初心者向けメンズメイクのやり方 バレない基本の手順を徹底解説

初心者向けメンズメイクのやり方、バレない基本の手順を徹底解説

近年、男性の美容意識の高まりとともに、「メンズメイク」は特別なものではなく、身だしなみの一環として広く受け入れられつつあります。ビジネスシーンでの第一印象を向上させたい、肌のコンプレックスを自然にカバーしたい、あるいは自分に自信を持ちたいといった理由から、多くの男性がメイクに関心を寄せています。

しかし、いざ始めようと思っても、「何から揃えればいいのか分からない」「やり方が分からず、不自然になったらどうしよう」「周りにバレるのは恥ずかしい」といった不安を感じる方も少なくないでしょう。

この記事では、そんなメンズメイク初心者のために、「誰にもバレずに、清潔感と自信を手に入れる」ことを目標とした、基本的なメイクのやり方をゼロから徹底的に解説します。最低限必要なアイテムの選び方から、7つのステップで完成する具体的な手順、肌の悩み別のカバー方法、そしておすすめのコスメブランドまで、網羅的にご紹介します。

この記事を最後まで読めば、メンズメイクに関する疑問や不安が解消され、明日からでも自信を持って第一印象をアップグレードするための一歩を踏み出せるはずです。

メンズメイクとは

メンズメイクとは

メンズメイクとは、男性が自身の魅力を引き出し、より良い印象を与えるために行う化粧のことを指します。女性のメイクが色彩を加えて華やかさを演出することに重点を置くことが多いのに対し、メンズメイクの基本は「素肌感を活かし、清潔感を向上させる」ことにあります。

具体的には、ニキビ跡やシミ、クマ、青髭といった肌の悩みを自然にカバーし、肌の色ムラを整えることで、健康的でクリーンな印象を作り出すのが主な目的です。また、眉の形を整えることで、顔全体の印象を引き締め、精悍さや信頼感を演出することも重要な要素です。

かつては一部の芸能人や美容意識の高い男性のものでしたが、現在ではビジネスパーソンや学生など、幅広い層に広まっています。オンライン会議の普及により自分の顔を見る機会が増えたことや、SNSで誰もが自分を発信する時代になったことも、この流れを後押ししています。メンズメイクは、もはや「隠す」ためだけのネガティブな行為ではなく、自分をより良く見せるための「戦略的な自己投資」として認識され始めているのです。

メンズメイクで得られる3つのメリット

メンズメイクを始めることで、具体的にどのような良い変化が期待できるのでしょうか。ここでは、代表的な3つのメリットを詳しく解説します。

① 清潔感がアップし第一印象が良くなる

第一印象は、ビジネスやプライベートにおける人間関係の第一歩を大きく左右します。心理学における「メラビアンの法則」では、人の印象は視覚情報が55%を占めると言われており、その中でも「清潔感」は特に重要な要素です。

メンズメイクは、この清潔感を効果的に高める手段です。例えば、BBクリームを使って肌の色ムラや毛穴を均一に整えるだけで、肌は健康的で滑らかな印象になります。寝不足によるクマや、カミソリ負けによる肌の赤み、気になるニキビ跡などをコンシーラーでカバーすれば、疲れた印象が一掃され、フレッシュで活力のあるイメージを与えられます。

また、眉を整えることも非常に効果的です。ボサボサの眉や薄い眉をアイブロウで整えるだけで、顔の輪郭がはっきりとし、目元に力が宿ります。これにより、相手に「仕事ができそう」「信頼できそう」といったポジティブな印象を与えることにつながります。特に、営業職や接客業など、人と会う機会の多い職業の方にとって、このメリットは計り知れない価値を持つでしょう。

② 肌のコンプレックスをカバーできる

多くの男性が、何かしらの肌の悩みを抱えています。思春期から続くニキビ跡、毎日の髭剃りによる青髭や肌荒れ、年齢とともに目立ってくるシミや毛穴の開きなど、その種類は様々です。これらのコンプレックスは、自分では気にしていないつもりでも、無意識のうちに自信のなさやコミュニケーションの妨げになっていることがあります。

メンズメイクは、こうした肌のコンプレックスをピンポイントで、かつ自然にカバーするための強力なツールです。ファンデーションのように顔全体を厚く覆うのではなく、BBクリームで全体のトーンを軽く整え、コンシーラーで気になる部分だけを的確に隠すのが基本です。

例えば、頑固な青髭も、オレンジ系のコントロールカラーやカバー力の高いコンシーラーを使えば、驚くほど目立たなくなります。赤く炎症したニキビも、コンシーラーで色味を消し、上からパウダーを軽くはたくことで、自然にカバーできます。

これらの悩みがカバーされることで、人の視線を気にすることがなくなり、鏡を見るのが楽しくなります。コンプレックスから解放されることで得られる精神的な安らぎは、日々の生活の質を大きく向上させてくれるでしょう。

③ 自分に自信が持てる

清潔感がアップし、コンプレックスが解消されると、自然と自分に自信が持てるようになります。これは、メンズメイクがもたらす最も大きなメリットと言えるかもしれません。

外見が整うと、内面にもポジティブな影響が及びます。「今日の自分は、いつもより少し良い状態だ」という小さな自己肯定感の積み重ねが、立ち振る舞いや言動にも自信となって表れます。プレゼンテーションで堂々と話せるようになったり、初対面の人とも臆することなくコミュニケーションが取れるようになったり、といった変化が期待できます。

また、メイクをするという行為自体が、自分自身と向き合い、ケアする時間となります。毎朝、鏡の中の自分を整えるプロセスは、一種のスイッチを入れる儀式のようなものです。これにより、仕事やプライベートに向けて気持ちを切り替え、前向きな一日をスタートさせることができます。

自信は、新たな挑戦への意欲や、困難を乗り越える力にもつながります。メンズメイクは、単に外見を飾るだけでなく、自分のポテンシャルを最大限に引き出すための、自己肯定感を高めるセルフケアの一環なのです。

初心者が最初に揃えるべき最低限のメイク道具

メンズメイクを始めるにあたり、最初から多くのアイテムを揃える必要はありません。まずは基本となる最低限のツールを揃え、慣れてきたら少しずつアイテムを増やしていくのが成功の秘訣です。ここでは、初心者が最初に揃えるべき6つの必須アイテムについて、それぞれの役割と選び方のポイントを詳しく解説します。

アイテム名 主な役割 選び方のポイント
BBクリーム 肌の色ムラ補正、トーンアップ、紫外線対策 自分の肌色に合う色を選ぶのが最重要。首の色と合わせると自然に見える。テカリやすい人はオイルフリー、乾燥肌の人は保湿成分配合のものがおすすめ。
コンシーラー ニキビ跡、クマ、シミ、青髭などの部分的なカバー 悩みに合わせて選ぶ。クマ・青髭にはオレンジ系、ニキビ跡・シミには肌色より少し暗い色。テクスチャは硬め(スティック)から柔らかめ(リキッド)まである。
フェイスパウダー テカリ防止、メイク崩れ防止、肌の質感調整 色のつかない「ルースタイプ(粉状)」のトランスルーセントパウダーが初心者におすすめ。皮脂吸着成分配合のものがテカリ防止に効果的。
アイブロウ 眉の形を整え、薄い部分を補う 髪色に近い、または少し暗めの色を選ぶ。ペンシルタイプが描きやすく、初心者向け。スクリューブラシ付きだと毛流れを整えやすい。
リップクリーム 唇の乾燥を防ぎ、血色を良く見せる 色付きのものはほんのり血色感をプラスできる。UVカット効果のあるものを選ぶと、唇の日焼けも防げる。
メイク落とし(クレンジング) メイク汚れをしっかり落とし、肌トラブルを防ぐ BBクリームやコンシーラーを使った日は必須。オイル、ジェル、ミルクなど種類があるが、肌に優しく洗浄力も十分な「ジェルタイプ」や「オイルタイプ」がおすすめ。

BBクリーム

BBクリームは「Blemish Balm(ブレミッシュ バーム)」の略で、元々は肌の傷や欠点を保護・カバーするために作られたものです。現在では、化粧下地、日焼け止め、ファンデーションなどの機能が一つになった多機能アイテムとして定着しています。

初心者が最初に手にするベースメイクアイテムとして最適な理由は、その手軽さにあります。これ一本で肌の色ムラやくすみを自然にカバーし、肌のトーンを均一に整えることができます。多くの製品にSPF/PA値が設定されており、日中の紫外線対策も同時に行えるのが大きなメリットです。

選び方の最重要ポイントは「色」です。自分の肌色とかけ離れた色を選ぶと、顔だけが白く浮いてしまい、「メイクをしている感」が強く出てしまいます。テスターがあれば、フェイスライン(顔と首の境目)に少量塗ってみて、首の色と自然になじむ色を選びましょう。オンラインで購入する場合は、各ブランドが提供している色選びのガイドを参考にしてください。また、肌質に合わせて選ぶことも大切です。皮脂によるテカリが気になる方は「オイルフリー」や「皮脂吸着パウダー配合」のものを、乾燥が気になる方は「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」などの保湿成分が配合されたものを選ぶと、より快適に使用できます。

コンシーラー

コンシーラーは、BBクリームだけでは隠しきれない、よりピンポイントな肌悩み(ニキビ跡、シミ、目の下のクマ、小鼻の赤み、青髭など)を部分的にカバーするためのアイテムです。BBクリームが「面」で肌全体を整えるのに対し、コンシーラーは「点」で悩みを狙い撃ちします。

コンシーラーには様々な形状(スティック、リキッド、クリーム、ペンシルなど)と色があります。初心者は、カバー力が高く、狙った場所に直接塗りやすいスティックタイプから試してみるのがおすすめです。

色選びは、カバーしたい悩みによって異なります。

  • ニキビ跡・シミ・ほくろ: 自分の肌色と全く同じか、ワントーン暗い色を選ぶと白浮きせず自然に隠せます。
  • 目の下の青クマ・青髭: 血色感を補うために、オレンジやピーチ系の色が効果的です。青の補色であるオレンジが色を打ち消し、自然にカバーしてくれます。
  • 小鼻の赤み・赤みのあるニキビ: 赤みを抑えるグリーン系のコントロールカラー機能を持ったコンシーラーや、少し黄みがかったベージュが有効です。

まずは肌色に合うベージュ系のスティックコンシーラーを1本用意し、それでも隠しきれない青髭やクマに悩む場合は、オレンジ系のコンシーラーを追加で検討すると良いでしょう。

フェイスパウダー

フェイスパウダーは、BBクリームやコンシーラーを塗った後の肌に重ねることで、ベースメイクの持ちを良くし、日中のテカリやベタつきを抑える役割を果たします。男性は女性に比べて皮脂の分泌量が多いため、特にテカリやすいTゾーン(おでこ、鼻)を中心に使うことで、一日中サラサラの清潔感のある肌をキープできます。

パウダーには、固形の「プレストタイプ」と粉状の「ルースタイプ」がありますが、初心者には粉がふんわりと肌に乗り、厚塗りになりにくいルースタイプがおすすめです。色も、肌色を補正するベージュ系などがありますが、最も失敗が少ないのは色のつかない「トランスルーセント(半透明)」タイプです。これならBBクリームの色味を邪魔することなく、質感だけを整えることができます。

付属のパフでつけても良いですが、大きめのフェイスブラシを使うと、より薄く均一にパウダーを乗せることができ、自然な仕上がりになります。

アイブロウ

眉は顔の印象を決定づける「額縁」とも言われるほど重要なパーツです。眉の形を少し整えるだけで、顔全体が引き締まり、意思の強さや清潔感を演出できます。

アイブロウアイテムにはペンシル、パウダー、リキッド、マスカラなど様々な種類がありますが、初心者には一本一本の毛を描き足しやすく、形を整えやすいペンシルタイプが最も扱いやすいでしょう。

色選びは、自分の髪の色に合わせるか、それよりも少し暗めの色を選ぶのが基本です。黒髪の方ならダークグレーやダークブラウンが自然になじみます。明るい髪色の方は、髪色に合わせたブラウン系を選びましょう。

ペンシルの反対側に、眉の毛流れを整えるためのスクリューブラシが付いているタイプを選ぶと非常に便利です。描く前にブラシで毛流れを整え、描いた後に再度ブラシでぼかすことで、いかにも「描きました」という不自然さをなくすことができます。

リップクリーム

唇は意外と人に見られているパーツであり、乾燥してカサカサだったり、皮がむけていたりすると、不健康でだらしない印象を与えてしまいます。普段からリップクリームで保湿ケアをすることは、男女問わず基本の身だしなみです。

メンズメイクにおいては、保湿機能に加えて、ほんのりと自然な血色感をプラスしてくれる色付きリップクリームがおすすめです。真っ赤な口紅のような発色ではなく、あくまで元の唇の色が少し健康的に見える程度の、ごく薄い色付きのものがバレにくく、自然な仕上がりになります。

また、唇は皮膚が薄く、紫外線のダメージを受けやすいため、UVカット効果(SPF/PA表示)のあるものを選ぶと、日焼けによる乾燥や色素沈着を防ぐことができます。香りが強いものは避け、無香料やミント系のさわやかな香りのものを選ぶと、シーンを選ばず使いやすいでしょう。

メイク落とし(クレンジング)

メイクを「する」ことと同じか、それ以上に「落とす」ことは重要です。BBクリームやコンシーラーなどのメイクアイテムは、油性の成分を含んでいるため、通常の洗顔料だけでは完全に落としきることができません。

メイク汚れが肌に残ったままだと、毛穴詰まりやニキビ、肌荒れといった肌トラブルの原因になります。メイクをした日は、必ずその日のうちにクレンジング剤を使ってメイクをしっかりと落とす習慣をつけましょう。

クレンジングにはオイル、ジェル、ミルク、クリーム、シートなど様々なタイプがあります。

  • オイルタイプ: 洗浄力が高く、しっかりメイクもすっきり落とせる。
  • ジェルタイプ: 肌への摩擦が少なく、適度な洗浄力で使いやすい。
  • ミルクタイプ: 肌に最も優しいが、洗浄力はややマイルド。

初心者には、肌への負担と洗浄力のバランスが良いジェルタイプや、素早くメイクとなじむオイルタイプがおすすめです。ダブル洗顔不要(クレンジング後に洗顔料を使う必要がない)のタイプを選ぶと、スキンケアの手間が省けて便利です。

【7ステップ】バレないメンズメイクの基本手順

スキンケアで肌を整える、日焼け止めで紫外線対策をする、化粧下地で肌の凹凸を補正する、BBクリームで肌の色ムラを均一にする、コンシーラーでニキビ跡やクマを部分的に隠す、フェイスパウダーでテカリを抑え、崩れを防ぐ、アイブロウで眉の形を整える

ここからは、実際にメイクを行う際の具体的な手順を7つのステップに分けて詳しく解説します。各ステップで「バレない」ためのポイントをしっかり押さえることで、誰でも自然で清潔感のある仕上がりを目指せます。

① スキンケアで肌を整える

バレないメンズメイクの土台となるのが、スキンケアです。肌が乾燥していたり、皮脂でベタついていたりすると、メイクのノリが悪くなるだけでなく、すぐに崩れてしまいます。メイク前のスキンケアは、いわばキャンバスを整える作業。この一手間が、仕上がりの美しさと持ちを大きく左右します。

洗顔

まずは洗顔で、寝ている間にかいた汗や皮脂、ホコリなどの汚れをしっかりと落とします。洗顔料は、洗浄力が強すぎるものではなく、自分の肌質に合った、うるおいを保ちながら洗えるタイプを選びましょう。

【ポイント】

  • ぬるま湯で予洗い: 顔を洗う前に、まず32〜34℃程度のぬるま湯で顔全体を濡らし、表面の汚れを軽く落とします。熱すぎるお湯は肌に必要な皮脂まで奪ってしまうので避けましょう。
  • しっかり泡立てる: 洗顔料は手のひらで直接顔にこすりつけるのではなく、洗顔ネットなどを使って、キメの細かい弾力のある泡をたっぷり作ります。この泡がクッションとなり、肌への摩擦を軽減します。
  • 泡で優しく洗う: 作った泡を顔に乗せ、指が直接肌に触れないように、泡を転がすようなイメージで優しく洗います。特に皮脂の多いTゾーン(おでこ、鼻)や顎は丁寧に洗いましょう。
  • 十分にすすぐ: すすぎ残しは肌トラブルの原因になります。フェイスラインや髪の生え際に泡が残らないよう、ぬるま湯で20〜30回程度、丁寧にすすぎます。

化粧水・乳液での保湿

洗顔後の肌は、水分が蒸発しやすく非常に乾燥しやすい状態です。すぐに化粧水と乳液で保湿を行い、肌に水分と油分をバランス良く補給しましょう。肌がしっかりとうるおっていると、過剰な皮脂の分泌が抑えられ、メイクのノリが格段に良くなります。

【ポイント】

  • 化粧水で水分補給: 清潔な手のひらに500円玉大の化粧水を取り、顔全体に優しくハンドプレスしてなじませます。パンパンと叩き込むのではなく、手のひらの体温でじっくりと浸透させるイメージです。乾燥しやすい目元や口元は、重ね付けすると効果的です。
  • 乳液でフタをする: 化粧水で補給した水分が蒸発しないように、乳液で油分の膜を作り、フタをします。10円玉大の乳液を手に取り、顔全体に薄く伸ばします。ベタつきが気になる方は、さっぱりタイプの乳液を選んだり、Tゾーンは量を控えめにしたりして調整しましょう。

② 日焼け止めで紫外線対策をする

BBクリームにUVカット効果が含まれている場合でも、日焼け止めを単体で塗ることを強く推奨します。なぜなら、BBクリームだけで製品に表示されているSPF/PA値の効果を十分に得るためには、かなりの量を厚塗りする必要があり、不自然な仕上がりになってしまうからです。

日焼け止めを先に塗っておくことで、少量のBBクリームでも紫外線対策が万全になり、結果としてナチュラルな仕上がりにつながります。紫外線はシミやシワ、たるみなど肌老化の最大の原因です。将来の自分の肌のためにも、日焼け止めは季節や天候を問わず、毎日塗る習慣をつけましょう。

【ポイント】

  • 適量を守る: 顔全体に塗る量の目安は、製品にもよりますが、クリームタイプならパール粒2個分、液体タイプなら500円玉大程度です。
  • ムラなく伸ばす: 額、鼻、両頬、顎の5点に日焼け止めを置き、そこから顔の中心から外側に向かって、指の腹全体を使って優しく伸ばします。耳や首の後ろ、フェイスラインも忘れずに塗りましょう。

③ 化粧下地で肌の凹凸を補正する

化粧下地(プライマー)は、必須ではありませんが、使うと仕上がりが格段にレベルアップするアイテムです。特に、毛穴の開きや肌の凹凸、テカリが気になる方には非常に効果的です。

化粧下地は、肌の表面を滑らかに整え、ファンデーション(この場合はBBクリーム)の密着度を高める役割があります。また、皮脂をコントロールする効果のある下地を使えば、テカリを長時間防ぐことができます。毛穴が気になる鼻や頬の部分にだけ、少量を塗り込むように使うのがおすすめです。

④ BBクリームで肌の色ムラを均一にする

いよいよベースメイクの中心、BBクリームを塗っていきます。ここでの目標は、「完璧に隠す」のではなく、「全体を均一に整える」ことです。厚塗りはバレる最大の原因なので、とにかく少量から始めることを徹底しましょう。

【ポイント】

  • 使用量はパール粒1個分: まずは直径7〜8mm程度のパール粒1個分を手の甲に出します。足りなければ後から足せるので、最初から多く出しすぎないように注意します。
  • 5点置きして伸ばす: 手の甲に出したBBクリームを指に取り、おでこ、両頬、鼻、顎の5点に置きます。
  • 中心から外側へ: 顔の中心から外側に向かって、指の腹(中指と薬指を使うと力が入りすぎない)を使って、トントンと軽く叩き込むように優しくなじませていきます。擦るように伸ばすとムラの原因になります。
  • フェイスラインはぼかす: 顔と首の境目であるフェイスラインは、指に残ったごく少量のBBクリームを薄く伸ばして、境目が分からなくなるようにしっかりぼかします。
  • スポンジで仕上げる: 最後に、何もついていない綺麗なスポンジで顔全体を優しくポンポンと叩き込むと、余分な油分が吸収され、肌への密着度がさらに高まります。ムラもなくなり、より自然な仕上がりになります。

⑤ コンシーラーでニキビ跡やクマを部分的に隠す

BBクリームで肌全体のトーンが整ったら、それでもまだ気になる部分をコンシーラーでカバーしていきます。全顔に塗るのではなく、あくまで「点」で隠すのが鉄則です。

【ポイント】

  • 隠したい部分に直接置く: スティックコンシーラーの場合、隠したいニキビ跡やシミに直接、ポンと置くように塗ります。クマや青髭など範囲が広い場合は、数カ所に点々と置きます。
  • 指で優しく叩き込む: コンシーラーを塗った部分の「境目」を、薬指の腹でトントンと優しく叩き込んで、周りの肌となじませます。このとき、コンシーラーを塗った中心部分はあまり触らず、輪郭だけをぼかすようにするのがコツです。中心部まで広げてしまうと、カバー力が落ちてしまいます。
  • 重ね付けは薄く: 一度で隠れない場合は、もう一度同じ作業を繰り返します。一度に厚く塗るのではなく、薄い層を重ねることで、自然で崩れにくいカバーが実現します。

⑥ フェイスパウダーでテカリを抑え、崩れを防ぐ

ベースメイクの仕上げに、フェイスパウダーを重ねます。これにより、BBクリームやコンシーラーのベタつきを抑え、肌表面をサラサラに保ちます。マスクへの色移りを防ぐ効果もあります。

【ポイント】

  • Tゾーンを中心に: 男性の肌は、おでこから鼻にかけてのTゾーンが特にテカリやすいです。まずはこの部分を中心にパウダーを乗せましょう。
  • パフやブラシに含ませる: ルースパウダーの場合、パフやブラシに粉を適量含ませたら、一度ティッシュや手の甲で余分な粉を払います。こうすることで、付きすぎを防ぎます。
  • 優しく押さえるように: パフを使う場合は、肌をこするのではなく、優しく押さえるように乗せていきます。ブラシを使う場合は、肌の上を軽く滑らせるようにふんわりと乗せます。顔全体に塗る必要はなく、テカリが気になる部分だけで十分です。

⑦ アイブロウで眉の形を整える

最後のステップは、眉メイクです。眉を整えるだけで、顔全体の印象が驚くほど変わります。ボサボサ眉は清潔感を損ない、薄い眉はぼやけた印象を与えます。キリッとしすぎず、あくまで自然に仕上げるのがポイントです。

【ポイント】

  • スクリューブラシで毛流れを整える: まず、アイブロウペンシルの反対側についているスクリューブラシで、眉頭は上向きに、眉の中間から眉尻は斜め下に向かって毛流れを整えます。
  • 足りない部分を描き足す: 眉毛が薄い部分や、形が欠けている部分に、ペンシルで一本一本毛を描き足すように埋めていきます。ベタっと塗りつぶすのではなく、毛の隙間を埋めるイメージです。
  • 眉尻をシャープに: 眉山から眉尻にかけてのラインが少しシャープになると、顔全体が引き締まります。小鼻の脇と目尻を結んだ延長線上に眉尻がくると、バランスが良いとされています。
  • ブラシでぼかす: 最後に、もう一度スクリューブラシで全体を軽くとかし、描いた部分をぼかしてなじませます。この一手間で、いかにも「描いた感」がなくなり、自眉のような自然な仕上がりになります。

初心者でも失敗しない!メンズメイクをバレにくくする3つのコツ

自分の肌色に合った色のアイテムを選ぶ、一度にたくさん塗らず、少量ずつ重ねる、メイク前にしっかり保湿する

ここまでに紹介した7つのステップを実践するだけでも、自然なメンズメイクは可能ですが、さらに完成度を高め、「絶対にバレたくない」という方のために、特に重要な3つのコツをご紹介します。

① 自分の肌色に合った色のアイテムを選ぶ

メンズメイクがバレる最大の原因は、「色の選択ミス」です。特に顔の大部分を占めるBBクリームの色が合っていないと、首との色の差がくっきりと出てしまい、一目でメイクをしていることが分かってしまいます。

【色選びの具体的な方法】

  • 基準は「首の色」: 顔の色だけで判断すると、赤みやくすみの影響で間違った色を選びがちです。フェイスライン(顔と首の境目)にいくつかの色を試し塗りし、最も首の色に自然になじむものを選びましょう。これが最も失敗の少ない方法です。
  • 明るさで迷ったら「暗め」を: 明るすぎる色は白浮きして不自然になりやすいですが、少し暗めの色は肌になじみやすく、シェーディング(影)効果で顔が引き締まって見えることもあります。迷った場合は、ワントーン暗い色を選ぶ方が安全です。
  • パーソナルカラーを意識する: 人の肌の色は、黄みがかった「イエローベース(イエベ)」と、青みがかった「ブルーベース(ブルベ)」に大別されます。イエベの人は黄み系のベージュやオークル系、ブルベの人はピンク系や赤みの少ないベージュがなじみやすい傾向があります。簡単な自己診断サイトなどを参考に、自分の肌の傾向を知っておくと、色選びの精度が上がります。

コンシーラーやアイブロウも同様です。コンシーラーは肌色より明るすぎると、隠したい部分が逆に目立ってしまいます。アイブロウは髪色から離れすぎた色を選ぶと、眉だけが浮いて見えてしまいます。全てのアイテムにおいて、「自分の元々の色と調和するか」を基準に選ぶことが、バレないメイクの絶対条件です。

② 一度にたくさん塗らず、少量ずつ重ねる

メイク初心者が陥りがちなのが、「隠したい」という気持ちが先行して、一度にたくさんの量を塗ってしまうことです。しかし、厚塗りはヨレや崩れの原因になるだけでなく、肌の質感を殺してしまい、「塗ってます感」が出てしまいます。

【少量ずつ重ねるテクニック(レイヤリング)】

  • 基本は「ごく少量」から: BBクリームはパール1粒大、コンシーラーは米粒半分程度など、まずは「これだけで足りるかな?」と思うくらいの少量からスタートします。
  • 薄い膜を重ねるイメージ: 一度にベタッと塗るのではなく、指やスポンジを使って、ごく薄い膜を一枚ずつ肌に重ねていくイメージでなじませます。
  • カバーしたい部分は「追加」する: 全体に薄く塗り広げた後、それでもカバーが足りない部分にだけ、少量をピンポイントで追加します。この「足し算」の考え方が重要です。
  • 時間をおく: BBクリームを塗った後、少し時間をおいて肌になじませてからコンシーラーを重ねるなど、各ステップの間に数十秒のインターバルを置くと、それぞれの層がしっかりと定着し、崩れにくくなります。

このレイヤリングの技術を習得すれば、カバー力は欲しいけれど、素肌感は失いたくない、という理想的な仕上がりを実現できます。「最小限の量で、最大限の効果を出す」のが、上級者のテクニックです。

③ メイク前にしっかり保湿する

「バレにくくするコツ」として、なぜスキンケアの「保湿」が改めて登場するのか不思議に思うかもしれません。しかし、メイク前の保湿は、仕上がりの美しさとメイクの持続性を左右する、最も根本的で重要な要素だからです。

【保湿がバレないメイクにつながる理由】

  • メイクのノリが良くなる: 肌が乾燥していると、表面がカサカサしてBBクリームが均一に伸びず、粉を吹いたような状態になってしまいます。十分に保湿された肌は、表面が滑らかで、メイクがピタッと密着します。
  • 過剰な皮脂分泌を抑える: 肌は乾燥すると、うるおいを補おうとして逆に皮脂を過剰に分泌します。この皮脂がメイクと混ざり合うことで、テカリやドロドロのメイク崩れ(通称:汚崩れ)を引き起こします。メイク前にしっかりと水分を補給しておくことで、日中の皮脂分泌が安定し、サラサラの肌が長時間持続します。
  • 毛穴が目立ちにくくなる: 肌がうるおいで満たされると、キメが整い、ふっくらとします。これにより、開いた毛穴が物理的に目立ちにくくなる効果も期待できます。

メイクをする日は、普段よりも少し丁寧に、化粧水と乳液(またはクリーム)で肌を整えることを心がけましょう。特に乾燥が気になる方は、シートマスクなどを活用するのもおすすめです。この「仕込み」の一手間が、夕方の肌のコンディションに大きな差を生みます。

【肌悩み別】メンズメイクのカバー方法

青髭や髭剃り跡を隠す方法、ニキビ・ニキビ跡をカバーする方法、目の下のクマを消す方法、毛穴の開きや黒ずみを目立たなくする方法

基本的なメイクの手順をマスターしたら、次はより具体的な肌の悩みに特化したカバーテクニックを学びましょう。ここでは、多くの男性が抱える4つの代表的な悩みについて、効果的なカバー方法を解説します。

青髭や髭剃り跡を隠す方法

毎日の髭剃り後に残る青々とした剃り跡は、疲れて見えたり、不潔な印象を与えたりすることがあり、悩んでいる男性は非常に多いです。この青髭を効果的に隠すには、色の補色関係を利用した「カラーコントロール」が鍵となります。

青色の補色(反対色)はオレンジ色です。そのため、青みを打ち消すには、オレンジ系のコントロールカラー下地やコンシーラーが非常に有効です。

【カバー手順】

  1. オレンジ系のコントロールカラーを仕込む: BBクリームを塗る前に、青髭が気になる部分(口周り、顎、頬など)に、オレンジ系のコントロールカラー下地またはリキッドコンシーラーを薄く指で叩き込むように塗ります。広範囲に伸ばすのではなく、青みが気になる部分にだけピンポイントで乗せるのがコツです。
  2. BBクリームを重ねる: オレンジ色を仕込んだ上から、通常通りBBクリームを顔全体に塗ります。このとき、オレンジを塗った部分を強くこすらないように、優しく叩き込んでなじませます。
  3. コンシーラーで最終調整: BBクリームを塗ってもまだ青みが透けて見える場合は、肌色より少し暗めで、やや黄みがかったスティックコンシーラーを少量重ねます。オレンジで青みを打ち消し、ベージュで肌色になじませる、という二段階のカバーで、より自然で完璧な仕上がりになります。

カミソリ負けによる赤みがある場合は、グリーン系のコントロールカラーで赤みを打ち消してからBBクリームを塗ると効果的です。

ニキビ・ニキビ跡をカバーする方法

突発的にできる赤ニキビや、色素沈着してしまったニキビ跡も、メイクで上手にカバーすることができます。ポイントは、コンシーラーの色選びと、厚塗り感を出さない塗り方です。

【カバー手順】

  1. BBクリームを薄く塗る: まずは顔全体にBBクリームを薄く塗ります。この段階でニキビが完全に隠れなくても問題ありません。
  2. コンシーラーの色を選ぶ:
    • 赤ニキビ: 炎症して赤くなっているニキビには、赤みを補正するグリーン系のコンシーラーを少量乗せるか、自分の肌色より少し暗めの黄みがかったベージュのコンシーラーを選びます。明るい色を選ぶと、ニキビの凹凸が逆に目立ってしまうので注意が必要です。
    • 茶色いニキビ跡(色素沈着): 自分の肌色と同じか、少し暗めのコンシーラーが適しています。
  3. ピンポイントでカバーする: 清潔な指先や、細めのブラシ、綿棒の先にコンシーラーを少量取り、隠したいニキビやニキビ跡に「ちょん」と乗せます。
  4. 境目をぼかす: 乗せたコンシーラーの輪郭だけを、指先で優しくトントンと叩き、周りの肌との境目をぼかします。中心部は触らないように気をつけましょう。
  5. パウダーで固定する: 最後に、コンシーラーを乗せた部分にフェイスパウダーを軽く押さえるように乗せます。これにより、コンシーラーがヨレにくくなり、カバー力が長持ちします。

注意点として、炎症がひどいニキビや化膿しているニキビは、メイクで悪化させる可能性があるため、無理に隠さず皮膚科を受診することをおすすめします。

目の下のクマを消す方法

寝不足や血行不良、色素沈着など、原因によって様々なタイプがある目の下のクマ。自分のクマの「色」を見極め、それに合った色のコンシーラーを選ぶことが、効果的にカバーする最大のポイントです。

【クマのタイプ別カバー方法】

  • 青クマ(血行不良タイプ): 目の下を軽く引っ張ると色が薄くなるのが特徴。睡眠不足や冷えが原因です。青の補色であるオレンジ系やピーチ系のコンシーラーが最も効果的です。血色感をプラスし、健康的な目元に見せてくれます。
  • 茶クマ(色素沈着タイプ): 目をこする癖がある人や、紫外線ダメージによってできるクマ。皮膚を引っ張っても色は変わりません。このタイプには、イエロー系やベージュ系のコンシーラーで色ムラを均一に整えるのがおすすめです。
  • 黒クマ(たるみタイプ): 加齢によって目の下の皮膚がたるみ、その影が黒く見える状態。上を向くとクマが薄くなるのが特徴です。このタイプは色で隠すのが難しいため、パールや光拡散パウダーが配合された、少し明るめのコンシーラーやハイライトを使って、光で影を飛ばすのが効果的です。

【カバー手順】

  1. コンシーラーを置く: クマが最も濃く見える部分(クマと肌の境界線あたり)に、コンシーラーを3〜4点、点状に置きます。
  2. 優しくなじませる: 目の下の皮膚は非常にデリケートなので、力の入りにくい薬指を使って、優しくトントンと叩き込みながら、範囲を広げすぎないように注意してなじませます。

毛穴の開きや黒ずみを目立たなくする方法

鼻や頬の毛穴の開きや黒ずみは、肌の凹凸や色ムラとして目立ち、清潔感を損なう原因になります。これらの悩みには、「埋める」と「ぼかす」のダブルアプローチが有効です。

【カバー手順】

  1. 毛穴用下地(ポアプライマー)を仕込む: スキンケアの後、BBクリームを塗る前に、シリコン系の成分が配合された毛穴用下地を、毛穴が気になる部分にだけ使います。米粒程度の量を指に取り、毛穴を埋めるように、くるくると円を描きながら塗り込みます。これにより、肌表面の凹凸が滑らかになります。
  2. BBクリームを叩き込む: 下地を塗った上からBBクリームを塗ります。このとき、スポンジを使って下から上へ、毛穴を埋め込むようにスタンプを押すように叩き込むと、より毛穴が目立ちにくくなります。
  3. フェイスパウダーで光を拡散させる: 仕上げに、微細なパールや光拡散効果のあるフェイスパウダーをブラシでふんわりと乗せます。パウダーの粒子が光を乱反射させ、毛穴の影をぼかして目立たなくしてくれます。

黒ずみが特に気になる場合は、BBクリームの前にイエロー系のコントロールカラーを薄く塗っておくと、黒ずみがカモフラージュされてより綺麗な仕上がりになります。

【アイテム別】初心者におすすめのメンズコスメ

ここでは、特定のブランドではなく、「どのような特徴を持つアイテムが初心者にとって使いやすいか」という観点で、おすすめのコスメの選び方を解説します。これらのポイントを参考に、ドラッグストアやオンラインストアで自分に合ったアイテムを探してみてください。

おすすめのBBクリーム

初心者がBBクリームを選ぶ際は、「バレにくさ」「使いやすさ」「肌への優しさ」を重視するのがおすすめです。

  • 自然なカバー力と薄付きのもの: ファンデーションのようにカバー力が高すぎると、厚塗り感が出てしまいます。美容液成分が多く配合され、乳液のようにスルスルと伸びるテクスチャーのものが、薄く均一に塗りやすく、素肌感を残した自然な仕上がりになります。
  • 自分の肌質に合った処方のもの:
    • 脂性肌・混合肌: 「オイルフリー」「皮脂吸着パウダー配合」と記載のあるものを選ぶと、日中のテカリを抑えられます。
    • 乾燥肌: 「ヒアルロン酸」「セラミド」「コラーゲン」などの保湿成分が豊富に含まれているものを選ぶと、乾燥による粉吹きやメイク崩れを防げます。
    • 敏感肌: 「無香料」「無着色」「アルコールフリー」「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル処方)」など、低刺激設計のものが安心です。
  • 洗顔料で落とせるタイプ: クレンジング不要で、普段使っている洗顔料だけで落とせるタイプのBBクリームは、メイクオフの手間が省けるため、忙しい方や面倒くさがりの方に特におすすめです。ただし、カバー力が高いものやウォータープルーフのものはクレンジングが必要な場合が多いので、パッケージの表示をよく確認しましょう。

おすすめのコンシーラー

コンシーラーは、形状と色の選び方が重要です。初心者はまず、扱いやすいスティックタイプから試してみるのが良いでしょう。

  • スティックタイプ: 固めのテクスチャーで肌への密着度が高く、カバー力に優れています。ニキビ跡やシミなど、ピンポイントで隠したい部分に直接塗れるため、初心者でも直感的に使いやすいのが特徴です。肌の上でスルスルと伸びる、柔らかめの芯のものを選ぶと、よりなじませやすくなります。
  • リキッドタイプ: 筆やチップで塗るタイプで、みずみずしいテクスチャーが特徴です。薄く伸びるので、目の下のクマや口周りの青髭など、比較的広範囲のカバーに適しています。厚塗り感が出にくく、自然な仕上がりを求める方におすすめです。
  • マルチパレットタイプ: 複数の色が一つになったパレットタイプのコンシーラーも便利です。ベージュ系、オレンジ系、イエロー系などがセットになっているものが多く、これ一つでニキビ跡からクマ、青髭まで様々な悩みに対応できます。色を混ぜて自分の肌色にぴったりの色を作ることも可能です。

おすすめのフェイスパウダー

フェイスパウダーは、仕上がりの質感を左右する重要なアイテムです。初心者は、失敗の少ない色なしタイプを選ぶのが鉄則です。

  • 色のつかない「トランスルーセントタイプ」: BBクリームの色味を邪魔することなく、テカリを抑えてサラサラの質感だけをプラスできます。どんな肌色の人でも使えるため、色選びで失敗する心配がありません。
  • 粉状の「ルースパウダー」: 固形のプレストパウダーよりも、ふんわりと軽い付け心地で、厚塗りになりにくいのがメリットです。大きめのブラシでサッとつけるだけで、ナチュラルな陶器肌に仕上がります。
  • 皮脂吸着成分配合のもの: 「シリカ」などの皮脂吸着成分が配合されているパウダーは、余分な皮脂を吸収し、長時間テカリやベタつきを防いでくれます。特にTゾーンがテカリやすい男性には必須の機能と言えるでしょう。

おすすめのアイブロウ

眉メイクは、少しの違いで顔の印象が大きく変わるため、繊細な調整がしやすいアイテムを選ぶことが成功の鍵です。

  • ペンシルとブラシが一体化した「Wエンドタイプ」: 片方が繰り出し式のペンシル、もう片方がスクリューブラシになっているタイプが非常に便利です。描く→ぼかす、という一連の流れがこれ一本で完結するため、初心者でも簡単にプロのような自然な眉を描くことができます。
  • 細芯・楕円芯のペンシル: 芯の形も重要です。1.5mm程度の細芯タイプは、一本一本の毛をリアルに描き足すのに適しています。また、細い線も太い線も描ける楕円芯(なぎなた芯)タイプも、眉全体の形作りから細かい部分の調整までしやすく、おすすめです。
  • 髪色に合わせたカラー展開: 黒髪の方なら「グレー」や「ダークブラウン」、茶髪の方なら「ナチュラルブラウン」や「ライトブラウン」など、自分の髪色に合わせて選べるようにカラーバリエーションが豊富なブランドから選ぶと、より自然な仕上がりになります。

初心者におすすめのメンズコスメブランド5選

ここでは、メンズメイク初心者でも使いやすく、品質にも定評のある人気のコスメブランドを5つ厳選してご紹介します。各ブランドのコンセプトや特徴を知り、自分に合ったブランドを見つける参考にしてください。

① FIVEISM × THREE (ファイブイズム バイ スリー)

「THREE」などを展開する株式会社ACROが手がける、業界をリードするメンズ総合コスメブランドです。既成概念にとらわれない「自己表現」をコンセプトに掲げ、ベースメイクからポイントメイクまで、非常に幅広いラインナップを揃えています。

  • 特徴: スタイリッシュで洗練されたパッケージデザインが目を引きます。製品はバータイプのものが多く、スティックファンデーションやコンシーラー、リップなどが直感的に使えるように設計されており、初心者でも扱いやすいのが魅力です。品質にもこだわり、植物由来成分を多く配合しています。
  • こんな人におすすめ: メイクをファッションの一部として楽しみたい、最先端のトレンドを取り入れたい、品質とデザイン性の両方を重視する方。
  • 代表的なアイテム: ファンデーション、コンシーラー、アイブロウスティック、リップディフェンス(色付きリップ)など。

参照: FIVEISM × THREE 公式サイト

② SHISEIDO MEN (シセイドウ メン)

日本の化粧品業界を代表する資生堂が、長年の皮膚科学研究を基に開発した男性向けのスキンケア・メイクアップブランドです。世界中の男性の肌を研究し尽くした、サイエンスに基づく高機能な製品が揃っています。

  • 特徴: スキンケアで培った技術力をメイクアップ製品にも応用しており、肌悩みに的確にアプローチします。特にBBクリームやコンシーラーは、カバー力と自然な仕上がりのバランスが絶妙で、肌を健やかに見せる効果が高いと評判です。シンプルで高級感のあるパッケージも魅力です。
  • こんな人におすすめ: 確かな技術力と品質を求める方、エイジングケアも同時に行いたい方、肌悩みを本格的にカバーしたい方。
  • 代表的なアイテム: ヴァイブラント BBモイスチャライザー、ターゲティッド ペンシル コンシーラー、モイスチャライジング リップ クリエイターなど。

参照: SHISEIDO MEN 公式サイト

③ ORBIS Mr. (オルビス ミスター)

シンプルで効果的なスキンケアを提案するオルビスのメンズラインです。「Mr.」は、男性の肌に本来備わっている「底力」を引き出すことをコンセプトに、スキンケアからベースメイクまでを展開しています。

  • 特徴: 多くの製品がオイルカット(オイルフリー)処方で、男性特有のベタつきやテカリに対応しているのが大きな特徴です。BBクリームやコンシーラーも、肌に負担をかけにくい軽やかな付け心地で、素肌感を活かしたクリーンな印象に仕上がります。無香料・無着色で、アレルギーテスト済み(※全ての方にアレルギーが起きないわけではありません)なのも安心です。
  • こんな人におすすめ: 脂性肌やニキビができやすい方、ミニマルでシンプルなケアを好む方、コスメのベタつきが苦手な方。
  • 代表的なアイテム: ミスター ベースカラー コントローラー、ミスター スポットシュート コンシーラーなど。

参照: ORBIS Mr. 公式サイト

④ BOTCHAN (ボッチャン)

「『男らしく』を脱け出そう。」という印象的なキャッチコピーを掲げる、ユニセックス発想のコスメブランドです。遊び心あふれるカラフルなパッケージと、性別を問わず使えるジェンダーレスな製品が特徴です。

  • 特徴: 天然植物由来成分にこだわり、肌への優しさを追求しています。製品は見た目のポップさとは裏腹に、非常に実用的。スキンケア感覚で使えるBBクリームや、光の効果で肌をきれいに見せるフェイスパウダーなど、テクニックレスで使えるアイテムが揃っています。柑橘系の爽やかな香りも人気です。
  • こんな人におすすめ: 肩の力を抜いてメイクを楽しみたい方、肌に優しい成分を重視する方、パートナーとコスメをシェアしたい方。
  • 代表的なアイテム: スキンパーフェクター マット(BBクリーム)、コレクティブペンシル(コンシーラー)、ブライトアップ フェイスパウダーなど。

参照: BOTCHAN 公式サイト

⑤ MULC (ムルク)

「MAKE YOUR UNIQUENESS.(あなたのユニークネスをメイクする)」をコンセプトに、2021年に誕生した新進気鋭のメンズコスメブランドです。実用性とデザイン性を両立させた、現代の男性のニーズに応える製品を展開しています。

  • 特徴: アイテム数を絞り込み、一つ一つの製品の機能性を高めているのが特徴です。アイブロウペンシルは、眉毛の濃淡に合わせて選べる4色展開で、誰でも理想の眉を見つけやすい設計。BBクリームもナチュラルなカバー力で、バレにくさに定評があります。シンプルで持ち運びやすいデザインもポイントです。
  • こんな人におすすめ: アイテム選びで失敗したくない初心者、特に眉メイクに力を入れたい方、機能的でスマートなコスメを求める方。
  • 代表的なアイテム: ナチュラルBBクリーム、アイブロウペンシル、コレクトコンシーラーなど。

参照: MULC 公式サイト

メイクをした日に必須!正しいクレンジングのやり方

完璧なメンズメイクをマスターしても、その後のケアを怠れば肌は荒れてしまいます。「メイクは落とすまでがメイク」という言葉があるように、正しいクレンジングは美しい肌を保つために不可欠な習慣です。

BBクリームや日焼け止めには、汗や水で落ちにくい油性の成分が含まれており、これらは通常の洗顔料では完全に落としきれません。汚れが毛穴に詰まると、黒ずみやニキビ、肌のごわつきの原因となります。

【クレンジング剤の種類と特徴】

種類 メリット デメリット こんな人におすすめ
オイルタイプ 洗浄力が非常に高い、メイクとなじむのが速い 乾燥肌の人はつっぱりを感じることがある、乳化が必要 しっかりメイクをした日、手早く落としたい人
ジェルタイプ 肌への摩擦が少ない、適度な洗浄力でさっぱり洗える オイルに比べると洗浄力はやや劣る(製品による) 脂性肌〜普通肌、ベタつきが苦手な人
ミルクタイプ 肌への負担が最も少ない、しっとりとした洗い上がり 洗浄力がマイルドなため、濃いメイクは落ちにくい 乾燥肌、敏感肌、ナチュラルメイクの人
クリームタイプ 保湿力が高い、マッサージにも使える 洗い流しに時間がかかることがある、油膜感が残ることも 乾燥肌、エイジングケアをしたい人

【正しいクレンジングの手順】

  1. 乾いた手と顔で行う: 手や顔が濡れていると、クレンジング剤の効果が半減してしまいます。必ず乾いた状態から始めましょう。
  2. 適量を手に取る: 製品に記載されている推奨量を手に取ります。量が少なすぎると、肌への摩擦が大きくなるので注意が必要です。
  3. 皮脂の多い部分からなじませる: まず、Tゾーン(おでこ、鼻)や顎など、皮脂の多い部分からクレンジング剤をなじませていきます。
  4. 顔全体に優しく広げる: 次に、頬や口元など、顔全体に優しく円を描くように広げ、メイクと丁寧になじませます。このとき、ゴシゴシと強くこすらないことが最大のポイントです。肌をマッサージするような優しい力加減で行いましょう。
  5. 乳化させる(オイル・クリームタイプの場合): 少量のぬるま湯(32℃前後)を手に取り、顔全体のクレンジング剤と混ぜ合わせます。オイルが白く濁ったら「乳化」のサインです。この工程を行うことで、油性の汚れが水で洗い流しやすくなります。
  6. 十分にすすぐ: ぬるま湯で、髪の生え際やフェイスラインにすすぎ残しがないよう、20〜30回程度、丁寧に洗い流します。
  7. 洗顔する(W洗顔が必要な場合): 製品によっては、クレンジング後に洗顔料での洗顔(W洗顔)が必要な場合があります。パッケージの表示を確認しましょう。

この正しいクレンジングを習慣にすることで、メイクによる肌トラブルを防ぎ、常に清潔で健康的な肌状態をキープできます。

メンズメイクに関するよくある質問

メイク道具はどこで買える?、女性用のコスメを使っても大丈夫?、メイクにかかる時間はどれくらい?、汗をかいても大丈夫?メイク崩れの直し方は?

最後に、メンズメイク初心者が抱きがちな疑問について、Q&A形式でお答えします。

メイク道具はどこで買える?

現在、メンズメイク用品は様々な場所で購入できます。

  • ドラッグストア: マツモトキヨシやウエルシアなどの大手ドラッグストアでは、メンズコスメコーナーが設けられていることが多く、気軽にテスターを試したり、手頃な価格のアイテムを見つけたりできます。
  • バラエティショップ: ロフトやプラザ、ハンズなどでは、国内外の様々なブランドが揃っており、流行のアイテムや少しこだわりのある製品を探すのに適しています。
  • 百貨店の化粧品カウンター: SHISEIDO MENやFIVEISM × THREEなど、デパートコスメ(デパコス)ブランドは百貨店で購入できます。専門のビューティーアドバイザーに相談しながら、自分にぴったりの色やアイテムを選んでもらえるのが最大のメリットです。
  • 公式オンラインストア・ECサイト: 各ブランドの公式サイトや、Amazon、楽天市場、ZOZOTOWN(ZOZOCOSME)などのECサイトでも購入可能です。色選びが難しいというデメリットはありますが、口コミを参考にしたり、自宅でじっくり比較検討したりできます。

女性用のコスメを使っても大丈夫?

結論から言うと、女性用のコスメを使っても全く問題ありません。肌に合えば、積極的に活用して良いでしょう。

ただし、男性と女性の肌には一般的に以下のような違いがあることを知っておくと、アイテム選びの参考になります。

  • 皮脂量: 男性は女性の約2〜3倍の皮脂を分泌すると言われています。そのため、女性用のしっとりタイプのファンデーションなどを使うと、テカリや崩れが起きやすい場合があります。
  • 肌の色: 一般的に、男性の方が女性よりも肌のトーンが暗く、赤みが少ない傾向があります。女性用のファンデーションは、明るくピンクがかった色展開が多いため、色選びには注意が必要です。

これらの違いを理解した上で、例えばテカリ防止効果の高い女性用の下地や、豊富なカラーバリエーションの中から自分に合う色が見つかるコンシーラーなどを選ぶのは、賢い選択と言えます。

メイクにかかる時間はどれくらい?

この記事で紹介した基本の7ステップ(スキンケアを除く)にかかる時間は、慣れてくれば5〜10分程度です。

  • BBクリームを塗る:2分
  • コンシーラーでカバー:1分
  • フェイスパウダーをはたく:30秒
  • アイブロウを描く:1分30秒

最初は戸惑うかもしれませんが、毎日の習慣になれば、歯磨きと同じような感覚で手早くできるようになります。週末などに練習して、自分なりの時短テクニックを見つけるのも良いでしょう。

汗をかいても大丈夫?メイク崩れの直し方は?

夏の暑い日やスポーツをした後など、汗によるメイク崩れは避けられません。しかし、適切なアイテム選びと直し方を知っていれば、清潔感をキープできます。

【崩れを防ぐ対策】

  • ウォータープルーフ製品を選ぶ: 日焼け止めやBBクリーム、コンシーラーなどを「ウォータープルーフ」や「スウェットプルーフ」と表示されたものにすると、汗や水への耐性が格段に上がります。
  • メイクキープミストを使う: メイクの最後に、顔全体にシュッとスプレーするだけで、メイクを肌に密着させ、崩れにくくするアイテムです。

【崩れてしまった場合の直し方】

  1. 汗を優しく押さえる: まず、ティッシュやあぶらとり紙で、浮き出た汗や皮脂を優しく押さえてオフします。このとき、肌をこすらないように注意しましょう。
  2. ヨレをなじませる: メイクがヨレてしまった部分を、何もついていない綺麗な指やスポンジで軽く叩き込み、周りの肌となじませます。
  3. パウダーでリタッチ: 最後に、フェイスパウダーをブラシやパフに取り、テカリが気になる部分に軽く乗せます。これだけで、サラサラの肌が復活します。
  4. (あれば)コンシーラーを重ねる: カバーが剥がれてしまった部分があれば、上からコンシーラーを少量だけ重ねてなじませます。

小さなポーチに、フェイスパウダーと綿棒、リップクリームなどを入れて持ち歩くと、外出先でもスマートにメイク直しができて安心です。