近年、男性の美容意識は急速に高まり、「メンズメイク」は特別なものではなく、身だしなみの一環として広く受け入れられつつあります。ビジネスシーンでの好印象作りから、休日の自己表現まで、その目的は多岐にわたります。しかし、「何から始めればいいかわからない」「メイクしているとバレたくない」「どんなアイテムを選べばいいの?」といった悩みを抱える初心者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなメンズメイク初心者の方々に向けて、メイクの基本から応用テクニック、アイテムの選び方までを網羅的に解説します。肌の悩みをカバーし、清潔感を引き出し、自信を持って毎日を過ごすための第一歩を、この記事と共に踏み出してみましょう。基本的なステップから丁寧に説明していくので、これまでメイクに全く触れてこなかった方でも安心して読み進められます。
目次
メンズメイクとは?
メンズメイクとは、男性が自身の肌の悩みをカバーしたり、顔の印象をより良く見せたりするために化粧品を使用することです。かつては俳優やモデルなど、特定の職業の人々が行うものというイメージがありましたが、現在ではその認識は大きく変わり、ビジネスパーソンから学生まで、幅広い層の男性が日常的に取り入れる身だしなみの一つとして定着しつつあります。
女性のメイクが「美しくなる」「華やかにする」ことに主眼が置かれることが多いのに対し、メンズメイクの多くは「清潔感を出す」「健康的に見せる」「コンプレックスをカバーする」といった、よりナチュラルで自己肯定感を高める目的で用いられる傾向があります。そのため、使用するアイテムも肌の色ムラやテカリを抑えるベースメイクや、眉を整えるアイブロウなどが中心となります。
もちろん、自己表現の一環として、アイシャドウやリップなどを用いて個性的なメイクを楽しむ男性も増えており、メンズメイクのあり方は多様化しています。この記事では、主に初心者の方が取り組みやすい「身だしなみとしてのメンズメイク」に焦点を当てて、その魅力と具体的な方法を掘り下げていきます。
なぜ今メンズメイクが注目されているのか
メンズメイクがこれほどまでに注目されるようになった背景には、いくつかの社会的な変化が複雑に絡み合っています。一過性のトレンドではなく、現代社会の価値観の変化を反映した必然的な流れと捉えることができます。
第一に、価値観の多様化とジェンダーレスの進行が挙げられます。「男らしさ」「女らしさ」といった固定観念が薄れ、「自分らしさ」を大切にする風潮が強まりました。「メイクは女性がするもの」という古い考え方は過去のものとなりつつあり、性別に関わらず誰もが自由に自己表現を楽しむ権利があるという認識が広がっています。この流れの中で、男性が美容に関心を持ち、メイクをすることへの心理的なハードルが大きく下がりました。
第二に、SNSの普及による「見られる」機会の増加です。InstagramやTikTok、YouTubeなどのプラットフォームでは、誰もが簡単に自身の姿を発信できます。オンライン会議やリモートワークの普及も、画面越しに自分の顔を見る機会を増やしました。これにより、他者からの視線だけでなく、自分自身の容姿を客観的に見る機会が増え、肌のコンディションや顔色など、細部への意識が高まったのです。「少しでも良い印象で見られたい」「画面映りを良くしたい」というニーズが、メンズメイクへの関心を後押ししています。
第三に、男性の美意識そのものの向上です。スキンケアが男性の間で一般的になったように、肌を健やかに保つことへの関心は年々高まっています。その延長線上で、肌トラブルを隠したり、より健康的な肌に見せたりするメイクへの移行は自然な流れと言えるでしょう。また、K-POPアイドルの影響も無視できません。彼らが見せる完璧に整えられた肌やメイクは、多くの若い男性にとって憧れの対象となり、メイクをファッションの一部として楽しむ文化を広めるきっかけとなりました。
最後に、メンズコスメ市場の成熟も大きな要因です。かつては男性がコスメを購入できる場所は限られていましたが、現在ではドラッグストアやバラエティショップ、デパート、オンラインストアなど、様々な場所で多種多様なメンズコスメが販売されています。男性の肌質や好みに特化した製品が次々と開発され、初心者でも手に取りやすい環境が整ったことが、メンズメイクの裾野を大きく広げたのです。
これらの要因が複合的に作用し、メンズメイクは特別なものではなく、誰もが選択できる自己投資・自己表現の手段として、社会に広く受け入れられるようになったのです。
メンズメイクで得られる3つのメリット
メンズメイクを始めることで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的な3つのメリットを、具体的なシチュエーションを交えながら詳しく解説します。
① 清潔感がアップし好印象を与える
メンズメイクがもたらす最大のメリットは、「清潔感」の向上です。ビジネスシーンでもプライベートでも、清潔感は相手に好印象を与えるための最も重要な要素の一つと言っても過言ではありません。
例えば、ビジネスの場面を想像してみてください。商談相手の顔に寝不足によるクマがあったり、肌が脂でテカっていたり、青ヒゲが目立っていたりすると、どこか「疲れているのかな?」「だらしない人なのかな?」という印象を抱いてしまうかもしれません。これは能力や人柄とは無関係な、純粋な見た目の問題です。
ここでメンズメイクが役立ちます。BBクリームやファンデーションを使えば、肌の色ムラを均一に整え、健康的な顔色に見せることができます。コンシーラーで気になるクマやニキビ跡、シミ、青ヒゲなどをピンポイントでカバーすれば、肌のノイズがなくなり、つるんとした印象になります。仕上げにフェイスパウダーを軽くはたけば、日中のテカリを抑え、さらりとした清潔な肌を長時間キープできます。
また、眉をアイブロウで整えることも重要です。ボサボサの眉や薄くて形のぼやけた眉は、どこか頼りない印象を与えがちです。眉の形を整え、足りない部分を少し描き足すだけで、顔全体が引き締まり、キリッとした知的な印象や、意志の強さを演出できます。
これらの効果は、対面でのコミュニケーションにおいて非常に大きなアドバンテージとなります。清潔感のある外見は、「自己管理ができている」「仕事も丁寧そうだ」といったポジティブな印象に繋がり、相手に安心感や信頼感を与えることができるのです。
② 肌の悩みをカバーして自信が持てる
多くの男性が、ニキビやニキビ跡、毛穴の開き、シミ、クマ、青ヒゲといった肌のコンプレックスを抱えています。これらの悩みは、自分では気にしていても、なかなか他人には相談しにくいものです。肌のコンディションが悪い日は、人と顔を合わせるのが億劫になったり、会話に集中できなかったりと、精神的な負担になることも少なくありません。
メンズメイクは、こうした肌の悩みを物理的にカバーし、精神的な負担を軽減してくれる強力なツールです。コンシーラーを使えば、赤く目立つニキビや頑固なクマも自然に隠すことができます。毛穴の凹凸をカバーする効果のある化粧下地を使えば、つるんとした肌表面を演出できます。
重要なのは、「完璧に隠す」のではなく「目立たなくする」という意識です。少しカバーするだけでも、見た目の印象は大きく変わります。そして、鏡に映る自分の肌が綺麗に見えることで、「今日は肌の調子がいいな」と感じられ、それが自信に繋がります。
肌のコンプレックスから解放されると、自然と表情が明るくなり、姿勢も良くなります。人とのコミュニケーションにおいても、相手の目をまっすぐ見て話せるようになるなど、積極性が生まれます。このように、メンズメイクは単に肌を綺麗に見せるだけでなく、内面的な自信を引き出し、よりポジティブに行動するためのきっかけを与えてくれるのです。恋愛や友人関係においても、自信に満ちた態度は魅力的に映り、良好な人間関係を築く上でプラスに働くでしょう。
③ TPOに合わせて印象を操作できる
メイクは、ファッションや髪型と同じように、自分の見せたい印象を自在にコントロールするためのツールとしても活用できます。TPO(Time・Place・Occasion)に合わせてメイクを使い分けることで、より洗練された自己演出が可能になります。
例えば、以下のようにシーンごとにメイクのポイントを変えることができます。
- ビジネスシーン(重要なプレゼンや商談):
- 目的: 信頼感、誠実さ、知的な印象を与える。
- メイクのポイント: BBクリームやファンデーションで肌の色ムラや青ヒゲをしっかりカバーし、均一な肌を作る。フェイスパウダーでテカリを完全に抑え、清潔感を最大限に引き出す。アイブロウで眉の輪郭をはっきりと描き、キリッとした意志の強さを演出する。全体的にマットな質感で仕上げるのがおすすめです。
- プライベート(友人との食事やカジュアルな集まり):
- 目的: 親しみやすさ、リラックスした雰囲気。
- メイクのポイント: 厚塗りを避け、素肌感を活かしたナチュラルなベースメイクを心がける。BBクリームを薄く伸ばす程度で十分です。眉も作り込みすぎず、パウダータイプのアイブロウでふんわりと仕上げると柔らかい印象になります。ほんのり色づくリップクリームで血色感をプラスするのも良いでしょう。
- 特別な日(デートやパーティー):
- 目的: 華やかさ、特別感、魅力のアピール。
- メイクのポイント: 基本のベースメイクに加え、シェーディングやハイライトで顔に立体感を出し、シャープな印象をプラスする。ブラウン系のアイシャドウで目元に自然な陰影をつければ、さりげなく目力がアップします。涙袋を明るく見せるメイクも、優しく魅力的な目元を演出するのに効果的です。
このように、メイクの濃淡や使うアイテムを少し変えるだけで、相手に与える印象を戦略的に変えることができます。これは、コミュニケーションを円滑に進めるための高度なスキルとも言えるでしょう。TPOをわきまえたメイクができる男性は、「デキる人」「気遣いができる人」という評価を得やすくなります。メンズメイクは、単なる身だしなみを超え、自己プロデュースのための強力な武器となるのです。
初心者がまず揃えたいメンズメイクの基本アイテム
メンズメイクを始めるにあたり、最初から全てのアイテムを完璧に揃える必要はありません。まずは基本となる最低限のアイテムからスタートし、慣れてきたら徐々に増やしていくのがおすすめです。ここでは、初心者がまず揃えるべき基本アイテムを「スキンケア」「ベースメイク」「ポイントメイク」「メイク落とし」の4つのカテゴリーに分けて、それぞれの役割と選び方を詳しく解説します。
カテゴリー | アイテム名 | 主な役割 |
---|---|---|
スキンケア用品 | 化粧水・保湿液 | 肌に水分と油分を与え、メイクのノリと持ちを良くする |
日焼け止め | 紫外線から肌を守り、シミやシワを防ぐ | |
ベースメイク用品 | 化粧下地 | 毛穴や凹凸をカバーし、皮脂や汗によるメイク崩れを防ぐ |
BBクリーム・ファンデーション | 肌の色ムラや赤み、青ヒゲなどをカバーし、肌色を均一に整える | |
コンシーラー | ニキビ跡、クマ、シミなど、気になる部分をピンポイントで隠す | |
フェイスパウダー | テカリを抑え、メイクを固定して崩れにくくする | |
ポイントメイク用品 | アイブロウ | 眉の形を整え、薄い部分を描き足して顔の印象を引き締める |
リップクリーム | 唇の乾燥を防ぎ、自然な血色感を与える | |
メイク落とし用品 | クレンジング | メイクや皮脂汚れをしっかりと落とし、肌トラブルを防ぐ |
スキンケア用品
メイクの土台となる肌を整えるスキンケアは、メンズメイクにおいて最も重要な工程です。肌が乾燥していたり、皮脂が過剰だったりすると、メイクのノリが悪くなるだけでなく、すぐに崩れてしまいます。
化粧水・保湿液
洗顔後の肌は水分が蒸発しやすく、非常に乾燥しやすい状態です。化粧水は、その名の通り肌に水分を補給する役割を果たします。手のひらに適量を取り、顔全体を優しく包み込むようにして馴染ませましょう。
しかし、化粧水だけでは補給した水分がすぐに蒸発してしまいます。そこで重要になるのが保湿液(乳液やクリームなど)です。保湿液には油分が含まれており、肌の表面にフタをして水分の蒸発を防ぐ役割があります。化粧水で潤した肌に保湿液を重ねることで、しっとりとした状態を長時間キープできます。
男性の肌は水分量が少なく皮脂量が多いため、「ベタつくのが嫌だ」と保湿を避ける方もいますが、それは逆効果です。肌が乾燥すると、それを補おうとしてかえって皮脂が過剰に分泌されることがあります。さっぱりとした使用感のジェルタイプの保湿液など、男性向けの製品も多くあるので、自分に合ったものを選びましょう。
日焼け止め
日焼け止めは、夏場や屋外にいる時だけ使うものだと思っていませんか?紫外線は季節や天候に関わらず一年中降り注いでおり、シミやシワ、たるみといった肌老化の最大の原因となります。また、日焼けは肌を乾燥させ、メイク崩れの原因にもなります。
日焼け止めは、スキンケアの最後のステップであり、メイクの最初のステップと捉えましょう。化粧水、保湿液で肌を整えた後、メイクを始める前に必ず塗る習慣をつけることが大切です。
日焼け止めには「SPF」と「PA」という表示があります。
- SPF: 主に肌を赤くさせ、シミの原因となるUV-B波を防ぐ効果の指標。数値が大きいほど効果が高い。
- PA: 主に肌の奥深くに届き、シワやたるみの原因となるUV-A波を防ぐ効果の指標。「+」の数が多いほど効果が高い。
日常生活であれば「SPF20〜30、PA++〜+++」程度、屋外でのレジャーなどでは「SPF50+、PA++++」といったように、シーンに合わせて使い分けるのがおすすめです。白浮きしにくいジェルタイプや、肌色を補正する効果のあるもの、BBクリームと一体になったものなど、様々な種類があります。
ベースメイク用品
ベースメイクは、肌の欠点をカバーし、顔全体の印象を決定づける重要なパートです。初心者は、まずBBクリームから試してみるのが手軽でおすすめです。
化粧下地
化粧下地は、スキンケアとファンデーションの間に塗るアイテムで、メイクの仕上がりと持ちを格段に向上させる縁の下の力持ちです。主な役割は以下の通りです。
- 毛穴や肌の凹凸をカバー: シリコンなどが配合された下地は、肌表面をなめらかに整え、ファンデーションが毛穴落ちするのを防ぎます。
- 皮脂コントロール: 皮脂吸着パウダーが配合された下地は、テカリやメイク崩れを防ぎます。
- 色補正: コントロールカラーとも呼ばれ、肌の悩みに合わせた色で補正します。例えば、赤みが気になるならグリーン系、血色が悪いならピンク系、くすみが気になるならイエローやパープル系の下地が効果的です。
- UVカット: 日焼け止め効果を兼ね備えた下地も多くあります。
BBクリームには下地機能が含まれているものも多いですが、より完璧な仕上がりを目指すなら、化粧下地を併用することをおすすめします。
BBクリーム・ファンデーション
これらは肌の色ムラを補正し、均一な肌色を作るための中心的なアイテムです。
- BBクリーム: 「Blemish Balm(傷を補う軟膏)」の略で、元々は医療目的で使われていました。美容液、日焼け止め、化粧下地、ファンデーションなどの機能が一つになったオールインワンアイテムです。一本で手軽にベースメイクが完了するため、忙しい朝やメイク初心者に最適です。ファンデーションに比べてカバー力は控えめで、ナチュラルな仕上がりが特徴です。
- ファンデーション: BBクリームよりもカバー力が高く、色の選択肢も豊富なのが特徴です。肌の色をより正確に整え、気になる部分をしっかりと隠したい場合に適しています。リキッド、クリーム、パウダー、クッションなど、様々なテクスチャーがあります。初心者は、伸びが良くムラになりにくいリキッドタイプやクッションファンデーションが扱いやすいでしょう。
色選びが最も重要です。自分の肌色より明るすぎると顔だけが白く浮いてしまい、暗すぎるとくすんで見えます。購入する際は、フェイスライン(顔と首の境目)に実際に塗ってみて、首の色と自然に馴染む色を選ぶのが失敗しないコツです。
コンシーラー
コンシーラーは、BBクリームやファンデーションだけでは隠しきれない、局所的な肌悩みをカバーするためのアイテムです。ニキビ跡、シミ、クマ、小鼻の赤み、青ヒゲなどをピンポイントで隠すのに使います。
スティック、リキッド、クリーム、ペンシルなど様々な形状があり、カバーしたい悩みによって使い分けます。
- スティックタイプ: 硬めのテクスチャーでカバー力が高い。シミやニキビ跡に最適。
- リキッドタイプ: 柔らかく伸びが良い。目元のクマや口角など、よく動く部分におすすめ。
- クリームタイプ: カバー力と保湿力を両立。広い範囲のクマや赤みに使いやすい。
色選びは、ファンデーションよりワントーン暗い色を選ぶと、白浮きせず自然に馴染みます。ただし、目元のクマをカバーする場合は、血行不良による青クマならオレンジ系、色素沈着による茶クマならイエロー系のコンシーラーを選ぶと、色補正効果でより効果的に隠せます。
フェイスパウダー
フェイスパウダーは、ベースメイクの最後に使う仕上げ用の粉です。主な役割は以下の通りです。
- テカリ防止: 余分な皮脂を吸着し、サラサラの肌をキープします。
- メイク崩れ防止: リキッド状のファンデーションやコンシーラーを肌に固定し、マスクへの付着やヨレを防ぎます。
- 肌質補正: 肌にヴェールをかけたように、毛穴や凹凸をふんわりとぼかして見せる効果があります。
粉が固められたプレストタイプと、粉状のルースタイプがあります。持ち運びにはプレストタイプ、家で使うならルースタイプが便利です。色が付かない透明タイプを選べば、ファンデーションの色を変えることなく、誰でも簡単に使えます。
ポイントメイク用品
ベースメイクで肌を整えたら、次はポイントメイクで顔の印象を引き締めます。初心者はまず、眉と唇から始めるのがおすすめです。
アイブロウ(ペンシル・マスカラ)
眉は顔の印象を大きく左右する重要なパーツです。眉を整えるだけで、清潔感が格段にアップし、知的で凛々しい印象になります。
- アイブロウペンシル: 眉の形を描いたり、毛が足りない部分を一本一本描き足したりするのに使います。芯が硬いものから柔らかいものまで様々ですが、初心者は細くて描きやすい繰り出し式のペンシルがおすすめです。色は、自分の髪の色より少し明るい色を選ぶと自然に仕上がります。
- アイブロウパウダー: ふんわりとした自然な眉を描くのに適しています。濃淡の違う色がセットになっているものが多く、眉頭は薄い色、眉尻は濃い色と使い分けることで立体的な眉が作れます。
- アイブロウマスカラ: 眉毛の色を変えたり、毛流れを整えたりするのに使います。髪を明るく染めている人は、眉マスカラで眉の色を髪色に合わせると、一気に垢抜けた印象になります。
リップクリーム
唇がカサカサに乾いていたり、皮がむけていたりすると、不健康でだらしない印象を与えてしまいます。普段から保湿効果の高いリップクリームでケアする習慣をつけましょう。
メイクの一環として使うなら、ほんのりと自然な血色感をプラスしてくれる色付きのリップクリームがおすすめです。顔色全体がパッと明るくなり、健康的な印象になります。派手な色ではなく、自分の唇の色に近いピンクベージュやコーラル系を選ぶと、メイクしているとバレにくく、自然に仕上がります。
メイク落とし用品
メイクをした日に、洗顔料だけで済ませてしまうのは絶対にNGです。ベースメイクアイテムは油性の成分でできており、通常の洗顔料では完全に落としきることができません。
クレンジング
クレンジングは、メイクの油性の汚れを浮かせて落とすための専用アイテムです。メイク汚れが肌に残ったままだと、毛穴詰まりやニキビ、肌荒れ、色素沈着など、様々な肌トラブルの原因になります。
オイル、ジェル、ミルク、クリーム、バームなど様々なタイプがありますが、男性には、洗浄力が高く、濡れた手でも使えるオイルタイプや、肌への負担が少なくさっぱりと洗い上がるジェルタイプが人気です。メイクをした日は、必ずクレンジングでメイクを落としてから、洗顔料で顔を洗う「ダブル洗顔」を徹底しましょう。これが、健やかな肌を保ち、長くメンズメイクを楽しむための絶対的なルールです。
【5ステップ】初心者向けメンズメイクの基本的なやり方と順番
アイテムを揃えたら、いよいよ実践です。ここでは、初心者の方が迷わずできるよう、基本的なメンズメイクのやり方を5つのステップに分けて、順番に沿って詳しく解説します。この順番を守ることで、メイクの仕上がりが格段に綺麗になり、崩れにくくなります。
① 【準備】洗顔・スキンケアで肌を整える
メイクの仕上がりは、メイク前の土台作りで8割決まると言っても過言ではありません。この準備段階を丁寧に行うことが、ナチュラルで綺麗なメイクへの近道です。
- 洗顔: まずは洗顔料をしっかりと泡立て、その泡で顔を包み込むように優しく洗います。特に、Tゾーン(おでこ、鼻)や顎周りは皮脂が出やすいので、指の腹でくるくると丁寧に洗いましょう。ゴシゴシ擦るのは肌への刺激となるため厳禁です。ぬるま湯(32℃前後)で、泡が残らないようにしっかりとすすぎます。
- 保湿: 清潔なタオルで優しく水分を拭き取ったら、すぐに保湿ケアに移ります。
- 化粧水: 500円玉大の化粧水を手に取り、両手で温めてから顔全体に優しくハンドプレスして馴染ませます。乾燥しやすい目元や口元は重ね付けすると効果的です。
- 保湿液(乳液・クリーム): 10円玉大の保湿液を手に取り、これも同様に顔全体に優しく馴染ませます。肌表面のベタつきが気になる場合は、ティッシュで軽く押さえて余分な油分を取り除くと、次のメイクステップに進みやすくなります。
- 日焼け止め: スキンケアの最後に、日焼け止めを塗ります。パール粒大を手に取り、おでこ・両頬・鼻・顎の5点に置き、そこから顔全体にムラなく伸ばしていきます。塗り忘れやすい首や耳の後ろまでしっかり塗るのがポイントです。
このスキンケアの工程を丁寧に行うことで、肌が潤い、メイクのノリが良くなるだけでなく、日中の乾燥や皮脂によるメイク崩れを防ぐことができます。
② 【ベース】BBクリームやファンデーションで肌の色ムラを補正する
肌の土台が整ったら、次はBBクリームやファンデーションで肌のトーンを均一にしていきます。ここでは、最も手軽なBBクリームを使った方法を解説します。
- 適量を出す: BBクリームをパール粒大(約8mm)ほど手の甲に出します。量が多すぎると厚塗り感が出てしまうので、「少し足りないかな?」と感じるくらいから始めるのがコツです。
- 5点置き: 出したBBクリームを指先に取り、おでこ・両頬・鼻・顎の5点に置きます。顔の中心から外側に向かって伸ばしていくため、面積の広い頬に少し多めに置くとバランスが取りやすいです。
- 内側から外側へ伸ばす: 指の腹(人差し指・中指・薬指)を使って、顔の内側から外側に向かって、優しく滑らせるように伸ばしていきます。力を入れすぎるとムラの原因になるので注意しましょう。
- 頬: 顔の中心から耳に向かって伸ばします。
- おでこ: 中央から生え際に向かって伸ばします。
- 鼻: 上から下へ、小鼻の周りも丁寧に馴染ませます。
- 顎: 中央からフェイスラインに沿って伸ばします。
- 馴染ませる: 顔全体に伸ばし終えたら、何もついていないスポンジや、手のひら全体で顔を優しく押さえ(ハンドプレス)、BBクリームを肌に密着させます。このひと手間で、余分な油分が取れてヨレにくくなり、仕上がりの綺麗さが格段にアップします。
- 確認: フェイスライン(顔と首の境目)がくっきりと分かれていないか、生え際にたまっていないかなどを鏡でチェックします。境目はスポンジでぼかすように馴染ませると自然です。
ポイントは、顔全体に均一に塗るのではなく、カバーしたい顔の中心部はややしっかりめに、フェイスラインなどの外側は薄く塗ること。これにより、のっぺりとした印象にならず、自然な立体感を残したまま肌を綺麗に見せることができます。
③ 【カバー】コンシーラーでニキビ跡やクマを隠す
BBクリームだけでは隠しきれない、気になる部分をコンシーラーでピンポイントにカバーします。厚塗りを防ぎ、素肌感を残すための重要なステップです。
- クマのカバー:
- リキッドタイプのコンシーラーを使います。
- クマが最も濃い部分(目の下の窪み)に、線を引くように少量乗せます。
- 薬指の腹を使って、優しくトントンと叩き込むように馴染ませます。この時、横に擦るとコンシーラーが剥がれてしまうので注意が必要です。あくまで「叩き込む」イメージで、境目をぼかしていきます。
- ニキビ跡・シミのカバー:
- スティックタイプやクリームタイプの、少し硬めのコンシーラーを使います。
- 隠したい部分に、ちょんとのせるように直接塗ります。この時、隠したい部分より一回り大きく乗せるのがコツです。
- 指先で、コンシーラーの輪郭だけをぼかすように、優しくトントンと馴染ませます。中心部分は触らず、周りだけを肌に溶け込ませるイメージです。
- 青ヒゲ・小鼻の赤みのカバー:
- オレンジ系のコンシーラーを使うと、青みを効果的に打ち消せます。
- 青ヒゲが気になる部分に薄く伸ばし、指やスポンジで叩き込みます。その上からBBクリームやファンデーションを薄く重ねると、より自然にカバーできます。
- 小鼻の赤みも同様に、コンシーラーを少量乗せて指でトントンと馴染ませましょう。
コンシーラーは「乗せる→境目をぼかす」が基本。欲張って広範囲に伸ばしすぎないことが、自然な仕上がりの鍵です。
④ 【仕上げ】フェイスパウダーでテカリを抑え崩れにくくする
ベースメイクの最後は、フェイスパウダーで仕上げます。この工程により、テカリを防ぎ、メイクの持ちを飛躍的に向上させることができます。
- パフ(またはブラシ)に粉を含ませる: プレストパウダーの場合はパフを軽く押し付け、ルースパウダーの場合は蓋に少量出してパフによく揉み込みます。ブラシを使う場合は、ブラシに粉を含ませた後、一度手の甲などで余分な粉を払います。
- 皮脂の多い部分から乗せる: まずは皮脂が出やすいTゾーン(おでこ、鼻)や、マスクで蒸れやすい口周りからパウダーを乗せていきます。パフを肌に優しく置くように、ポンポンと軽く押さえるように付けます。
- 顔全体に薄く広げる: Tゾーンに乗せたら、パフに残った少量のパウダーで、頬やフェイスラインなど顔全体に薄く広げます。擦るのではなく、あくまで優しく押さえるように乗せるのがポイントです。
- 余分な粉を払う: 最後に、何もついていない大きめのフェイスブラシで、顔全体を優しくなでるようにして余分な粉を払います。これにより、粉っぽさがなくなり、より自然なツヤのある仕上がりになります。
特にテカリが気になる男性にとって、フェイスパウダーは必須アイテムです。サラサラの肌が長時間続く快適さを、ぜひ体感してみてください。
⑤ 【眉】アイブロウで眉の形を整えキリっとした印象に
ベースメイクが完了したら、顔の印象を決定づける眉メイクに移ります。眉を整えるだけで、一気に清潔感と精悍さが増します。
- 眉の毛流れを整える: まず、スクリューブラシ(眉用のブラシ)で、眉頭は上に向かって、眉の中央から眉尻は毛流れに沿ってとかし、現在の眉の状態を確認します。
- 理想の形を決める: 眉の黄金比を参考に、自分の理想の形をイメージします。
- 眉頭: 小鼻の真上あたり
- 眉山: 黒目の外側の端から目尻の真上あたり
- 眉尻: 小鼻と目尻を結んだ線の延長線上
- 足りない部分を描き足す: アイブロウペンシルを使って、毛が薄い部分や欠けている部分を、毛を一本一本描くようなイメージで描き足していきます。まずは眉山から眉尻のラインを決め、次に眉の下のラインを描くと、全体の形が取りやすいです。
- 全体をパウダーで埋める: アイブロウパウダーをブラシに取り、眉全体をふんわりと埋めていきます。眉頭は薄い色、眉尻に向かって濃い色を使うと、自然なグラデーションが生まれて立体的に見えます。
- ぼかして馴染ませる: 最後に、再度スクリューブラシで眉全体を軽くとかし、描いた部分と自眉を馴染ませます。特に眉頭をしっかりぼかすと、自然で優しい印象になります。
初心者は、いきなり完璧を目指さず、「明らかに薄い部分を埋める」ことから始めるのがおすすめです。それだけでも顔の印象は大きく変わります。
【応用編】さらに印象をアップさせる+αメイク術
基本の5ステップに慣れてきたら、次は少し応用的なテクニックに挑戦してみましょう。これらの+αメイクは、やりすぎると不自然になりがちですが、ポイントを押さえて上手に取り入れれば、あなたの魅力をさらに引き出してくれます。特別な日や、いつもと少し違った自分を演出したい時に試してみてください。
アイメイクで目力をアップさせる
目元は、人の印象を大きく左右するパーツです。さりげないアイメイクを施すことで、目力を自然に強調し、より魅力的で印象的な眼差しを演出できます。
アイシャドウで自然な陰影をつくる
アイシャドウと聞くと、女性のカラフルなメイクを想像するかもしれませんが、メンズメイクで使うのは、肌馴染みの良いマットなブラウン系やベージュ系です。目的は色を乗せることではなく、まぶたに自然な彫りと陰影を作り出すことにあります。
- 用意するもの: マットな質感のブラウン系アイシャドウパレット(明るい色と暗い色の2色あれば十分)、アイシャドウブラシまたは指
- やり方:
- まず、明るい方のベージュやライトブラウンをアイホール(眼球のくぼみ)全体に薄く塗ります。これにより、まぶたのくすみが飛んで明るい印象になります。ブラシを使えばふんわりと、指を使えばしっかりと発色します。
- 次に、暗い方のブラウンを目のキワ(まつ毛の生え際)に細く入れます。目を開けた時に、ほんのり影が見える程度でOKです。黒目の上を少し濃くすると、目が縦に大きく見えます。
- 最後に、何もついていないブラシや指で、色の境目を優しくぼかして馴染ませます。
たったこれだけで、目元に奥行きが生まれ、自然な陰影によって目がぱっちりと大きく見えます。「メイクしている感」はほとんど出さずに、寝不足の日の腫れぼったい目元をスッキリ見せる効果も期待できます。
アイライナーで目の輪郭を強調する
アイライナーは、目のフレームである輪郭をくっきりとさせることで、目力をダイレクトにアップさせるアイテムです。しかし、初心者がいきなり黒のリキッドアイライナーを使うと、線がガタガタになったり、いかにも「描きました」という不自然な仕上がりになったりしがちです。
そこでおすすめなのが、ペンシルタイプのアイライナーで「インライン」を引くテクニックです。
- 用意するもの: 芯が柔らかいペンシルアイライナー(色はダークブラウンやグレーが自然でおすすめ)
- やり方:
- 鏡を顔の下に持ち、顎を少し上げ気味にして、まつ毛の生え際の内側にある粘膜部分が見えるようにします。
- 片方の手でまぶたを軽く持ち上げ、ペンシルアイライナーで、まつ毛とまつ毛の間を点で埋めるように描いていきます。線を引くというより、隙間を「ちょんちょん」と埋めていくイメージです。
- 特に黒目の上を重点的に埋めると、自然に黒目が大きく見えます。目尻は長く伸ばさず、自分の目の形に沿って終えるのがバレずに仕上げるコツです。
このインラインを引くだけで、まつ毛の密度が濃くなったように見え、目の輪郭がさりげなく強調されます。正面から見た時にはほとんどラインが見えないため、非常にナチュラルでありながら、確実に目力をアップさせることができます。
涙袋メイクで優しい印象に
涙袋(目の下にあるぷっくりとした膨らみ)を強調すると、目が大きく見えるだけでなく、優しく柔和な印象や、若々しい印象を与えることができます。K-POPアイドルの影響もあり、男女問わず人気のメイクテクニックです。
- 用意するもの:
- 明るいベージュやシャンパンゴールドのハイライトカラー(パール感が控えめなマットタイプや、微細なパールが入ったものが自然)
- 薄いブラウン系のアイブロウパウダーや、涙袋専用の影色ライナー
- やり方:
- にこっと笑った時にぷっくりと膨らむ部分(涙袋)を確認します。
- その膨らみに沿って、明るいハイライトカラーを細いブラシやチップ、または指で薄く乗せます。目頭から黒目の下あたりまでに入れるのがポイントです。
- 次に、涙袋の下にできる影の部分に、薄いブラウンのパウダーや影色ライナーで、ごくごく細く、薄く線を引きます。線を描いたら、すぐに綿棒や指でぼかして、自然な影に見えるように馴染ませます。この影は、入れすぎるとクマのように見えてしまうので、「描いたか描いてないか分からない」くらいがベストです。
この光と影のコントラストによって、涙袋が立体的に見え、潤んだような魅力的な目元を演出できます。親しみやすい雰囲気を出したい日におすすめです。
シェーディング・ハイライトで立体感を出す
日本人の顔は欧米人に比べて凹凸が少なく、平面的に見えがちです。シェーディングとハイライトを効果的に使うことで、顔にメリハリと立体感を生み出し、よりシャープで洗練された印象に近づけることができます。
- シェーディング(影を入れる):
- 目的: 顔の余白を削り、引き締めて見せる。鼻を高く見せる。
- アイテム: 肌色より2トーンほど暗い、黄みや赤みの少ないブラウン系のパウダー。
- 入れ方:
- フェイスライン: エラの部分や顎の下に、大きめのブラシでふんわりと入れます。これにより、フェイスラインがシャープに見え、小顔効果が期待できます。
- ノーズシャドウ: 眉頭の下から鼻筋の側面に沿って、指や細いブラシでサッと入れます。鼻筋がスッと通って高く見えます。入れすぎると不自然になるので、ごく少量から試しましょう。
- ハイライト(光を集める):
- 目的: 顔の高い部分を際立たせ、立体感とツヤ感を出す。
- アイテム: パールやラメが控えめな、肌馴染みの良いベージュ系やオフホワイトのパウダー。
- 入れ方:
- Tゾーン: 鼻筋(鼻先の手前まで)と、おでこの中央にサッと入れます。
- Cゾーン: 眉下から目尻を囲むようにCの形に入れます。顔にツヤが出て、生き生きとした印象になります。
- その他: 顎先、上唇の山部分(キューピッドボウ)に少量入れると、より立体的な顔立ちになります。
シェーディングとハイライトは、どちらも「入れたことが分からない」くらい自然に馴染ませることが鉄則です。鏡から少し離れて、全体のバランスを確認しながら行いましょう。
カラーリップで血色感をプラスする
基本編では保湿用のリップクリームを紹介しましたが、応用編として自然な発色のカラーリップを取り入れるのもおすすめです。唇に健康的な血色が加わるだけで、顔全体の印象が驚くほど明るく、健康的になります。
- 選び方:
- 真っ赤やビビッドなピンクは避け、自分の唇の色を少し濃くしたような、落ち着いたコーラル系、ピンクベージュ系、ブラウンレッド系を選びましょう。
- 質感は、ツヤツヤしすぎないセミマットなものや、自然なツヤが出るバームタイプが男性には使いやすいです。
- 塗り方:
- リップクリームのように直接唇に塗るのではなく、指に少量を取り、唇の中央にポンポンと乗せるように色を置きます。
- そこから外側に向かって、指でトントンと叩き込みながらぼかしていくと、内側からじゅわっと滲み出るような自然な血色感を演出できます。
特に、顔色が優れない日や、オンライン会議で顔を明るく見せたい時などに効果絶大です。「塗っている」と意識させずに、「元から血色が良い人」に見せるのが、メンズのカラーリップの極意です。
バレずに自然に仕上げるための3つのコツ
メンズメイク初心者が最も気にするのが、「メイクしていることが周りにバレないか?」という点でしょう。「清潔感を出す」という目的が、「やりすぎ」「不自然」という印象に変わってしまっては本末転倒です。ここでは、誰にも気づかせないほど自然な「バレないメイク」を完成させるための、3つの重要なコツを伝授します。
① メイク前の保湿を入念に行う
メイクの仕上がりの自然さは、土台となる肌のコンディションに大きく左右されます。特に、肌の乾燥はバレるメイクの最大の原因の一つです。
肌が乾燥している状態でBBクリームやファンデーションを塗るとどうなるでしょうか。まず、粉が肌にうまく密着せず、表面で浮いてしまい、いわゆる「粉を吹いた」状態になります。また、乾燥した肌はキメが乱れており、ファンデーションが毛穴やシワに入り込んで悪目立ちしやすくなります。時間が経つと、乾燥を補おうとして皮脂が過剰に分泌され、ファンデーションと混じり合ってドロドロに崩れてしまいます。これでは、誰が見ても「メイクが崩れている」と分かってしまいます。
これを防ぐためには、メイク前の保湿ケアが不可欠です。
洗顔後、化粧水でたっぷりと水分を補給し、乳液やクリームでその水分が逃げないようにしっかりと蓋をする。この基本のステップを、いつもより少し時間をかけて丁寧に行いましょう。
具体的なポイント:
- 化粧水は一度ではなく二度付けする: 一度顔全体に馴染ませた後、もう一度手に取り、乾燥しやすい目元や口元、頬などを中心に優しく重ね付け(ハンドプレス)します。肌がひんやりとして、手に吸い付くような感触になるのが潤ったサインです。
- 乳液・クリームの後、少し時間を置く: 保湿ケアをした直後にメイクを始めると、油分が多すぎてベースメイクがヨレやすくなります。スキンケアが終わったら、5分ほど時間を置いて肌にしっかりと馴染ませるのがおすすめです。その間に着替えをしたり、ヘアセットをしたりすると効率的です。
- 表面のベタつきはティッシュオフ: 時間を置いても肌表面にベタつきが残っている場合は、ティッシュを顔に優しく乗せ、上から軽く押さえて余分な油分を取り除きます。
このひと手間をかけるだけで、肌のキメが整い、ベースメイクが薄く均一に伸びるようになります。肌の内側から潤っているため、時間が経っても乾燥崩れや皮脂崩れが起こりにくく、まるで素肌そのものが綺麗なような、自然な仕上がりを一日中キープできるのです。
② 自分の肌色に合ったコスメを選ぶ
不自然なメイクに見える第二の原因は、「色のミスマッチ」です。特に、顔の大部分を占めるベースメイクの色選びは、バレないメイクの生命線と言えます。
多くの初心者がやりがちな失敗が、「自分の肌色よりも明るい色を選んでしまう」ことです。肌を白く見せたい、トーンアップさせたいという気持ちは分かりますが、首の色と顔の色が違うと、まるでお面をかぶっているかのように見え、一瞬で「メイクしている」とバレてしまいます。
正しい色の選び方:
- 試す場所は「フェイスライン」: 手の甲で色を試す人がいますが、顔と手の甲では日焼けの具合も皮膚の厚みも違うため、色は全く異なります。コスメカウンターやドラッグストアのテスターは、必ず顔と首の境目であるフェイスラインに実際に塗って試しましょう。
- チェックするのは「馴染んでいるか」: フェイスラインに2〜3色を並べて塗り、少し時間を置いてから確認します。その中で、塗った部分がどこか分からなくなるほど、首の色と顔の色に自然に溶け込んでいる色が、あなたにぴったりの色です。
- 照明の下で確認する: 店内の照明は、色を実際よりも綺麗に見せることがあります。可能であれば、自然光が入る窓際などで色味を確認するのがベストです。難しい場合は、少し離れた鏡で全体のバランスを見て、白浮きしていないかを確認しましょう。
BBクリームやファンデーションだけでなく、コンシーラーの色選びも重要です。ニキビ跡やシミを隠す場合はファンデーションと同じかワントーン暗い色、クマを隠す場合はオレンジやイエロー系の補色を選ぶなど、用途に合わせて適切な色を選ぶ知識も、自然な仕上がりには不可欠です。
自分の肌色を正しく理解し、それに合った色のコスメを選ぶこと。これが、「塗っている感」をなくし、「元から肌が綺麗な人」を演出するための絶対条件です。
③ 少し物足りないくらいの薄塗りを意識する
「隠したい」という気持ちが強いほど、ついついBBクリームやファンデーションを厚く塗ってしまいがちです。しかし、厚塗りは毛穴落ちやヨレ、シワへの入り込みを引き起こし、かえって肌のアラを目立たせてしまいます。また、厚化粧は表情の動きに合わせてひび割れやすく、至近距離で見るとすぐにバレてしまいます。
バレないメイクの極意は、「完璧に隠そうとしないこと」、そして「少し物足りないくらいでやめておく勇気を持つこと」です。
薄塗りを実現するためのテクニック:
- 使用量は「パール粒大」から: まずは少量から始め、足りなければ少しずつ足していくのが基本です。一度にたくさん出すと、使い切ろうとして厚塗りになってしまいます。
- 顔の中心から外側へ: 顔全体に均一に塗るのではなく、カバーしたい頬やTゾーンなどの中心部から塗り始め、フェイスラインに向かっては指やスポンジに残ったごく少量を伸ばすだけにします。この「中心はしっかり、外側は薄く」のグラデーションが、自然な立体感と素肌感を残す秘訣です。
- ツールを上手に使う: 指で塗るのも手軽ですが、メイクスポンジやファンデーションブラシを使うと、より薄く均一に伸ばすことができます。スポンジは余分なファンデーションを吸い取ってくれるため、自然な仕上がりになります。特に、水を含ませて使うタイプのスポンジは、密着度とツヤ感を高めてくれるのでおすすめです。
- 全顔カバーにこだわらない: 肌トラブルが少ない人は、顔全体にBBクリームを塗る必要はありません。気になる部分にだけコンシーラーを使い、あとは色なしのフェイスパウダーで仕上げるだけでも、十分に清潔感はアップします。「引き算のメイク」を覚えることが、上級者への第一歩です。
鏡を見て、「もう少しカバーしたいな」と感じるくらいが、他人から見るとちょうど良い自然な仕上がりです。メンズメイクの目的は、欠点をゼロにすることではなく、全体の印象を良くすること。この意識を持つことが、バレずに好印象を与えるメイクを成功させるための最も大切なマインドセットです。
メンズメイクをする上での注意点
メンズメイクは、正しく行えば多くのメリットをもたらしますが、いくつかの注意点を守らないと、かえって肌トラブルを招いたり、周囲にマイナスの印象を与えたりする可能性があります。長く快適にメンズメイクを楽しむために、以下の3つのポイントを必ず心に留めておきましょう。
メイクをした日は必ずクレンジングで落とす
これはメンズメイクにおける、最も重要で、絶対に守らなければならないルールです。日中に使用したBBクリームやファンデーション、日焼け止めなどのベースメイクアイテムは、汗や皮脂に強く、崩れにくいように作られています。これは、肌への密着性が非常に高いことを意味しており、通常の洗顔料だけでは完全に洗い流すことができません。
もしクレンジングをせずに寝てしまうと、肌の上で何が起こるでしょうか。
- 毛穴詰まりとニキビの発生: 落としきれなかったメイク料や皮脂、古い角質が毛穴に詰まります。この詰まりを栄養源としてアクネ菌が繁殖し、炎症を起こしてニキビができてしまいます。メイクでニキビを隠したつもりが、さらなるニキビの原因を作ってしまうという悪循環に陥ります。
- 肌のターンオーバーの阻害とくすみ: 肌は夜寝ている間に、新しい細胞を生み出し、古い角質を排出する「ターンオーバー」を行っています。メイクが残っていると、この正常な働きが妨げられ、古い角質が肌表面に蓄積します。その結果、肌がゴワゴワしたり、透明感が失われてくすんだりする原因になります。
- 色素沈着: メイクの色素が長時間肌に付着し続けることで、シミやくすみに繋がる可能性があります。特に、アイメイクやリップメイクを落とし忘れると、目元や唇の色素沈着を招きやすくなります。
- 乾燥と肌荒れ: メイク汚れが肌に残っていると、化粧水などのスキンケア成分の浸透が悪くなります。肌は十分に保湿されず、乾燥が進み、バリア機能が低下して、少しの刺激でも赤みやかゆみが出やすい敏感な状態になってしまいます。
これらのトラブルを防ぐため、「メイクをしたら、その日のうちに必ずクレンジングで落とす」という習慣を徹底してください。お酒を飲んで帰ってきた日でも、面倒くさがらずに必ずメイクを落としてから寝ることが、健やかな肌を保つための最低限のマナーです。クレンジングでメイクの油性汚れを落とした後、洗顔料で汗やホコリなどの水性汚れを落とす「ダブル洗顔」が基本です。
TPOに合わせたメイクを心がける
メンズメイクは、自分の印象をコントロールできる強力なツールですが、その力を発揮するには、時と場所、場合(TPO)をわきまえることが不可欠です。ファッションや言動と同じように、メイクもその場にふさわしいものでなければ、周囲に違和感や不快感を与えてしまう可能性があります。
例えば、以下のようなシーンを考えてみましょう。
- 厳格な職場や取引先への訪問:
- 求められる印象: 誠実さ、清潔感、信頼感
- 適切なメイク: メイクをしていることが分からないレベルの、ごくナチュラルなベースメイクが基本。BBクリームやコンシーラーで肌の色ムラ、クマ、青ヒゲをカバーし、フェイスパウダーでテカリを抑える程度に留めます。眉も整える程度で、描きすぎないように注意。アイシャドウやカラーリップは避けるのが無難です。「身だしなみ」の範囲を逸脱しないことが重要です。
- 友人との食事やプライベートな時間:
- 求められる印象: 親しみやすさ、おしゃれさ、自分らしさ
- 適切なメイク: 少し遊び心を取り入れても良いでしょう。肌は素肌感を活かした薄いベースメイクにし、ほんのり色づくリップで血色感をプラスしたり、ブラウン系のアイシャドウで目元にさりげない陰影をつけたりするのも素敵です。ただし、友人との関係性や場の雰囲気を考慮することは忘れないようにしましょう。
- 華やかなパーティーやイベント:
- 求められる印象: 華やかさ、特別感、自信
- 適切なメイク: いつもより少し攻めたメイクに挑戦できる場面です。シェーディングやハイライトで顔に立体感を出し、アイライナーで目力を強調したり、少し発色の良いリップを使ったりするのも良いでしょう。ただし、これも全体のバランスが重要です。主役はあくまで自分自身であり、メイクが悪目立ちしないように気をつけましょう。
TPOを無視したメイクは、自己満足に過ぎず、コミュニケーションの妨げになることさえあります。常に「今いる場所はどんな場所か」「会う相手は誰か」「自分はどう見られたいか」を客観的に考え、メイクの濃淡や使うアイテムを調整する知性こそが、真のメイク上級者の証です。
やりすぎ感を出さないように気をつける
メンズメイクで最も避けたいのが、「やりすぎ感」です。バレないメイクのコツでも触れましたが、清潔感を通り越して、不自然さや気合の入りすぎた印象を与えてしまうと、逆効果になってしまいます。
「やりすぎ感」が出てしまう主な原因は以下の通りです。
- 厚塗り: ファンデーションが分厚く、素肌感が全くない。
- 白浮き: 顔と首の色が全く違う。
- 濃すぎる眉: 描いたラインがくっきりしすぎている、色が濃すぎる。
- 不自然なアイメイク: アイラインが太すぎる、アイシャドウの色が派手すぎる。
- わざとらしい涙袋: 影のラインが濃すぎてクマに見える、ハイライトが白く浮いている。
- 過度なシェーディング: 顔の側面が不自然に暗くなっている。
これらの失敗を防ぐためには、以下のことを常に意識しましょう。
- 明るい場所でメイクする: 暗い場所でメイクをすると、無意識のうちに色が濃くなりがちです。できるだけ自然光が入る明るい窓際などでメイクをするのが理想です。
- 鏡から離れてチェックする: 手鏡だけでメイクをしていると、細部ばかりに気を取られ、全体のバランスを見失いがちです。工程ごとに、少し鏡から離れて顔全体が映る鏡で、不自然な部分がないかを確認する習慣をつけましょう。
- 第三者の意見を聞く: もし可能であれば、家族や親しい友人など、信頼できる人に「不自然じゃない?」と客観的な意見を求めてみるのも良い方法です。
- 「物足りない」がベスト: 何度も言いますが、自分で「完璧!」と思うメイクは、他人から見ると「やりすぎ」であることが多いです。「もう少し足したいな」と思うくらいでやめておくのが、ちょうど良いさじ加減です。
メンズメイクは、あくまで主役であるあなた自身を引き立てるための脇役です。メイクが主役にならないように、常に引き算の美学を忘れずに、さりげなく好印象を底上げするツールとして賢く活用しましょう。
おすすめのメンズコスメブランド&購入場所
「メンズメイクを始めたいけれど、どこで何を買えばいいの?」これは初心者が最初にぶつかる壁です。ここでは、メンズコスメが購入できる主な場所と、初心者でも安心して使えるおすすめのブランドを具体的に紹介します。
メンズコスメはどこで買える?
かつては限られた場所でしか手に入らなかったメンズコスメですが、現在では様々な場所で購入できます。それぞれの場所にメリット・デメリットがあるので、自分のスタイルに合った購入場所を見つけましょう。
ドラッグストア・バラエティショップ
マツモトキヨシやウエルシアなどのドラッグストア、ロフトやプラザなどのバラエティショップは、メンズコスメ初心者が最も気軽に立ち寄れる場所です。
- メリット:
- 手軽さ: 全国各地に店舗があり、仕事帰りや買い物のついでに気軽に立ち寄れます。
- 価格帯: 比較的手頃な価格のブランドが多く、初めてのアイテムを試しやすいです。
- テスターが豊富: 多くの商品にテスターが用意されており、実際に色味やテクスチャーを自分の肌で試してから購入できます。
- 周りの目が気になりにくい: 女性客も多く、化粧品フロアに男性がいても目立ちにくいため、心理的なハードルが低いです。
- デメリット:
- 専門的なアドバイスは受けにくい: 基本的にセルフサービスなので、店員さんに詳しい商品説明やメイクのアドバイスを求めるのは難しい場合があります。
- 品揃えの限界: デパートコスメのような高級ブランドや、専門的なアイテムの取り扱いは少ない傾向にあります。
初心者の方は、まずドラッグストアやバラエティショップで、BBクリームやアイブロウなど基本的なアイテムを試してみるのがおすすめです。
デパートのコスメカウンター
伊勢丹や三越、高島屋といった百貨店の1階にある化粧品フロアにも、近年メンズコスメ専門のカウンターや、ジェンダーレスに使えるブランドが増えています。
- メリット:
- 専門的なカウンセリング: 美容部員(ビューティーアドバイザー)と呼ばれる専門スタッフが常駐しており、肌診断やカウンセリングを通じて、自分にぴったりの商品を提案してくれます。
- タッチアップサービス: 実際に顔にメイクを施してもらいながら、正しい使い方やプロのテクニックを教えてもらえます。色選びの失敗が格段に減ります。
- 高品質な製品: 最新の技術が投入された、高品質で機能的な製品が揃っています。パッケージデザインもおしゃれなものが多く、所有する満足感も得られます。
- デメリット:
- 価格帯が高い: ドラッグストアコスメに比べて価格は高めです。
- 心理的なハードル: 華やかな雰囲気や、女性客が中心の空間に気後れしてしまう男性もいるかもしれません。しかし、美容部員の方々は男性客にも慣れているので、勇気を出して声をかけてみましょう。
自分に本当に合うものをじっくり選びたい方や、ワンランク上の仕上がりを求める方は、デパートのカウンターを訪れてみる価値があります。
オンラインストア
各ブランドの公式サイトや、Amazon、楽天市場、ZOZOTOWN(ZOZOCOSME)などの総合通販サイトでも、多種多様なメンズコスメが購入できます。
- メリット:
- 圧倒的な品揃え: 実店舗では取り扱いのないブランドや、海外の製品、オンライン限定商品なども手に入ります。
- 時間や場所を選ばない: 24時間いつでも、自宅にいながら買い物ができます。
- 口コミの豊富さ: 実際に商品を使ったユーザーのレビューや評価を参考にできるため、購入の際の判断材料になります。
- 比較検討が容易: 複数の商品を一覧で比較したり、価格を比べたりするのが簡単です。
- デメリット:
- 実物を試せない: 色味やテクスチャーを直接確認できないため、特にファンデーションなどの色選びで失敗するリスクがあります。
- 送料がかかる場合がある: 一定金額以上購入しないと、送料が発生することがあります。
オンラインで購入する際は、各ブランドが提供している「オンラインカウンセリング」や「色診断ツール」などを活用すると、失敗のリスクを減らすことができます。
初心者におすすめのメンズコスメブランド3選
数あるメンズコスメブランドの中から、特に初心者の方におすすめで、コンセプトや品質に定評のある3つのブランドを厳選して紹介します。
① NULL(ヌル)
NULLは、「日本人男性の肌質や肌色を研究し、開発された」ことをコンセプトに掲げる、人気のメンズコスメブランドです。特にベースメイクアイテムに定評があり、多くの男性から支持されています。
- 特徴:
- 自然な仕上がり: 「塗っている感」が出にくく、バレずに肌悩みをカバーできるナチュラルな仕上がりが魅力です。
- 日本人男性向けの色展開: 日本人男性の肌色に合わせて設計されたカラーバリエーションで、色選びに失敗しにくいです。
- 機能性の高さ: BBクリームや日焼け止めなど、UVカット効果や保湿成分が配合された高機能な製品が多いです。
- 代表的なアイテム:
- NULL BBクリーム: ブランドの看板商品。青ヒゲやクマ、ニキビ跡などを自然にカバーし、テカリを抑えてサラサラの肌をキープします。
- NULL フェイスパウダー: ベースメイクの仕上げに使うことで、マスクへの付着を防ぎ、メイクの持ちを格段に良くします。
- こんな人におすすめ: メイクをしていることをバレたくない、手軽にベースメイクを完成させたい、オンラインを中心に購入したい初心者の方。
参照:NULL公式サイト
② ORBIS Mr.(オルビス ミスター)
ORBIS Mr.は、大手化粧品会社オルビスが展開するメンズラインです。スキンケア発想に基づいて開発されており、肌に優しい処方と、男性のライフスタイルに寄り添うシンプルさが特徴です。
- 特徴:
- スキンケア発想: 全てのアイテムがスキンケアの延長線上にあり、メイクしながら肌をケアする効果が期待できます。
- シンプルなステップ: 複雑なテクニックが不要で、直感的に使えるアイテムが多く、初心者でも扱いやすいです。
- 洗練されたデザイン: 無駄を削ぎ落としたミニマルでスタイリッシュなパッケージは、部屋に置いておくだけで気分が上がります。
- 代表的なアイテム:
- ミスター ベースカラー コントローラー: 肌の赤みやくすみなどの色ムラを補正し、光の反射で毛穴や凹凸を目立たなくする化粧下地。これ一本でも肌が綺麗に見えます。
- ミスター スポットシュート コンシーラー: ニキビ跡やシミなどをピンポイントでカバーするスティックコンシーラー。男性の肌悩みに合わせた色設計がされています。
- こんな人におすすめ: スキンケアにもこだわりたい、肌への負担が少ないものを選びたい、シンプルでおしゃれなコスメが好きな方。
参照:ORBIS Mr. 公式サイト
③ FIVEISM × THREE(ファイブイズム バイ スリー)
FIVEISM × THREEは、人気コスメブランド「THREE」などを手掛ける株式会社ACROが展開する、業界でも先駆け的なメンズ総合コスメブランドです。
- 特徴:
- 豊富なラインナップ: ベースメイクから、アイシャドウ、アイライナー、リップ、ネイルカラーまで、自己表現を楽しむためのアイテムが幅広く揃っています。
- プロ品質の仕上がり: 「インディストラクティブル(既成概念を壊す)」をコンセプトに、性別や年齢にとらわれない、個性を引き出すメイクアップを提案。品質が高く、洗練された仕上がりを実現します。
- ジェンダーニュートラル: 男性だけでなく、女性も使えるスタイリッシュでユニセックスな製品が魅力です。
- 代表的なアイテム:
- ネイキッドタッチ モイスチャライザー: 化粧水・乳液・美容液・ファンデーション・日焼け止めの機能を兼ね備えた色付きの保湿液。素肌感を残しつつ、肌を健やかに見せます。
- アイブロウスティック: 眉を描くだけでなく、ウォータープルーフ処方で毛流れをキープするワックスも配合。1本で立体的な眉が完成します。
- こんな人におすすめ: 基本的なメイクから一歩進んで、様々なメイクに挑戦してみたい方、品質やブランドの世界観を重視する方、デパートでカウンセリングを受けながら選びたい方。
参照:FIVEISM × THREE 公式サイト
これらのブランドは、それぞれに異なる魅力と特徴があります。自分のなりたいイメージやライフスタイル、予算に合わせて、最適なブランドを選んでみてください。
メンズメイクに関するよくある質問(Q&A)
最後に、メンズメイクを始めるにあたって多くの方が抱く疑問や不安について、Q&A形式でお答えします。
メイクしていることがバレるのが怖いです。どうすればいい?
この不安は、メンズメイク初心者が最も抱えやすい悩みの一つです。結論から言うと、正しい方法で行えば、メイクをしていることはほとんどバレません。バレてしまうケースは、前述の「バレずに自然に仕上げるための3つのコツ」が守れていない場合がほとんどです。
恐怖心を克服し、自信を持ってメイクするためのポイントを再確認しましょう。
- マインドセットを変える: まず、「メイク=隠すもの、恥ずかしいもの」という考えから、「メイク=身だしなみ、自己肯定感を高めるツール」へと意識を変えることが大切です。髪を整えたり、綺麗な服を着たりするのと同じ、自分をより良く見せるためのポジティブな行為だと捉えましょう。
- 徹底的に「薄塗り」を意識する: 「バレたくない」なら、なおさら厚塗りは厳禁です。BBクリームはごく少量を顔の中心から薄く伸ばし、気になる部分だけをコンシーラーでカバーする「引き算のメイク」を徹底します。「完璧に隠す」のではなく、「少しだけマシに見せる」くらいの感覚が、他人から見ると最も自然です。
- 色選びに全力を注ぐ: ファンデーションやBBクリームの色が肌に合っていないと、どんなに薄く塗っても不自然に見えます。必ずフェイスラインで色を確認し、首の色と完全に馴染むものを選びましょう。
- 「バレないアイテム」から始める: いきなりファンデーションを使うのに抵抗があるなら、まずは色が付かないフェイスパウダーから始めてみましょう。皮脂を抑えるだけで肌の清潔感は格段にアップします。次に、眉を整える、色付きリップクリームで唇の血色を良くするなど、バレにくく、かつ効果の高いパーツから始めるのがおすすめです。
- 練習を重ねる: メイクもスポーツや楽器と同じで、練習すればするほどうまくなります。休日に家で練習を重ね、自分に合った量や塗り方を見つけることで、自信がつき、バレることへの恐怖心も薄れていきます。
最初は不安かもしれませんが、肌が綺麗に見える喜びや、自信が持てる感覚を一度体験すると、メイクはきっとあなたの強力な味方になります。
ニキビや肌荒れがあってもメイクして大丈夫?
ニキビや肌荒れがある時こそ、それを隠すためにメイクをしたくなる気持ちはよく分かります。基本的にはメイクをしても問題ありませんが、悪化させないためにいくつかの注意が必要です。
- 炎症がひどいニキビは避ける: 赤く腫れていたり、膿を持っていたりする炎症性のニキビの上にファンデーションなどを重ねると、刺激になったり、毛穴を塞いでさらに炎症を悪化させたりする可能性があります。そういった部分はできるだけメイクを避け、どうしても隠したい場合は、清潔な指やブラシでコンシーラーを優しく乗せる程度に留めましょう。
- 「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を選ぶ: これは、ニキビの初期段階である「コメド」ができにくいことが確認された製品の証です。全ての製品がニキビを誘発しないわけではありませんが、ニキビができやすい方は、この表示がある化粧下地やファンデーションを選ぶと安心です。
- 肌に優しい処方のものを選ぶ: 敏感肌向けのブランドや、石鹸で落とせるタイプのミネラルファンデーションなど、肌への負担が少ない製品を選ぶのも一つの手です。
- ツールを清潔に保つ: スポンジやブラシに付着した雑菌が、ニキビの原因になることもあります。メイクツールはこまめに洗浄し、常に清潔な状態で使用することを心がけましょう。
- クレンジングはいつも以上に丁寧に: 最も重要なのが、メイクを完全に落としきることです。肌荒れしている時は、肌への摩擦が少ないミルクタイプやジェルタイプのクレンジングを使い、優しく丁寧にメイクをオフしてください。
メイクをすること自体よりも、メイクを落としきれずに肌に残ってしまうことの方が、肌荒れを悪化させる大きな原因になります。正しいアイテム選びと、丁寧なクレンジングを徹底すれば、肌荒れ時でもメイクをすることは可能です。ただし、症状がひどい場合は、まず皮膚科を受診することを優先してください。
眉毛サロンにも行った方がいい?
結論から言うと、特に眉メイク初心者の方や、自分にどんな眉が似合うか分からない方には、一度眉毛サロンに行くことを強くおすすめします。
自分一人で眉を整えようとすると、「どこを剃っていいか分からない」「左右非対称になってしまった」「細くしすぎてしまった」といった失敗が起こりがちです。一度失敗すると、眉毛が生え揃うまで時間がかかり、その間ずっと気になってしまいます。
眉毛サロンを利用するメリットは数多くあります。
- プロが骨格に合った理想の眉をデザインしてくれる: プロのアイブロウリストが、あなたの骨格や筋肉のつき方、顔のパーツのバランス、なりたいイメージなどを総合的に判断し、あなたに最も似合う「黄金比」の眉をデザインしてくれます。
- 基本的な形ができるので、自己処理が楽になる: 一度サロンでベースの形を整えてもらえば、あとはその形からはみ出した部分を定期的に剃ったり抜いたりするだけで、綺麗な眉をキープできます。日々のメイクも、ガイドラインがあるので非常に楽になります。
- メイク方法のアドバイスがもらえる: 施術後に、描き足すべき部分や、アイブロウアイテムの選び方、使い方などを具体的に教えてくれるサロンも多いです。
- ワックス脱毛で綺麗が長持ちする: 多くのサロンではワックス脱毛を取り入れており、カミソリで剃るよりも次に毛が生えてくるまでの期間が長く、産毛まで綺麗に処理できるため、眉の輪郭がくっきりとします。
もちろん、費用がかかるというデメリットはありますが、自分に似合う眉の形を知るための「自己投資」と考えれば、非常に価値のある体験です。最初にプロに土台を作ってもらうことで、その後のセルフケアや眉メイクのクオリティが劇的に向上します。眉に自信がない方こそ、ぜひ一度プロの力を借りてみることを検討してみてはいかがでしょうか。