近年、男性の美容意識の高まりとともに、メンズメイクは特別なものではなく、自己表現や身だしなみの一環として広く受け入れられるようになりました。中でも「アイライン」は、顔の印象を大きく左右する重要なアイテムです。
「目力をアップさせたい」「もっとシャープで洗練された印象になりたい」「マスクをしていても存在感のある目元にしたい」。こうした願いを、アイラインは簡単に叶えてくれます。しかしその一方で、「いかにもメイクしている感じになるのは嫌だ」「やり方が分からず、不自然になってしまいそう」「女性向けのアイテムばかりで、どれを選べばいいか分からない」といった不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなメンズアイライン初心者のために、誰にもバレずに自然に目力をアップさせるための全ての知識とテクニックを網羅的に解説します。アイラインがもたらすメリットから、初心者でも失敗しないアイライナーの選び方、基本的な引き方の5ステップ、目の形別の応用テクニックまで、順を追って丁寧にご紹介します。
この記事を読み終える頃には、アイラインに対する不安は解消され、自信を持って新しい自分を表現するための一歩を踏み出せるはずです。さあ、アイラインの世界へ飛び込み、あなたの魅力を最大限に引き出してみましょう。
目次
メンズがアイラインを引く3つのメリット
アイラインと聞くと、単に目を大きく見せるためのもの、というイメージがあるかもしれません。しかし、男性がアイラインを引くことには、それ以上に多くのメリットが存在します。ここでは、代表的な3つのメリットを深掘りし、アイラインがいかにあなたの印象をポジティブに変える力を持っているかを解説します。
① 目力がアップし印象的な目元になる
アイラインを引く最大のメリットは、何と言っても目力が格段にアップし、印象的な目元を演出できることです。「目力」とは、単に目が大きいということではなく、その人の視線が持つ強さや存在感、意志の明瞭さを指します。アイラインは、この目力を効果的に高めるための最も直接的な手段の一つです。
アイラインをまつ毛の生え際に沿って引くと、目の輪郭がくっきりと強調されます。これにより、白目と黒目のコントラストが明確になり、黒目が大きく際立って見える効果があります。黒目がちの瞳は、一般的に若々しさや生命力を感じさせ、相手に魅力的で健康的な印象を与えます。
また、目元がはっきりすることで、視線そのものに力が宿ります。例えば、ビジネスシーンでのプレゼンテーションや商談において、力強い視線は自信の表れと受け取られ、発言の説得力を高める効果が期待できます。オンライン会議が主流となった現代では、画面越しのコミュニケーションが中心です。小さな画面の中でも、はっきりとした目元は相手に自分の表情や意図を伝えやすくし、エンゲージメントを高める上で有利に働きます。
プライベートな場面でも、目力の効果は絶大です。マスクの着用が日常化したことで、顔の大部分が隠れてしまい、コミュニケーションは目元に集中します。アイラインで強調された目元は、マスクをしていても表情を豊かに見せ、相手に親しみやすさや好意的な印象を与えるきっかけになります。初対面の人と会う時や、大切な人とのデートなど、ここぞという場面でアイラインを仕込んでおくことで、自信を持って相手の目を見つめることができるようになるでしょう。
このように、アイラインは物理的に目のフレームを強調するだけでなく、内面的な自信を引き出し、コミュニケーションを円滑にする心理的な効果ももたらしてくれるのです。
② 目の形を補正し大きく見せる効果がある
多くの人が、自分の顔のパーツに対して何かしらのコンプレックスを抱えているものです。特に目は顔の印象を決定づける中心的なパーツであるため、「一重で目が小さく見える」「つり目がキツい印象を与えてしまう」「眠そうに見られる」といった悩みを抱える男性は少なくありません。アイラインは、こうした目の形に関する悩みを、まるで魔法のように補正してくれる効果があります。
これは、目の錯覚(錯視)を利用したテクニックです。例えば、同じ長さの線でも、線の端に内向きの矢印(><)があるか、外向きの矢印(<>)があるかで長さが違って見える「ミュラー・リヤー錯視」が有名ですが、アイラインもこれと同様の原理を応用しています。
- 一重や奥二重で目を大きく見せたい場合:
アイラインで目の輪郭を縁取ることで、目の面積そのものが広がったように見せることができます。特に、目尻のラインを少し長めに引くことで、目の横幅が拡張されたような錯覚を生み出し、切れ長で大きな目元を演出できます。 - つり目で印象を和らげたい場合:
目尻のラインを跳ね上げるのではなく、目のカーブに沿って少しだけ下げ気味に描く「たれ目ライン」が効果的です。これにより、目尻の位置が下がって見え、キツい印象が和らぎ、優しく親しみやすい雰囲気に変わります。 - たれ目で眠そうに見えるのを改善したい場合:
逆に、目尻のラインを少しだけ跳ね上げて描くことで、目元全体がリフトアップしたように見え、シャープで意志の強い印象を与えることができます。黒目の上部分のラインを少しだけ太くすると、縦の幅が強調され、ぱっちりとした目に見せることも可能です。 - 目が離れているのが気になる場合:
目頭に「く」の字の形で少しだけラインを入れる「目頭切開ライン」というテクニックがあります。これにより、目と目の間の距離が縮まったように見え、顔全体のバランスが整い、求心的な顔立ちになります。
このように、アイラインは単に黒い線を引く行為ではありません。線の太さ、長さ、角度をミリ単位で調整することで、自分のなりたい印象に合わせて目の形を自在にデザインできる、非常に高度なツールなのです。自分の目の特徴を理解し、それを活かす、あるいは補正する形でアイラインを引くことで、コンプレックスを自信に変えることができます。
③ 顔全体の印象が引き締まる
アイラインの効果は、目元だけに留まりません。目元がはっきりとすることで、顔全体の印象が引き締まり、より洗練された雰囲気を醸し出すことができます。
顔は、目、鼻、口、眉といった各パーツのバランスで全体の印象が決まります。アイラインによって目元の存在感が増すと、顔の中に視線を集める「ポイント」ができます。これにより、のっぺりとした、あるいはぼんやりとした印象だった顔に立体感が生まれ、メリハリの効いたシャープな顔立ちに見えるのです。
例えるなら、額縁のない絵と、立派な額縁に入れられた絵の違いのようなものです。アイラインという「額縁」がつくことで、目という「絵」が引き立ち、結果として顔全体の印象が格上げされます。
この引き締め効果は、ファッションやヘアスタイルとの相乗効果も生み出します。例えば、モード系のシャープな服装や、きっちりとセットされたヘアスタイルをしているのに、顔の印象がぼんやりしていると、どこかチグハグな印象になってしまいます。そこでアイラインを一本加えるだけで、目元に強さが生まれ、全体のスタイリングとの統一感が生まれます。アイラインは、あなたのトータルコーディネートを完成させるための、最後の重要なピースとなり得るのです。
また、顔が引き締まって見えることで、清潔感や知的な印象もアップします。ビジネスシーンでは「仕事ができそう」、プライベートでは「自己管理ができていてお洒落」といったポジティブな評価に繋がる可能性もあります。
アイラインを引くことは、単に目元を飾る行為ではなく、顔全体のバランスを整え、トータルでの印象を向上させるための戦略的な自己投資と言えるでしょう。目力アップ、コンプレックス補正、そして顔全体の引き締め効果。これら3つのメリットを理解すれば、メンズアイラインがなぜこれほどまでに注目されているのか、お分かりいただけたはずです。
バレないメンズアイライナーの選び方
アイラインのメリットを理解したところで、次はいよいよアイテム選びです。しかし、ドラッグストアやコスメショップに行くと、無数のアイライナーが並んでおり、どれを選べば良いのか分からなくなってしまうかもしれません。特にメンズメイクでは「バレないこと」が重要なテーマ。ここでは、バレずに自然な仕上がりを実現するためのアイライナーの選び方を、「種類」「色」「機能性」の3つの観点から徹底的に解説します。
アイライナーの種類で選ぶ
アイライナーには、大きく分けて「ペンシル」「リキッド」「ジェル」の3つのタイプがあります。それぞれに仕上がりや難易度が異なるため、自分のスキルやなりたい印象に合わせて選ぶことが重要です。
| 種類 | 仕上がり | 難易度 | 特徴 | こんな人におすすめ |
| :— | :— | :— | :— |
| ペンシルタイプ | ナチュラル、ふんわり | ★☆☆(易しい) | ぼかしやすく修正が簡単。まつ毛の隙間を埋めるのに最適。 | アイライン初心者、絶対にバレたくない人、自然な仕上がりを求める人 |
| リキッドタイプ | シャープ、くっきり | ★★☆(普通) | 発色が良く、細い線から太い線まで自在に描ける。滲みにくい。 | 目元をはっきりさせたい人、シャープでクールな印象にしたい人、メイクに慣れてきた人 |
| ジェルタイプ | 滑らか、高密着 | ★★★(難しい) | 芯が柔らかく描きやすい。汗・皮脂・こすれに強く、キープ力が非常に高い。 | 長時間メイクをキープしたい人、スポーツをする人、皮脂や汗が多い人 |
ペンシルタイプ|初心者でも扱いやすく自然な仕上がりに
ペンシルアイライナーは、その名の通り鉛筆のような形状で、メンズアイライン初心者にとって最も扱いやすいタイプです。芯が柔らかく、描いた後に指や綿棒で簡単にぼかすことができるため、多少線がガタついても自然になじませることができます。「いかにも描きました」という感じが出にくく、まるで元から目が大きいかのような、ごく自然な影を演出するのに長けています。
特に、バレないアイラインの基本である「まつ毛の隙間を埋める」作業に最適です。まぶたへの当たりが柔らかいため、目のキワというデリケートな部分にも安心して使えます。
ペンシルタイプには、鉛筆のように削って使う「鉛筆式」と、ダイヤルを回して芯を繰り出す「繰り出し式」があります。繰り出し式の方が手軽で、芯の細さを一定に保てるため初心者にはおすすめです。芯の硬さも様々で、硬めは細い線が描きやすく、柔らかめは肌あたりが優しくぼかしやすいという特徴があります。まずは、滑らかに描ける柔らかめの芯から試してみると良いでしょう。
リキッドタイプ|くっきりとしたシャープな線が描ける
リキッドアイライナーは、液体状のインクを筆で塗るタイプです。ペンシルに比べて発色が良く、くっきりとしたシャープなラインが描けるのが最大の特徴。目尻の跳ね上げラインや、目頭切開ラインなど、エッジの効いたデザインをしたい場合に適しています。
筆先には、フェルトペンのようにコシのある「フェルトタイプ」と、習字の筆のようにしなやかな「毛筆タイプ」があります。フェルトタイプは筆先が安定しているため、手ブレしにくく初心者でも比較的扱いやすいでしょう。一方、毛筆タイプは筆のしなりを活かして、極細の線から太い線まで自在に描くことができ、より繊細な表現が可能です。
ただし、リキッドタイプは乾くと修正が難しく、くっきり描ける分、少しでも歪むと目立ちやすいというデメリットもあります。ペンシルである程度慣れてから挑戦するか、まずは目尻だけにポイント使いするなど、徐々にステップアップしていくのがおすすめです。
ジェルタイプ|滑らかな描き心地で落ちにくい
ジェルアイライナーは、ペンシルとリキッドの中間のような存在です。クリーム状のジェルを、繰り出し式のペンシルのようにしたタイプや、小さな瓶(ジャー)に入ったジェルを専用のブラシにとって描くタイプがあります。
滑らかでクリーミーな描き心地と、圧倒的なキープ力の高さが魅力です。肌への密着度が高く、乾くと汗や皮脂、こすれに非常に強くなるため、「絶対にメイクを崩したくない」という日に最適です。スポーツをする際や、夏場のメイクにも頼りになります。
発色も良く、ペンシルのような柔らかさとリキッドのような濃密さを両立できます。ただし、乾くのが非常に速いため、描いたら素早くぼかす必要があります。また、ジャータイプは別途ブラシが必要になるなど、3つのタイプの中では最も扱うのにテクニックが要求される上級者向けと言えるでしょう。まずは、手軽な繰り出し式のジェルペンシルから試してみるのが良いかもしれません。
アイライナーの色で選ぶ
アイライナーの色選びは、仕上がりの自然さを左右する非常に重要な要素です。定番のブラックだけでなく、肌なじみの良いブラウンや、知的な印象を与えるグレーなど、色によって与える印象は大きく異なります。
ブラック|目元をはっきりと強調したい場合に
ブラックは、最も目力を強調できる定番カラーです。目の輪郭を最大限に引き締め、シャープで力強い印象を与えます。黒髪や黒い服装との相性も抜群で、クールでモードな雰囲気を演出したい場合に最適です。
しかし、その強さゆえに、一歩間違えると「メイクしている感」が最も出やすい色でもあります。男性が使う場合は、まつ毛の隙間を埋めるインラインに限定したり、極細のリキッドライナーでまつ毛の生え際に細い線を引いたりするなど、ごくミニマムな使い方に留めるのがバレないコツです。太く引いてしまうと、一気に不自然に見えるので注意が必要です。
ブラウン|肌なじみが良くナチュラルでバレにくい
メンズアイライン初心者、そして「絶対にバレたくない」という方には、ブラウンが最もおすすめです。黒に比べて色が柔らかく、肌や髪の色とのなじみが非常に良いため、アイラインを引いていることが分かりにくく、まるで元からある影のように自然に目元を強調できます。
ブラウンと一言で言っても、赤みがかった「ブラウンブラック」や、黄みがかった「ライトブラウン」、くすみ感のある「アッシュブラウン」など、様々な色合いがあります。自分の肌の色や髪の色に合わせて選ぶと、より自然な仕上がりになります。一般的に、黄みがかった肌(イエベ)の人は黄み系のブラウン、青みがかった肌(ブルベ)の人は赤みやグレーがかったブラウンが似合いやすいとされています。
優しく、知的で、上品な印象を与えるブラウンは、ビジネスシーンからプライベートまで、どんな場面でも活躍する万能カラーです。
グレー|自然な影を作り出し知的な印象に
グレーは、ブラックほど強くなく、ブラウンよりもクールで洗練された印象を与える、いわば「いいとこ取り」のカラーです。黒の引き締め効果と、ブラウンのナチュラルさを両立したい場合に最適です。
特に、黒髪やアッシュ系の髪色の人、ブルベ肌の人によく似合います。肌の上で悪目立ちすることなく、本物の影のように溶け込み、さりげなく目元の奥行きを演出します。都会的でスタイリッシュな雰囲気を求める方や、周りと少し差をつけたいお洒落上級者におすすめのカラーです。チャコールグレーやグレージュなど、ニュアンスのある色を選ぶと、よりこなれた印象になります。
機能性で選ぶ
アイライナーを一日中綺麗な状態でキープするためには、機能性にも注目する必要があります。特に男性は女性に比べて皮脂の分泌量が多い傾向にあるため、崩れにくさは重要な選定基準です。
汗や皮脂に強いウォータープルーフタイプを選ぶ
アイライナーのパッケージでよく見かける「ウォータープルーフ」や「スマッジプルーフ」という表記。これらの意味を正しく理解しておきましょう。
- ウォータープルーフ: 水や汗、涙に強い処方。水に濡れても流れ落ちにくいのが特徴です。
- スマッジプルーフ: 皮脂やこすれに強い処方。「Smudge(スマッジ)」は「にじむ」という意味で、皮脂によるにじみや、まばたきによるこすれを防ぎます。
男性の場合、汗だけでなく皮脂による崩れも大きな問題となるため、「ウォータープルーフ」と「スマッジプルーフ」の両方の機能を兼ね備えた製品を選ぶのが最も確実です。
また、「フィルムタイプ」と呼ばれるアイライナーもあります。これは、描いたラインが肌の上で耐水性のフィルム膜を形成するもので、汗や皮脂に強いのに、落とす時はお湯でふやかすと簡単にオフできるという特徴があります。専用のクレンジングが不要で手軽ですが、強力なウォータープルーフ製品に比べると、こすれにはやや弱い場合があります。
自分の肌質(オイリー肌か、乾燥肌か)や、ライフスタイル(汗をかく機会が多いかなど)を考慮して、最適な機能性のアイライナーを選びましょう。
【初心者必見】バレないメンズアイラインの基本的な引き方5ステップ
最適なアイライナーを選んだら、いよいよ実践です。ここでは、誰でも簡単に、そしてバレずに自然な目力を手に入れられる基本的なアイラインの引き方を、5つのステップに分けて徹底解説します。焦らず、一つ一つの工程を丁寧に行うことが成功への近道です。
① アイシャドウでまぶたの油分をおさえる
アイラインを引く前に、まぶたのコンディションを整えるこのひと手間が、仕上がりの美しさと持続力を大きく左右します。まぶたは意外と皮脂が出やすい部分。油分が残ったままだと、アイラインが滑って描きにくかったり、時間が経つと滲んで「パンダ目」になったりする原因になります。
そこで活躍するのがアイシャドウです。メイクのプロも必ず行うこの工程は、アイラインを引くための土台作りと考えると良いでしょう。
- 色選び: 使用するアイシャドウは、肌色に近いベージュやライトブラウンのマットな(ツヤやラメのない)タイプが最適です。色を乗せるというよりは、まぶたのくすみを払い、油分を吸収させることが目的なので、肌から浮かない色が基本です。もしアイシャドウがなければ、手持ちのフェイスパウダーでも代用可能です。
- 塗り方: 指先にアイシャドウを少量とり、アイホール(眼球のくぼみ全体)に薄く均一に伸ばします。特に、アイラインを引くことになるまつ毛の生え際は、丁寧にパウダーを乗せてサラサラの状態にしておきましょう。これにより、アイライナーの発色が良くなるというメリットもあります。
この一手間を加えるだけで、アイラインの滲みを劇的に防ぎ、美しい仕上がりを長時間キープできるようになります。
② まつ毛の隙間を点で埋めていく
いよいよアイライナーを使いますが、ここで多くの初心者がやってしまいがちなのが「いきなり一本の線を引こうとする」ことです。これが失敗の最大の原因。バレないメンズアイラインの極意は、「線を引く」のではなく「まつ毛の隙間を点で埋める」ことにあります。これは「インライン」や「インサイドライン」とも呼ばれる、最も重要で基本的なテクニックです。
- 準備: まず、鏡をテーブルなど平らな場所に置き、顔の正面ではなく少し下になるようにセッティングします。そして、椅子に座って肘をテーブルにつき、鏡を覗き込むように顎を少し上げます。こうすると、自然に伏し目がちになり、まつ毛の生え際がよく見えるようになります。さらに、アイライナーを持つ手と反対の手の指で、まぶたを軽く上に引き上げると、より隙間が見やすくなります。
- 描き方: ペンシルアイライナー(初心者はペンシルが断然おすすめ)を持ち、まつ毛とまつ毛の間の粘膜ではない、「生え際の皮膚」を点で埋めていきます。「チョン、チョン、チョン」と、スタンプを押すようなイメージです。目頭から目尻まで、全ての隙間を丁寧に埋めていきましょう。この段階では、線が繋がっていなくても問題ありません。
この「点埋め」作業だけで、まつ毛の密度が濃くなったように見え、目のフレームが自然に強調されます。正直なところ、バレたくない初心者はこのステップだけで終わらせても十分な効果があります。
③ 点と点を繋げて滑らかな線にする
②の「点埋め」に慣れてきたら、次のステップに進みましょう。今度は、点で埋めた隙間を繋ぎ合わせ、一本の滑らかな線にしていきます。
ここでのポイントも、「一気に引かない」ことです。
- 描き方: 目の中央あたりからスタートし、目尻に向かって、2〜3mm程度の短い線を繋いでいくイメージで描きます。その後、目頭から中央に向かって同じように繋いでいきます。こうすることで、手ブレのリスクを最小限に抑え、コントロールしやすくなります。
- 線の太さ: まつ毛の生え際から1mm以上はみ出さないように、極細のラインを意識してください。太くなればなるほど、メイク感が出て不自然になります。「ラインが見えるか見えないか」くらいの、ごくごく細い線が理想です。
この工程により、点と点が繋がり、よりはっきりとしたフレーム効果が生まれます。しかし、あくまで主役は②の点埋めであり、こちらはそれを補強する脇役と心得ましょう。
④ 目尻は自然に2〜3mmはみ出して描く
目の横幅を出し、より印象的な目元にするための応用テクニックが、目尻のラインを少しだけはみ出して描くことです。
- 長さの目安: はみ出す長さは、わずか2〜3mmに留めましょう。これ以上長くすると、途端に不自然さが増し、女性的な印象が強くなってしまいます。最初は1mmから試すなど、鏡で全体のバランスを見ながら慎重に調整してください。
- 描く角度: 最も自然に見える角度は、下まぶたの目尻側のカーブの延長線上です。目尻から斜め上に向かって、スッと筆先を払うように描きます。角度が上がりすぎるとキツい「キャットライン」になり、下がりすぎると不自然な「たれ目」になってしまうので、自分の目の形に沿った自然な角度を見つけることが重要です。
このステップは必須ではありません。まずは③までをマスターし、物足りなさを感じたら挑戦してみる、というスタンスでOKです。
⑤ 綿棒でぼかして肌になじませる
最後の仕上げとして、「描いた感」を消し去り、本物の影のように見せるための最も重要な工程が「ぼかし」です。
- 使い方: 何もついていない綺麗な綿棒を用意します。先端が尖っているタイプの綿棒だと、より細かな作業がしやすくて便利です。その綿棒の先で、③〜④で描いたラインの上を優しく、なぞるようにしてぼかしていきます。ゴシゴシこするとラインが消えてしまうので、あくまで輪郭を曖昧にするイメージです。
- 効果: 特にペンシルアイライナーで描いた場合、この工程でラインのエッジが柔らかくなり、肌に溶け込むように馴染みます。リキッドで描いた場合でも、乾ききる前に素早くぼかすことで、少しだけ印象を和らげることが可能です。
また、この「ぼかし」は修正テクニックとしても非常に有効です。もしラインが少しガタついたり、太くなってしまったりした場合でも、綿棒でなぞれば綺麗に補正できます。綿棒は、アイラインを引く際の最高の相棒だと覚えておきましょう。
以上の5ステップをマスターすれば、あなたも今日からアイライン上級者の仲間入りです。
【目の形別】メンズアイラインの引き方のコツ
基本的な引き方をマスターしたら、次は自分の目の形に合わせた応用テクニックに挑戦してみましょう。人それぞれ目の形が違うように、似合うアイラインの引き方も異なります。ここでは、代表的な目の形である「一重」「奥二重」「二重」それぞれについて、その特徴を活かし、魅力を最大限に引き出すためのコツをご紹介します。
一重の人の場合
一重まぶたの方は、まぶたに厚みがあり、アイラインを引いても目を開けると隠れてしまったり、目が腫れぼったく見えたりしがち、という悩みを抱えていることが多いです。しかし、ポイントを押さえれば、クールでミステリアスな一重の魅力を活かしつつ、印象的な目元を作ることが可能です。
【一重さんのためのアイライン術】
- 基本は「インライン」の徹底:
まずは基本に忠実に、まつ毛の隙間をペンシルで丁寧に埋める「インライン」を徹底しましょう。まぶたに隠れてしまう部分なので、多少太めになっても問題ありません。黒目の上あたりを少しだけ太くすると、縦の幅が強調され、目が丸く大きく見えます。 - 目を開けた状態でラインの位置を決める:
インラインだけでは物足りない場合、まぶたの上にラインを引いていきます。この時、必ず目を開けた状態で、鏡を正面に見てラインが見える位置を確認しながら描くのが最大のコツです。目を閉じた状態で綺麗に引けても、目を開けるとまぶたに隠れてしまっては意味がありません。目を開けたときに、まつ毛の生え際から1〜2mm程度ラインが見えるくらいが理想です。これを「ダブルライン」のように、まつ毛の生え際のラインとは別に描くというよりは、生え際のラインから徐々に太さを足していくイメージで行います。 - 目尻のラインで横幅を強調する:
一重まぶたの場合、目尻のラインが最も効果を発揮します。まぶたに隠れることがないため、少し長めに3〜5mm程度はみ出して描いても自然に見えやすいです。下まぶたの延長線上に、スッと水平気味に引くことで、切れ長でシャープな印象が際立ちます。 - アイテム選び:
まぶたに厚みがあるため、ラインが滲んだりヨレたりしやすい傾向があります。落ちにくいリキッドアイライナーやジェルアイライナーがおすすめです。色は、引き締め効果の高いブラックやダークブラウンが良いでしょう。
奥二重の人の場合
奥二重の方は、二重のラインはあるものの、目頭側の幅がまぶたに隠れて狭く、目尻側に向かって広くなっているのが特徴です。そのため、アイラインを全体に引いてしまうと、せっかくの二重幅が塗りつぶされてしまい、かえって目が小さく見えてしまうことがあります。
【奥二重さんのためのアイライン術】
- 「目尻重点主義」を貫く:
奥二重さんのアイラインは、「黒目の外側から目尻まで」に限定して引くのが鉄則です。目頭から黒目の中央までは、インラインを埋めるだけにするか、思い切って何も引かなくても良いくらいです。これにより、二重の幅を活かしつつ、目の横幅を自然に強調できます。 - 二重のラインを潰さない極細ライン:
目尻に引くラインも、太さには細心の注意を払いましょう。太く描くと二重幅が消えてしまうため、まつ毛の生え際に沿って、可能な限り細い線を心がけてください。 - 目尻は二重ラインの延長線上を意識:
目尻のラインは、自分の二重ラインが終わる場所から、そのカーブをそのまま延長するように描くと、非常に自然で綺麗な仕上がりになります。長さは2〜3mm程度がおすすめです。 - アイテム選び:
繊細な細いラインが求められるため、筆先が細くコシのあるリキッドアイライナーや、芯の細いペンシルアイライナーが適しています。色は、柔らかい印象になるブラウン系を選ぶと、目尻だけのラインでも悪目立ちせず、ナチュラルに仕上がります。
二重の人の場合
二重まぶたの方は、アイラインの効果が最も出やすく、様々なメイクを楽しめる恵まれた目の形です。しかしその反面、少しやりすぎただけで派手な印象やキツい印象になりがちなので、「引き算」を意識することが重要になります。
【二重さんのためのアイライン術】
- 基本は「インライン」だけで十分:
ぱっちりとした二重の方は、まつ毛の隙間を埋めるインラインだけでも、十分に目力がアップします。まずはインラインのみで仕上げてみて、物足りない場合にのみ、まぶたの上に細い線を追加する、という考え方がおすすめです。 - とにかく「細さ」を追求する:
まぶたの上にラインを引く場合も、二重の幅を絶対に潰さないように、まつ毛の生え際に沿って極細の線を描きましょう。黒目の上だけ少し太くすると、より黒目が強調されて立体感が出ますが、やりすぎは禁物です。 - 色で遊んでみる:
ブラックやブラウンといった定番色はもちろんのこと、二重の方はアイラインが映えるため、グレー、カーキ、ネイビー、バーガンディといったニュアンスカラーにもぜひ挑戦してみてください。ファッションやその日の気分に合わせて色を変えるだけで、お洒落の幅がぐっと広がります。 - 目尻のデザインは自由自在:
目尻を少し跳ね上げてクールに見せたり、下げて優しく見せたりと、なりたい印象に合わせてデザインを楽しみやすいのも二重さんの特権です。ただし、メンズメイクの範疇で楽しむなら、長さは2〜3mm程度に留めておくのが無難です。
自分の目の形を正しく理解し、コンプレックスではなく個性として活かすメイクを心がけることが、アイライン上達への一番の近道です。
【応用編】なりたい印象を作るアイラインテクニック
基本的なアイラインの引き方をマスターし、自分の目の形に合った描き方も分かってきたら、次はいよいよ「なりたい自分」を演出するための応用テクニックに挑戦してみましょう。アイラインは、ほんの少し描き方を変えるだけで、クール、優しげ、中性的など、自在に印象をコントロールできる強力なツールです。ここでは、覚えておくと便利な3つの応用テクニックをご紹介します。
目頭切開ラインでクールな印象に
「目頭切開ライン」とは、その名の通り、まるで目頭を切開手術したかのように見せることで、目の横幅を内側に広げ、シャープで知的な印象を与えるテクニックです。特に、目と目の間が離れている「離れ目」に悩む方には、顔のバランスを整える効果も期待できます。
【効果】
- 目の横幅を広げ、目を大きく見せる
- 離れ目を補正し、求心的な顔立ちに
- シャープでクール、大人っぽい印象を演出
【引き方】
- 準備するアイテム: 筆先が極細のリキッドアイライナーが必須です。色は、最初は失敗しても目立ちにくいブラウン系がおすすめ。慣れてきたら、より効果の高いブラックやダークブラウンに挑戦してみましょう。
- ラインを入れる場所: 目頭にある、ピンク色の肉(涙丘)を覆っている皮膚のひだ「蒙古ひだ」にラインを描きます。
- 描き方: 蒙古ひだのくぼみに沿って、「く」の字を書くように、ほんの1〜2mmの短いラインを入れます。目頭の先端を、少しだけ内側(鼻筋側)にちょんと尖らせるイメージです。
- 注意点: このテクニックは、やりすぎると一気に不自然になり、整形感が出てしまうため、細心の注意が必要です。「描いたか描いていないか分からない」くらい、ごく僅かに入れるのが成功の秘訣です。鏡を離して、全体のバランスを確認しながら行いましょう。
このラインをマスターすれば、あなたの目元には、吸い込まれるような鋭さとミステリアスな魅力が加わるはずです。
涙袋ラインで優しげな目元に
「涙袋」とは、下まぶたに沿ったぷっくりとした膨らみのことで、これがあると目が大きく見え、若々しく優しげな印象になります。「涙袋ライン」は、この涙袋の影を擬似的に描くことで、涙袋を強調し、愛嬌のある目元を作り出すテクニックです。
【効果】
- 涙袋を強調し、目を立体的に大きく見せる
- 優しく、親しみやすい、若々しい印象を演出
- 中顔面(目の下から唇まで)の長さを短く見せ、小顔効果も
【引き方】
- 準備するアイテム: 涙袋の影を描くための専用ライナー(薄いブラウンや影色)が市販されていますが、手持ちのアイブロウペンシル(パウダータイプが最適)や、マットなライトブラウンのアイシャドウでも代用可能です。濃いアイライナーで描くとクマのように見えてしまうので、必ず薄い色を使いましょう。
- 涙袋の位置を確認: 鏡の前で、口角を上げて「にこっ」と笑ってみてください。その時に下まぶたにぷっくりと現れる膨らみ、それがあなたの涙袋です。
- 描き方: 笑った時にできる、涙袋の膨らみのすぐ下にできる影の部分に、細くラインを引きます。黒目の下を中心に、目頭から目尻まで長く引かず、中央部分にだけ短く入れると自然です。
- ぼかしが命: ラインを描いた後、必ず綿棒や指で徹底的にぼかします。「ここに線を引きました」という感じが残っていると、シワやクマに見えてしまい逆効果です。描いた線がうっすらと影に見える程度まで、丁寧になじませてください。
さらに、ラインを引いた涙袋の膨らみ自体に、ラメやパールの入っていないマットなベージュ系のアイシャドウを薄く乗せると、光と影のコントラストでより立体感が強調されます。
たれ目ラインで中性的な雰囲気に
「たれ目ライン」は、つり目を緩和したい方や、キツい印象に見られがちな方が、優しく親しみやすい雰囲気を手に入れるためのテクニックです。穏やかで、どこかアンニュイな中性的な魅力を演出したい場合にも効果的です。
【効果】
- つり目を補正し、目の角度を水平に見せる
- 優しく、穏やかで、親しみやすい印象に
- アンニュイで中性的な雰囲気を演出
【引き方】
- 準備するアイテム: 柔らかい印象に仕上がるブラウン系のペンシルアイライナーが最適です。リキッドで描くと線が強くなりすぎる場合があります。
- 上まぶたのライン: まずは基本通り、上まぶたのまつ毛のキワにラインを引きます。
- 目尻の角度: 通常のラインは目尻で水平か少し跳ね上げますが、たれ目ラインの場合は、目のカーブに沿って、そのまま自然に少しだけ下方向へラインを延長します。下げる長さは2〜3mm程度。下げすぎると不自然な困り顔になってしまうので注意が必要です。
- 下まぶたとの連携: よりたれ目感を強調したい場合は、下まぶたも活用します。下まぶたの目尻側1/3くらいの位置に、上まぶたのラインと繋げるように、ごく薄くラインを描き入れます。上下のラインで目尻に小さな三角形の空間を作るイメージです。
- ぼかしで仕上げる: 描いたライン、特に下まぶたのラインは、綿棒でしっかりぼかして肌になじませましょう。
これらの応用テクニックは、TPOやその日のファッション、なりたい気分に合わせて使い分けることで、メイクの楽しさを何倍にも広げてくれます。ぜひ、鏡の前で色々と試しながら、あなただけの「勝負ライン」を見つけてみてください。
メンズメイクにおすすめの人気アイライナー10選
ここでは、数あるアイライナーの中から、特にメンズメイクにおすすめのアイテムを10個厳選してご紹介します。描きやすさ、バレにくさ、崩れにくさといった観点から、初心者から上級者まで満足できる実力派の製品ばかりです。ぜひ、あなたの最初の、あるいは次の一本を見つける参考にしてください。
(※価格は変動する可能性があるため、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。)
① UZU BY FLOWFUSHI アイオープニングライナー
- タイプ: リキッド
- 特徴: 日本の伝統的な筆職人が手揉みで作り上げた「大和匠筆」を採用。抜群の描きやすさと、絶妙なコシが特徴です。豊富なカラーバリエーションも魅力で、定番のブラックやブラウンブラックに加え、グレーやカーキといったお洒落なニュアンスカラーも揃っています。水、湿気、皮脂に強いのに、ぬるま湯で簡単にオフできるのも嬉しいポイントです。
- こんな人におすすめ: 描きやすさを重視する初心者、色で個性を出したいお洒落上級者。
- 参照: UZU BY FLOWFUSHI公式サイト
② D-UP シルキーリキッドアイライナーWP
- タイプ: リキッド
- 特徴: 滑るような、なめらかな描き心地が人気のロングセラー商品。0.1mmの極細筆で、まつ毛の隙間や目尻の繊細なラインも思いのままに描けます。速乾性があり、描いたそばからまぶたに密着。汗・水・皮脂に強いウォータープルーフ処方で、一日中にじみません。
- こんな人におすすめ: 極細ラインを描きたい人、速乾性を求める人。
- 参照: 株式会社ディー・アップ公式サイト
③ KATE スーパーシャープライナーEX3.0
- タイプ: リキッド
- 特徴: 大手文具メーカーと共同開発した、握りやすさと描きやすさを追求した形状が特徴。筆先が非常に細く、繊細なラインがぶれずに描けると評判です。フィルムタイプでお湯でオフできます。ドラッグストアで手軽に購入できるのも魅力。
- こんな人におすすめ: 手ブレしやすい人、安定した描き心地を求める人。
- 参照: KATE公式サイト
④ msh ラブ・ライナー リキッドアイライナーR4
- タイプ: リキッド
- 特徴: 「失敗しないアイライナー」として絶大な人気を誇る製品。程よい重みのアルミボトルが手のブレを防ぎ、描きやすさをサポートします。ブラウン系のカラー展開が秀逸で、肌の色やなりたい印象に合わせて選べる絶妙な色が揃っています。美容成分が配合されているのもポイントです。
- こんな人におすすめ: 自分に似合うブラウンを見つけたい人、バレない色味にこだわりたい人。
- 参照: msh公式サイト
⑤ CEZANNE 極細アイライナーR
- タイプ: リキッド
- 特徴: 驚きのコストパフォーマンスで人気のプチプラコスメの代表格。安いからと侮れず、水・汗・涙に強いウォータープルーフでありながら、お湯で簡単にオフできるフィルムタイプです。くっきりとした発色で、初めてアイライナーを試す方のお試し用としても最適です。
- こんな人におすすめ: まずは低価格でアイライナーを試してみたい初心者。
- 参照: CEZANNE公式サイト
⑥ CANMAKE クリーミータッチライナー
- タイプ: ジェル(ペンシル型)
- 特徴: 1.5mmの超極細芯で、とろけるような滑らかな描き心地が特徴のジェルライナー。一度乾くと、水・汗・皮脂・こすれに非常に強いスーパーウォータープルーフ処方になります。まつ毛の隙間埋めに最適で、その落ちにくさから多くの支持を集めています。
- こんな人におすすめ: とにかく落ちないアイライナーが欲しい人、まつ毛の隙間をしっかり埋めたい人。
- 参照: CANMAKE TOKYO公式サイト
⑦ excel スキニーリッチライナー
- タイプ: リキッド
- 特徴: セミマットな質感が特徴で、テカらずに肌に溶け込み、リアルな影を演出できます。「いかにも描きました」感が出にくく、非常にナチュラルな仕上がりです。ブラウン系の絶妙なカラー展開も人気で、上品で知的な目元を作りたい方におすすめです。
- こんな人におすすめ: ナチュラルな仕上がりを極めたい人、テカテカするアイラインが苦手な人。
- 参照: excel公式サイト
⑧ K-パレット 1DAY TATTOO プロキャスト ザ・アイライナー
- タイプ: リキッド
- 特徴: 「1DAY TATTOO」の名の通り、落ちにくさに定評のあるシリーズの最新版。水、汗、皮脂だけでなく、あらゆる外的ストレスに強い独自の高密着処方を採用。それでいて、ぬるま湯で簡単にオフできます。筆の描きやすさも進化しており、初心者でも扱いやすいです。
- こんな人におすすめ: スポーツをする人、皮脂や汗でとにかく崩れやすい人。
- 参照: クオレ株式会社公式サイト
⑨ CHANEL スティロ ユー ウォータープルーフ N
- タイプ: ペンシル
- 特徴: ワンランク上の上質な仕上がりを求めるなら、デパコスの選択肢も。繰り出し式のウォータープルーフペンシルで、驚くほど滑らかに描け、美しい発色が長時間持続します。付属のシャープナーで芯先を整えることも可能。持っているだけで気分が上がる、洗練されたパッケージも魅力です。
- こんな人におすすめ: 上質な仕上がりを求める人、特別な日のための1本を探している人。
- 参照: CHANEL公式サイト
⑩ Dior ディオールショウ 24H スティロ ウォータープルーフ
- タイプ: ペンシル
- 特徴: クリーミーなテクスチャーで、まるでリキッドのように鮮やかに発色するウォータープルーフアイライナー。ペンシルの描きやすさとリキッドの高発色を両立しています。ウォータープルーフ処方で、にじむことなく濃密なラインが24時間持続します。
- こんな人におすすめ: ペンシル派だけど発色にもこだわりたい人、崩れにくさを重視する人。
- 参照: Dior公式サイト
メンズアイラインを引く際の注意点
アイラインはあなたの印象を劇的に変える力を持っていますが、使い方を間違えると逆効果になってしまうことも。ここでは、アイラインメイクを成功させ、安全に楽しむために心に留めておくべき3つの注意点を解説します。
最初はやりすぎず細く短いラインから試す
メンズアイラインにおける最大の失敗は、「やりすぎ感」が出てしまうことです。特にメイクに慣れていない男性は、効果を実感したいあまりに、ついラインを太く、長く描きがちです。しかし、これが「いかにもメイクしてます」という不自然さを生み出す最大の原因となります。
成功への鍵は、「引き算」ではなく「足し算」の考え方を持つことです。最初から完璧なフルラインを目指すのではなく、まずはミニマムな状態からスタートしましょう。
- ステップ1: まつ毛の隙間を点で埋める「インライン」のみで完成させる。
- ステップ2: インラインに慣れたら、まつ毛の生え際に極細の線を足してみる。
- ステップ3: それでも物足りなければ、目尻を1mmだけはみ出してみる。
このように、少しずつ足していくことで、自分にとっての「ちょうどいい塩梅」を見つけることができます。客観的な視点も重要です。引いた後に鏡を少し離して、顔全体とのバランスをチェックする癖をつけましょう。友人や家族に「今日、何か変わった?」と聞かれないレベルが、バレないナチュラルメイクの成功ラインです。「誰にも気づかれないけど、なんだか今日いい感じ」を目指すのが、メンズアイラインの極意です。
メイク後はクレンジングでしっかり落とす
これはアイラインに限らず全てのメイクに言えることですが、「メイクは落とすまでがメイク」です。特にアイライナーの色素や成分を肌に残したままにしておくと、様々な肌トラブルの原因になります。
- 色素沈着: アイライナーの色素が皮膚に沈着し、アイラインを引いていないのに目の周りがくすんで見える原因になります。一度色素沈着してしまうと、元に戻すのは非常に困難です。
- 肌荒れ・眼病: 残ったメイク汚れが毛穴を詰まらせてニキビや炎症を引き起こしたり、目の中に入って結膜炎などの眼病に繋がったりするリスクもあります。
特に、今回おすすめしたような「ウォータープルーフ」や「スマッジプルーフ」のアイライナーは、通常の洗顔料だけでは完全に落としきることができません。必ず専用の「ポイントメイクリムーバー」または「アイメイクリムーバー」を使用しましょう。
【正しい落とし方】
- コットンにリムーバーをたっぷりと染み込ませます。(量が少ないと摩擦の原因に)
- そのコットンを閉じたまぶたの上に5〜10秒ほど優しく乗せ、アイラインをふやかすように馴染ませます。
- ゴシゴシこすらず、上から下へ、優しくスッと拭き取ります。
- コットンを折りたたみ、綺麗な面で細かい部分を拭き取れば完了です。
面倒に感じるかもしれませんが、未来の自分の肌と目の健康のために、この一手間を絶対に怠らないようにしてください。
鏡は顔の正面ではなく下に置いて引く
基本的な引き方の章でも触れましたが、これは非常に重要なテクニックなので改めて強調します。アイラインを引く際、手鏡を顔の正面に持ってきたり、洗面台の鏡に向かって引いたりしていませんか?これでは、まつ毛の生え際がよく見えず、ラインがガタガタになったり、粘膜に引いてしまったりする原因になります。
正しい鏡のポジションは「顔より下」です。テーブルなどの平らな場所に置き鏡をセットし、顎を少し上げて上から覗き込むようにします。この体勢をとることで、自然とまぶたが下がり、まつ毛の生え際のラインがはっきりと見えるようになります。
さらに、手ブレを防ぐために、机に肘をつき、アイライナーを持つ手の小指を頬に添えると、支点ができて格段に安定します。この「鏡は下に」「肘と小指で固定」という2つのルールを守るだけで、アイラインの引きやすさは劇的に向上するはずです。
アイラインと合わせて行いたいメンズメイク
アイラインで目元を完璧に仕上げても、顔の他の部分がそのままだと、目元だけが浮いてしまい、かえって不自然な印象を与えてしまうことがあります。アイラインの効果を最大限に活かし、より洗練されたトータルな印象を手に入れるためには、他のメイクアイテムとの組み合わせが非常に重要です。ここでは、アイラインと合わせて行うことで、メイクの完成度を格段に高める3つのアイテムをご紹介します。
BBクリームで肌を整える
肌は、メイクにおける最も重要な「土台」です。どんなに目元が魅力的でも、肌に清潔感がなければ、その魅力は半減してしまいます。BBクリームは、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションといった複数の機能を一つにまとめたオールインワンアイテムで、メンズメイク初心者にとっての最初のステップとして最適です。
- 効果:
BBクリームを顔全体に薄く塗るだけで、肌の色ムラを均一に整え、気になる毛穴や肌の赤みを自然にカバーしてくれます。これにより、一気に清潔感のある、健康的な肌を演出することができます。アイラインを引いたシャープな目元と、整えられた綺麗な肌が組み合わさることで、洗練された印象が格段にアップします。 - 使い方:
パール粒大を手に取り、おでこ、両頬、鼻、顎の5点に置きます。そして、顔の中心から外側に向かって、指の腹で優しく伸ばしていくだけです。厚塗りすると不自然になるので、あくまで薄く、均一に伸ばすことを心がけましょう。
コンシーラーでニキビ跡やクマを隠す
BBクリームで肌全体を整えた後、それでも気になる部分的な悩みにはコンシーラーを使いましょう。コンシーラーは、BBクリームよりもカバー力が高い、部分用のファンデーションです。
- 効果:
ニキビ跡、シミ、そして目の下のクマといった、ピンポイントの肌トラブルを的確に隠すことができます。特に、目の下のクマは要注意です。アイラインで目力を強調すると、その下にあるクマも一緒に目立ってしまい、「疲れている」「不健康」といったネガティブな印象を与えかねません。コンシーラーでクマをカバーすることで、目元がパッと明るくなり、アイラインの効果をよりポジティブに引き出すことができます。 - 使い方:
隠したい部分に直接コンシーラーを少量乗せ、指の腹で周りの肌との境目をトントンと優しく叩き込むようにしてなじませます。決して擦らず、境界線をぼかすイメージで行うのがコツです。
アイブロウで眉を整える
眉は、「顔の額縁」とも言われるほど、顔の印象を決定づける重要なパーツです。アイラインで目力をアップさせたら、それに負けないように眉もしっかりと整えることで、顔全体のバランスが劇的に向上します。
- 効果:
ボサボサの眉や、薄くて形のぼやけた眉をアイブロウ(眉メイク用のアイテム)で整えることで、顔全体が引き締まり、意志の強さや知性を感じさせる、キリッとした印象になります。目と眉の距離が近づくことで、彫りが深く見える効果もあります。 - 使い方:
まずは眉用のコームで毛流れを整え、はみ出した余分な毛をカットします。その後、アイブロウペンシルで眉尻など足りない部分を描き足し、アイブロウパウダーで眉全体の隙間を埋めていきます。色は、自分の髪色より少し明るい色を選ぶと自然になじみます。
アイラインという「点」のメイクだけでなく、BBクリームやコンシーラーで肌という「面」を、アイブロウで眉という「線」を整える。この「点・線・面」のバランスを意識することで、あなたのメンズメイクは初心者レベルを脱し、格段に洗練されたものになるでしょう。
メンズのアイラインに関するQ&A
最後に、メンズアイライン初心者が抱きがちな、よくある質問とその解決策をまとめました。ここで疑問を解消し、自信を持ってアイラインに挑戦しましょう。
Q. アイラインがガタガタになってうまく引けません
A. これはほとんどの初心者が通る道です。原因は主に「一気に線を引こうとしていること」と「手が安定していないこと」にあります。以下の解決策を試してみてください。
- 手を固定する: 必ず机などに肘をつき、アイライナーを持つ手の小指を頬に添えて支点を作りましょう。これだけで手ブレが劇的に軽減されます。
- 「点」で埋めてから「短い線」で繋ぐ: いきなり一本の線を引こうとせず、まずはまつ毛の隙間を「点」で埋めます。その後、その点と点を「短い線」で繋いでいくイメージで描いてみてください。
- ペンシルタイプから始める: ペンシルアイライナーは芯が柔らかく、多少ガタついても後から綿棒でぼかして修正するのが簡単です。まずはペンシルで自信をつけましょう。
- 失敗を恐れない: 誰でも最初はうまくいきません。失敗しても綿棒やリムーバーで簡単に消せるので、練習だと思って何度も挑戦することが上達への一番の近道です。
Q. アイラインを引いているのがバレたくないです
A. 「バレないこと」はメンズメイクの重要なテーマです。バレてしまう主な原因は、「ラインが太すぎる」「色が濃すぎる(黒)」「目尻が長すぎる」の3つです。バレないための鉄則は以下の通りです。
- 色選び: ブラウン系のアイライナーを選びましょう。特に、黄みやグレーがかったニュアンスのあるブラウンは肌なじみが良く、影のように見えます。
- 引き方: 「インライン(まつ毛の隙間埋め)」に徹するのが最もバレにくい方法です。まぶたの上に線を引く場合も、極細を意識してください。
- ぼかしを徹底する: 描いた後は、必ず綿棒でラインの輪郭をぼかしてください。この一手間で「描いた感」がなくなり、仕上がりが格段に自然になります。
- 目尻は控えめに: 慣れないうちは、目尻のラインははみ出さないのが無難です。はみ出す場合も、1〜2mmに留めましょう。
Q. アイラインがすぐににじんでパンダ目になります
A. これは、まぶたの油分や汗、涙が原因です。以下の対策を講じることで、にじみを大幅に防ぐことができます。
- 事前の油分対策: アイラインを引く前に、必ずアイシャドウやフェイスパウダーをまぶたに塗り、サラサラの状態にしておきましょう。これが最も効果的な対策です。
- アイテム選び: 「ウォータープルーフ」かつ「スマッジプルーフ」と表記のある、汗と皮脂の両方に強いアイライナーを選びましょう。リキッドタイプやジェルタイプの方が、ペンシルタイプより比較的滲みにくい傾向があります。
- 仕上げの工夫: メイクの最後に、メイクキープミストを顔全体に吹きかけるのも効果的です。メイクのコーティング剤のような役割を果たし、崩れを防いでくれます。
Q. アイライン以外で目力をアップさせる方法はありますか?
A. はい、アイライン以外にも目力をアップさせる方法はたくさんあります。アイラインに抵抗がある方や、他の方法と組み合わせたい方は、ぜひ試してみてください。
- ビューラーでまつ毛を上げる: ビューラーでまつ毛を根元からカールさせるだけで、目に光が入りやすくなり、白目が綺麗に見えて目がぱっちりと大きく見えます。
- 眉を整える: アイブロウで眉の形を整え、目と眉の距離を近づけることで、目元の彫りが深く見え、相対的に目力がアップします。
- マットなブラウンアイシャドウ: ラメのないマットなブラウンのアイシャドウを、アイホール(眼球のくぼみ)に薄く塗るだけで、自然な陰影が生まれて目の存在感が増します。
- コンシーラーでクマを隠す: 目の下のクマをコンシーラーで隠すだけで、目元が明るく健康的に見え、視線が生き生きとします。
まとめ
メンズアイラインは、正しく理解し、適切なテクニックで使えば、誰にもバレることなくあなたの目力を引き出し、自信を与えてくれる強力な武器になります。最も重要なのは、「やりすぎないこと」、そして練習を重ねて「自分に合ったアイテムと方法を見つけること」です。
この記事でご紹介した選び方や引き方のステップ、そして様々なテクニックを参考に、まずはバレにくいブラウンのペンシルアイライナーで、まつ毛の隙間を埋めることから始めてみませんか。アイラインという小さな一本の線が、あなたの印象を大きく変え、新しい自分を発見するきっかけになるかもしれません。ぜひ、恐れずにチャレンジしてみてください。