メンズメイクの基本を徹底解説|初心者が揃えるべき道具とやり方

メンズメイクの基本を徹底解説、初心者が揃えるべき道具とやり方

近年、性別を問わず「美」への関心が高まり、男性がメイクをすることも特別なことではなくなりました。ビジネスシーンでの第一印象アップや、プライベートでのコンプレックス解消、さらには自己表現の一環として、メンズメイクは多くの男性にとって身近な選択肢となりつつあります。

しかし、「何から始めればいいのか分からない」「どんな道具が必要なの?」「周りにバレたら恥ずかしい」といった不安や疑問を抱える初心者の方も少なくありません。

この記事では、そんなメンズメイク初心者のために、メイクの基本から徹底的に解説します。揃えるべき最低限の道具、正しい手順、バレないための自然な仕上げ方のコツ、さらには肌悩みに合わせたテクニックまで、網羅的にご紹介します。この記事を読めば、あなたも自信を持ってメンズメイクの第一歩を踏み出せるはずです。

メンズメイクとは?

メンズメイクとは?

メンズメイクとは、その名の通り男性がするメイクのことです。しかし、女性のメイクとは少し目的が異なります。女性のメイクが「装飾的」な側面を持ち、色を加えて華やかさや個性を表現することが多いのに対し、メンズメイクの基本は「補正的」な側面にあります。

具体的には、ニキビ跡やクマ、青ひげといった肌の悩みをカバーし、肌の色ムラを整えることで、清潔感のある健康的な印象を目指すのが主な目的です。あくまでも「元々の素肌が綺麗である」かのように見せる、ナチュラルな仕上がりが重視されます。

もちろん、ファッションや自己表現の一環として、アイラインやアイシャドウを使ってより個性的なメイクを楽しむ男性も増えており、メンズメイクのあり方は多様化しています。しかし、この記事ではまず、全ての基本となる「清潔感を高め、好印象を与えるためのナチュラルメイク」に焦点を当てて解説していきます。

メンズメイクが注目される理由

なぜ今、これほどまでにメンズメイクが注目されているのでしょうか。その背景には、いくつかの社会的な変化や価値観の多様化があります。

第一に、ビジネスシーンにおける第一印象の重要性の高まりが挙げられます。オンライン会議が普及したことで、画面越しに自分の顔を見る機会が増え、肌のコンディションや顔色を気にする男性が増加しました。メラビアンの法則でも示されているように、コミュニケーションにおいて視覚情報が与える影響は非常に大きく、清潔感のある外見は、信頼感や説得力に直結します。テカリやクマ、寝不足による顔色の悪さをカバーするだけで、相手に与える印象は格段に良くなります。

第二に、美意識の変化と価値観の多様化です。かつては「男らしさ」の画一的なイメージが強くありましたが、現代ではジェンダーレスの考え方が浸透し、男性が美容に関心を持つことへの抵抗感が薄れています。韓国のK-POPアイドルの影響も大きく、彼らの洗練されたメイクやスキンケアは、若い世代を中心に「カッコいい」ものとして受け入れられています。メイクはもはや女性だけのものではなく、性別を問わず自分をより良く見せるためのツールとして認識され始めているのです。

第三に、SNSの普及による自己発信の一般化も関係しています。InstagramやTikTokなどで自身の写真や動画を公開する機会が増え、より良い自分を見せたいという欲求が高まっています。肌を綺麗に見せる加工アプリが人気なのも、その現れと言えるでしょう。メンズメイクは、加工アプリに頼らずとも、現実世界で自信の持てる自分を演出する手段となります。

これらの理由から、メンズメイクは一過性のブームではなく、男性のライフスタイルに根付く新たな文化として定着しつつあると言えるでしょう。

メンズメイクで得られる3つのメリット

では、実際にメンズメイクを始めることで、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。ここでは、代表的な3つのメリットを詳しく解説します。

① 清潔感がアップし第一印象が良くなる

メンズメイクがもたらす最大のメリットは、清潔感の向上による第一印象の改善です。ビジネスの商談、就職活動の面接、プライベートでの出会いなど、あらゆる場面で第一印象は非常に重要です。

例えば、以下のような悩みをメイクでカバーできます。

  • Tゾーンや頬のテカリを抑え、サラサラな肌に見せる
  • 寝不足による目の下のクマを隠し、健康的で活発な印象を与える
  • カミソリ負けによる肌の赤みや、青ひげを目立たなくする
  • 毛穴の開きや黒ずみをカバーし、滑らかな肌に見せる

これらの要素を整えるだけで、顔全体が明るく、引き締まって見えます。重要なのは「別人になる」ことではなく、「本来の自分の魅力を最大限に引き出し、マイナス要素を減らす」ことです。不健康に見える要素を取り除き、清潔で整った印象を与えることで、相手に安心感と信頼感を与え、円滑な人間関係を築くための強力な武器となります。

② ニキビ跡やクマなどの肌悩みをカバーできる

多くの男性が抱えるニキビやニキビ跡、シミ、クマといった肌のコンプレックス。これらをメイクで自然にカバーできることも、大きなメリットです。

コンプレックスは、自分では非常に気になるもので、人とのコミュニケーションに消極的になったり、自信を失ったりする原因にもなり得ます。しかし、コンシーラーやBBクリームといったアイテムを使えば、これらの悩みをピンポイントで隠し、均一で綺麗な肌を演出できます。

  • ニキビ・ニキビ跡: 赤みのあるニキビや茶色く色素沈着した跡も、コンシーラーで的確にカバー。
  • 目の下のクマ: クマの種類(青グマ、茶グマなど)に合わせた色のコンシーラーを使うことで、効果的に隠せる。
  • 青ひげ: 夕方になると目立ってくる青ひげも、オレンジ系のコントロールカラーとコンシーラーで自然にカバー可能。
  • シミ・そばかす: 気になるシミも、カバー力の高いコンシーラーで目立たなくできる。

肌の悩みがカバーされることで、鏡を見るのが楽しくなり、精神的なストレスが軽減されます。コンプレックスから解放されることで、気持ちが前向きになり、何事にも積極的に取り組めるようになるでしょう。

③ 自分に自信が持てる

外見が整うことは、内面にも大きな影響を与えます。肌が綺麗に見え、顔の印象が引き締まることで、自分自身に対する肯定感が高まり、自信が生まれます。

これは「心理的武装」とも言える効果です。例えば、大事なプレゼンテーションや会議の前にメイクをすることで、「今日の自分は大丈夫だ」という気持ちになり、堂々と振る舞うことができます。デートや大切な人との食事の際にも、肌のコンプレックスを気にすることなく、その場の会話や雰囲気を心から楽しむことができるでしょう。

最初は「メイクをしている」という事実に少し気恥ずかしさを感じるかもしれません。しかし、その小さな一歩がもたらす自信は、あなたの仕事やプライベートをより充実させるきっかけになります。メンズメイクは、単に外見を飾るだけでなく、内面から輝くためのセルフケアの一環なのです。

【初心者向け】メンズメイクで最低限揃えるべき基本道具

「メンズメイクを始めたいけれど、何を揃えたらいいか分からない」という方のために、ここでは初心者がまず揃えるべき基本的な道具をリストアップして解説します。最初から全てを完璧に揃える必要はありません。まずは「ベースメイク」「眉毛」「リップ」そして「メイク落とし」の4つのカテゴリーから、最低限のアイテムを揃えることから始めましょう。

ベースメイク用の道具

ベースメイクは、顔の印象を左右する最も重要な土台です。肌の色ムラや凹凸を整え、清潔感のある綺麗な素肌を演出する役割があります。

化粧下地

化粧下地(プライマー)は、ファンデーションなどを塗る前に肌を整えるアイテムです。ファンデーションのノリを良くし、メイクの持ちを高める効果があります。また、製品によっては以下のような特定の悩みに対応する機能を持っています。

  • 皮脂コントロール: Tゾーンなどのテカリを抑える。
  • 毛穴カバー: 肌の凹凸を滑らかに見せる。
  • 色補正(コントロールカラー): 赤みや黄ぐすみ、クマなどを打ち消す。
  • 保湿: 乾燥による粉吹きを防ぐ。

特に、皮脂の分泌が多い男性や、毛穴の開きが気になる方は、化粧下地を使うことで仕上がりが格段に綺麗になり、メイク崩れを防ぐことができます。

BBクリーム・ファンデーション

肌全体の色を均一に整えるためのメインアイテムです。初心者には、この2つの違いが分かりにくいかもしれません。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選びましょう。

項目 BBクリーム ファンデーション
主な機能 美容液、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションなどの機能が一つになったオールインワンアイテム 肌の色を補正し、カバーすることに特化したアイテム
カバー力 ナチュラル〜中程度 ナチュラル〜非常に高いものまで様々
仕上がり 自然で素肌感のある仕上がり 製品によりマット、ツヤなど多様。作り込んだ肌も可能
手軽さ これ一本でベースメイクが完了することが多く、手軽 基本的には化粧下地や日焼け止めとの併用が推奨される
おすすめの人 メイク初心者、時短で済ませたい人、自然な仕上がりを求める人 しっかりカバーしたい人、肌の質感を細かく調整したい人

メンズメイク初心者には、まず手軽に始められるBBクリームがおすすめです。スキンケアの後にこれ一本でベースメイクが完了する製品も多く、自然に肌悩みをカバーしてくれます。

コンシーラー

BBクリームやファンデーションだけでは隠しきれない、ニキビ跡、濃いクマ、シミ、青ひげなどをピンポイントでカバーするためのアイテムです。ベースメイクの完成度をぐっと高めるための必需品と言えるでしょう。

コンシーラーには様々な形状があります。

  • スティックタイプ: カバー力が高く、硬めのテクスチャー。シミやニキビ跡など、しっかり隠したい点状の悩みに適しています。
  • リキッドタイプ: 伸びが良く、みずみずしいテクスチャー。目の下のクマや口元など、よく動く部分や広範囲のカバーに適しています。
  • クリームタイプ: スティックとリキッドの中間のテクスチャー。カバー力と伸びのバランスが良いのが特徴です。

初心者はまず、気になる悩みに合わせてスティックタイプかリキッドタイプを一つ持っておくと便利です。

フェイスパウダー

ベースメイクの最後に使い、肌のテカリを抑えてサラサラな質感に仕上げるためのアイテムです。メイクの持ちを良くし、マスクへの付着を防ぐ効果もあります。特に皮脂の多い男性には欠かせません。

  • ルースパウダー: 粉状のパウダー。ふんわりと軽い付け心地で、ナチュラルな仕上がりになります。
  • プレストパウダー: 粉を固めたもの。持ち運びに便利で、化粧直しにも使いやすいのが特徴です。

無色透明のタイプを選べば、ファンデーションの色に影響を与えることなく、自然にテカリだけを抑えることができます。

眉毛(アイブロウ)用の道具

眉毛は顔の額縁とも言われ、その形や濃さで顔全体の印象が大きく変わります。整えられた眉毛は、清潔感と知的な印象を与えます。

アイブロウペンシル

眉毛の形を整えたり、毛が足りない部分を描き足したりするのに使います。芯が細いものなら一本一本リアルな毛を描くことができ、太いものなら眉全体の形を縁取るのに便利です。まずは、自分の髪色に近い、暗めのブラウンやグレー系の色を選ぶと失敗がありません。

アイブロウパウダー

複数の色がセットになったパレット状のものが多く、眉毛全体をふんわりと色付け、濃淡を調整するのに使います。ペンシルだけで描くよりも自然な仕上がりになります。付属のブラシを使って、眉頭は薄く、眉尻に向かって濃くなるようにグラデーションを作ると、立体感のある自然な眉になります。

眉マスカラ

眉毛の色を変えたり、毛の流れを整えたりするためのアイテムです。髪を明るく染めている場合、眉マスカラで眉の色を髪色に近づけると、顔全体に統一感が出ます。また、透明なタイプを使えば、色を変えずに毛流れをキープし、キリッとした印象に仕上げることも可能です。

リップ用の道具

唇がカサカサしていたり、血色が悪かったりすると、不健康で疲れた印象を与えてしまいます。

色付きリップクリーム

初心者のリップメイクは、保湿効果のある色付きリップクリームから始めるのがおすすめです。自然な血色感をプラスし、健康的な印象を与えてくれます。ほんのり色が付く程度のものを選べば、「塗っている感」が出にくく、周りにもバレにくいでしょう。ピンク系よりも、自然な赤みやオレンジ系の色が男性の肌には馴染みやすい傾向があります。

メイクを落とすための道具

メイクは「する」ことと同じくらい、「落とす」ことが重要です。

クレンジング

BBクリームやファンデーション、日焼け止めなどのメイク料は、通常の洗顔料だけでは完全に落としきれません。メイク汚れが肌に残ると、毛穴詰まりやニキビ、肌荒れの原因になります。必ずメイク専用のクレンジング剤を使いましょう。オイル、ジェル、ミルク、バームなど様々なタイプがありますが、肌への負担が少なく、しっかり落ちるジェルタイプやバームタイプが初心者には使いやすいでしょう。

あると便利な道具

必須ではありませんが、持っているとメイクのクオリティが格段に上がる便利なアイテムも紹介します。

スキンケア用品(洗顔料・化粧水・乳液)

綺麗なメイクは、健康な素肌があってこそ。メイク前のスキンケアは、仕上がりを左右する非常に重要な工程です。男性の肌は皮脂が多い一方で内部は乾燥している(インナードライ)ことが多いため、洗顔で余分な皮脂や汚れを落とし、化粧水で水分を、乳液で油分を補い、肌の水分・油分バランスを整えることが大切です。

メイクスポンジ・ブラシ

BBクリームやファンデーションを指で塗ることもできますが、スポンジやブラシを使うと、より薄く均一に伸ばすことができ、プロのような綺麗な仕上がりになります。余分な油分を吸収してくれるため、崩れにくくなるというメリットもあります。コンシーラーを馴染ませたり、フェイスパウダーを乗せたりする際にも役立ちます。

【4ステップ】メンズメイクの基本のやり方と順番

スキンケアで肌を整える、ベースメイクで肌を均一に見せる、眉毛を整えて顔の印象を引き締める、リップクリームで血色感をプラスする

道具が揃ったら、いよいよ実践です。ここでは、メンズメイクの基本的な手順を4つのステップに分けて、初心者にも分かりやすく解説します。この順番を守ることで、失敗なく自然な仕上がりを目指せます。

① スキンケアで肌を整える

メイクを始める前のスキンケアは、料理でいうところの下ごしらえです。この工程を丁寧に行うことで、メイクのノリが良くなり、日中の崩れを防ぐことができます。メイクが綺麗に仕上がるかどうかは、このスキンケアにかかっていると言っても過言ではありません。

洗顔で汚れや皮脂を落とす

まずは、寝ている間に出た皮脂やホコリなどの汚れを、洗顔料でしっかりと洗い流します。

  1. 手を洗う: まずは手を清潔にします。
  2. ぬるま湯で予洗い: 32〜34℃程度のぬるま湯で顔を濡らし、表面の汚れを軽く落とします。熱すぎるお湯は肌の乾燥を招くので避けましょう。
  3. 洗顔料をしっかり泡立てる: 洗顔料を手に取り、空気を含ませるようにして、キメの細かい弾力のある泡を作ります。泡立てネットを使うと簡単に濃密な泡が作れます。
  4. 泡で優しく洗う: 指が直接肌に触れないように、泡をクッションにして顔全体を優しく洗います。皮脂の多いTゾーン(額・鼻)から洗い始め、頬や顎、最後に皮膚の薄い目元・口元を洗うのがポイントです。ゴシゴシ擦るのは絶対にやめましょう。
  5. 十分にすすぐ: ぬるま湯で、泡が残らないように丁寧にすすぎます。髪の生え際やフェイスラインはすすぎ残しが多いので注意が必要です。
  6. 優しく拭く: 清潔なタオルを顔にそっと押し当てるようにして、水分を吸収させます。ここでも擦らないことが大切です。

化粧水・乳液でしっかり保湿する

洗顔後の肌は水分が蒸発しやすく、非常に乾燥しやすい状態です。すぐに保湿ケアを行い、肌に潤いを与えましょう。

  1. 化粧水で水分補給: 清潔な手に適量(製品に記載の量)の化粧水を取り、両手で顔全体を包み込むように優しく馴染ませます(ハンドプレス)。乾燥しやすい頬や目元には、重ね付けするのも効果的です。
  2. 乳液でフタをする: 化粧水で補給した水分が蒸発しないように、乳液やクリームで油分の膜を作り、フタをします。これも適量を手に取り、顔全体に優しく伸ばします。ベタつくのが苦手な男性も多いですが、この油分が肌のバリア機能を高め、外部刺激から肌を守り、日中の乾燥や過剰な皮脂分泌を防ぎます。

スキンケアが完了したら、肌が落ち着くまで数分待ち、表面のベタつきがなくなってから次のベースメイクステップに進みましょう。

② ベースメイクで肌を均一に見せる

ここからが本格的なメイクの工程です。目標は「作り込む」のではなく、「素肌を綺麗に見せる」こと。少量ずつ、薄く塗るのが最大のコツです。

日焼け止めを塗る

紫外線はシミやシワ、たるみなど肌老化の最大の原因です。年間を通して日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。最近のBBクリームや化粧下地にはUVカット効果が含まれているものも多いですが、表示されているSPF/PA値を十分に得るためには、規定量を塗る必要があります。BBクリームなどを薄く塗る場合は効果が不十分になる可能性があるので、日焼け止めを単体で塗っておくと安心です。

化粧下地で肌の凹凸をカバーする

化粧下地を適量(あずき一粒大程度)手に取り、皮脂や毛穴が気になるTゾーンや頬を中心に、顔の中心から外側に向かって薄く伸ばします。厚塗りするとヨレの原因になるので注意しましょう。

BBクリームやファンデーションを薄く伸ばす

  1. 適量(あずき一粒大程度)を手の甲に出します。いきなり顔に乗せず、一度手の甲で量を調整するのが失敗しないポイントです。
  2. 額、両頬、鼻、顎の5点に置きます。
  3. 指の腹やメイクスポンジを使って、顔の中心から外側に向かって、ムラなく薄く伸ばしていきます。フェイスライン(顔と首の境目)は、ぼかすように馴染ませると自然な仕上がりになります。
  4. 特にカバーしたい部分には、少量を指でトントンと叩き込むように重ね付けします。

コンシーラーで気になる部分を隠す

ベースメイクだけでは隠れなかったニキビ跡、クマ、シミなどをピンポイントでカバーします。

  1. 隠したい部分に直接コンシーラーを少量乗せます。
  2. コンシーラーを乗せた部分の周りの境界線を、指の腹でトントンと優しく叩き込むようにしてぼかし、周りの肌と馴染ませます。この時、カバーしたい中心部分を擦ってしまうとコンシーラーが取れてしまうので注意しましょう。

フェイスパウダーでテカリを抑える

ベースメイクの仕上げです。パウダーをパフやブラシに適量含ませ、一度手の甲などで余分な粉を払ってから、顔に乗せます。

  1. 特にテカリやすいTゾーンや小鼻の周りを中心に、軽く押さえるようにしてパウダーを乗せます。
  2. 顔全体に付ける場合は、ブラシでふんわりと乗せると厚塗り感が出ず、自然な仕上がりになります。

③ 眉毛を整えて顔の印象を引き締める

眉毛を整えるだけで、顔全体が引き締まり、清潔感と意思の強さを演出できます。やりすぎず、自眉を活かすのがポイントです。

事前に眉毛の形を整える

メイクをする前に、眉毛の基本的な形を整えておくと、毎日のメイクが格段に楽になります。眉毛コームで毛流れを整え、明らかに眉のラインからはみ出している長い毛や不要な産毛を、眉用ハサミやシェーバーで処理します。抜きすぎたり、剃りすぎたりすると不自然になるので、少しずつ確認しながら行いましょう。

アイブロウペンシルで足りない部分を描き足す

眉毛が薄い部分や、形が足りない部分をペンシルで一本一本描き足すように埋めていきます。特に、眉山から眉尻にかけてのラインが綺麗に描けると、引き締まった印象になります。

パウダーで眉全体の濃さを調整する

アイブロウパウダーをブラシに取り、眉毛全体をふんわりと色付けます。眉頭は薄めに、眉の中央から眉尻にかけては少し濃いめに色を乗せると、自然なグラデーションが生まれ、立体感が出ます。

眉マスカラで毛流れを整える

仕上げに眉マスカラを使います。まず毛流れに逆らうようにブラシを動かして眉毛の根元に液を付け、その後、毛流れに沿って眉頭から眉尻に向かってとかし、形を整えます。これだけで眉毛に立体感とツヤが生まれます。

④ リップクリームで血色感をプラスする

最後の仕上げです。唇が乾燥していると、せっかくのメイクも台無しに見えてしまいます。

色付きのリップクリームを唇全体に薄く塗ります。中心から外側に向かって、唇のシワを埋めるように塗ると綺麗に仕上がります。色が濃すぎると感じた場合は、ティッシュで軽く押さえてオフすると、より自然な血色感になります。これだけで、健康的で生き生きとした印象がプラスされます。

周りにバレない自然なメンズメイクのコツ

一度にたくさん塗らず少量ずつ重ねる、自分の肌の色に合ったアイテムを選ぶ、メイク前の保湿を徹底する、眉毛は整えすぎず自然に見せる、メイクスポンジやブラシを活用し均一に塗る

メンズメイク初心者が最も気にするのが「周りにメイクをしているとバレないか」ということでしょう。「いかにもメイクしてます」という不自然な仕上がりを避け、あくまで「元から肌が綺麗な人」と思われるための、5つの重要なコツを紹介します。

一度にたくさん塗らず少量ずつ重ねる

バレるメイクの最大の原因は「厚塗り」です。特にファンデーションやBBクリームは、肌悩みを隠したい一心でつい多くの量を塗ってしまいがちです。しかし、厚く塗れば塗るほど、のっぺりとした不自然な質感になり、シワや毛穴に溜まってかえって目立ってしまいます。

コツは、「あずき一粒大」を目安に、まずはごく少量を顔全体に薄く伸ばすことです。そして、鏡で全体のバランスを見ながら、カバー力が足りないと感じる部分にだけ、さらに少量を指でトントンと優しく重ね付けします。この「薄く・部分的に重ねる」という意識を持つだけで、仕上がりの自然さは劇的に変わります。「ちょっと物足りないかな?」くらいでやめておく勇気も大切です。

自分の肌の色に合ったアイテムを選ぶ

ファンデーションやBBクリーム、コンシーラーの色選びは、自然な仕上がりを実現するための生命線です。自分の肌色と合っていない色を使うと、顔だけが白く浮いてしまったり(白浮き)、逆に顔色が悪く見えたりして、一目でメイクをしていることが分かってしまいます。

色を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 試す場所: 手の甲や腕の内側ではなく、顔と首の境目であるフェイスラインに実際に色を乗せて確認します。この部分の色が首の色と自然に馴染むものが、あなたに合った色です。
  • 明るさ: 自分の肌よりワントーン明るい色を選びがちですが、自然に見せるには自分の肌と全く同じか、ほんの少し暗い色を選ぶのがおすすめです。明るい色は膨張して見え、顔が大きく見える原因にもなります。
  • 照明: 店内の照明と自然光の下では色の見え方が異なります。可能であれば、フェイスラインに塗った状態で一度お店の外に出て、自然光の下で色を確認するのが最も確実です。

オンラインで購入する場合は、各ブランドが提供している色診断ツールを利用したり、複数の色が試せるサンプルを取り寄せたりすると失敗が少なくなります。

メイク前の保湿を徹底する

見落とされがちですが、メイクのノリと持ち、そして自然な仕上がりは、メイク前の保湿ケアにかかっています。肌が乾燥していると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。

  • 粉吹き: 乾燥した肌にファンデーションを塗ると、肌表面の角質が浮き上がり、粉を吹いたように見えてしまう。
  • 皮脂の過剰分泌: 肌は乾燥すると、潤いを補おうとして逆に皮脂を過剰に分泌します。これがテカリやメイク崩れの原因になります。
  • ムラになる: 乾燥した肌はファンデーションが均一に伸びず、ムラになりやすい。

洗顔後、化粧水でたっぷりと水分を補給し、乳液やクリームでその水分が逃げないようにしっかりとフタをすることが重要です。肌が十分に潤っていると、ファンデーションがピタッと密着し、内側から発光するような自然なツヤが生まれます。これが「元から肌が綺麗な人」に見せるための土台となります。

眉毛は整えすぎず自然に見せる

眉毛は顔の印象を大きく左右するパーツだからこそ、やりすぎると一気に不自然になります。カクカクとした直線的な眉や、細すぎる眉は「描きました感」が強く出てしまいます。

コツは、自分の生まれ持った眉毛の形(自眉)を最大限に活かすことです。

  • 「埋める」意識で: 眉毛を新しく「描く」のではなく、毛が薄い部分や隙間を「埋める」という意識を持ちましょう。
  • パウダーを主役に: アイブロウペンシルは、眉尻などの形を整えるために補助的に使い、メインはアイブロウパウダーでふんわりと色を乗せるのがおすすめです。パウダーを使うことで、柔らかな自然な陰影が作れます。
  • スクリューブラシを活用: 描いた後にスクリューブラシ(螺旋状のブラシ)で眉全体をぼかすと、描いたラインが肌に馴染み、より自然な仕上がりになります。

理想は「整えられているけど、どこをどういじったのか分からない」というレベルです。

メイクスポンジやブラシを活用し均一に塗る

指でメイクを仕上げることも可能ですが、より自然で綺麗な仕上がりを目指すなら、メイクスポンジやブラシといったツールを積極的に活用しましょう。

  • メイクスポンジ: BBクリームやファンデーションを塗る際に使うと、余分な油分を吸収しながら、肌に薄く均一に密着させてくれます。指で塗るよりもムラになりにくく、毛穴も綺麗にカバーできます。コンシーラーをぼかす際にも、スポンジの角を使うと綺麗に馴染みます。
  • フェイスブラシ: フェイスパウダーを乗せる際に使うと、ふんわりと軽いヴェールをかけたような、素肌感のある仕上がりになります。パフで乗せるよりも付きすぎを防げます。

ツールを使うことで、テクニックがなくてもプロに近い仕上がりを実現しやすくなります。使用後はティッシュで汚れを拭き取り、定期的に洗浄して清潔に保つことも、肌トラブルを防ぐ上で重要です。

【悩み別】メンズメイクで印象を良くするテクニック

青ひげを隠したい、ニキビ・ニキビ跡をカバーしたい、目の下のクマを消したい、毛穴の開きやテカリを抑えたい、シミ・そばかすを目立たなくしたい

基本的なメイクができるようになったら、次は自分のコンプレックスや悩みに合わせた応用テクニックに挑戦してみましょう。ここでは、男性が抱えがちな5つの肌悩み別に、効果的なカバー方法を解説します。

青ひげを隠したい

夕方になると目立ってくる青ひげは、多くの男性の悩みの一つです。青ひげは、皮膚の下にある剃り残した髭が透けて青黒く見える現象です。そのため、単純に肌色のファンデーションやコンシーラーを重ねるだけでは、青みがグレーっぽくくすんで見え、かえって不自然になることがあります。

ここで活躍するのが「補色」の考え方です。「青」の反対色である「オレンジ」系の色を使うことで、青みを効果的に打ち消すことができます。

【テクニック】

  1. まず、オレンジ系のコントロールカラー(色補正下地)やコンシーラーを、青ひげが気になる部分に指で薄く叩き込みます。広範囲に広げすぎず、青みが気になる部分にだけ乗せるのがポイントです。
  2. その上から、自分の肌色に合ったBBクリームやファンデーションを重ねます。
  3. それでもまだ気になる場合は、さらに上から肌色のコンシーラーを少量重ね、境目を丁寧にぼかします。

この一手間を加えるだけで、青ひげの存在感を自然に消し去り、清潔感のある口元を長時間キープできます。

ニキビ・ニキビ跡をカバーしたい

突然できてしまったニキビや、なかなか消えないニキビ跡も、メイクで上手に隠すことができます。ここでも「色」をうまく使うのがポイントです。

  • 赤みのある炎症ニキビ: 赤みを打ち消す補色は「グリーン」です。グリーン系のコントロールカラーやコンシーラーを、赤みが気になる部分に少量乗せ、周りをぼかします。その上から肌色のコンシーラーを重ねると、赤みが綺麗にカバーできます。
  • 茶色い色素沈着のニキビ跡: 茶色いくすみをカバーするには、「イエロー」や「オレンジ」系のコンシーラーが有効です。肌色を明るく補正し、跡を目立たなくします。
  • クレーター状の凹凸ニキビ跡: 色だけでなく凹凸が気になる場合は、毛穴カバー用のプライマー(化粧下地)を使いましょう。シリコン系のプライマーが肌の凹凸を埋めて滑らかに見せてくれます。その上からファンデーションを重ねると、影が目立ちにくくなります。

ニキビをカバーする際は、コンシーラーを厚塗りしないことが重要です。厚塗りすると逆に悪目立ちしてしまうため、あくまで薄く重ね、周りを丁寧にぼかすことを心がけましょう。

目の下のクマを消したい

寝不足や疲れの象徴である目の下のクマは、顔全体を暗く、老けた印象に見せてしまいます。クマには種類があり、それぞれ原因と効果的なカバー方法が異なります。

  • 青グマ: 血行不良が原因で、皮膚の薄い目元の毛細血管が透けて見える状態。青ひげ同様、補色である「オレンジ」系のコンシーラーが最も効果的です。
  • 茶グマ: メラニンの色素沈着が原因。目をこする癖がある人などにできやすいです。茶色いくすみを払拭する「イエロー」系のコンシーラーで明るく見せるのがおすすめです。
  • 黒グマ: 加齢によるたるみが原因で、目の下に影ができて黒く見える状態。色で隠すというより、光で影を飛ばすのが効果的です。パールやハイライト効果のある、少し明るめのリキッドコンシーラーを影の部分に乗せ、ふっくらと見せることで目立たなくします。

コンシーラーを塗る際は、クマの部分に直接3点ほど置き、薬指の腹で優しくトントンと叩き込むように馴染ませます。皮膚が非常に薄くデリケートな部分なので、擦らないように注意しましょう。

毛穴の開きやテカリを抑えたい

皮脂の分泌が多い男性にとって、鼻や頬の毛穴の開き、Tゾーンのテカリは共通の悩みです。

【テクニック】

  1. 毛穴カバー用プライマー: スキンケアの後、ベースメイクの最初に、毛穴が気になる部分に専用のプライマーを塗り込みます。指でくるくると円を描くように塗り込むと、毛穴の凹凸が埋まり、肌表面が滑らかになります。
  2. ファンデーションの塗り方: ファンデーションは、下から上へ、毛穴を持ち上げるように塗ると埋まりやすくなります。
  3. 皮脂吸着パウダー: 仕上げには、皮脂吸着効果のあるフェイスパウダーをTゾーンにしっかりと乗せます。ブラシよりもパフで押さえるように付けると、より密着度が高まります。
  4. 日中のケア: 日中テカリが気になったら、ティッシュやあぶらとり紙で余分な皮脂を軽く押さえてから、プレストパウダーを軽く付け直すと、サラサラな状態が復活します。

これらの対策で、清潔感のあるマットな肌を長時間キープできます。

シミ・そばかすを目立たなくしたい

紫外線などの影響でできたシミやそばかすも、コンシーラーを使えば効果的にカバーできます。

【テクニック】

  1. コンシーラー選び: シミのようなはっきりとした色の悩みには、カバー力の高いスティックタイプやクリームタイプのコンシーラーが適しています。
  2. 塗り方: 隠したいシミよりも一回り大きくコンシーラーを乗せます。
  3. ぼかし方: シミの中心には触れず、周りの輪郭だけを指やブラシで丁寧にぼかしていきます。こうすることで、カバー力を維持したまま、自然に肌に馴染ませることができます。

ファンデーションを塗る前にコンシーラーで隠す方法と、塗った後に隠す方法がありますが、リキッドファンデーションの場合は後から、パウダーファンデーションの場合は先にコンシーラーを使うと綺麗に仕上がります。

メンズメイクの道具選びのポイントと買える場所

自分に合ったメイク道具を選ぶことは、メンズメイク成功への近道です。ここでは、道具選びで失敗しないためのポイントと、どこで購入できるのかを具体的に紹介します。

自分の肌質(乾燥肌・脂性肌など)に合ったものを選ぶ

人間の肌質は、水分と油分のバランスによって大きく「乾燥肌」「脂性肌」「混合肌」「普通肌」の4つに分けられます。さらに刺激に弱い「敏感肌」もあります。自分の肌質に合わない製品を使うと、メイクが崩れやすくなったり、肌トラブルの原因になったりすることがあります。

まずは簡単なセルフチェックで自分の肌質を把握しましょう。

  • 乾燥肌: 洗顔後、肌がつっぱりやすい。カサカサして粉を吹くことがある。
  • 脂性肌(オイリー肌): 顔全体がベタつきやすく、テカリやすい。毛穴が目立ちやすい。
  • 混合肌: Tゾーンはベタつくのに、頬や口周りは乾燥するなど、部分によって肌質が違う。
  • 普通肌: 水分と油分のバランスが良く、特に大きなトラブルがない理想的な肌。
  • 敏感肌: 化粧品などで赤み、かゆみ、ヒリヒリ感が出やすい。

自分の肌質が分かったら、それに合わせてアイテムを選びましょう。

肌質 ベースメイク選びのポイント おすすめのテクスチャー・成分
乾燥肌 保湿力を最優先。しっとりとした仕上がりのものを選ぶ。 ・リキッド/クリームファンデーション
・ツヤタイプのBBクリーム
・ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどの保湿成分配合
脂性肌 皮脂コントロール機能崩れにくさを重視。マットな仕上がりのものがおすすめ。 ・パウダーファンデーション
・マットタイプのBBクリーム
「オイルフリー」「皮脂吸着パウダー配合」などの表記があるもの
混合肌 部位によって使い分けるのが理想だが、まずは水分と油分のバランスを整えるタイプが使いやすい。 ・セミマットタイプの下地やBBクリーム
・Tゾーンには皮脂崩れ防止下地、乾燥する部分には保湿下地を部分使いする
敏感肌 肌への優しさを第一に考える。刺激の少ない処方のものを選ぶ。 ・ミネラルファンデーション
「低刺激処方」「敏感肌用」「アレルギーテスト済み」「パッチテスト済み」などの表記があるもの

初心者は必要なものが揃うスターターキットもおすすめ

「何から買えばいいか分からない」「一つ一つ選ぶのが面倒」という初心者の方には、メンズコスメブランドが販売している「スターターキット」や「トライアルセット」が非常におすすめです。

【スターターキットのメリット】

  • アイテム選びに迷わない: BBクリーム、洗顔料、化粧水、リップクリームなど、メンズメイクやスキンケアに必要な基本アイテムがセットになっているため、迷うことなく始められます。
  • お得な価格設定: 単品でそれぞれ購入するよりも、割安な価格設定になっていることが多いです。
  • ライン使いで試せる: 同じブランドの製品で揃えられているため、相性が良く、統一感のある仕上がりやケアが期待できます。
  • 持ち運びにも便利: トライアルサイズで提供されることも多く、旅行や出張用としても活用できます。

多くのメンズコスメブランドが、ウェブサイト限定などでスターターキットを提供しています。まずはこうしたキットで一通り試してみて、気に入ったアイテムを通常サイズで買い足していくというのも賢い方法です。

メンズコスメはどこで買える?

以前は男性がコスメカウンターに立ち寄ることは稀でしたが、現在では様々な場所でメンズコスメが手に入るようになりました。それぞれの場所のメリット・デメリットを理解し、自分に合った購入場所を選びましょう。

ドラッグストア・バラエティショップ

ロフトやハンズ、マツモトキヨシなどの店舗では、メンズコスメ専用のコーナーが設けられていることが増えました。

  • メリット:
    • 気軽に立ち寄れる。
    • 比較的手頃な価格帯のブランドが揃っている。
    • テスターが置いてあることが多く、色味やテクスチャーを自由に試せる。
  • デメリット:
    • 専門的な知識を持つ店員(ビューティーアドバイザー)がいない場合が多く、詳しいアドバイスは受けにくい。
    • ハイブランドの取り扱いは少ない。

デパートのコスメカウンター

デパートの1階などにある化粧品売り場です。最近では、メンズコスメ専門ブランドや、ユニセックスで使えるブランドのカウンターも増えています。

  • メリット:
    • 専門知識が豊富なBA(ビューティーアドバイザー)から、自分に合った製品選びや使い方について丁寧なアドバイスがもらえる。
    • 実際に顔にメイクを施してもらう「タッチアップ」が可能で、仕上がりをしっかり確認できる。
    • 品質の高い、ハイエンドな製品が見つかる。
  • デメリット:
    • 価格帯が高め。
    • 初心者にとっては少し敷居が高いと感じるかもしれない。

公式オンラインストア・ECサイト

各ブランドの公式サイトや、Amazon、楽天市場、ZOZOTOWNなどの総合ECサイトでも購入できます。

  • メリット:
    • 品揃えが最も豊富。店舗では扱っていない色や限定品も見つかる。
    • 時間や場所を問わずに購入できる。
    • 購入者のレビューや口コミを参考にできる。
  • デメリット:
    • 色味やテクスチャーを直接確認できない。色選びで失敗するリスクがある。
    • 送料がかかる場合がある。

初心者の方は、まずはドラッグストアなどでテスターを試し、慣れてきたらデパートでアドバイスをもらったり、欲しい製品が決まったらオンラインでお得に購入したりと、ステップに合わせて使い分けるのがおすすめです。

初心者におすすめのメンズコスメブランド3選

数あるメンズコスメブランドの中から、特に初心者におすすめで、人気も実力も兼ね備えた3つのブランドをピックアップしてご紹介します。それぞれコンセプトや特徴が異なるため、自分のなりたいイメージやライフスタイルに合わせて選んでみてください。

※商品の情報や価格は変更される可能性があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

① NULL(ヌル)

コンセプト:「日本男性の肌質や肌色を徹底的に研究し、開発されたメンズコスメブランド」

NULL(ヌル)は、オンラインを中心に人気を集めている日本のメンズコスメブランドです。特にBBクリームは多くの男性から支持を得ています。

  • 特徴:
    • 日本人男性のための製品設計: 日本人男性特有の肌の悩み(テカリ、青ひげ、ニキビ跡など)や肌色に合わせて製品が開発されており、自然に馴染みやすいのが大きな特徴です。
    • 使いやすさと機能性の両立: BBクリームは、日焼け止め、化粧下地、ファンデーション、コンシーラーの役割を1本でこなし、忙しい朝でも手軽に使える手軽さが魅力です。それでいて、カバー力や崩れにくさにも定評があります。
    • バレにくさへのこだわり: 「塗っている感」が出ない、ナチュラルな仕上がりを追求しています。初めてメイクをする男性が抵抗なく使えるようなテクスチャーや色展開になっています。
  • 代表的な商品:
    • NULL BBクリーム: ブランドの看板商品。少量でよく伸び、気になる肌悩みを自然にカバーします。SPF30 PA++のUVカット効果もあります。
    • NULL フェイスパウダー: テカリを抑え、サラサラの肌をキープする仕上げ用パウダー。無色タイプで、どんな肌色の人でも使いやすいです。

こんな人におすすめ:

  • とにかく手軽に、バレずにメイクを始めたい人
  • 日本のブランドの安心感を求める人
  • BBクリームをメインで使いたいと考えている人

(参照:NULL公式サイト)

② ORBIS Mr.(オルビス ミスター)

コンセプト:「スキンケア発想のメンズコスメ。男性の肌が本来持つ力を引き出す」

ORBIS Mr.(オルビス ミスター)は、人気コスメブランドORBIS(オルビス)から生まれたメンズラインです。スキンケアアイテムに定評があるブランドならではの、肌への優しさと機能性を両立させた製品が揃っています。

  • 特徴:
    • スキンケアの延長線上にあるメイク: メイクアイテムにもスキンケア成分が配合されており、日中も肌をケアしながら、見た目を整えることができます。
    • ミニマルで洗練されたデザイン: シンプルでおしゃれなパッケージは、部屋に置いておいても様になり、男性が持ちやすいデザインです。
    • 自然な補正力: ガッツリとカバーするのではなく、光をコントロールして肌を綺麗に見せるなど、あくまで自然な仕上がりを重視しています。
  • 代表的な商品:
    • ミスター ベースカラー コントローラー: 肌の凹凸や色ムラを整える化粧下地。肌を自然にトーンアップさせ、清潔感を演出します。
    • ミスター スポットシュート コンシーラー: クマ、ニキビ跡、シミなどをピンポイントでカバーするスティック状コンシーラー。オレンジ系の色味で青みを効果的に補正します。

こんな人におすすめ:

  • メイクだけでなく、スキンケアにも力を入れたい人
  • 肌への負担が少ない製品を選びたい人
  • ごく自然に、印象を少しだけ良く見せたい人

(参照:ORBIS Mr. 公式サイト)

③ FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー)

コンセプト:「ジェンダーの枠を超え、自己表現を解放する」

FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー)は、デパートコスメブランドTHREE(スリー)から誕生した、業界初の総合メンズコスメブランドです。その先進的なコンセプトと品質の高さで、美容感度の高い男性から絶大な支持を得ています。

  • 特徴:
    • 豊富な製品ラインナップとカラーバリエーション: ファンデーションやコンシーラーはもちろん、アイシャドウ、リップ、ネイルなど、メイクアップ製品が幅広く揃っています。ファンデーションのカラー展開も豊富で、どんな肌色の人でも自分にぴったりの色が見つかります。
    • プロも認める品質: 天然由来成分にこだわりながらも、カバー力や持続性など、機能面でも非常に高いクオリティを誇ります。仕上がりの美しさはデパートコスメならではです。
    • モードでスタイリッシュな世界観: 「メイクは自己表現のツール」という考え方を体現した、スタイリッシュなブランドです。基本的なナチュラルメイクから、一歩進んだ個性的なメイクまで楽しめます。
  • 代表的な商品:
    • ネイキッドタッチ モイスチャライザー: 素肌感を残しながら肌を整える、スキンケアのようなベースメイクアイテム。
    • コンシール バー: スティック状のコンシーラー。カバー力が高く、気になる部分にピンポイントで使えます。

こんな人におすすめ:

  • 品質や仕上がりの美しさにこだわりたい人
  • 自分にぴったりの色を、豊富な選択肢の中から見つけたい人
  • ベーシックなメイクから、より個性的なメイクまで挑戦してみたい人

(参照:FIVEISM × THREE 公式サイト)

肌トラブルを防ぐための正しいメイクの落とし方

メンズメイクを日常的に行う上で、最も重要な習慣の一つが「正しいクレンジング」です。メイクは「する」こと以上に「落とす」ことが肌の健康を左右します。このステップを怠ると、せっかくのメイクが肌トラブルの原因になりかねません。

なぜクレンジングが必要なのか

「夜は洗顔フォームで顔を洗っているから大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

BBクリームやファンデーション、日焼け止めといったメイク製品には、肌への密着性を高めるために油性の成分が多く含まれています。また、メイクの顔料は非常に細かい粒子でできており、毛穴の奥に入り込みやすい性質があります。

一方、通常の洗顔料は、汗やホコリ、古い角質といった「水性」の汚れを落とすことを主な目的としています。そのため、油性のメイク汚れを十分に落としきる力はありません。

メイクを落としきれずに肌に残ってしまうと、以下のような肌トラブルを引き起こす原因となります。

  • 毛穴詰まり・黒ずみ: 残ったメイク汚れが皮脂と混ざり合い、毛穴に詰まって角栓となり、酸化して黒ずむ。
  • ニキビ・吹き出物: 毛穴詰まりによってアクネ菌が繁殖し、炎症を起こす。
  • 色素沈着・くすみ: メイク汚れが肌のターンオーバーを妨げ、肌がゴワついたり、顔色全体がくすんで見えたりする。
  • 乾燥・肌老化: 肌に残った汚れが刺激となり、肌のバリア機能を低下させ、乾燥やシワ、シミの原因になる。

健康な肌を維持し、メイクを長く楽しむためにも、一日の終わりには必ずクレンジング剤を使ってメイクを完全にリセットすることが不可欠です。

クレンジングの種類と選び方

クレンジング剤には様々なタイプがあり、それぞれ洗浄力やテクスチャー、肌への負担が異なります。自分の肌質やメイクの濃さに合わせて選びましょう。

種類 洗浄力 肌への負担 特徴・おすすめの人
オイル 高い やや高め 濃いメイクもしっかり落とせる。洗浄力重視の方、脂性肌の方に。
バーム 高い やや低め 肌の上でオイル状に変化。洗浄力と肌への優しさを両立。洗い上がりがしっとり。
ジェル 中〜高い 中程度 厚みのあるジェルがクッションになり、摩擦を軽減。さっぱりとした洗い上がり。
クリーム 中程度 低め しっとりとした洗い上がり。保湿力を重視する方、乾燥肌の方に。
ミルク 低い 低い 最も肌に優しいタイプ。ナチュラルメイクや、肌が敏感な時に。
シート 高い 高い 手軽で便利だが、シートで擦るため摩擦が起きやすい。旅行など緊急時向け。

メンズメイク初心者の場合、BBクリームやコンシーラーなど、比較的しっかりとしたメイクを落とす必要があるため、洗浄力と肌への優しさのバランスが良い「バームタイプ」や「ジェルタイプ」から試してみるのがおすすめです。

肌に負担をかけないクレンジングの手順

正しい手順でクレンジングを行うことで、肌への負担を最小限に抑えながら、汚れをしっかりと落とすことができます。

  1. 乾いた手と顔で行う: ポイントメイクリムーバーを使う場合を除き、ほとんどのクレンジング剤は、手も顔も乾いた状態で使うのが基本です。濡れているとクレンジング剤が薄まり、洗浄力が低下してしまいます。
  2. 適量を守る: 使用量が少なすぎると、指と肌との間で摩擦が起きてしまい、肌を傷つける原因になります。製品に記載されている推奨量を必ず使いましょう。
  3. Tゾーンから馴染ませる: クレンジング剤を手に取り、まずは皮脂の多いTゾーン(額・鼻)から馴染ませます。次に頬や顎といった広い部分に伸ばします。
  4. 優しくマッサージするように: ゴシゴシ擦るのは厳禁です。指の腹を使い、クルクルと円を描くように優しくメイクと馴染ませます。皮膚の薄い目元や口元は、特に優しく触れるようにしましょう。
  5. 乳化させる(重要): クレンジング料がメイクと十分に馴染んだら、少量のぬるま湯(32℃前後)を手に取り、顔全体に馴染ませます。すると、オイルなどが白く濁り、サラサラとした液体に変化します。この「乳化」という工程を行うことで、油性の汚れが水で洗い流せる状態になり、洗浄力が格段にアップし、すすぎも楽になります。
  6. 丁寧にすすぐ: 乳化が終わったら、ぬるま湯で20〜30回程度、顔をこすらずにパシャパシャと水をかけるようにして、クレンジング剤を完全に洗い流します。フェイスラインや髪の生え際はすすぎ残しが多いので、特に意識してすすぎましょう。
  7. W洗顔: クレンジング後にさらに洗顔料で洗うことを「W洗顔」と言います。製品によっては「W洗顔不要」のものもありますが、そうでない場合は、クレンジング後に通常の洗顔を行い、肌に残ったクレンジング剤や汚れを落とします。

クレンジング後は、すぐに化粧水や乳液で保湿ケアをすることも忘れずに行いましょう。

メンズメイクに関するQ&A

メンズメイクに関するQ&A

最後に、メンズメイク初心者が抱きがちな疑問について、Q&A形式でお答えします。

女性用の化粧品を使っても大丈夫?

結論から言うと、女性用の化粧品を使っても基本的には問題ありません。化粧品の成分に性別による大きな違いはないため、肌質に合っていれば、彼女や家族のものを借りて試してみるのも一つの手です。

ただし、男性と女性の肌には、一般的に以下のような性質の違いがあります。

  • 皮脂量: 男性は女性の約2〜3倍皮脂の分泌量が多い。
  • 水分量: 男性の肌は、女性の肌に比べて水分量が少なく、乾燥しやすい(インナードライ)。
  • 肌の厚み: 男性の方が皮膚が厚い傾向がある。

このため、メンズコスメは、こうした男性特有の肌質に合わせて作られていることが多いです。例えば、テカリを抑える皮脂吸着成分が豊富に配合されていたり、さっぱりとした使用感であったり、シェービング後の肌をケアする成分が含まれていたりします。

また、パッケージデザインや香りも男性が使いやすいように工夫されています。もちろん、女性用のしっとりタイプのファンデーションが合う乾燥肌の男性もいますので、最終的には自分の肌質や好みに合わせて選ぶのが一番です。

メイクにはどれくらいの時間がかかる?

「毎朝メイクに時間をかけるのは大変そう」と心配する方もいるかもしれません。しかし、慣れてしまえば驚くほど短時間で完了します。

  • 慣れるまで(フルメイク): 最初は手順を確認しながらになるため、10分〜15分ほど見ておくと安心です。
  • 慣れてから(デイリーメイク): 手順を覚え、自分のルーティンが確立すれば、3分〜5分程度で完了する人がほとんどです。
    • (例)スキンケア → BBクリームを伸ばす → 気になる部分にコンシーラー → パウダーをはたく → 眉を整える

週末など時間のある時に練習しておくと、平日の朝もスムーズにできるようになります。完璧を目指す必要はないので、まずは「BBクリームと眉毛だけ」など、自分ができる範囲で始めてみるのが継続のコツです。

メイクで肌荒れしないか心配です

メイクをすることで肌に負担がかかり、肌荒れするのではないかと心配する声もよく聞かれます。確かに、間違った方法では肌荒れのリスクはあります。しかし、ポイントを押さえれば、肌トラブルは十分に防ぐことができます。

【肌荒れを防ぐための3つの鉄則】

  1. 必ずその日のうちに、正しくクレンジングする: これが最も重要です。メイクをしたまま寝てしまうのは絶対に避けましょう。正しいクレンジング方法を実践し、メイク汚れを肌に残さないことが肌荒れ防止の基本です。
  2. 自分の肌に合った製品を選ぶ: 肌質に合わない製品は、乾燥や皮脂の過剰分泌、刺激による赤みなどを引き起こす可能性があります。特に敏感肌の方は、「低刺激処方」や「パッチテスト済み」といった表記のある製品を選ぶと安心です。使用前に腕の内側などでパッチテストを行うのも良い方法です。
  3. メイク道具を清潔に保つ: スポンジやブラシ、パフなどを洗わずに使い続けると、皮脂や汗、雑菌が繁殖し、ニキビや肌荒れの原因になります。スポンジは使うたびに洗い、ブラシ類も週に一度は専用のクリーナーか中性洗剤で洗浄し、清潔な状態を保ちましょう。

これらのルールを守り、メイク前のスキンケア(保湿)とメイク後のクレンジング(洗浄)を徹底すれば、メイクが原因で肌荒れすることはほとんどありません。むしろ、日中の紫外線や乾燥といった外部刺激から肌を守ってくれるという側面もあります。肌の調子が悪いと感じた時は、無理せずメイクを休む「休肌日」を設けることも大切です。