近年、男性の美容意識の高まりとともに、メンズメイクは特別なものではなく、ビジネスやプライベートで好印象を与えるための身だしなみの一つとして定着しつつあります。しかし、「メイクに興味はあるけれど、やり方がわからない」「周りにバレてしまったら恥ずかしい」と感じ、一歩を踏み出せない方も少なくないでしょう。
この記事では、そんなメンズメイク初心者のために、誰にも気づかれずに自然に印象をアップさせるための基本的なやり方を徹底的に解説します。揃えるべきアイテムから、ステップごとの具体的な手順、肌の悩み別応用テクニック、そしてメイクが不自然に見えてしまう原因と対策まで、網羅的にご紹介します。
この記事を最後まで読めば、あなたも自信を持ってメンズメイクを始められ、清潔感あふれる理想の自分に近づけるはずです。
目次
メンズメイクで得られる3つのメリット
メンズメイクを始めることで、単に外見が変化するだけでなく、内面にも多くのポジティブな影響がもたらされます。ここでは、メンズメイクがもたらす代表的な3つのメリットについて、その理由とともに詳しく解説します。
①清潔感がアップして好印象を与える
メンズメイクの最も大きなメリットは、清潔感が格段にアップし、周囲に好印象を与えられることです。人の第一印象は、出会ってからわずか数秒で決まると言われており、その判断には視覚情報が大きく影響します。特にビジネスシーンや初対面の場では、清潔感は信頼感や誠実さといった評価に直結する重要な要素です。
では、メイクによってなぜ清潔感がアップするのでしょうか。それは、メイクが肌の「ノイズ」を整え、健康的な印象を演出してくれるからです。
- 均一で健康的な肌の色ツヤ: ニキビ跡の赤み、寝不足によるクマ、不健康に見える顔色の悪さなどを、BBクリームやコンシーラーで自然にカバーできます。肌の色ムラがなくなるだけで、顔全体がパッと明るく見え、生き生きとした健康的な印象になります。
- 整えられた眉: 眉毛は顔の印象を決定づける「額縁」とも言えるパーツです。ボサボサだったり、左右非対称だったりする眉をアイブロウで少し整えるだけで、顔全体が引き締まり、知的で洗練された雰囲気を演出できます。やりすぎは禁物ですが、足りない部分を少し描き足し、毛流れを整えるだけでも印象は大きく変わります。
- テカリのないサラサラな肌: 男性は皮脂分泌が活発なため、Tゾーン(おでこや鼻)がテカりやすい傾向にあります。このテカリは、時に「不潔」「だらしない」といったマイナスな印象を与えかねません。フェイスパウダーを軽くはたくことで、過剰な皮脂を抑え、長時間サラサラで清潔感のある肌をキープできます。
- 潤いのある唇: 意外と見られているのが唇です。カサカサに乾燥していたり、皮がむけていたりすると、不健康で疲れた印象を与えてしまいます。保湿力の高いリップクリームでケアするだけで、自然な血色感と潤いが生まれ、健康的で誠実なイメージにつながります。
このように、メンズメイクは「別人になる」ためのものではなく、自分本来の魅力を最大限に引き出し、清潔感を向上させるためのツールです。取引先との商談、社内でのプレゼンテーション、あるいはデートや友人との集まりなど、あらゆる場面でポジティブな第一印象を築くための強力な味方となるでしょう。
②肌のコンプレックスをカバーできる
多くの男性が、ニキビやニキビ跡、青髭、目の下のクマ、毛穴の開きといった肌のコンプレックスを抱えています。これらの悩みは、セルフケアだけではすぐには改善が難しく、人によっては長年のコンプレックスとなり、自信を失う原因にもなっています。メンズメイクは、こうした肌の悩みをピンポイントで、かつ瞬時にカバーできるという大きなメリットがあります。
- ニキビ・ニキビ跡: 思春期だけでなく、大人になってもストレスや生活習慣の乱れでニキビができることがあります。赤く目立つニキビや、色素沈着してしまったニキビ跡も、コンシーラーを使えば自然に隠すことが可能です。コンプレックスがカバーされることで、人と話すときに相手の目を見て話せるようになったり、マスクを外すことへの抵抗がなくなったりと、コミュニケーションが円滑になる効果も期待できます。
- 青髭(あおひげ): 毎朝しっかりと髭を剃っても、夕方になると青黒く見えてしまう青髭。これは、皮膚の下にある毛根が透けて見えることで起こる現象で、剃るだけでは解決できません。青髭は「疲れている」「不潔に見える」といった印象を与えがちですが、メイクでカバーできます。特に、オレンジ系のコンシーラーで青みを打ち消してからファンデーションを重ねるテクニックを使えば、驚くほど自然にカモフラージュできます。
- 目の下のクマ: 寝不足や血行不良、色素沈着など、原因が様々な目の下のクマ。クマがあると、実年齢より老けて見えたり、常に疲れているような印象を与えてしまいます。コンシーラーを使えば、クマの色味を補正し、目元を明るく見せることが可能です。これにより、健康的で若々しい印象を取り戻せます。
- 毛穴の開き・黒ずみ: Tゾーンの毛穴の開きや小鼻の黒ずみも、多くの男性が気にするポイントです。これらは、皮脂の過剰分泌や角栓が原因ですが、メイク下地(プライマー)を使うことで、肌の凹凸をなめらかに整え、毛穴を目立たなくすることができます。ファンデーションのノリも良くなり、つるんとした肌に仕上がります。
このように、メイクはコンプレックスを「隠す」だけでなく、それを気にすることなく堂々と振る舞えるようにしてくれる、メンタル面での強力なサポーターです。肌の悩みが一つ解消されるだけで、鏡を見るのが楽しくなり、日々の生活に前向きな気持ちをもたらしてくれるでしょう。
③自分に自信が持てる
清潔感がアップし、コンプレックスがカバーされると、最終的に得られる最も大きな果実が「自分への自信」です。外見が整うことは、内面のあり方にも深く影響を与えます。
- 自己肯定感の向上: メイクによって理想の自分に近づくことで、「自分はもっと良くなれる」というポジティブな自己認識が生まれます。肌が綺麗に見えたり、顔立ちがはっきりしたりすることで、自分の容姿に対する肯定感が高まります。これは、他者からの評価を待つのではなく、自分自身で自分を認められるようになる、という非常に重要なプロセスです。
- 「武装」としてのメイク: 大事なプレゼンや商談、あるいは好きな人に会う日など、「今日は決めたい」という日にメイクをすることは、まるで鎧をまとうような感覚に似ています。外見という「武装」を整えることで、精神的にもスイッチが入り、堂々とした態度や落ち着きが生まれます。この心の余裕が、結果的にパフォーマンスの向上にもつながります。
- セルフプロデュースの楽しさ: メイクは、受け身のコンプレックス解消ツールであるだけでなく、「なりたい自分」を能動的に演出するための手段でもあります。「知的でクールな印象に見せたい」「親しみやすく優しい雰囲気にしたい」など、眉の形や肌の質感を変えることで、自分のイメージをコントロールできます。このセルフプロデュースの感覚は、日々の生活に新たな楽しみと張りをもたらしてくれます。
- 自分と向き合う時間: 毎朝、鏡に向かってスキンケアをし、メイクを施す時間は、多忙な日常の中で自分自身と向き合う貴重な時間となります。肌の調子をチェックしたり、今日の自分をどう見せたいか考えたりするプロセスは、一種の瞑想(マインドフルネス)にも似た効果があり、心を落ち着かせ、自分を大切にする習慣を育みます。
最初は「バレたらどうしよう」という不安があるかもしれません。しかし、この記事で紹介する「バレないメイク」を実践し、少しずつ自分の変化を実感するうちに、メイクは不安の種ではなく、自信を与えてくれる心強い味方であることに気づくはずです。
バレないメンズメイクで揃えたい基本アイテム
メンズメイクを始めたいと思っても、何から揃えれば良いのかわからない、という方も多いでしょう。ここでは、初心者でも自然な「バレないメイク」を完成させるために、最低限揃えておきたい基本のアイテムを8つ紹介します。それぞれの役割と、男性が選ぶ際のポイントも合わせて解説します。
アイテム名 | 主な役割 | バレないための選び方のポイント |
---|---|---|
スキンケア用品 | メイクのノリと持ちを良くする土台作り | ベタつかず、保湿力が高いもの。アルコールフリーなど低刺激なものがおすすめ。 |
日焼け止め | 紫外線から肌を守り、光老化を防ぐ | 白浮きしにくく、石鹸で落とせるタイプ。肌色補正効果のない透明タイプが基本。 |
化粧下地 | 毛穴や肌の凹凸を整え、皮脂崩れを防ぐ | 皮脂吸着成分配合のものや、毛穴を埋めるシリコン系のプライマーがおすすめ。 |
BBクリーム・ファンデーション | 肌の色ムラを均一にし、悩みを全体的にカバー | カバー力と素肌感のバランスが良いBBクリームが初心者向き。首の色に合わせて選ぶのが鉄則。 |
コンシーラー | ニキビ跡やクマ、青髭など部分的な悩みを隠す | 悩みに合わせた色選びが重要(青髭→オレンジ系、赤み→グリーン系など)。スティックやリキッドタイプが使いやすい。 |
フェイスパウダー | テカリを抑え、メイクを崩れにくくする | 色のつかないトランスルーセント(透明)タイプ。粒子が細かいルースパウダーが自然な仕上がりに。 |
アイブロウ | 眉の形を整え、顔の印象を引き締める | ペンシルとパウダーが一体化したものが便利。髪色より少し明るいグレーやブラウン系を選ぶと自然。 |
リップクリーム | 唇の乾燥を防ぎ、自然な血色感を与える | ツヤが出過ぎないマットタイプ。ほんのり色づくタイプもおすすめだが、最初は無色から。 |
スキンケア用品(化粧水・乳液)
メイクはスキンケアから始まっていると言っても過言ではありません。肌の土台が整っていなければ、どんなに良いメイクアイテムを使ってもノリが悪く、すぐに崩れてしまいます。特に男性の肌は、皮脂の分泌量が多い一方で、肌内部の水分量は女性より少ない「インナードライ」の状態に陥りがちです。
- 化粧水: 洗顔後の肌に水分を補給し、キメを整える役割があります。さっぱりした使用感を好む男性は多いですが、保湿成分(ヒアルロン酸、セラミドなど)がしっかり配合されたものを選びましょう。ベタつきが気になる場合は、オイルフリーのタイプがおすすめです。
- 乳液: 化粧水で与えた水分が蒸発しないように、油分でフタをする役割があります。乳液のベタつきが苦手な方は、ジェルタイプやさっぱりとした使用感のメンズ向け乳液を選ぶと良いでしょう。
朝のメイク前にしっかりと保湿することで、日中の過剰な皮脂分泌を抑え、乾燥によるメイク崩れを防ぐことができます。
日焼け止め
日焼け止めは、夏場や屋外にいるときだけ塗るものだと思っていませんか? 紫外線は一年中、室内にも窓を通して降り注いでおり、肌のシミやシワ、たるみといった「光老化」の最大の原因となります。日焼け止めは、未来の肌への投資であり、メンズメイクの必須工程です。
選ぶ際のポイントは、「白浮きしないこと」と「使い心地の良さ」です。ジェルタイプやエッセンスタイプの日焼け止めは、白浮きしにくく、みずみずしいテクスチャーで化粧水のように使えるため、男性にも人気があります。また、SPF/PA値が高いものほど効果も高いですが、肌への負担も大きくなる傾向があるため、日常生活ではSPF30・PA+++程度あれば十分です。専用のクレンジングが不要で、石鹸や洗顔料で落とせるタイプを選ぶと、毎日のケアが楽になります。
化粧下地
化粧下地は、ファンデーションの前に塗ることで、メイクの仕上がりと持ちを格段に向上させてくれる縁の下の力持ちです。主な役割は以下の通りです。
- 毛穴や肌の凹凸をカバー: シリコンなどが配合された下地は、肌表面をなめらかに整え、ファンデーションの毛穴落ちを防ぎます。
- 皮脂やテカリをコントロール: 皮脂吸着成分が配合された下地をTゾーンなどのテカりやすい部分に塗っておくことで、日中のテカリを大幅に抑えられます。
- 色ムラ補正: 顔の赤みやくすみを、コントロールカラー機能のある下地で補正できます。
初心者はまず、Tゾーンのテカリを防ぐ部分用下地や、毛穴をカバーするプライマーから試してみるのがおすすめです。これを塗るか塗らないかで、夕方の肌の印象が大きく変わります。
BBクリーム・ファンデーション
肌の色ムラを整え、コンプレックスをカバーするメイクの主役アイテムです。
- BBクリーム: 美容液、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションなどの機能が一つになったオールインワンアイテムです。適度なカバー力と保湿力があり、一本で手軽にベースメイクが完成するため、メンズメイク初心者には特におすすめです。
- ファンデーション: BBクリームよりもカバー力が高く、カラーバリエーションも豊富です。リキッド、クリーム、パウダー、スティックなど様々な形状があります。より本格的に肌をカバーしたい方向けです。
最も重要なのは「色選び」です。色が肌に合っていないと、途端に「塗っている感」が出てしまい、バレる最大の原因になります。色を選ぶ際は、顔と首の境目であるフェイスラインに数色乗せて、首の色に最も馴染む色を選びましょう。顔の色で選ぶと、白浮きしやすくなるため注意が必要です。
コンシーラー
BBクリームやファンデーションだけでは隠しきれない、ニキビ跡、濃いクマ、青髭といったピンポイントの悩みを集中的にカバーするためのアイテムです。まさに「隠す」プロフェッショナルであり、これ一つでメイクの完成度が飛躍的に高まります。
形状はリキッド、スティック、クリームなどがありますが、初心者はピンポイントで乗せやすいスティックタイプや、伸びが良く肌なじみの良いリキッドタイプが使いやすいでしょう。
色選びも重要で、基本は自分の肌色よりワントーン暗い色を選ぶと白浮きせず自然に隠せます。また、悩みに合わせて色を使い分ける「色補正」の考え方を知っておくと便利です。例えば、青髭や青グマにはオレンジ系、ニキビの赤みにはグリーン系のコンシーラーを使うと、色がお互いに打ち消し合い、より効果的にカバーできます。
フェイスパウダー
ベースメイクの仕上げに使う、粉状のアイテムです。地味な存在に思えるかもしれませんが、バレないメンズメイクの完成度を左右する重要な役割を担っています。
- テカリ防止: 余分な皮脂を吸着し、肌をサラサラの状態に保ちます。
- メイク崩れ防止: BBクリームやコンシーラーを肌にしっかりと密着させ、マスクへの付着や汗による崩れを防ぎます。
- 肌質補正: 肌の凹凸を光で飛ばし、ふんわりとソフトフォーカスをかけたような、清潔感のある質感に見せてくれます。
初心者は、肌の色に影響を与えない「トランスルーセント(透明)タイプ」のルースパウダー(粉状)がおすすめです。ブラシやパフに含ませて、顔全体に薄く乗せるだけで、自然なサラサラ肌が長時間持続します。
アイブロウ(眉毛ペンシル・パウダー)
眉は顔の印象を大きく左右する重要なパーツです。少し整えるだけで、一気に精悍で知的な印象になります。
- アイブロウペンシル: 眉毛が薄い部分や眉尻など、形をはっきりと描きたい部分に使います。芯が硬めのものを選ぶと、一本一本繊細に描き足せます。
- アイブロウパウダー: 眉全体の濃さを調整したり、ふんわりと色を乗せたりするのに使います。ペンシルで描いた部分をぼかすのにも便利です。
- アイブロウマスカラ: 眉毛の色を変えたり、毛流れを整えたりします。
初心者は、ペンシルとパウダーが一体になったタイプが一本で完結するためおすすめです。色は、自分の髪の毛の色より少し明るめのグレーやダークブラウンを選ぶと、悪目立ちせず自然に馴染みます。
リップクリーム
唇のケアは、清潔感を語る上で見落とされがちなポイントです。ガサガサに荒れた唇は、不健康で疲れた印象を与えてしまいます。
バレないメンズメイクにおいては、まずは保湿を徹底することが第一です。保湿成分(シアバター、ワセリン、ヒアルロン酸など)が豊富なリップクリームを使い、常に潤った状態をキープしましょう。
選ぶ際のポイントは、テカテカしすぎないマットな仕上がりのものを選ぶことです。グロスのような強いツヤは、男性が使うと不自然に見えやすい傾向があります。最近では、ほんのりと自然な血色感をプラスしてくれる色付きのメンズ向けリップクリームも増えています。最初は無色のものから始め、慣れてきたら血色を補う程度の薄い色付きタイプに挑戦してみるのも良いでしょう。
【8ステップ】初心者でも簡単!バレないメンズメイクのやり方
基本アイテムを揃えたら、いよいよ実践です。ここでは、初心者でも迷わず、かつ自然に仕上がる「バレないメンズメイク」の基本手順を8つのステップに分けて詳しく解説します。各ステップの「量」と「コツ」を意識することが、成功への近道です。
①スキンケアで肌の土台を整える
目的:メイクのノリと持ちを良くし、日中の乾燥や皮脂崩れを防ぐ。
全ての基本となるのがスキンケアです。洗顔で皮脂や汚れをしっかり落とした後、化粧水と乳液で肌に水分と油分をバランス良く補給します。
- 洗顔: ぬるま湯で顔を予洗いした後、洗顔料をしっかりと泡立て、肌をこすらずに泡で優しく洗います。特にTゾーンや顎周りは丁寧に洗いましょう。
- 化粧水: 500円玉大ほどの化粧水を手に取り、顔全体に優しくハンドプレスしてなじませます。乾燥が気になる部分は重ね付けするのがおすすめです。肌がひんやりともちっとするまで、しっかり水分を入れ込みましょう。
- 乳液: 10円玉大ほどの乳液を手に取り、乾燥しやすい頬や口元からなじませ、最後にTゾーンに薄く伸ばします。ベタつきが気になる場合は、ティッシュで軽く押さえて余分な油分を取り除きます。
【バレないコツ】
スキンケア直後は肌表面が少しペタペタしています。すぐにメイクを始めず、3〜5分ほど置いてスキンケア成分が肌にしっかり浸透するのを待つことで、ファンデーションのヨレやムラを防げます。
②日焼け止めを顔全体に塗る
目的:紫外線によるダメージから肌を守る。
スキンケアが肌に馴染んだら、日焼け止めを塗ります。これはメイクの一部であり、毎日の習慣にしましょう。
- 製品に記載されている適量(多くは500円玉大)を手に取ります。量が少ないと十分な効果が得られません。
- おでこ、両頬、鼻、顎の5点に置き、顔の中心から外側に向かって、指の腹全体を使って優しく伸ばします。
- 塗り忘れやすい髪の生え際、耳、首の後ろまでしっかりと塗り広げましょう。首まで塗ることで、顔だけが白く見えるのを防げます。
【バレないコツ】
白浮きしにくいジェルタイプやエッセンスタイプを選ぶのが大前提です。塗った後、手のひらで顔全体を包み込むようにハンドプレスすると、肌への密着度が高まり、次の工程に進みやすくなります。
③化粧下地で肌の凹凸や色ムラを補正する
目的:毛穴を目立たなくし、皮脂によるテカリを防ぐ。
肌悩みに合わせて化粧下地を使います。特にテカリや毛穴が気になる男性には効果絶大です。
- パール1粒大ほどの下地を手に取ります。つけすぎはヨレの原因になるので注意が必要です。
- テカリや毛穴が気になるTゾーン(おでこ、鼻)や小鼻の周り、頬の内側などを中心に、指でくるくると円を描くように塗り込みます。
- 顔全体に塗る必要はありません。悩みが気になる部分にだけ、薄く伸ばすのがポイントです。
【バレないコツ】
毛穴をカバーする下地は、下から上へ、毛穴を埋め込むように塗ると効果的です。また、顔の赤みが気になる場合は、グリーン系のコントロールカラー機能がある下地を赤みのある部分にだけ薄く塗ると、ファンデーションを厚塗りしなくても自然にカバーできます。
④BBクリームを薄く均一に伸ばす
目的:肌の色ムラを整え、顔全体を均一で綺麗な肌に見せる。
いよいよベースメイクの核となるBBクリームです。「厚塗り感」を出さないことが最大のポイントです。
- あずき1粒大ほどのBBクリームを手の甲に出します。直接顔に乗せると量の調節が難しくなります。
- 指先でBBクリームを取り、おでこ、両頬、鼻、顎の5点に置きます。
- 顔の中心から外側に向かって、指の腹やスポンジを使って素早く、かつ優しく伸ばしていきます。スポンジを使うと、余分な油分を吸い取りながら薄く均一に塗れるため、初心者には特におすすめです。
- フェイスライン(顔と首の境目)は、スポンジや指に残ったごく少量のクリームで、外側に向かってぼかすようになじませます。ここでくっきりと境界線ができてしまうと、一気に「メイクしてます感」が出てしまいます。
【バレないコツ】
全顔に同じ量を塗らないこと。肌トラブルが少なく、あまりカバーが必要ないフェイスラインや口周りはごく薄く、カバーしたい頬の中心などは少しだけ重ねる、というように強弱をつけると、立体的で自然な仕上がりになります。
⑤コンシーラーで部分的な悩みを隠す
目的:BBクリームで隠しきれない、シミ・ニキビ跡・クマ・青髭などをピンポイントでカバーする。
ベースメイクの完成度を上げる工程です。欲張らず、気になる部分だけに使いましょう。
- スティックやチップタイプのコンシーラーを、隠したい部分に「直接」ではなく、一度指先に取ってから乗せます。衛生面でも、厚塗りを防ぐ意味でも重要です。
- 悩みの箇所にちょんちょんと乗せたら、周りの肌との境目を、薬指の腹でトントンと優しく叩き込むようにしてぼかします。絶対にこすってはいけません。こするとコンシーラーが剥がれてしまい、カバー効果がなくなります。
- 青髭など広範囲をカバーしたい場合は、リキッドコンシーラーを薄く伸ばし、スポンジでしっかり叩き込みます。
【バレないコツ】
コンシーラーの色は、肌の色よりワントーン暗めを選ぶと、白浮きせずに自然に馴染みます。明るい色を選ぶと、逆に隠したい部分が悪目立ちしてしまうことがあるため注意しましょう。
⑥フェイスパウダーでテカリを抑えサラサラ肌に
目的:ベースメイクを肌に固定し、テカリを防いで清潔感を出す。
仕上げのパウダーで、メイクの持ちと見た目の清潔感が格段にアップします。
- パフまたは大きめのフェイスブラシにパウダーを適量含ませます。
- パフの場合は、よく揉み込んで粉を均一になじませます。ブラシの場合は、一度手の甲やティッシュの上で余分な粉をトントンと払い落とします。
- 皮脂の出やすいTゾーンや小鼻周りから、肌を押さえるように優しく乗せていきます。顔全体に、ごく薄いヴェールをかけるイメージです。こするとベースメイクがヨレるので注意してください。
【バレないコツ】
つけすぎは乾燥や粉っぽさの原因になります。パフやブラシに乗せた後、「ちょっと少ないかな?」と感じるくらいが適量です。特に乾燥しやすい目元や口元は、パフやブラシに残ったごく少量のパウダーで軽く触れる程度にしましょう。
⑦アイブロウで眉の形を整える
目的:眉の薄い部分や足りない部分を補い、顔全体を引き締める。
眉メイクはやりすぎると一気に不自然になります。「少し足りないかな?」くらいでやめる勇気が大切です。
- まず、スクリューブラシで眉頭から眉尻に向かって毛流れを整えます。これだけでも眉の印象は変わります。
- 眉山から眉尻にかけて、形が足りない部分をアイブロウペンシルで1本1本毛を描き足すように埋めていきます。
- 眉全体の色が薄い場合は、アイブロウパウダーをブラシに取り、眉の中央から眉尻に向かってふんわりと乗せます。眉頭は、ブラシに残ったパウダーで軽くぼかす程度に留めると自然です。
- 最後に、もう一度スクリューブラシで全体をぼかして、描いた部分と自眉をなじませます。
【バレないコツ】
眉を描き始める前に、理想の形をイメージするのではなく、自分の眉の「どこが足りないか」を客観的に観察することが重要です。眉下のラインを少し描き足すだけでも、整った印象になります。
⑧リップクリームで自然な血色感と潤いをプラス
目的:唇の乾燥を防ぎ、健康的で清潔な印象を与える。
最後の仕上げです。潤った唇は、顔全体の印象を明るく見せてくれます。
- リップクリームを唇の縦ジワに沿って、縦方向に塗ります。横に滑らせるよりも、シワの奥まで保湿成分が届きやすくなります。
- 塗り終わった後、上下の唇を軽く合わせてなじませます。
- もしツヤが出すぎたと感じたら、ティッシュで軽く一度押さえる(ティッシュオフする)と、自然なマット感が出て、よりバレにくくなります。
【バレないコツ】
無色のマットタイプから始めるのが最も安全です。慣れてきて、顔色が悪く見えがちな方は、ほんのりピンクやオレンジに色づくメンズ向けのリップクリームを試してみましょう。その際も、自分の唇の色に近い、ごく自然な発色のものを選ぶのがポイントです。
【悩み別】バレないメンズメイクの応用テクニック
基本のメイクをマスターしたら、次は多くの男性が抱える特有の悩みを解決するための応用テクニックです。BBクリームとコンシーラー、そして時にはコントロールカラーを駆使して、気になるコンプレックスをより自然に、かつ効果的にカバーする方法を解説します。
青髭・濃い髭を自然に隠すコツ
夕方になると目立ってくる青髭は、疲れた印象や不潔な印象を与えがちです。肌色やベージュのコンシーラーで隠そうとすると、青みがかったグレーのようにくすんでしまい、かえって不自然になることがあります。
【原因】
青髭の正体は、皮膚の下にある毛根の「青色」です。この青色を、肌色のファンデーションだけで隠そうとすると、色が混ざって濁ってしまうのです。
【解決策:補色(ほしょく)で打ち消す】
色には、お互いの色を打ち消し合う「補色」の関係があります。青色の補色はオレンジ色です。この原理を利用し、青髭を効果的にカバーします。
- オレンジ系のコントロールカラーまたはコンシーラーを用意します。メンズブランドからも出ていますが、女性用のチップタイプのコンシーラーでも代用可能です。
- スキンケア、日焼け止め、下地を塗った後、BBクリームを塗る前の段階で、オレンジコンシーラーを指先に少量取ります。
- 青髭が気になる口周りや顎に、ごく薄く、トントンと叩き込むようになじませます。塗りすぎると、後のファンデーションがオレンジっぽくなるので注意してください。あくまで青みを中和するのが目的です。
- オレンジの色味がうっすらと乗ったら、その上から普段通りBBクリームをスポンジで優しく重ねます。この時、こすらずに、置くようにポンポンと重ねていくのがポイントです。
- 最後にフェイスパウダーで押さえて完成です。
この一手間を加えるだけで、青髭の存在感を劇的に消し、清潔感のある口元を長時間キープできます。
ニキビ・ニキビ跡を目立たなくするコツ
赤く炎症を起こしたニキビや、茶色く色素沈着したニキビ跡は、メイクで隠したい悩みの代表格です。厚塗りすると悪目立ちし、薄すぎると隠れない、というジレンマに陥りがちです。
【原因】
赤いニキビは「赤み」、茶色いニキビ跡は「色素沈着」という、異なる色の悩みです。それぞれに適した色と方法でアプローチする必要があります。
【解決策:色と質感でピンポイントカバー】
- 赤いニキビの場合
- 赤みの補色はグリーン(緑色)です。グリーン系のコントロールカラーやコンシーラーを、綿棒や清潔な指先に少量取ります。
- ニキビの赤い部分にだけ、ちょんと乗せます。周りに広げすぎないのがコツです。
- その上から、肌色より少し暗めのコンシーラーを重ね、輪郭を指で優しくぼかします。
- 最後にBBクリームを重ねますが、その部分はこすらず、スポンジで優しく押さえるようにしてください。
- 茶色いニキビ跡(色素沈着)の場合
- 色素沈着には、肌色よりワントーン暗めのコンシーラーが効果的です。明るい色を使うと、その部分だけが白く浮き上がってしまいます。
- スティックコンシーラーなどで、ニキビ跡より一回り大きくコンシーラーを乗せます。
- 周りの境目だけを、指や細めのブラシで丁寧にぼかします。中心部は触らないようにしましょう。
【衛生面の注意】
炎症を起こしているニキビに直接メイク道具を触れさせると、雑菌が繁殖し、悪化の原因になります。必ず清潔な指や綿棒、ブラシを使うようにし、使用後の道具はこまめに洗浄しましょう。
目の下のクマをカバーするコツ
目の下のクマは、寝不足、血行不良、色素沈着など原因によって色が異なります。自分のクマの色を見極め、適切な色のコンシーラーを選ぶことが成功の鍵です。
【原因と解決策】
- 青グマ(血行不良タイプ): PC作業が多い方や寝不足の方に見られる、青紫色のクマ。
- 対策: 青髭と同様、オレンジ系のコンシーラーが有効です。クマの最も色が濃い部分に線状にコンシーラーを置き、薬指で優しくトントンと叩き込んでなじませます。目のキワまで塗りすぎないのが自然に見せるコツです。
- 茶グマ(色素沈着タイプ): 目をこする癖がある方や、紫外線ダメージによってできる茶色いクマ。
- 対策: イエロー系のコンシーラーがくすみを飛ばし、肌の色を均一に見せてくれます。カバーしたい範囲に薄く伸ばし、スポンジでなじませると自然です。
- 黒グマ(たるみタイプ): 加齢によって目の下がたるみ、影ができて黒く見えるクマ。
- 対策: 色で隠すのが難しいタイプです。パールや光拡散効果のある明るめのコンシーラーやハイライトを影になっている部分に乗せ、光で影を飛ばすというアプローチが有効です。ただし、やりすぎると不自然になるため、ごく少量から試しましょう。
【共通のコツ】
目の下の皮膚は非常に薄くデリケートです。絶対にこすらず、薬指の腹で優しく叩き込むことを徹底してください。また、厚塗りするとシワに入り込んでヨレやすくなるため、少量ずつ薄く重ねることが重要です。
毛穴の開き・黒ずみを隠すコツ
Tゾーンや頬の毛穴の開き、小鼻の黒ずみは、ファンデーションを塗るとかえって悪目立ちすることがあります(毛穴落ち)。
【原因】
開いた毛穴は肌の凹み、黒ずみは角栓の酸化です。ファンデーションだけではこの凹凸や色をカバーしきれません。
【解決策:下地で埋めて、ファンデでぼかす】
- 毛穴カバー用下地(ポアプライマー)を使用します。シリコン系のプライマーは、肌の凹凸を埋めて表面をなめらかにする効果があります。
- スキンケア、日焼け止めの後、BBクリームの前に、米粒程度のプライマーを指に取り、毛穴が気になる部分に下から上へ、くるくると円を描くように塗り込みます。毛穴を埋めるイメージです。
- プライマーを塗った上からBBクリームを重ねます。この時、指で塗るよりもスポンジやブラシを使って、トントンと叩き込むように塗ることで、毛穴を埋めたプライマーが剥がれず、ファンデーションが均一に乗ります。
- 仕上げのフェイスパウダーも、ブラシでふんわり乗せることで、光を乱反射させ、毛穴をさらに目立たなくする効果が期待できます。
シミ・そばかすを隠すコツ
広範囲に広がるそばかすや、濃く目立つシミは、コンシーラーでのピンポイントカバーが有効です。
【原因】
紫外線ダメージなどによるメラニンの蓄積です。
【解決策:硬めのコンシーラーで狙い撃ち】
- シミやそばかすのカバーには、カバー力が高く、肌への密着度が高いスティックコンシーラーやペンシルコンシーラーがおすすめです。
- 色は肌色よりもワントーン暗めを選びます。
- BBクリームを塗った後、隠したいシミ・そばかすより一回り大きくコンシーラーを乗せます。
- 清潔な指先や綿棒で、コンシーラーの輪郭だけをぼかすように、優しくトントンとなじませます。シミの中心には触れないのがポイントです。中心を触るとコンシーラーが取れてしまい、カバー力が落ちてしまいます。
- 最後にフェイスパウダーで軽く押さえて固定します。広範囲のそばかすを全て隠そうとすると厚塗りになるため、特に気になる部分だけをカバーすると、素肌感を残した自然な仕上がりになります。
顔のテカリ・べたつきを抑えるコツ
男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発な男性にとって、顔のテカリは大きな悩みです。朝はサラサラでも、午後にはTゾーンがテカテカ…という経験は誰にでもあるでしょう。
【原因】
過剰な皮脂分泌が主な原因です。また、肌の乾燥が原因で、それを補おうと皮脂が過剰に分泌される「インナードライ」も一因です。
【解決策:朝の仕込みと日中の直しが鍵】
- 朝のメイク時
- 皮脂テカリ防止下地をTゾーンや小鼻周りに仕込みます。これが最も効果的です。
- BBクリームはオイルフリーのものや、マットに仕上がるタイプを選びます。
- 仕上げのフェイスパウダーは、Tゾーンには少し念入りに、パフでしっかりと押さえるように乗せます。
- 日中の化粧直し
- テカリが気になったら、いきなりパウダーを重ねてはいけません。皮脂と混ざってドロドロになり、余計に汚く見えてしまいます。
- まず、あぶらとり紙またはティッシュで、テカっている部分の皮脂を優しく押さえてオフします。
- 皮脂を取り除いた上から、プレストタイプのフェイスパウダーをブラシやパフで軽く乗せます。これで、朝のようなサラサラ肌が復活します。持ち運びには、鏡付きのプレストパウダーが便利です。
これらの応用テクニックをマスターすれば、コンプレックスを自信に変え、ワンランク上の「バレないメンズメイク」を実現できるでしょう。
なぜバレる?メンズメイクが不自然になる4つの原因と対策
せっかくメンズメイクを始めても、「メイクしてる?」と指摘されたり、自分でも鏡を見て不自然に感じたりすることがあります。ここでは、メンズメイクがバレてしまう主な4つの原因を突き止め、それぞれへの具体的な対策を解説します。失敗の原因を知ることで、成功への道筋が見えてきます。
①厚塗り感が出ている
バレる原因No.1は、なんといっても「厚塗り感」です。コンプレックスを隠したいという気持ちが強いほど、ついファンデーションやコンシーラーを塗り重ねてしまいがちです。しかし、これが肌の質感を消し去り、のっぺりとした「お面」のような不自然さを生み出してしまいます。
【なぜ厚塗りになるのか?】
- アイテムの量が多すぎる: 適量がわからず、一度に多くの量を出してしまい、そのまま顔全体に塗っている。
- 隠そうと必死になっている: ニキビ跡や青髭を完璧に消そうとして、同じ場所に何度もコンシーラーやファンデーションを重ねている。
- ツールを使っていない: 指だけで塗ると、ムラになりやすく、厚塗りの原因になりやすい。
- 顔全体に均一に塗っている: カバーする必要のない部分にまで、頬と同じ量のファンデーションを塗っている。
【対策:『薄く、重ねる』意識とツールの活用】
- 適量を守る: BBクリームなら「あずき1粒大」、化粧下地なら「パール1粒大」が基本です。まずは手の甲に出し、そこから少しずつ指に取って顔に乗せる習慣をつけましょう。
- スポンジやブラシを活用する: メイクスポンジは、余分なファンデーションを吸収しながら肌に密着させてくれるため、簡単に薄く均一なベースが作れます。初心者こそ、ツールを使うべきです。ファンデーションを伸ばした後、何もついていないスポンジで顔全体を優しくタッピングするだけで、余分な油分が取れて密着度と自然さが格段にアップします。
- カバーはピンポイントで: 顔全体のベースはごく薄く仕上げ、気になる悩みはコンシーラーでピンポイントにカバーします。「ベースは肌色を整えるもの、悩みはコンシーラーで隠すもの」と役割を分けることで、厚塗りを防げます。
- 顔の中心部をメインに: ファンデーションは、カバーしたい頬やTゾーンなどの「顔の中心部」から塗り始め、フェイスラインに向かって薄くなるように伸ばします。顔の外側はほとんど塗らないくらいの意識でいると、自然な立体感が生まれます。
②ファンデーションの色が肌に合っていない
「顔だけ白い」「首との色の差がくっきり」という状態も、メイクがバレる典型的なパターンです。これは、自分の肌色に合わないファンデーションを選んでしまっていることが原因です。特に男性は、日焼けなどで女性よりも肌色が暗い、あるいは黄みが強い傾向があるため、色選びはより慎重に行う必要があります。
【なぜ色が合わなくなるのか?】
- 顔の色で選んでいる: 顔の皮膚は、首や体と比べて日焼けしやすかったり、赤みが出やすかったりするため、顔の色を基準にすると白浮きしやすい。
- 手の甲で試している: 手の甲と顔の色は全く違うため、参考になりません。
- 店内の照明だけで判断している: コスメ売り場の照明は、肌が綺麗に見えるように調整されていることが多く、太陽光の下で見ると印象が全く違うことがあります。
【対策:『首の色に合わせる』を徹底し、自然光で確認】
- フェイスラインで試す: 色を試すベストな場所は、顔と首の境目である「フェイスライン」です。気になる色を2〜3色、フェイスラインに沿って直接塗り、少し離れて鏡を見て、首の色に最も溶け込んで見えなくなる色があなたの正解色です。
- 可能であれば自然光でチェック: デパートなどで試す際は、フェイスラインに塗った状態で一度お店の外に出て、太陽光の下で色を確認するのが最も確実です。それが難しい場合でも、スマートフォンのライトなどで照らして、様々な光の下での見え方を確認しましょう。
- 迷ったらワントーン暗めを: 明るい色と暗い色で迷ったら、初心者は少し暗めの色を選ぶ方が失敗が少ないです。暗い色はシェーディング効果で顔を引き締めて見せてくれますが、明るい色は膨張して見え、白浮きが目立ちやすいためです。
- オンラインで購入する場合: テスターで試せない場合は、ブランド公式サイトのカラーチャートを参考にしつつ、購入者のレビューや着用画像をよく確認しましょう。最近では、AIによるカラー診断サービスを提供しているブランドもあります。
③時間が経ってメイクが崩れている
朝、完璧に仕上げたつもりでも、夕方になるとTゾーンがテカったり、ファンデーションが毛穴落ちしたり、ほうれい線に溜まったり…。メイクしたての綺麗さが持続しないことも、不自然に見える原因です。
【なぜメイクは崩れるのか?】
- スキンケア不足: 肌が乾燥していると、それを補おうと皮脂が過剰に分泌され、テカリや崩れの原因になります。
- 土台作りが不十分: 日焼け止めやファンデーションが肌に密着していない。
- 仕上げのパウダー不足: ベースメイクを固定する工程を省いているため、汗や皮脂、マスクの摩擦に弱い。
- 日中の直し方を知らない: テカった上からファンデーションを重ねるなど、間違った直し方をしている。
【対策:朝の仕込みと日中のスマートな直し】
- 朝の保湿を徹底する: メイク前の化粧水・乳液による保湿は必須です。肌にしっかり水分を与えることで、日中の過剰な皮脂分泌を抑制できます。
- 皮脂崩れ防止下地を投入する: Tゾーンなど、特に崩れやすい部分には皮脂吸着成分の入った下地を仕込んでおきましょう。
- フェイスパウダーはマストアイテム: ベースメイクの最後には、必ずフェイスパウダーをはたいて、サラサラの状態に仕上げます。これがメイクを肌にロックする鍵となります。
- 正しい化粧直しを習慣に: テカリが気になったら、①ティッシュやあぶらとり紙で皮脂をオフ → ②ヨレた部分をスポンジでならす → ③プレストパウダーを軽く重ねる、という3ステップを実践しましょう。これだけで、一気に清潔感が復活します。
④眉毛の形が不自然になっている
眉は顔の印象を司る重要なパーツですが、それゆえに少しでも不自然だと非常に目立ちます。「描きました感」のある眉は、メイクバレの大きな要因です。
【なぜ眉が不自然になるのか?】
- 濃く描きすぎている: ペンシルの筆圧が強すぎたり、パウダーを乗せすぎたりして、まるでサインペンのようにベタっとした眉になっている。
- 形を作りすぎている: 自分の元の眉の形を無視して、直線的すぎたり、角度がつきすぎたりした眉を描いている。
- 色が合っていない: 髪の色や肌の色と合わない、黒々とした色を選んでいる。
- ぼかしていない: 描いたラインがくっきりと残り、自眉と馴染んでいない。
【対策:『足りない所を補う』精神と『ぼかし』の徹底】
- 色選びは髪色よりワントーン明るく: 眉の色は、髪の色より少し明るいグレーやアッシュブラウンを選ぶと、肌なじみが良く、垢抜けた印象になります。黒髪の人でも、真っ黒ではなく、グレーやダークブラウンを選ぶのがおすすめです。
- 基本は「描き足す」だけ: 眉メイクの基本は、「眉山から眉尻にかけて」や「毛が薄い部分」など、足りない部分を補うことです。理想の形をゼロから描こうとせず、自分の眉の良さを活かすことを考えましょう。
- スクリューブラシを制する者は眉を制す: 眉メイクで最も重要なツールがスクリューブラシです。描く前には毛流れを整え、描いた後には必ず全体を優しくとかしてぼかします。これだけで、描いた部分と自眉が自然に一体化します。
- 眉頭は触らない: 眉頭を濃く描くと、一気に不自然な印象になります。眉頭は、パウダーを乗せたブラシに残ったごくわずかな量で、下から上へ毛を立たせるように軽く触れる程度に留めましょう。
これらの原因と対策を頭に入れておけば、ありがちな失敗を未然に防ぎ、誰にも気づかれない、洗練されたメンズメイクを完成させることができるでしょう。
初心者向け!バレないメンズメイクのおすすめブランド3選
メンズメイクを始めようにも、どのブランドの製品を選べば良いか迷ってしまう方も多いはずです。ここでは、「バレにくさ」「使いやすさ」「品質」の観点から、特に初心者におすすめの3つのブランドを厳選してご紹介します。それぞれのブランドコンセプトや商品の特徴を知り、自分に合ったブランドを見つける参考にしてください。
①ORBIS Mr.(オルビス ミスター)
【ブランドコンセプト】
「ORBIS Mr.」は、化粧品会社のオルビスが展開するメンズスキンケア・メイクアップシリーズです。「スマートエイジング」をコンセプトに掲げ、男性の肌が本来持つ力を引き出し、清潔感と若々しさのある印象へ導くことを目指しています。シンプルながらも機能的なアイテムが揃っており、スキンケアの延長線上で自然にメイクを取り入れたいと考える男性に最適です。
(参照:オルビス公式サイト)
【商品の特徴とおすすめポイント】
- シンプルでわかりやすいラインナップ: スキンケアからベースメイク、ポイントメイクまで、男性が必要とするアイテムが一通り揃っています。特にベースメイクは、BBクリーム感覚で使える日焼け止め兼化粧下地の「ミスター ベースカラー コントローラー」や、スティック状のファンデーション、コンシーラーなど、直感的で使いやすいアイテムが多いのが特徴です。
- バレにくい自然な仕上がり: 男性特有の肌悩みであるベタつきやテカリに対応しつつも、厚塗り感のない素肌のような仕上がりを重視しています。例えば、ベースカラーコントローラーは肌の色ムラや毛穴を自然に補正し、清潔感のある肌トーンに整えてくれます。「いかにも塗っている」という感じがなく、素肌そのものが綺麗になったかのような印象を与えます。
- スキンケア発想の処方: スキンケアブランドならではの視点で、メイクアイテムにも保湿成分などが配合されています。メイク中も肌のうるおいを保ち、乾燥による崩れや肌への負担を軽減してくれるため、肌がデリケートな方や、メイクによる肌荒れが心配な方でも安心して使いやすいでしょう。
【こんな人におすすめ】
- スキンケアからメイクまで、同じブランドでシンプルに揃えたい人
- メイク初心者で、何から使えば良いかわからない人
- ベタつく使用感が苦手で、さっぱりとした使い心地を求める人
- あくまで自然に、清潔感を底上げしたい人
②NULL(ヌル)
【ブランドコンセプト】
「NULL」は、日本男性の肌質や肌色を徹底的に研究して開発された、日本発のメンズコスメブランドです。特にBBクリームやフェイスパウダーなどのベースメイクアイテムに定評があり、「バレないメイク」を追求する多くの男性から支持されています。オンラインを中心に展開し、ユーザーの声を製品開発に活かしているのも特徴です。
(参照:NULL公式サイト)
【商品の特徴とおすすめポイント】
- 圧倒的な「バレにくさ」へのこだわり: NULLの代名詞とも言えるのがBBクリームです。男性の肌に馴染みやすいカラー展開で、青髭やニキビ跡、クマといった男性特有の濃い悩みもしっかりカバーしながら、驚くほど自然な仕上がりを実現します。伸びの良いテクスチャーで、少量でも顔全体に広がり、厚塗り感を防ぎます。
- 豊富なカラーバリエーション: メンズコスメとしては珍しく、BBクリームのカラーバリエーションが複数用意されています。日焼けした健康的な肌色から、色白の肌まで、自分の肌色にぴったりの色が見つかりやすいため、「色が合わなくて白浮きする」という初心者にありがちな失敗を減らせます。
- 高い機能性: 多くの製品にSPF値が設定されており、メイクしながら紫外線対策ができるのも嬉しいポイントです。また、テカリを抑えるフェイスパウダーも人気で、BBクリームとセットで使うことで、長時間サラサラの清潔肌をキープできます。実用性と機能性を重視する方には最適なブランドです。
【こんな人におすすめ】
- 青髭やニキビ跡など、カバーしたい肌悩みが明確にある人
- 自分の肌色に合うファンデーションが見つからず困っている人
- カバー力と自然な仕上がりの両方を妥協したくない人
- オンラインで手軽に高品質なメンズコスメを購入したい人
③FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー)
【ブランドコンセプト】
「FIVEISM × THREE」は、人気のコスメブランドTHREEから誕生した、業界初の包括的なメンズコスメブランドです。「ジェンダーニュートラル」を掲げ、性別の垣根を越えて、すべての人が自己表現を楽しむためのツールとしてメイクを提案しています。デパートのコスメカウンターを中心に展開され、その洗練された世界観と品質の高さで、美容感度の高い男性から絶大な支持を得ています。
(参照:FIVEISM × THREE公式サイト)
【商品の特徴とおすすめポイント】
- デパコスクオリティとスタイリッシュなデザイン: 天然由来成分にこだわった高品質な処方と、ミニマルで洗練されたパッケージが特徴です。持っているだけで気分が上がるような、ファッション感覚で楽しめるコスメと言えるでしょう。バータイプのファンデーションやコンシーラーは、手を汚さずに直感的に使え、初心者でもプロのような仕上がりを簡単に実現できます。
- 多彩なアイテム展開: ベースメイクだけでなく、アイシャドウやリップ、ネイルなど、自己表現の幅を広げる多彩なアイテムが揃っています。基本の「バレないメイク」から一歩進んで、より個性的なメイクに挑戦したくなった時にも、同じブランドでアイテムを探せるのが魅力です。
- 専門家によるカウンセリング: デパートのカウンターでは、専門のビューティーアドバイザーに肌悩みやメイクの仕方を直接相談できます。自分の肌色に合う色を正確に選んでもらえたり、プロのテクニックを教えてもらえたりするため、全くの初心者でも安心してメイクデビューできます。
【こんな人におすすめ】
- 品質や成分、デザイン性にこだわりたい人
- メイクを自己表現のツールとして楽しみたいと考えている人
- 専門家に相談しながら、自分に合ったアイテムをじっくり選びたい人
- 基本のメイクに慣れたら、様々なアイテムに挑戦してみたい人
これらのブランドは、それぞれ異なるアプローチでメンズメイクを提案しています。自分の目的やライフスタイル、価値観に合ったブランドを選ぶことが、メンズメイクを長く楽しむための第一歩です。
メンズメイクに関するよくある質問
メンズメイクを始めるにあたり、多くの方が抱くであろう疑問について、Q&A形式で詳しくお答えします。知っておくと安心なポイントばかりなので、ぜひ参考にしてください。
メイクを落とすクレンジングは必要?
結論から言うと、絶対に必要です。 BBクリームや日焼け止めを使った日は、夜、必ずクレンジング料を使ってメイクを落としましょう。
【なぜクレンジングが必要なのか?】
BBクリームやファンデーション、そして最近の多くの日焼け止めには、汗や皮脂で簡単に落ちないように、肌への密着度を高める成分(油性の成分やシリコーンなど)が含まれています。これらの成分は、普段使っている洗顔料だけでは完全に落としきることができません。
メイクを落とさずに寝てしまうと、落としきれなかった汚れや皮脂が毛穴に詰まり、以下のような肌トラブルの原因となります。
- ニキビや吹き出物: 毛穴の中でアクネ菌が繁殖しやすくなります。
- 毛穴の黒ずみ・開き: 詰まった角栓が酸化して黒ずんだり、毛穴を押し広げたりします。
- 肌のくすみ・ゴワつき: 古い角質や汚れが肌表面に残り、ターンオーバーが乱れることで、肌がくすんで見えたり、手触りが悪くなったりします。
- 乾燥: 肌に残った汚れがバリア機能の低下を招き、乾燥しやすい肌になります。
せっかくメイクで肌を綺麗に見せても、土台となる素肌が荒れてしまっては本末転倒です。「メイクは落とすまでがメイク」と心得て、クレンジングを毎日の習慣にしましょう。
【どんなクレンジングを選べばいい?】
クレンジングにはオイル、ジェル、ミルク、クリーム、バームなど様々なタイプがあります。男性には、洗浄力が高く、かつ手軽に使えるタイプがおすすめです。
- オイルクレンジング: 洗浄力が最も高く、濃いメイクや毛穴の角栓もしっかり落とせます。W洗顔(クレンジング後に洗顔料で洗うこと)が必要なものと不要なものがあります。
- ジェルクレンジング: さっぱりとした使用感で、濡れた手でも使えるタイプが多く、お風呂場で手軽に使いたい人に人気です。
- バームクレンジング: 肌に乗せると体温でとろけてオイル状に変化します。洗浄力と肌への優しさを両立しているのが特徴です。
初心者のうちは、「W洗顔不要」や「濡れた手OK」と書かれたものを選ぶと、面倒くささがなく、習慣化しやすいでしょう。
メンズコスメはどこで買える?
一昔前までは、メンズコスメを購入できる場所は限られていましたが、現在では様々な場所で手軽に購入できるようになりました。それぞれの場所のメリット・デメリットを理解し、自分に合った購入方法を選びましょう。
購入場所 | メリット | デメリット |
---|---|---|
デパートのコスメカウンター | ・専門家(BA)に相談できる ・色合わせやタッチアップ(試用)が正確 ・プロのテクニックを学べる |
・価格帯が高め ・少し敷居が高いと感じる人もいる |
バラエティショップ(ロフト、ハンズなど) | ・多くのブランドを一度に比較検討できる ・テスターが自由に試せる ・比較的手頃な価格帯の製品が多い |
・専門的なアドバイスは受けにくい ・混雑していることがある |
ドラッグストア | ・身近で手軽に購入できる ・24時間営業の店舗もある ・低価格帯の製品が中心 |
・メンズコスメの品揃えは店舗による ・テスターがない場合も多い |
公式オンラインストア、ECサイト | ・時間や場所を問わず購入できる ・限定品やセット商品があることも ・口コミやレビューを参考にできる |
・実物を試せない(色選びが難しい) ・送料がかかる場合がある |
【初心者におすすめの買い方】
もし可能であれば、最初はデパートのコスメカウンターに行くことを強くおすすめします。特にファンデーションの色選びは、プロに見てもらうのが最も確実です。「メンズメイクが初めてで、バレないように自然に仕上げたい」と伝えれば、親身に相談に乗ってくれ、最適なアイテムと使い方を提案してくれます。
ある程度自分の肌色や必要なアイテムがわかってきたら、バラエティショップやオンラインストアで、より手頃な価格のものを探したり、新しいアイテムを試したりする、というステップが賢い選択と言えるでしょう。
女性用のコスメを使っても大丈夫?
結論としては、基本的なアイテムであれば使っても全く問題ありません。 実際に、美容意識の高い男性の中には、女性用コスメを愛用している人も多くいます。
【メンズコスメと女性用コスメの違い】
両者に成分的な大法則があるわけではありませんが、一般的にターゲットとする肌質や好みに合わせて、以下のような傾向の違いがあります。
- 肌質へのアプローチ:
- メンズコスメ: 皮脂が多く水分が少ない男性の肌に合わせ、さっぱりした使用感、皮脂吸着成分配合、テカリ防止などを重視した製品が多い。
- 女性用コスメ: 乾燥やエイジングケアを重視し、保湿力が高い、美容成分が豊富な製品が多い。
- 仕上がりの質感:
- メンズコスメ: マットで自然な仕上がりを追求した製品が多い。
- 女性用コスメ: ツヤ肌、陶器肌などトレンドに合わせた多様な質感があり、ラメやパールが含まれている製品も多い。
- パッケージや香り:
- メンズコスメ: 黒やシルバーを基調とした、シンプルでスタイリッシュなデザインが多い。香りは無香料か、爽やかなシトラス系など。
- 女性用コスメ: 華やかで可愛らしいデザインが多い。フローラル系など、香りがしっかりついているものも多い。
【女性用コスメを使う際の注意点】
上記の傾向を踏まえ、「バレないメンズメイク」という観点で女性用コスメを選ぶ際には、いくつか注意したいポイントがあります。
- ラメやパール感の強いものは避ける: アイシャドウやハイライトはもちろん、ファンデーションやフェイスパウダーにも、キラキラとしたパールが含まれているものがあります。これは男性が使うと悪目立ちしやすく、不自然に見える原因になるため、必ずテスターで質感を確認し、マットなものを選びましょう。
- ファンデーションの保湿力に注意: 高保湿タイプのファンデーションは、皮脂の多い男性が使うと、時間とともにテカりや崩れを引き起こしやすくなる場合があります。使用する場合は、皮脂崩れ防止下地とフェイスパウダーを併用するのがおすすめです。
- 香りの有無を確認する: 香りに敏感な方や、普段香水を付けている方は、コスメの香りが邪魔にならないか確認しましょう。
女性用コスメは選択肢が非常に豊富で、中には男性の肌にも非常に合う名品もたくさん隠れています。違いを理解した上で賢く取り入れれば、メイクの幅がさらに広がるでしょう。