンシーラー/コントロールカラーを仕込む: 髭が青く見える範囲(口周り、あごなど)に、オレンジ色のコンシーラーまたはコントロールカラー(色補正下地)を薄く指で叩き込むように塗ります。塗りすぎるとオレンジ色が浮いてしまうので、ごく少量でOKです。
  2. 肌色のBBクリーム/コンシーラーを重ねる: オレンジ色を仕込んだ上から、自分の肌色に合ったBBクリームやコンシーラーを優しく重ねてなじませます。こすらずに、ポンポンと置くように重ねるのがポイントです。

このひと手間で、ただ肌色のファンデーションを重ねるよりもはるかに自然で強力に青髭をカバーでき、清潔感が一日中持続します。

ニキビ・ニキビ跡を隠す方法

突発的にできるニキビや、それが治った後に残る跡も大きな悩みの一つです。状態に合わせて的確なアイテムと色を選ぶことが重要です。

  • 炎症中の赤いニキビ: 悪化させないことが最優先です。殺菌成分や抗炎症成分が配合された「薬用コンシーラー」を選びましょう。直接指で触れず、清潔な綿棒やコンシーラーブラシを使って、ニキビをピンポイントで覆うように乗せます。
  • 赤みのあるニキビ跡: 赤みを効果的に打ち消す補色はグリーンです。グリーン系のコントロールカラーやコンシーラーを赤みが気になる部分に薄く乗せ、その上から肌色のコンシーラーを重ねると、赤みがきれいにカバーできます。
  • 茶色い色素沈着のニキビ跡: このタイプの跡には、自分の肌色よりもワントーン暗い色のコンシーラーを選ぶのがコツです。明るい色で隠そうとすると、かえって白浮きして目立ってしまうことがあります。暗めの色でシミを隠し、その周りを肌色のファンデーションでぼかすと自然になじみます。

目の下のクマ・くすみを隠す方法

寝不足や血行不良、色素沈着によって現れる目の下のクマは、顔全体を疲れさせ、老けた印象を与えます。クマもタイプによって原因と色が異なるため、適切な色でカバーすることが大切です。

  • 青グマ(血行不良タイプ): 目の下を軽く引っ張ると色が薄くなるのが特徴。青髭と同様に、オレンジ系のコンシーラーで血色感をプラスするようにカバーするのが効果的です。
  • 茶グマ(色素沈着タイプ): 目を引っ張っても色が変わらないのが特徴。紫外線や摩擦によるメラニンが原因です。イエロー系のコンシーラーで色ムラを均一に整え、明るさを出すのがおすすめです。
  • 黒グマ(たるみ・くぼみタイプ): 上を向くと薄くなるのが特徴で、加齢による皮膚のたるみが影を作っている状態です。色で隠すというより、光で影を飛ばすアプローチが有効です。パールや光沢感のある、明るめのコンシーラーやハイライトを影の部分に乗せることで、ふっくらと見せ、影を目立たなくさせます。

いずれのクマも、皮膚が薄くデリケートな部分なので、コンシーラーは厚塗りせず、薬指で優しくトントンと叩き込むようになじませましょう。

テカリ・毛穴を目立たなくする方法

男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発な男性にとって、Tゾーンのテカリや頬の毛穴の開きは共通の悩みです。これらはベースメイクの前の「仕込み」が重要になります。

  • スキンケアでの対策: 日頃からビタミンC誘導体などが配合された、皮脂コントロール効果のある化粧水を使うのがおすすめです。収れん化粧水で毛穴を引き締めるのも良いでしょう。
  • 下地での対策: メイク前には、「皮脂吸着パウダー」が配合されたテカリ防止下地をTゾーンに塗り込みます。また、毛穴の凹凸が気になる部分には、シリコン系の成分で毛穴を埋めてフラットな肌に見せる「ポアプライマー(毛穴用下地)」を部分的に使うと、ファンデーションの毛穴落ちを防ぎ、つるんとした肌に仕上がります。
  • 仕上げのパウダー: ベースメイクの最後に、皮脂吸着効果の高いフェイスパウダーを、ブラシやパフでTゾーンにしっかりと乗せておきます。これにより、日中の皮脂分泌を抑え、サラサラな状態を長時間キープできます。

これらの応用テクニックをマスターすれば、より完成度の高い、悩みのない理想の肌を演出することができるようになります。

【応用編】さらに印象を良くするメイク術

【応用編】さらに印象を良くするメイク術

基本的なナチュラルメイクに慣れてきたら、もう一歩進んで、さらに顔の印象をコントロールする応用テクニックに挑戦してみましょう。ここでは、顔に立体感を与えたり、目力を強調したりすることで、より洗練された印象を作るメイク術を紹介します。やりすぎると不自然になるため、あくまで「バレない範囲」で試すのがポイントです。

シェーディング・ハイライトで立体感を出す

日本人は欧米人に比べて顔の凹凸が少なく、平面的に見えがちです。シェーディングとハイライトは、光と影を擬似的に作り出すことで、顔にメリハリと立体感を与え、小顔に見せたり、鼻を高く見せたりする効果があります。

■シェーディング:影を作って引き締める
シェーディングは、肌の色より2〜3トーン暗い色のパウダーやスティックを使い、顔の引き締めたい部分に影を入れるテクニックです。

  • 入れる場所の例:
    • フェイスライン: エラが張っているのが気になる場合、エラの骨格に沿って影を入れると、輪郭がシャープに見えます。
    • 鼻筋の脇(ノーズシャドウ): 眉頭の下から鼻筋の側面に沿って細く影を入れると、鼻筋が通って高く見えます。
    • 生え際: おでこが広いのが気になる場合、髪の生え際に沿ってぼかすように入れると、自然に顔の面積を小さく見せられます。
  • コツ: とにかく入れすぎないことが最も重要です。ブラシに取ったパウダーは一度手の甲で余分な粉を落とし、「影かな?」と感じるか感じないかくらいの、ごくごく薄いレベルから始めましょう。境界線がくっきり残らないよう、スポンジやブラシでしっかりぼかすことが自然に見せる秘訣です。

■ハイライト:光を集めて高く見せる
ハイライトは、肌の色より明るいパールやラメ感のあるパウダーやクリームを使い、顔の中で高く見せたい部分に光を集めるテクニックです。

  • 入れる場所の例:
    • Tゾーン: 鼻筋(鼻の付け根から中腹まで)に細く入れると、鼻がスッと高く見えます。額の中央にも丸く入れると立体感が出ます。
    • Cゾーン: 眉下から頬骨の上にかけてのCの形をした部分に入れると、顔全体にツヤとハリがあるように見え、若々しい印象になります。
    • あご先: あご先に少量乗せると、輪郭がシャープに見えます。
    • 目の下の三角ゾーン: 目の下のクマとは逆の、頬の高い位置に入れると、顔全体がリフトアップして見え、明るい印象になります。
  • コツ: ギラギラした大粒のラメが入っているものは避け、繊細なパール感のあるものを選ぶと、わざとらしくない自然なツヤを演出できます。シェーディングと同様、少しずつのせて、しっかりとなじませることが大切です。

アイシャドウ・アイライナーで目力をアップする

目元は人の印象を大きく左右するパーツです。アイメイクと聞くと女性のイメージが強いですが、男性もバレない程度に色と線を加えることで、目力を自然にアップさせることができます。

■アイシャドウ:自然な陰影で彫りを深く
メンズメイクで使うアイシャドウは、色を乗せるというよりも「影を作る」という意識で使うのがポイントです。

  • 色の選び方: 肌なじみが良く、影色として最適なマットな質感のブラウン系やベージュ系がおすすめです。ラメやパールが強いものは避けましょう。
  • 使い方: アイシャドウパレットの中でも一番薄いベージュ系の色をアイホール全体(眼球のくぼみ)に薄く広げ、中間色のブラウンを目のキワ(まつ毛の生え際)に細く入れます。これだけで目に自然な奥行きと陰影が生まれ、ぼんやりした印象の目元が引き締まります。

■アイライナー:まつ毛の隙間を埋めてフレームを強調
アイライナーは、目のフレームをくっきりとさせることで、白目と黒目のコントラストを強め、意志のある強い眼差しを演出します。

  • 色の選び方: ブラックは印象が強くなりすぎる可能性があるため、ブラウンやグレー、ネイビーブラックといった、少し柔らかい色が初心者にはおすすめです。
  • 使い方: 「いかにも線を引きました」とならないように、「まつ毛とまつ毛の隙間を点で埋めていく」ように描くのがバレないコツです(インライン)。鏡を下に持ち、あごを上げてまぶたを少し伏し目がちにすると、まつ毛の生え際が見やすくなり、描きやすくなります。目尻からラインをはみ出して描くのは避け、あくまで目の形に沿ってキワを埋める程度に留めましょう。

これらの応用テクニックは、まずは休日など、時間に余裕のある時に練習してみるのが良いでしょう。少しずつ自分の顔に合った入れ方や濃さを研究することで、あなたの魅力をさらに引き出すことができます。

初心者におすすめのメンズコスメブランド3選

いざメンズメイクを始めようと思っても、世の中には数多くのブランドがあり、どれを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。ここでは、コンセプトや品質、使いやすさの観点から、特に初心者におすすめの代表的なメンズコスメブランドを3つ厳選してご紹介します。

① FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー)

■ブランドコンセプトと特徴
「FIVEISM × THREE」は、人気コスメブランド「THREE」から生まれた、業界でも先駆け的なメンズ総合コスメブランドです。特定のイメージを押し付けるのではなく、「Individuality(個性)」をコンセプトに掲げ、年齢や性別を超えて、誰もが自分らしい表現を楽しむことを提案しています。

デパートコスメ(デパコス)に分類され、価格帯は比較的高めですが、その分、洗練されたスタイリッシュなパッケージデザインと、非常に高品質なテクスチャー、絶妙なカラーバリエーションが魅力です。メイク初心者から、こだわりを持つ上級者まで、幅広い層を満足させるラインナップが揃っています。スティックタイプのアイテムが多く、手を汚さずに直感的に使える手軽さも男性にとっては嬉しいポイントです。

■代表的なアイテム

  • ネイキッドタッチ モイスチャライザー: 化粧水・乳液・美容液・リキッドファンデーション・UVカットの5役をこなす色付き美容液。軽い付け心地で、素肌感のある仕上がりです。
  • FF シークレットエージェント UV: スティックタイプのファンデーション。カバー力とUVカット効果を両立し、気になる部分にピンポイントで使いやすいです。
  • アイブロウスティック: ペンシルとパウダーの長所を兼ね備えたような描き心地で、自然な眉を簡単に作れます。

参照:FIVEISM × THREE 公式サイト

② ORBIS Mr.(オルビス ミスター)

■ブランドコンセプトと特徴
「ORBIS Mr.」は、スキンケア製品で有名な「ORBIS」が展開するメンズラインです。「スマートな生き方」をコンセプトに、男性の肌に着目したスキンケア発想のアイテムを多数展開しています。

全体的に、華美な装飾ではなく「清潔感」や「好印象」を与えることにフォーカスした製品設計が特徴です。BBクリームやコンシーラーといったベースメイクアイテムも、ベタつかず、肌に優しい処方でありながら、自然なカバー力を発揮します。シンプルでクリーンなパッケージと、比較的手に取りやすい価格帯で、これからメンズメイクを始めるという方にぴったりのブランドです。

■代表的なアイテム

  • ミスター ベースカラー コントローラー: BBクリームとコントロールカラーの機能を兼ね備え、青髭やクマ、赤みといった男性特有の肌悩みを自然に補正します。
  • ミスター スポットシュート コンシーラー: 指で塗るタイプのクリームコンシーラー。肌悩みに合わせて3色から選べ、ピンポイントでしっかりカバーできます。
  • ミスター アイブロー&アイカラー ペンシル: 眉と目元に使えるマルチなペンシル。自然な陰影を作り出し、目力をさりげなくアップさせます。

参照:ORBIS Mr. 公式サイト

③ NULL(ヌル)

■ブランドコンセプトと特徴
「NULL」は、オンラインを中心に展開し、特に若い世代から高い支持を得ている日本のメンズコスメブランドです。「日本人男性の肌質や肌色を徹底的に研究し、開発された製品」であることを強みとしており、日本の気候や男性のライフスタイルに合わせたアイテムが揃っています。

特にブランドの代名詞とも言えるBBクリームは、そのカバー力の高さと崩れにくさで非常に人気があります。それでいて厚塗り感が出にくく、自然な仕上がりを両立している点が評価されています。オンライン販売がメインのため、実際に手に取って試す機会は少ないですが、詳細な商品説明や多くのレビューを参考に選ぶことができます。

■代表的なアイテム

  • NULL BBクリーム: ブランドの看板商品。SPF30 PA++のUVカット効果もあり、少量でよく伸び、ニキビ跡や青髭などをしっかりカバーします。
  • NULL フェイスパウダー: BBクリームの後に使うことで、テカリを抑え、サラサラの肌を長時間キープします。
  • NULL 薬用コンシーラー: ニキビケア成分を配合した薬用タイプ。肌トラブルを隠しながら、同時にケアすることも目指した製品です。

参照:NULL 公式サイト

これらのブランドは、それぞれに異なる魅力と特徴があります。自分の目指す仕上がりやライフスタイル、予算に合わせて、最適なブランドを選んでみてください。

メンズコスメはどこで買える?

ドラッグストア、バラエティショップ(ロフト・東急ハンズなど)、デパート・百貨店のコスメカウンター、公式オンラインストア・ECサイト

メンズコスメへの関心が高まるにつれ、購入できる場所も多様化しています。それぞれの場所のメリット・デメリットを理解し、自分に合った購入方法を見つけましょう。

ドラッグストア

マツモトキヨシやウエルシア、スギ薬局といった全国展開のドラッグストアは、最も手軽にメンズコスメに触れられる場所です。

  • メリット: 店舗数が多く、仕事帰りや買い物のついでに気軽に立ち寄れます。比較的手頃な価格帯の、いわゆる「プチプラ」ブランドの品揃えが中心で、初心者でも試しやすいのが魅力です。
  • デメリット: 店舗の規模によってメンズコスメコーナーの大きさが異なり、品揃えにばらつきがあります。デパートコスメのような高価格帯のブランドはほとんど置いていません。また、テスター(試供品)が少ない、または無い場合もあります。

バラエティショップ(ロフト・東急ハンズなど)

ロフトや東急ハンズ、PLAZAといったバラエティショップは、最新のトレンドアイテムや、ドラッグストアでは見かけないような少しユニークなブランドまで、幅広い品揃えが特徴です。

  • メリット: メンズコスメの専用コーナーが充実している店舗が多く、品揃えが非常に豊富です。テスターも比較的自由に試せる環境が整っているため、実際に色味やテクスチャーを確認しながら選ぶことができます。
  • デメリット: 専門的な知識を持った販売員(ビューティーアドバイザー)は常駐していないことがほとんどなので、自分に合う商品を相談しながら決めたいという方には不向きかもしれません。

デパート・百貨店のコスメカウンター

伊勢丹や高島屋といったデパート・百貨店の1階にあるコスメフロアは、高品質なブランドが集まる場所です。前述の「FIVEISM × THREE」のような、いわゆる「デパコス」ブランドはここで購入できます。

  • メリット: 専門の訓練を受けたビューティーアドバイザー(BA)が常駐していることが最大の強みです。自分の肌質や悩みを相談すれば、最適な商品を提案してくれます。また、「タッチアップ」といって、実際に顔にメイクを施してもらいながら、使い方や色選びのアドバイスを受けられます。初心者にとって、これほど心強いことはありません。
  • デメリット: 価格帯が高めであることと、華やかな雰囲気に気後れしてしまい、初心者には少し敷居が高いと感じられるかもしれません。しかし、男性客も増えているため、臆することなく相談してみることをおすすめします。

公式オンラインストア・ECサイト

各ブランドが運営する公式オンラインストアや、Amazon、楽天市場、ZOZOCOSMEといった大手ECサイトも主要な購入チャネルです。

  • メリット: 時間や場所を問わず、24時間いつでも好きな時に買い物ができます。実店舗では扱っていないオンライン限定の製品や、お得なセット商品が販売されていることもあります。購入者のレビューや口コミをじっくりと比較検討できるのも大きな利点です。
  • デメリット: 最大のデメリットは、実物の色やテクスチャーを直接確認できないことです。特にBBクリームやファンデーションの色選びは、画面上の色と実際の色が異なるリスクがあるため、慎重に行う必要があります。可能であれば、一度実店舗で色を確認してからオンラインで購入するのが最も確実です。

メンズメイクに関するよくある質問

女性用のコスメを使っても大丈夫?、毎日のメイクにかかる費用はどれくらい?、メイク直しはどうすればいい?

メンズメイクを始めるにあたって、多くの方が抱くであろう素朴な疑問にお答えします。

女性用のコスメを使っても大丈夫?

結論から言うと、女性用のコスメを男性が使っても基本的には問題ありません。 成分的に男性が使ってはいけないというものはなく、品質の良い製品は性別を問わず優れた効果を発揮します。

ただし、考慮すべき点もいくつかあります。
前述の通り、男性の肌は一般的に女性よりも皮脂分泌が多く、水分量が少ない傾向にあります。そのため、女性用コスメの中には、男性にとっては油分が多すぎてテカりやすかったり、保湿力が物足りなかったりする場合があります。

一方で、メンズコスメは、こうした男性特有の肌質に合わせて開発されています。

  • テカリ防止: 皮脂吸着成分が配合され、さっぱりとした使用感のものが多い。
  • 色展開: 男性特有のオークル系(黄みがかった)の肌色に合わせたカラーバリエーションが中心。
  • 香り: 無香料や、爽やかなシトラス系など、男性が使いやすい香りのものが多い。
  • パッケージ: シンプルでスタイリッシュなデザイン。

これらの理由から、特にメイク初心者の方は、まずはメンズコスメから試してみるのが失敗しにくく、おすすめと言えます。

毎日のメイクにかかる費用はどれくらい?

メイクにかかる費用は、「初期費用」と「ランニングコスト」に分けられます。

  • 初期費用(アイテムを一式揃える費用):
    選ぶブランドによって大きく異なります。

    • ドラッグストアなどのプチプラで揃える場合: BBクリーム(1,500円)、コンシーラー(1,000円)、フェイスパウダー(1,500円)、アイブロウ(800円)、リップ(500円)、クレンジング(1,000円)など、合計で1万円前後が一つの目安になります。
    • デパートコスメで揃える場合: BBクリーム(5,000円)、コンシーラー(4,000円)…というように、1点あたりの価格が上がるため、合計で3万円〜5万円程度になることもあります。
  • ランニングコスト(消耗品を買い足す費用):
    これも使用頻度や量によりますが、毎日使った場合、BBクリームやフェイスパウダーは概ね3ヶ月〜半年、コンシーラーやアイブロウはそれ以上もつことが多いです。月々にならすと、数千円程度を見ておけば良いでしょう。

最初からすべてを高級品で揃える必要はありません。まずはBBクリームとクレンジングだけ、といったように、気になるアイテムから少しずつ買い足していくのが賢い始め方です。

メイク直しはどうすればいい?

朝に完璧に仕上げても、時間が経つと皮脂でテカったり、汗でヨレたりすることがあります。そんな時のために、簡単なメイク直し(リタッチ)の方法を覚えておくと安心です。

  • テカリが気になるとき:
    1. まず、ティッシュペーパーやあぶらとり紙で、テカっている部分(Tゾーンなど)の余分な皮脂を優しく押さえてオフします。こするとメイクが剥がれてしまうので、あくまで「押さえる」のがポイントです。
    2. その上から、プレストタイプのフェイスパウダーをパフで軽く押さえるように乗せます。これでサラサラの肌が復活します。
  • メイクがヨレたり、崩れたりしたとき:
    1. ヨレてしまった部分を、何もついていない綺麗な指やスポンジで軽くならします。
    2. それでも修正できない場合は、乳液を少量つけた綿棒で、崩れた部分を優しく拭き取ります。
    3. その上から、BBクリームやコンシーラーをごく少量だけ指に取り、トントンと叩き込むようになじませます。
    4. 最後にフェイスパウダーで軽く押さえれば完了です。

持ち運び用に、プレストパウダーとスティックコンシーラー、綿棒をポーチに入れておくと、いつでもスマートにメイク直しができます。

まとめ

この記事では、メンズメイクを始めたいと考える初心者のために、その基本から応用までを詳しく解説してきました。

メンズメイクは、もはや特別なことではありません。それは、日々のスキンケアやヘアセットと同じ、「身だしなみ」の一環であり、自信を高め、より良い第一印象を与えるための強力なツールです。

この記事で一貫してお伝えしてきた、バレない自然な仕上がりを実現するための最も重要なポイントを改めてまとめます。

  1. メイク前のスキンケアを徹底する: メイクの仕上がりは、潤った清潔な肌という土台があってこそ。洗顔と保湿の基本を毎日の習慣にしましょう。
  2. 自分の肌色に合ったコスメを選ぶ: 特にベースメイクの色選びは、フェイスラインで試すのが鉄則です。色が合っているだけで、メイクの自然さは格段にアップします。
  3. 「少量ずつ薄く重ねる」を徹底する: 厚塗りは不自然さの最大の原因です。足りないと感じる部分にだけ、少しずつ重ねていくミニマリズムを心がけましょう。
  4. メイクをした日は必ずクレンジングで落とす: 「落とすまでがメイク」です。健やかな素肌を維持することが、結果的に美しいメイクに繋がります。

ニキビ跡やクマ、青髭といった長年のコンプレックスも、正しいテクニックを使えば驚くほど自然にカバーできます。そして、整った自分の姿は、あなたに新しい自信を与え、仕事やプライベートにおける様々な場面で、ポジティブな影響をもたらしてくれるはずです。

完璧を目指す必要はありません。まずはこの記事を参考に、BBクリームやアイブロウなど、気になるアイテムを一つ手にとってみてください。その小さな一歩が、あなたの日常をより豊かで輝かしいものに変えるきっかけとなることを願っています。